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水路をゆく・第二運河 23年4~6月のご案内



【ご案内】
水路をゆく・第二運河にようこそ!
モーターボートなのになぜか艪がついている、全長わずか21ft(約6m)の木っ端ブネに乗る道楽船頭は、川や運河をうろつくのが大好き。いにしえの水運全盛期に思いを馳せつつ、閘門・水門や橋、フネブネの姿を楽しみながら、各地の水辺や博物館、遊覧船を訪ね歩くブログです。東京とその近郊にある可航水路の、全線ご紹介を目指しています。

幅192ピクセルの小さい画像は、クリックすると別窓で拡大表示できます。
当ブログ掲載の本文、画像の無断使用はご遠慮ください。
いただいたコメントは、承認後の表示となります。
各記事と関連のないコメントは、できれば、この「ご案内」のコメント欄にお願いいたします。
ボートオーナーの方へ…当ブログに掲載された水路を航行され、事故を起こされても、管理人は責任を負いかねますので、航行にあたっては、各艇長の責任で安全航行をお願いいたします。

当ブログは、Doblog「水路をゆく」の姉妹編として、20年4月6日に開設、「航行水路メモ」を主な記事にしてまいりましたが、21年2月8日以降、Doblogに障害が発生、更新が不可能になったため、本文記事をこちらで継続することとなりました。
なお、閉鎖されたDoblog「水路をゆく」の記事は、FC2ブログ「水路をゆく 過去ログ」に移設しました。

【更新履歴】
【6月25日更新】タイトルバック画像を更新しました。荒川、葛西橋です。23年5月14日撮影。
【6月23日更新】奈良ドリームランドの『通運丸』」に追記しました。
【6月19日更新】タイトルバック画像を更新しました。香取付近の利根川を順風帆走する高瀬舟です。下に同じく、絵葉書より部分拡大したもの。
【6月10日更新】タイトルバック画像を更新しました。常陸利根川、潮来付近を航行する川蒸気船・通運丸(号数不明)の雄姿! 大正中期~昭和初期の絵葉書より部分拡大したもの。「川蒸気の絵葉書二題」参照。
【6月4日更新】タイトルバック画像を更新しました。旧中川、平成橋です。23年5月14日撮影。
【5月29日更新】極小閘門づくし」の加藤洲閘門の項に追記しました。
【5月27日更新】タイトルバック画像を更新しました。埼玉県幸手市、中川にある権現堂堰です。23年5月4日撮影。
【5月21日更新】タイトルバック画像を更新しました。新左衛門川新島付近、両岸にテラスのある区間です。23年5月2日撮影。
【5月14日更新】タイトルバック画像を更新しました。水郷十六島、加藤洲十二橋のある新左衛門川の南口付近です。23年5月2日撮影。
【5月5日更新】タイトルバック画像を更新しました。大横川、三石橋付近から北を見たところです。23年4月10日撮影。
【4月29日更新】タイトルバック画像を更新しました。仙台堀川、崎川橋です。23年4月10日撮影。
【4月22日更新】タイトルバック画像を更新しました。東雲運河、東雲水門のセクターゲート操作室です。23年4月10日撮影。
【4月15日更新】タイトルバック画像を更新しました。本日4月15日から日の出~船の科学館に就航した、両備ホールディングス所有の御座船型観光船・安宅丸です。23年4月10日撮影。
【4月7日更新】タイトルバック画像を更新しました。東京ゲートブリッジ(東京港臨海大橋)をくぐる本船です。23年4月2日撮影。
【4月1日更新】タイトルバック画像を更新しました。若洲公園から見た、東京ゲートブリッジ(東京港臨海大橋)と第三航路です。23年3月13日撮影。

「高瀬舟さかい丸」に乗って…2

(『「高瀬舟さかい丸」に乗って…1』のつづき)

60076.jpg船着場の柵に掲げられていたご案内。渇水期は運休するとはいえ1日4便があり、定休日の月曜以外は、平日もきちんと運行されているあたりが素晴らしい。航路の正式名称は「境の渡し周遊航路」というのですね。なるほど、高瀬舟というよりは、かつてあった渡船の雰囲気が味わえそうでもあります。

ちなみに境町の公式サイト内にある「高瀬舟さかい丸」によると、艇の全長は13.4m、重さ4.2t、定員45名だそうです。

60077.jpg先客にお詫びしつつバタバタと飛び乗ると、間なしにもやいが解かれて上流に向かい出航。写真は後ろを振り返ったところで、船着場とその奥の境大橋が、操舵室越しに遠ざかってゆきます。

ちなみに船着場のすぐ下流には、「さかい丸」の上架設備なのか、立派なスロープがあり、PWCが盛んに出入りしていました。先ほど関宿で見たPWCも、ここから来たのでしょう。駐車場完備で東京のようにうるさくないとなれば、PWCの皆さんにとっては、格好のゲレンデなのかもしれませんね。

60078.jpgテープでの説明によると、この先しばらく澪筋が限られるので、左右に舵を転じつつ進むとのこと。障害物のワッチでしょうか、船頭さんの一人は舳先に立って前方をにらんでいます。このあたりの舟航路としての厳しさが、伝わってくるようでした。

左舷に座ったので、何とはなしに千葉県側を見ていたら、岸近くから河道の半分くらいまででしょうか、広大な砂洲が広がっているのが目に入りました(下写真)。これでは茨城県側の岸に寄せてギリギリを走るのも、無理はありません。

60079.jpg

60080.jpgふと気になったのが、木張りの甲板上のちょうど真ん中あたりにぽこり、と出っ張っていたコレ。四角い穴のあいた板状のものが取りつけられています。

あ、と思い当るものがありました。以前、どこかは思い出せないのですが、「さかい丸」を採り上げたサイトで、ダミーの帆を掲げていたのを見たことがあったからです。ホンモノの和船では「守」と呼ばれた、帆柱の基部ですね。ダミーでもいいから、オーニングを外して帆を掲げた晴れ姿、見てみたくなりました。


(23年5月4日撮影)

(『「高瀬舟さかい丸」に乗って…3』につづく)

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タグ : 高瀬舟さかい丸利根川

「高瀬舟さかい丸」に乗って…1

(『関宿再訪…8』のつづき)

60071.jpg関宿再訪のもう一つの目的が、利根川を挟んだ対岸にある境町から出ている遊覧船、「高瀬舟さかい丸」に乗ること。写真は関宿城博物館の展望室から、ガラス越しに見た「さかい丸」ですが、まさに指呼の間。堤防のすぐ向こうには、境の古そうな街並みも見えますね。

境は佐原や木下同様、かつての河港街で、河川改修以前は、利根川~江戸川間を結ぶ逆川の分流点にあり、街道が通っていたこともあって、物資の集散地として賑わった歴史を持っています。

60072.jpg関宿から一旦下流側に下って、県道17号線境大橋で利根川を渡り、「道の駅さかい」の前を過ぎてから国道354号線に入って、上流側へ向かうと、堤防沿いに「境河岸乗船場 高瀬舟乗船場入口」の看板が見えてきました。

かつての「内川回し」華やかなりしころに栄えた、旧河港街は沿岸にあまたありますが、短距離とはいえ、本流をめぐる遊覧船を正式な定期便(ここ重要)として運航しているのは、境町だけです。「河岸の街」としての誇りと矜持、ここにありといったところでしょうか。

60073.jpg堤防を越えて高水敷に下りると、周囲は公園として整備されており、駐車場も未舗装ながら広く、バーベキューや釣りを楽しむ人々の姿も多く見られました。法面には立派な幅広い階段があり、腰を下ろして川面を眺めたくなります。

階段から続く遊歩道には、「高瀬舟さかい丸」ののぼりがズラリ。これなら初めて来ても間違えっこありません。さて、肝心の舟は…。

60074.jpg
真正面、ポンツン桟橋に横付け中。実は、関宿でゆっくりし過ぎ、ここに着いたのは出航時刻ギリギリ。すでにたくさんのお客さんが乗られて、もやいを解こうというところで声をかけ、何とか飛び込んだというお恥ずかしい次第。

というわけで、写真は到着後のものです。

60075.jpgまあ、ご覧のとおりホンモノの高瀬舟とはもう程遠いカタチで、これも一種の「コレジャナイ系」遊覧船(『コレジャナイ安宅丸!』参照)ともいえるのですが、予約なしで乗れるありがたさと、利根本流を船行きできる嬉しさにまずいうことなし。無粋なことは申しますまいよ。

写真は上同様下船後、後から来た子どもたちがのぞきこんで「もう終りなの?」とガッカリしている様子。私の乗った便が、本日の最終便だったのでした。
撮影地点のMapion地図


(23年5月4日撮影)

(『「高瀬舟さかい丸」に乗って…2』につづく)

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タグ : 高瀬舟さかい丸利根川

関宿再訪…8

(『関宿再訪…7』のつづき)

60066.jpg
せっかく水際まで下りてきたので、浚渫船のアップを。スローガンを掲げていろいろと主張してはくれるのですが、肝心の船名がどこに書いてあるのかはわかりませんでした。

キャブ横には建設会社の名前と、「01-407」なるナンバープレートが掲げられていたので、建機扱いなのかもしれませんね。

60067.jpgそして気になったのが、桟橋につないであった足舟です。17年6月に訪れたときは、木製のベカサッパっぽい、いかにもそそる端舟(右)がもやってあったのですが、今回見てみたら、FRP製(左)に替えられていました。

さすがに繋ぎっぱなしで、腐朽したのでしょうか。こちらも何だか舳先をタテイタ風にして、味のある形をしていますね。

60068.jpg帰ろうと土手の上に登ったら、上流から一隻のPWCが走って来ました。ターンしたと思う間もなく、後ろに乗っていた一人がボチャンと落水。

心配になって見守っていたら、落ちた人が泳ぎつつ「ここ、意外と流れが速いなあ」とのご意見が。艇長曰く「当たり前だろ、そこに水門があるんだから!」。落水した人、水門を振り返ってギョッとした顔で絶句、慌てて艇の上に這い上がっていました。イヤ、いわれるまで目の前の水門に気づかなかったのかと(笑)。
ともあれ、吸い込まれたりしなくて何よりでした。

60069.jpg

60070.jpgさて、ふたたび閘門と水門の上を渡り、博物館に戻るとしましょう。実は、この後もうひとつ、お楽しみが待っているのです。

右の写真はオマケ。関宿城博物館の瓦の上で、ふくふくと羽をゆるめてくつろぐスズメさん。ちょうど巣作りの時期に当たり、博物館の瓦のそこここから、忙しそうに出入りするスズメの姿が見られました。


(23年5月4日撮影)

(『「高瀬舟さかい丸」に乗って…1』につづく)

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タグ : 関宿水閘門浚渫船江戸川

関宿再訪…7

(『関宿再訪…6』のつづき)

60061.jpg閘室横を戻って、上流側から眺めてみることにしました。閘室近くの法面は、時々手入れをされているようですが、いったん水門のエリアから外れると、とたんに草深くなります。

下の写真は、背割堤の先端部。丸く成形された法面が、その形のとおりの波紋を上流に向かって広げているのが見えます。のどかな眺めですが、もし艇で近づいたら水流にスーッと吸い込まれると思うと、恐ろしい感じもしますね。

60062.jpg

60063.jpg前回訪問時同様、浚渫船のもやうあたりの法面に下りて、閘門正面から狙ってみることに。後ろに続くのは、浚渫船が水と一緒に吸い込んだ泥を送るパイプで、フロートで浮くように造られています。使用時は何組かを連結して用いるのでしょう。

船尾に二本あるスパッドを、おそらく下ろして河底に突き刺しているとはいえ、もやい1本ではどうも吸い込まれてしまいそうで、心もとない感じがしますね。増水時などは、どうしているのでしょうか?

60064.jpg水閘門の全体がなんとか、ギリギリ収まりました。やはり水面からの見上げる目線で眺めると、印象がだいぶ違ってきます。

ちなみにプレ水門図鑑「鋼製ゲート百選」(技報堂出版)によると、水門は8径間、寸法は径間8.54m・扉高4.7m、閘門は径間4.915m・扉高8.54mとのこと。竣工時の水門の扉体型式は、三栖閘門(『三栖閘門…1』ほか参照)と同じストーニーゲートでした。

60065.jpg
閘門をズームでぐっと寄せて一枚。落差に立つさざ波から閘室、ゲートの向こう側までが一望できます。背割堤の下流側には、だいぶ大きな木が生えて、航路の半分くらいを覆ってしまっていますね。
撮影地点のMapion地図

(23年5月4日撮影)

(『関宿再訪…8』につづく)

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タグ : 関宿水閘門閘門江戸川