fc2ブログ

水路情報二題

東京港埠頭(株)の「水深MAP」をご存知ですか

河川を巡回し、水面をきれいにしてくれる清掃船といえば、緑色の都環境局のフネブネがおなじみですが、港湾部にはもう一つ、黄色く塗られた清掃船たちがいるのは、船好きならご存知でしょう。

東京港埠頭株式会社(東京港埠頭公社の後身)の「清海丸」船隊です。以前、過去ログ「9月5日のフネブネ…3」でも紹介したことがありますね。

この清掃船たちは、東京港域の運河群を連日くまなくめぐって浮流物を回収し、良好な可航環境を維持してくれているのですが、面白いのはその副産物として、「水深MAP」という、水深データを公開していることです。

守備範囲に浅い水域が多いせいでしょう、また水底に沈む投棄物を見つける必要もあるのでしょうか、「清海丸」船隊は測深儀(我々のいう『魚探』ですな)を装備しており、日常業務のかたわらデータをまとめて、3ヶ年計画で全域を公開する計画なのだとか。いやもう、水路好きとしてもありがたい限りで、地道な積み重ねに頭が下がります。

現在公開されているのは、まず水路の水深情報は、芝浦・京浜運河を中心とした東京港西側の運河群。水門周辺は、別途さらに詳しい水深情報を公開しており、こちらは目黒川水門から新砂水門まで、20基がアップ済みです。まだ公開されいない区間も、今後順次アップされるのでしょう。

拝見してアレ? と思ったのは、水深情報が記載された写真の方位が一定していないこと。地図などではお決まりの「北が上」が守られていないのです。これは写真の縦横比の関係上、長手方向に収めようとしたためと思われますが、慣れてしまえば判読は難しくありません。

なお、水深の単位はmで、「実測水位からAP基準水位を引いた水位を表示」とありますから、A.P.-×mが記載されていることはわかるものの、これは最初に注記がほしいものですね。

面白く思ったのは、平和島運河南端の例の干潟水路を「サジミオ」と呼んでいること。「左次澪」については以前も触れましたが、海老取川の旧称とばかり思っていたので、驚かされました。それとも、港湾関係者の間でのみ使われている通称なのかしら? このあたり、ご教示いただきたいものです。

このあたり、過去に月刊「オーシャンライフ」の連載(過去ログ『久々に川走りの記事が!』参照)でも水深情報が公開されたことがあったので、皆無というわけではなかったものの、最新の実測データが更新されるのは、まことにありがたい限り。今後ともよろしくお願いいたします!

都の防災船着場が規制緩和

これは昨年9月12日より実施されているそうで、すでにご存知の方も多いと思います。「東京都防災船着場の緊急利用ルール」と題した、A4一枚表裏に刷られたお知らせで最近知ったので、覚え書きを兼ねて改めてご紹介。

内容をかいつまむと、東京都管理の一部の船着場で、緊急時に限り事前の許可なく船がつけられ、下船が可能になったというお話です。

東京都が管理する船着場は、隅田川の明石町、新川、箱崎町、浜町、両国、桜橋、千住、荒川遊園、隅田川派川の越中島、小名木川の扇橋閘門、中川の西新小岩、新中川の新今井橋、旧江戸川の東篠崎、葛西海浜公園、葛西臨海公園です。

今回利用ができるようになったものは、うち8ヶ所。明石町、新川、箱崎町、浜町、両国、桜橋、千住、葛西臨海公園。これらの船着場にある扉を「緊急時に備えて川側から開く構造の門扉に」改め、鍵を持っていなくとも利用ができるようにしたものだそう。すでに一般に開放されている、簡易船着場の扉と同じ構造にしたのですね。

以下、お知らせに記された注意事項を転載しておきます(赤字、下線含め原文ママ)。
都建設局のサイトを見ればアップされていそうなものですが、探し方が悪いのか見つかりませんでした。ご存知の方、ご教示いただければ幸いです。なお、問い合わせ先は、東京都建設局河川部指導調整課となっていました。

1 緊急利用が認められる場合
 急病人対応や津波からの乗客の避難など、緊急時の乗客の下船に限って利用することができます。(原則として、乗船は不可

2 利用の際の注意事項
  ①緊急時以外は、立ち入りをしないこと。
  ②使用する際は、自己の責任において、安全に十分注意して利用すること。
  ③緊急対応に必要な最小限度の時間以上は、停泊しないこと。
  ④利用停泊中は、船長は船または船着場から離れないこと。
  ⑤使用後は、扉を確実に閉めること。
  ⑥震災発生後に区の運営管理に移った場合には、区の指示に従うこと。

 なお、緊急利用の場合であっても、河川管理者が防災船着場を使用するときには、現場で別途指示することがあります。


禁止する行為
救命救急などの緊急目的以外の利用や立ち入りなど。
 例えば
  ・緊急時でないのに、乗客を下船させる。
  ・乗客や物を船舶に乗せる。
  ・上陸して一時的な用事を済ませるなど。
②緊急対応に必要な最小限度の時間を越えた停泊
③船長が下船した状態での船の停泊・放置
④門扉を閉めずに放置すること(門扉にものをはさむなど)
⑤震災等により、防災船着場が明らかに損傷している状況下での利用
⑥門扉、錠、ポンツーン等を故意に損傷させる行為

*  門扉が開いていることを確認した時は、直ちに扉を閉めて施錠します。
** 不正な利用を行った利用者に対しては、平常時利用を行っている越中島・明石町の各防災船着場の利用を認めない場合があります。


一読しておわかりのように、どちらかというと船宿などの、業務船に向けた規制緩和というべきものです。しかし、プレジャーなど一般の艇とて、これらの船着場に達着せざるを得ない緊急事態に、遭遇しないとはいいきれませんから、まず頭に入れておいて損はないでしょう。

何よりこれら8ヶ所は、東京水辺ラインの寄港地になっているところがほとんどですので、平時に長時間もやうことは、文中で念を押さずとも、ほぼ不可能といってよいでしょう。船着場の指定にあたっては、そのあたりも考えに入っているのかもしれませんね。


にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : 水深MAP東京港埠頭株式会社防災船着場清掃船

鯛の浦遊覧船…4

(『鯛の浦遊覧船…3』のつづき)

84041.jpg内浦湾沿岸の風景を眺めながら、船は東岸に沿って湾奥へ進み、いよいよメインイベントの鯛の餌付けへ。

以前三浦半島の三崎港でも、同様の魚の餌付けをする遊覧船に乗ったことがあります。その船はいわゆるグラスボートで、水中から群がる魚の姿を楽しめたことから、今回のように船上からではどうだろう、と思っていたのですが…。

84042.jpg
決められた水面に船が停まると、間なしに鯛たちが銀色の背を水面にひらめかせて集まってきました。船頭さんが甲板上から餌をまくと、バシャバシャと時には水上まで跳ね上がってまで、身をくねらせて餌を奪い合うのです。

いや、その可愛らしいことったら! あまり魚を可愛いと思ったことはないのですが、それこそ手からでも直接餌を食べそうな、ハトやスズメのように人慣れしたさまが感じられて、面白く見入ってしまいました。

84043.jpg心配していた船上からの視界も、ご覧のとおり透きとおった水質のよさも手伝って、鱗の模様まで観察できるほどでした。

日蓮さんの故事以来、食糧事情の悪かった戦時中も鯛を保護し続けた、地元の方々の累代に渡る愛情のたまものですね。もちろん今でも、鯛を捕ることは厳しく禁じられているそうです。


84044.jpg鯛の餌付けを楽しんだ後、後部甲板に上がってみました。操舵室の船頭さんたちを後ろから一枚。お揃いの、真っ赤な鯛の絵柄を染め抜いた法被が素敵ですね。

コンソールの中央には、真新しいお榊を挿した神棚が見えました。遊覧船で神棚を見たのは、これが初めてのような…。しかも船の規模から考えると立派なもので、信仰の篤さを見た思いがしたものです。


84045.jpg
帰港後、船着場の目の前にあるスロープに上架されていた、もう一隻の遊覧船「第五妙の浦丸」を撮ってみました。操舵室側面に、「旅客定員64名」とあります。

ちなみに私が乗った船は「第二十一妙の浦丸」、最大搭載人員60名、うち旅客55名、19総tで、これより少し小型なのですね。

(23年6月6日撮影)

(この項おわり)

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : 鯛の浦遊覧船

日経流通新聞のゲートブリッジ特集

昨年5月にもお世話になった日経流通新聞(日経MJ)より、再度お声がけいただいて、本日掲載誌が送られてきました。2月12日発行号、最終16面の上半分のうち、4段を割いたそれに大書きされた「恐竜橋 武骨な魅力『男前』」と渋めのタイトル。ご想像どおり、ゲートブリッジの特集記事です。

昨年来、なぜか日経さんにご縁があるのですが、ご担当同士示し合わせてこうなったわけではなく、単なる偶然のようですね。ともあれ、ありがたいことであります。

記事は、ゲートブリッジを「渡ってみる」「くぐってみる」「眺めてみる」と、3つ角度からの楽しみ方を紹介するというもの。

さる2月4日のランニング大会の参加者へのインタビューから、橋をコースに組み込んだバスツアー、下をくぐる東京港のレストラン・クルーズ船のランチクルーズなど、開通前後の盛り上がりぶりを伝えています。

船頭にお座敷がかかったのは、浜出し風景など建設途上の写真と、本文「眺めてみる」「くぐってみる」のパートです。おこがましくもトラスの魅力なぞ得々と語っており、お恥ずかしい限り。

のみならず、「くぐってみる」の冒頭で「橋は渡るだけでなく、くぐるためのものでもある」なる持論(でもなんでもない)まで紹介され、汗顔の至りでありますです。まあ、可航水路が徘徊範囲とくれば、当たり前といえば当たり前過ぎることなのですが、あるいは違った視点として、記者殿には新鮮に感じられたのかも…と、ひとりごちております。


にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : 日経流通新聞東京港臨海大橋東京ゲートブリッジ

ゲートブリッジを眺めて5年

86013.jpgさる12日に開通した東京ゲートブリッジ…、仮称である「東京港臨海大橋」の方に長く接しているものですから、まだちょっと馴染めない感じがするのですが、まずは無事の竣工をお祝い申し上げます。すでに新しい臨海部の名所として、大いに賑わっているようですね。

優美な吊橋や斜張橋が目立つ長大橋の世界で、私好みの武骨なトラスを主体としたこともあり、またホームグラウンドである運河地帯の、目と鼻の先で展開されるスペクタクルの数々に惹かれて、橋脚の立ち上げからたびたび訪ねたものでした。

以下、すでにご覧に入れたものばかりで、しかも見どころの多かった21年に集中しているのが痛いところではありますが、出会ってから竣工までの写真を並べ、悦に入ってみたいと思います。なお、初出記事は各写真の下にリンクしましたので、ご参照ください。

「続きを読む」をクリックしてご覧ください

続きを読む »

タグ : 東京港臨海大橋東京ゲートブリッジ東京港クレーン船

鯛の浦遊覧船…3

(『鯛の浦遊覧船…2』のつづき)

84036.jpg自分を含め7名が乗船し、内浦湾の沖へ向けて出港。船室内はちょっと懐かしくなるような内装ですが、くたびれた感じはせず、清潔な印象。よく手入れされているのでしょう。

椅子の配置は、両舷側に沿ったもの、中央に半分ずつ対面したものと、全てロングシート。前方の視界が限られるため、予想通り眺望はいま一つですが、お客さんたちはロングシートに立て膝をして、思い思いに眺めを楽しんでいました。

84037.jpg出港直後に振り返った、展示館と乗り場の建物。「鯛の浦」のロゴが貼られた上の窓が、先ほど船の入港を眺めた展望室です。

山が迫るわずかな平地にホテルなどビル群がひしめき、展示館の建物はちょうど岩場に張り出したような格好で建てられています。波返しのある防波堤が設けられているところを見ると、あるいはここも波に叩かれるときがあるのかもしれません。

84038.jpg

84039.jpg船はまず内浦湾をぐんぐん沖へ向かい、湾口近くまで達したところで東岸へ舵を切ります。海況は穏やかでしたが、やはり沖へ出るとわずかながらうねりがあり、船はゆっくりとローリングを始めました。

上の写真は小弁天島、緑をかむった荒々しい岩場に、赤い鳥居がポツリとよいアクセントになっていて、箱庭のようです。東岸には磯をなぞった遊歩道が設けられており、昭和48年に、昭和天皇と香淳皇后が行幸された際の記念碑もあるとか(コースについては、『遊覧船コースと周辺の景色』参照)。

84040.jpg
外を眺めている側窓は、一枚の落としこみ窓なのですが、そのロック機構(?)が独特で気に入ってしまいました。テコを上に半回転するとシューが窓に向かって前進し、窓枠を押さえつける仕組みになっているのです。

窓枠はスプリングかバランスウェイトが仕込まれているのでしょう、ロックしなくても均衡して留まるようになっているのですが、よりしっかり固定するためと、全閉時の水密も考えられているのだと思われます。


(23年6月6日撮影)

(『鯛の浦遊覧船…4』につづく)

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : 鯛の浦遊覧船