古賀オール見学記…3
(『古賀オール見学記…2』のつづき)
●第一工場の西端(運河側)近くまで来ると、おりしも天井クレーンが、梱包された巻取鋼板を吊り上げて移送中でした。
あっ、クレーンガーダーの裏に、「東西南北」と方角を書いた板が貼られている! イグアナクレーンにも、同様のもの(『2月18日の運河風景…2』参照)が付いていましたよね。やはり安全上、移動方向の呼び方を決めておくのは大切なことなのでしょう。

●巻取鋼板は、大きなもので一巻2~30tはあるとのこと。なるほど、クレーンの力量も構内最大で、30tと表記されています。ちなみにNo.3は15t、No.4は10tでした。
ん? このクレーンはNo.2…、No.1はどこに?
●巻取鋼板の集積が途切れたあたりには、二本のレールに乗った移送台車がありました。これが運河から荷揚げされた鋼板を受けて、工場内まで運ぶのですね。
簡単な2軸トロッコのように見えますが、大きな重量がかかるとあって造りは頑丈そのもの。軸受けも、貨車のように外側だけでなく、内側にもあって計8ヶ所で支えています。台車が載っている場所は台貫(秤)も兼ねていて、奥にもその指針が見えますね。
台車の線路が目指す先は……。

●お待ちかね、運河畔のクレーンです!
おおお、このクレーンがNo.1だったんだ! 運河のクレーンが第一号とは、これまた粋なことを…いや、冷静に考えたら、工程順に番号を割り振っただけのような…。興奮のあまり、あらぬことに妄想が及びましたが、正直このクレーンが栄えある(?)第一号だと気づいたときは、嬉しかったものです。
●さあどうぞ、とうながされて、いよいよ工場を出てクレーンの下へ。よもや、こちら側からクレーンを愛でる日が来ようとは、思ってもみなかっただけに、感動もひとしおであります。はい。
間近から仰ぐクレーンのトラスは、水面から見上げるのとまた違った、力強さと美しさが感じられました。強烈な夏の陽射しに輝く構造、じりじりと焼けて熱をおびた鉄の肌。緑濃い運河畔に、思い切りよく突き出したその威容。どれを取っても、現役の揚搭設備独特の、生き生きとした魅力にあふれていたのです。
(24年8月2日撮影)
(『古賀オール見学記…4』につづく)

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あっ、クレーンガーダーの裏に、「東西南北」と方角を書いた板が貼られている! イグアナクレーンにも、同様のもの(『2月18日の運河風景…2』参照)が付いていましたよね。やはり安全上、移動方向の呼び方を決めておくのは大切なことなのでしょう。

●巻取鋼板は、大きなもので一巻2~30tはあるとのこと。なるほど、クレーンの力量も構内最大で、30tと表記されています。ちなみにNo.3は15t、No.4は10tでした。
ん? このクレーンはNo.2…、No.1はどこに?

簡単な2軸トロッコのように見えますが、大きな重量がかかるとあって造りは頑丈そのもの。軸受けも、貨車のように外側だけでなく、内側にもあって計8ヶ所で支えています。台車が載っている場所は台貫(秤)も兼ねていて、奥にもその指針が見えますね。
台車の線路が目指す先は……。

●お待ちかね、運河畔のクレーンです!
おおお、このクレーンがNo.1だったんだ! 運河のクレーンが第一号とは、これまた粋なことを…いや、冷静に考えたら、工程順に番号を割り振っただけのような…。興奮のあまり、あらぬことに妄想が及びましたが、正直このクレーンが栄えある(?)第一号だと気づいたときは、嬉しかったものです。

間近から仰ぐクレーンのトラスは、水面から見上げるのとまた違った、力強さと美しさが感じられました。強烈な夏の陽射しに輝く構造、じりじりと焼けて熱をおびた鉄の肌。緑濃い運河畔に、思い切りよく突き出したその威容。どれを取っても、現役の揚搭設備独特の、生き生きとした魅力にあふれていたのです。
(24年8月2日撮影)
(『古賀オール見学記…4』につづく)

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タグ : 古賀オール
古賀オール見学記…2
(『古賀オール見学記…1』のつづき)

●頭上を圧するクレーンを見上げていたら、端部に光るランプの列が目に入りました。
「無線」と「高速」のランプ二つが灯っています。ははあ、遠隔操作なのかな…と思っていたら、「クレーンは地上からリモコンで動かしているんですよ」との説明が。なるほど。
●振り返って、入ってきた方(東側)を見たところ。ううむ、相変わらずピンが甘いというか、ブレ気味の写真ばかりで申しわけないです。
天井クレーンは手前がNo.3、奥が先ほど頭上を通り過ぎたNo.4の番号が振られていました。床の上には、幅広の鋼板からスリッターで加工した帯材が、鉄の肌を鈍く光らせて、巻き取られた状態で整然と並べられているのが見えますね。
●スリッターから出てきた直後の鋼板は、まるで潮汐グラフのような曲線を描いて、鋼板とは思えないしなやかさを見せています。
イヤ、鋼(ハガネ)だからこそしなやかなのか…。表面に何か引いてあるのではなく、まして錆などない、正真正銘の「鉄の生地」を目の当たりにして、改めて「キレイなものだなあ」と、惹かれるものがありました。

●各加工ラインのフィーダーは、ご覧のとおり巻取鋼板がオートローダーによって軸に装着されています。輪転印刷機の給紙部にも似た構造ですが、軸受け周りだけ見ても堅牢かつ重厚で、扱うものの重さが桁違いなのがわかりますね。
こんなに大きな鉄の塊が、芯をブレさせることなく高速で回転しているというだけでも凄い光景で、克服してきた技術的課題の多さが想われるようです。
この「巻取鋼板」という形態を採ったことにより、鋼板輸送が格段に容易になったそうですが、反面、鋼板の曲がり癖を取って、平坦にならす技術が要求されるようになったそう。古賀オールはこの点でも、業界随一の品質を誇っているのだとか。
●こちらはレベラーシャーのライン。バァン、バァンと大きな音をたてて、鋼板が連続切断されてゆく豪快な光景。刃物の取り付けられた枠の部分は、鋼板の進行に合わせて追従しつつ切断するため、振り子のような運動をするのが印象的です。
鋼板を加工する工場ということで、機械油や鉄粉にまみれた現場を想像していたのですが、意外や構内は非常にきれいで、清掃・整頓が行き届き、機械も新旧問わずさっぱりと拭きあげられ、可愛がられていることがわかりました。「キレイ」なのは、運河から見上げるクレーン群だけでなく、工場全体だったわけで、大いに納得させられたのでした。
(24年8月2日撮影)
(『古賀オール見学記…3』につづく)

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●頭上を圧するクレーンを見上げていたら、端部に光るランプの列が目に入りました。
「無線」と「高速」のランプ二つが灯っています。ははあ、遠隔操作なのかな…と思っていたら、「クレーンは地上からリモコンで動かしているんですよ」との説明が。なるほど。

天井クレーンは手前がNo.3、奥が先ほど頭上を通り過ぎたNo.4の番号が振られていました。床の上には、幅広の鋼板からスリッターで加工した帯材が、鉄の肌を鈍く光らせて、巻き取られた状態で整然と並べられているのが見えますね。

イヤ、鋼(ハガネ)だからこそしなやかなのか…。表面に何か引いてあるのではなく、まして錆などない、正真正銘の「鉄の生地」を目の当たりにして、改めて「キレイなものだなあ」と、惹かれるものがありました。

●各加工ラインのフィーダーは、ご覧のとおり巻取鋼板がオートローダーによって軸に装着されています。輪転印刷機の給紙部にも似た構造ですが、軸受け周りだけ見ても堅牢かつ重厚で、扱うものの重さが桁違いなのがわかりますね。
こんなに大きな鉄の塊が、芯をブレさせることなく高速で回転しているというだけでも凄い光景で、克服してきた技術的課題の多さが想われるようです。
この「巻取鋼板」という形態を採ったことにより、鋼板輸送が格段に容易になったそうですが、反面、鋼板の曲がり癖を取って、平坦にならす技術が要求されるようになったそう。古賀オールはこの点でも、業界随一の品質を誇っているのだとか。

鋼板を加工する工場ということで、機械油や鉄粉にまみれた現場を想像していたのですが、意外や構内は非常にきれいで、清掃・整頓が行き届き、機械も新旧問わずさっぱりと拭きあげられ、可愛がられていることがわかりました。「キレイ」なのは、運河から見上げるクレーン群だけでなく、工場全体だったわけで、大いに納得させられたのでした。
(24年8月2日撮影)
(『古賀オール見学記…3』につづく)

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