萬右衛門川の面影…4
(『萬右衛門川の面影…3』のつづき)
●裏面に足場があったのを幸い、新川排水樋管の上に登ってみました。ご覧のとおり動力のたぐいは一切見られない簡素な構造で、恐らくギヤボックスにテコなどを差し入れて、ギッコ、ギッコとラチェットでラックを巻き上げる仕組みと思われます。
動力なし、しかも機側操作とくれば、昨年の地震による津波が襲った際には、駆けつけてゲートを閉めるなど、とてもできなかったことでしょう。
東京でも、津波の来襲を防ぐことができたのは、ほとんどの水門が遠隔操作化されていたからで、一部残っていた機側操作の水門では、交通麻痺などで現地にたどりつけず、津波の侵入を許してしまったことが思い出されます。
●河畔に降りて、ゲートの正面をと思ったのですが、やはり目を奪われてしまうのが、震災と津波の爪痕です。
護岸はひび割れて波打ち、内側の地表も大きく陥没して、道路沿いには高々と土嚢が積み上げられ、被害の大きさを物語っていました。4年前、この少し上流から撮った写真が、過去ログ「那珂湊には…」に載せてありますが、その変貌ぶりに言葉もありません。

●新川排水樋管のゲートを眺めて。扉体はほぼ閉じられているようでしたが、先ほどうねりが入ってきたのを見たとおり、水の出入りはあるので、細めには開いているのでしょう。
しかし、ゲート背後のそれは波返しの曲面が見られることからも、樋門の一部というより、やはり堤防としか思えません。なぜ樋門の部分だけ堤防を高めたのか、謎ではあります。
●ゲート左手には、排水機場の排水管がまるで竹やりのように中空へ突き出しており、少々剣呑な雰囲気。
樋門周りは、さすがに基礎がしっかり造られているのか、傾きやクラックはまったく見られませんでしたが、隣接する堤防は肩を落としたように陥没し、排水管の立ち上がりも床が浮いて、一歩踏み出すのも難渋するような状況です。
●ズームでぐっとたぐり寄せ、国道245号線・湊大橋を遠望。今回もこの橋を渡って那珂湊入りしたのですが、すぐ上流では新しい橋の工事をしているのが見られ、架け替えも近いことが感じられました。
「湊大橋」(茨城県土木部 水戸土木事務所)によると、湊大橋は昭和27年竣工で、渋滞の原因となっていることや、歩道がないなどの理由から架け替えを進めているとのこと。この美しい下路ランガートラスの姿が拝めるのも、もうあとわずかのようですね。
【撮影地点のMapion地図】
(24年1月2日撮影)
(『萬右衛門川の面影…5』につづく)

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動力なし、しかも機側操作とくれば、昨年の地震による津波が襲った際には、駆けつけてゲートを閉めるなど、とてもできなかったことでしょう。
東京でも、津波の来襲を防ぐことができたのは、ほとんどの水門が遠隔操作化されていたからで、一部残っていた機側操作の水門では、交通麻痺などで現地にたどりつけず、津波の侵入を許してしまったことが思い出されます。

護岸はひび割れて波打ち、内側の地表も大きく陥没して、道路沿いには高々と土嚢が積み上げられ、被害の大きさを物語っていました。4年前、この少し上流から撮った写真が、過去ログ「那珂湊には…」に載せてありますが、その変貌ぶりに言葉もありません。

●新川排水樋管のゲートを眺めて。扉体はほぼ閉じられているようでしたが、先ほどうねりが入ってきたのを見たとおり、水の出入りはあるので、細めには開いているのでしょう。
しかし、ゲート背後のそれは波返しの曲面が見られることからも、樋門の一部というより、やはり堤防としか思えません。なぜ樋門の部分だけ堤防を高めたのか、謎ではあります。

樋門周りは、さすがに基礎がしっかり造られているのか、傾きやクラックはまったく見られませんでしたが、隣接する堤防は肩を落としたように陥没し、排水管の立ち上がりも床が浮いて、一歩踏み出すのも難渋するような状況です。

「湊大橋」(茨城県土木部 水戸土木事務所)によると、湊大橋は昭和27年竣工で、渋滞の原因となっていることや、歩道がないなどの理由から架け替えを進めているとのこと。この美しい下路ランガートラスの姿が拝めるのも、もうあとわずかのようですね。
【撮影地点のMapion地図】
(24年1月2日撮影)
(『萬右衛門川の面影…5』につづく)

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