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生きている大運河・佐陀川…5

(『生きている大運河・佐陀川…4』のつづき)

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佐太橋の上から南側、上流方向を望んで。奥から手前に向かうにつれて、次第に深くなる谷間を切り開くように(まさに切り開いたのですが)、蛇行しつつ流れ来る川景色!

この両岸の山々に抱かれたような川が、現役の可航水路なのですから! 関東ではまずお目にかかれないタイプの運河風景だけに、感動もひとしおです。

115074.jpgそして嬉しくなるのが、左手、東詰に設けられた桟橋と、そこにもやうFRP和船たち。全長の半ば、山の迫る区間に達してなお、桟橋と艇が、しかもさりげなく在るこの充実感(涙)。

桟橋周りも艇も、手入れが行き届いていて、うらぶれた感じが微塵もしないのが素晴らしい。右側、鋼矢板のある部分は、コンクリートの肌がまだ新しいですね。道路が最近拡幅されたためでしょうか。

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振り返って北側、下流方向の眺め。この先でさらに山が迫っているあたり、切通しの雰囲気が濃くなってくる、水上から眺めてもまさにハイライトといってよさそうな区間。

このあたりはかつて鵜灘といい、地盤が極めて軟弱で地滑りを起こしやすく、開鑿しても一夜にして埋没してしまうため、この区間を放棄して他のルートを迂回する案も、一時は検討されたほどだったとのこと。佐陀川開鑿の中でも、もっとも難工事であったことがしのばれます。
撮影地点のMapion地図

115076.jpg目線をひゅっと吸い寄せられたのが、この民家に接して設けられた桟橋。表に回って確かめなかったのが悔やまれるのですが、このお宅、旅籠っぽい造りに見えますね。

かつては宿坊か、それに近い参詣者のための旅館だったのかも…。佐太神社の例大祭の日には、船で訪れる参詣客で賑わった桟橋かもしれないな…、などと、妄想をたくましゅうさせる外観ではあります。

115077.jpg佐太橋の下にも降りてみると、そこには伏せられた小舟が。艇庫として有効利用されているようですね。橋脚はご覧のとおり耐震補強済みで、落橋防止のチェーンもしっかりと。

帰宅後に検索してみると、何と、この工事を施工された建設会社、カナツ技研工業株式会社のブログがヒット。「耐震補強工事レポート 第一弾!『佐太橋レポート』」以下第五弾まで、工事の様子のみならず、神社の祭礼や佐陀川の歴史まで、わかりやすくレポートされています。

(25年3月16日撮影)

(『生きている大運河・佐陀川…6』につづく)

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タグ : 佐陀川