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茂森橋のディテール…2

(『茂森橋のディテール…1』のつづき)

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歩道橋中央から茂森橋と、葛西橋通り東方を望んだところ。茂森橋の鋼桁部分の継目を見てもわかるように、大横川の流路は道に対して、はすに通っているのが見て取れます。

47007.jpg歩道橋を降りて、北側から堪能してゆきましょう。
西詰の親柱近影。柵と枯れ木で隠されてよく見えませんが、銘板は漢字で「茂森橋」とあります。銘板についても、おやと思うところがあったのですが、それは後ほどまとめて。

親柱の頂部、笠石とでもいうのでしょうか、周囲を下見板状に三段に彫り込んだ石(なのか、コンクリートのかたまりなのか)が載せられていますが、何かがぶつかったのか、手前側が無残にもごっそり欠けてしまっていました。

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高欄と歩道を西側から見たところ。ラーメン橋台の路面は、橋詰から中央の鋼桁に向かって上り勾配をつけてあり、また鋼桁部分の路面も、それに合わせてゆるく反りを持たせてあるのがわかります。

左に見える水管橋は、ご覧のとおりちょうど歩行者の目の高さを渡っていて、川面への眺望がほとんどゼロに等しいのがなんとも。これがなければ、仙台堀川との丁字流と、大栄橋がおりなす美しい水路風景が楽しめるのですが。

47009.jpg西詰ラーメン橋台の高欄をアップで。高欄が崩壊しかかっていて、番線で補修されていることは「茂森橋哀歌…1」でも紹介しましたが、ここの高欄が、4か所の中でもっとも状態が悪いもの。

右手の2連はコンクリート部分が後年の補修によるものらしく、むしろこの部分の方が劣化が激しいのは皮肉ですが、気になるのは中央下の帯金が、内側に向かって曲がっていること。もしかしたら、船舶の衝突か何かがあって、この部分を補修したのかもしれません。

47010.jpg鋼桁部の高欄は8連、I型鋼の柱の間に、帯金を溶接組みした中桟を、上からはめ込んでリベット留めした構造。まったく装飾性のないシンプルなものですが、それだけに破損もなく、ラーメン橋台の高欄に見られる悲惨さ(?)とは正反対の雰囲気です。

現存する震災復興橋でも、高欄は最近になって手が入り、現代風にされてしまっている例が多いので、原形をとどめているだけでも貴重に思えるのです。


(22年12月5日撮影)

(『茂森橋のディテール…3』につづく)

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タグ : 茂森橋最低橋