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2月10日の綾瀬川下流部…2

(『2月10日の綾瀬川下流部…1』のつづき)

114046.jpg思い切りよく、といっていいほど斜めに架けられた橋、堀切避難橋の向こうに、ご存知、堀切菖蒲水門が見えてきました。

過去に何度か登場してもらいましたが、外観の奇抜さという点では都内随一で、その割に外した感じはせず、どこか愛嬌のあるのが気に入っています。今回こちらを訪れたのは、堀切菖蒲水門に会いたくなったからでもあるのです。

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まずは近づく前に、真っ正面からいいお顔を。おお、左径間の扉体が閉じているな…。希少なシーンに出会えて、ラッキーでした。扉体の断面側、塗装されていないんですね。

近くに寄ると強烈さが際立つ堰柱たちも、この距離から眺めるとおすましして、おとなしい表情に見えます。

114048.jpg閉じている左径間の扉体をアップで。全開しているときは、円筒形にまとまっているのですが、全閉するとご覧のとおり唐竹割り。カマボコ形の2枚の扉体が上下にずれて、閉鎖時の高さを稼ぐ仕組みです。

後ろの管理橋には、赤地に白線の「進入禁止」の標識が掲げられていますね。都内の水門にしては珍しく、信号が設けられていないので、標識の旗が用意してあるのでしょう。

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ズームのゆがみで向こうの堰柱がおじぎしてしまっても、仰いで撮りたいこの角度!

朝顔の花のように広がった、水線付近からの曲線、ちょっとアゴをしゃくれたような巻上機室の下端、くりんとカールした屋根の上流側まで、何ともキャラクターの立った(?)この表情。最も魅力的な角度といっていいかもしれません。

堰柱一つ一つに、どこか顔を思わせるキャラクター性があるという意味では、行徳可動堰の堰柱に近いものを感じさせます。あっ、「進入可」の標識の旗、巻上機室右側面の、監視カメラを取り付けた張り出しに掲げられている…。扉体に貼り付けたくても、こうつるんと丸くてはとっかかりもなし、苦しいですが仕方がなかったのでしょうね。

114050.jpgほぼ真横から、水線付近を見たところ。ここだけ切り取ると、上から水面までなめらかにすぼまりゆく曲線が、まさに本船の船首そのもの。このような、船首が波をさばくようにつけた上広がりの曲面を、「フレア」と呼びますが、これがホンモノの船だったら、凌波性もさぞよかっただろうと思える形です。

もちろん、水門の機能とはほとんど関係がなく、単なる意匠上のものに過ぎないのですが、この曲線なかりせば、堀切菖蒲水門の魅力も半減していただろうことは、間違いありますまい!
撮影地点のMapion地図

(25年2月10日撮影)

(『2月10日の綾瀬川下流部…3』につづく)

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タグ : 綾瀬川堀切菖蒲水門

2月10日の綾瀬川下流部…1

(『2月10日の中川下流部…7』のつづき)

114041.jpg振り返れば、ウェーキが強烈な陽射しにギラギラと輝き、逆光に黒く沈む高架や橋の背景によく映えて、空気の冷たさを一瞬忘れさせます。

左を見れば、首都高の去った冬枯れの背割堤が、青空のみをバックに長々と横たわる、都内とは思えない「抜けた」風景の佳さ。綾瀬川下流部ならではの贅といってよい眺めです。おっと、青空だけでなくて、スカイツリーの先端がチョコンと仲間入りしていましたか。

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114043.jpgさらに進むと、両岸にもやう台船が数隻見えてきました。浚渫か、護岸の工事か、かなり上流まで点々と続いていますね。

右手をよく見ると、コンクリート堤防の手前、基礎護岸の法面の上にかぶせるような形で、テラス様の張り出しがすでに完成しているのがわかりました。遅ればせながら、ここ綾瀬川でも、河畔のテラス登場というわけでしょうか。

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114045.jpg上の写真の台船、キャタピラの付いたクレーンを凹部に載せた、いわば簡易型のクレーン船ですが、詰所やウィンドラスなどの配置もバランスよく見えて、こじんまりとした魅力がありますね。就役してまだ間がないのか、塗装もきれいです。

右の写真の岸に目をやると、こちらは鋼管矢板を打ち込んだばかりのようで、コンクリートは打たれていませんでした。どんなテラスができるのか、次回の訪問が楽しみではあります。

(25年2月10日撮影)

(『2月10日の綾瀬川下流部…2』につづく)

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タグ : 綾瀬川台船

2月10日の中川下流部…7

(『2月10日の中川下流部…6』のつづき)

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114037.jpgこちら側からはお久しぶりの中川水門。あっ、この角度から見ると、スカイツリーとツーショットになるんですね。もっとも手前に、清掃工場の煙突がかぶさってしまいますが。

この日は朔の大潮、干潮に向かう時間帯とあって、この距離からでもわかるほど、さざ波を立てて水が流れ込んできています。中川水門名物といってよいでしょう(過去ログ『中川水門の水位差』参照)。

114038.jpgそして中川・綾瀬川の合流点といえば、マルーンにスカイブルーのツートンカラーが美しい、上平井水門。

太陽にほぼ正対し、光量過多気味ではありますが、かつしかハープ橋を背に輝く4径間の扉体を眺められて、もうゴキゲン。先週のタイトルにも掲げましたが、仰いでよし、遠くから愛でてよしの格好よさ、こちらも久しぶりに堪能させていただきました。


114039.jpg合流点から、すでに綾瀬川へ進入していますが、ご容赦ください。綾瀬川の最下流部、ハープ橋の下にある繋留施設にもやうのは、通船タイプの艇「かわかぜ」。

最近塗り替えたのでしょうか、汚れも見えずキレイな船体で、よく整備されているようです。以前は「かわかぜ」の上流側に、超小型浮きドック(過去ログ『初めての綾瀬川…1』参照)がいたっけなあ。


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ハープ橋をのぞけば、これが綾瀬川の第一橋になるのでしょう。山吹色、と呼びたくなるあたたかみのある塗装が素敵な、東四ツ木避難橋。

このあたりの橋は、水平に架かっていないものがいくつかあるので、カメラのズームで生じるゆがみとあいまって、平衡感覚がおかしくなりそうな仕上がりになってしまうのが、何ともはやではあります。
撮影地点のMapion地図

(25年2月10日撮影)

(『2月10日の綾瀬川下流部…1』につづく)

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タグ : 中川綾瀬川中川水門上平井水門通船東京スカイツリー

2月10日の中川下流部…6

(『2月10日の中川下流部…5』のつづき)

114031.jpg首都高小松川線をくぐって、すぐ上流の東側に台船が2隻、うち1隻はクレーンがついています。高水敷にテラスを造っているようですね。

ここ中川下流部でも、特に東岸ではテラスがぐんぐん延伸されているようで、以前とはだいぶ様子が変わってきました。



114032.jpgそのまたすぐ上流、桟橋に2隻の艇がもやい、柵には何やら色とりどりの幟が数本。よく見てみたら、幟はすべてボートメーカーのロゴが入っていますね。

桟橋も柵も、仮設のものでない造りに見えますから、この近くにある代理店の桟橋でしょうか。荒川と平行する区間には、ほとんど繋留艇が見られないので、つい目を引かれました。

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京葉道路の新小松川橋は、上流側に平行する小松川橋とともに、桁の周りをすっかり足場で覆って、工事中のようです。銀色の覆いが陽光をキラキラ反射して、まぶしいくらい。

航行注意 足場下A.P.+7.37」…いやもう、ご注意いただかなくても、余裕のあり過ぎる桁下高ですわ! 

114034.jpg小松川橋をくぐると、しばらく橋はありません。背割堤の向こうは荒川とあって、高架下からのぞけるのは、ほとんど青空ばかり。西側だけ切り取って眺めていると、首都高と連れだって無人の枯野をゆくがごとし…。

総武線のトラスが近づいてきたところで、橋脚の間にぽつりと、スカイツリーを股のぞき。無双の高さを誇る大鉄塔も、この角度から眺めると、ちょっとかわいらしい感じですね。

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総武線のトラスをくぐりつつ見上げて。天気がよいと、道床のない鉄道橋をくぐるのが楽しくなります。射しこむ陽射しが造る影と、すき間からのぞける青空とのコントラスト! 

列車にゴオッとやられれば、首をすくめてしまいますが、それを補って余りあるカタチの面白さに、ぽかんと口を開けて見入ってしまうのです。
撮影地点のMapion地図

(25年2月10日撮影)

(『2月10日の中川下流部…7』につづく)

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タグ : 中川台船東京スカイツリー橋の裏側

2月10日の中川下流部…5

(『2月10日の中川下流部…4』のつづき)

114026.jpgというわけで、全速力のままコースに入りました。ナニカを連想させる形の(笑)紅白のパイロンを横目に、わき目もふらず…ではなく、わき目をふりながらひたすら飛ばします。

しかし、全然フルアヘッドという感じがしないなあ。振り向いて後ろを撮れれば、盛大に沸き上がる船尾波でスピード感が出てよいのですが…。おっと、すぐ目の前で、旗がちぎれんばかりにはためいているのを入れれば、少しは臨場感が出るかしら? 

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バタバタバタ…。はためく音と耳元でうなる風切り音、そして切迫感さえある、かん高いエンジンの爆音。たまにはこういう、張りつめた走りもよいものです。前にも触れましたが、エンジンの健康のためには、「回して」やらないといけないそうですから…。

水面が静穏なので、プレーニングに入ってもほとんど動揺はなし、文字どおり滑るような走りぶり。

114028.jpgカメラだけを横に向けて、競艇場の建物を一枚。まだ10時前とあってか、お客さんはいないようですね。とはいうものの、そもそも何時から始まるのか、この日が開催日なのかどうかすら、何もわかっておりませなんだ。しかし、本当にスピード感がない写真だな。

ひたすら全速で飛ばして、あっという間にコースの上流端が見えてきました。右手には、ブイを連ねたフェンスが河道中央まで延び、左手にはそれを開閉すると思しき作業船などが見られます(下写真)。

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114030.jpgフェンスを過ぎたところでスロットルを戻し、ようやく後ろを振り返ることができました。川幅は広く、フェンスとコースの距離も十分とってあるので、競艇場の建物群はすでに、小さくなっていました。警戒艇に出会ってからここまで、わずか2分足らず。

いや~、久しぶりに堪能しました! 競艇の邪魔をしてしまうわけですから、あまり嬉しそうにするのはもちろん、はばかられますが…。

徐航せよといわれこそすれ、決して全速で走れなどと指示されることのない東京の水路の、たった一つの例外! 競艇場の皆さんにはご迷惑と思いますが、そのかけがえのなさ(?)に、やはり惹かれてしまうのです。
撮影地点のMapion地図

(25年2月10日撮影)

(『2月10日の中川下流部…6』につづく)

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タグ : 中川江戸川競艇場