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茂森橋のディテール…4

(『茂森橋のディテール…3』のつづき)

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「茂森橋際歩道橋」をふたたび渡って、南側の西詰に戻ってきました。こちらの橋詰もまた、配電函と蔦のからまるフェンスが間近に迫り、親柱が窮屈そうに顔をのぞかせています。

銘板はご覧のとおり「しげもりはし」。平仮名と漢字の銘板が、北側とはちょうど反対の配置になっているのですね。

47017.jpg西詰テラスの終端から、二本の水管橋をアップで。
こちらは北側の水管橋よりだいぶ前に架設されたものらしく、橋台の前に橋脚を立てて、少しいびつに湾曲した形で渡っています。

橋脚も表面が風化して、これはこれで味はあるのですが、本当に何とかならなかったのかと思うくらい、眺望的には目ざわりな位置に架けられているので、橋の方をひいきするこちらとしては、棒でつついてやりたいような気持になります。

47018.jpgテラスから見た、西詰橋台の下流側側面。表面の剥離は、こちらの方がひどいですが、流れの関係か、アーチの縁にある衝突痕(?)は少ないようですね。

テラスは本来の護岸から前進して、河道を狭めるような形で造られたので、橋台のぎりぎりまでテラスが迫り、水管橋の橋脚があるのもあいまって、水がよどんでしまうのは致し方のないところです。

47019.jpg西岸下流側から少し引いて。こちら側は、すり抜け時でおなじみですが、光線に恵まれやすい南側が、橋台をテラスで隠されて、橋の全貌のよい写真が撮れないのは、茂森橋愛好者にとってまことに歯がゆいところ。

とはいうものの、このイイ塩梅な水路の狭さには、ワクワクしてしまう嗜好も持ち合わせているので、難しいところではあります、はい。

47020.jpg東側のテラスから見てみよう…と思ったら、入口が閉まっています。注意書きを読むと、「都道(車)からの死角となり危険なため閉鎖中 ←豊木橋(出入口あり)」ははあ。

向こうに出入口があるということは、ここから出入りできないというだけで、入ってはいけないのではないと勝手に判断。ちょっと失礼して、入らせていただきます。


(22年12月5日撮影)

(『茂森橋のディテール…5』につづく)

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タグ : 茂森橋最低橋

茂森橋のディテール…3

(『茂森橋のディテール…2』のつづき)

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東側ラーメン橋台の高欄を、低い目線から。番線の巻き方、ヒビの入り具合と欠落、番線から染み出した赤錆と錆垂れ…ひゅうひゅうと北風の音がするような、寂寥感あふれるディテール。

写真奥、鋼桁を挟んだ位置にある、「第二の親柱」ともいうべき柱は、鋼桁橋のラーメン橋台橋独特のものですが、こちらの「笠石」は親柱と違い、下見板状の刻みが2段になっています。

47012.jpg
東側の親柱の銘板は「しげもりはし」と平仮名。過去ログ「東雲運河…2」でも触れましたが、橋名を読みのとおり「~ばし」と濁らず、「はし」と表記する伝統があり、ここもその例に漏れていません。

ちなみに茂森橋の名は、昭和6(1931)年まであった茂森町(明治44年まで『深川茂森町』)から採られたもので、元禄16(1703)年に起立した由緒ある町名でした。
茂森の地名は一説によると、この地に邸宅を構えていた材木商・数井家の敷地に茂っていた老松に由来するとされ、かつては茂森稲荷社というお稲荷さんもおわしたとのこと。茂森町の神様! 一度お参りしてみたかった。

47013.jpg西詰に戻り、橋の上から上流側をふと見ると、護岸に赤錆びたプレートが。気になってズーム一杯に寄って撮ったのですが、一面錆びているせいで読めません。

帰宅後に拡大してみると、縦書きで、中央の行は「…管渠埋設…」、右の行は「…A.P.…」と、ほんの一部ですがかろうじて判読。この下に下水管か何かを埋めたのでしょうか。

47014.jpg西詰上流側テラスから、北側の側面を観察してみましょう。これは東詰のラーメン橋台側面。
アーチ上端の表面がボロボロと剥落して、うらぶれた雰囲気を醸し出していますが、これは表皮であるセメント塗装がはがれ落ちただけで、構造に問題はなさそう。

鋼桁との接続部のディテールもよくわかりますね。桁下に突き出した持ち送り部分は、コンクリートの質感から見て、後年の追加のようです。

47015.jpg西詰の橋台側面。こちらは、写真左手の「第二の親柱」の下に、明らかな補修の跡があります。高欄下の縁石(?)も、左から4個目が、ちょっと色が薄い気が…。

やはり、衝突事故か何かがあったのでしょうか。工事中にクレーン台船か何かが入って来ていて、フックをちょっとぶつけてしまったとか。


(22年12月5日撮影)

(『茂森橋のディテール…4』につづく)

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タグ : 茂森橋最低橋

茂森橋のディテール…2

(『茂森橋のディテール…1』のつづき)

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歩道橋中央から茂森橋と、葛西橋通り東方を望んだところ。茂森橋の鋼桁部分の継目を見てもわかるように、大横川の流路は道に対して、はすに通っているのが見て取れます。

47007.jpg歩道橋を降りて、北側から堪能してゆきましょう。
西詰の親柱近影。柵と枯れ木で隠されてよく見えませんが、銘板は漢字で「茂森橋」とあります。銘板についても、おやと思うところがあったのですが、それは後ほどまとめて。

親柱の頂部、笠石とでもいうのでしょうか、周囲を下見板状に三段に彫り込んだ石(なのか、コンクリートのかたまりなのか)が載せられていますが、何かがぶつかったのか、手前側が無残にもごっそり欠けてしまっていました。

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高欄と歩道を西側から見たところ。ラーメン橋台の路面は、橋詰から中央の鋼桁に向かって上り勾配をつけてあり、また鋼桁部分の路面も、それに合わせてゆるく反りを持たせてあるのがわかります。

左に見える水管橋は、ご覧のとおりちょうど歩行者の目の高さを渡っていて、川面への眺望がほとんどゼロに等しいのがなんとも。これがなければ、仙台堀川との丁字流と、大栄橋がおりなす美しい水路風景が楽しめるのですが。

47009.jpg西詰ラーメン橋台の高欄をアップで。高欄が崩壊しかかっていて、番線で補修されていることは「茂森橋哀歌…1」でも紹介しましたが、ここの高欄が、4か所の中でもっとも状態が悪いもの。

右手の2連はコンクリート部分が後年の補修によるものらしく、むしろこの部分の方が劣化が激しいのは皮肉ですが、気になるのは中央下の帯金が、内側に向かって曲がっていること。もしかしたら、船舶の衝突か何かがあって、この部分を補修したのかもしれません。

47010.jpg鋼桁部の高欄は8連、I型鋼の柱の間に、帯金を溶接組みした中桟を、上からはめ込んでリベット留めした構造。まったく装飾性のないシンプルなものですが、それだけに破損もなく、ラーメン橋台の高欄に見られる悲惨さ(?)とは正反対の雰囲気です。

現存する震災復興橋でも、高欄は最近になって手が入り、現代風にされてしまっている例が多いので、原形をとどめているだけでも貴重に思えるのです。


(22年12月5日撮影)

(『茂森橋のディテール…3』につづく)

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タグ : 茂森橋最低橋

茂森橋のディテール…1

47001.jpg茂森橋好きを公言し、さんざん下をくぐっておきながら、陸路訪ねたことは過去に1回きり(『茂森橋哀歌…1』参照)でした。かねてから一度ゆっくり訪ねて、存分に眺め回してみたいと思っていたので、小春日和の日曜日に、お散歩を兼ねて会いに行ってきました。

木場公園の南東側から、木立の中を大横川に沿って歩いてゆくと、いつもと視点の違うおなじみの光景が。しかし、艇に乗っていないと、こうまで水路が広く見えるものか…と感心してしまいました。
というわけで、以下うんざりするほど茂森橋の写真がつづきます。

47002.jpg西の橋詰は、木場公園の出入口の一つと接しています。その名も、
茂森橋口!

丸ゴシック書体の字もだいぶかすれて、ご本尊の状態に調子を合わせるごとく、くたびれた感じなのがなお佳し。


47003.jpg
西詰には、葛西橋通りをまたぐ歩道橋も設けられています。これがまた、
茂森橋際歩道橋
といううれしい名前!

目立たない橋なのに、公園の出入口、歩道橋と、二つも名前を引用されている茂森橋、やはりいち小橋梁では終わらないと、妙なところで感心してしまいました。

47004.jpg
茂森橋際歩道橋を登り、まずはいつもと正反対の視点、上空から眺めてみましょう。電柱やら電線が視界をさえぎるので、いっぺんに収めるのは無理とわかり、二分割で撮ることにしました。

北側を見下ろすと、太い水管橋との位置関係がよくわかります。歩道には、2本の街灯が設けられていますが、ラーメン橋台(コンクリート製)の部分に穴を開けて植えています。直下にはアーチ状に穴が開いていて、大した厚みはないはずなのに、よく固定できたものだと思いました。

47005.jpg
南側を眺めて。こちらの街灯は東詰近くに1本のみ、水管橋は年季の入ったものが2本、並行して橋上からの視界をさえぎっています。

ガードレールは南北とも、コンクリートで作ったブロック状の足を、歩道上に置いたタイプで、いかにも仮設然とした落ち着きのないもの。何かこの橋の境遇を、象徴するような設置の仕方に思えてしまいました。
撮影地点のMapion地図

(22年12月5日撮影)

(『茂森橋のディテール…2』につづく)

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タグ : 茂森橋最低橋大横川江東内部河川

年の瀬の運河風景…3

(『年の瀬の運河風景…2』のつづき)

46072.jpg晴海客船ターミナルから奥、HK~HIバースをのぞいてみると、年末とあってか船影はゼロでした。

一隻でも本船がもやっていれば、春海運河経由で帰るつもりだったのですが、ここはおとなしく(?)東雲運河で帰るとしましょう。


46073.jpg豊洲埠頭(今では埠頭としての機能はありませんが)の先端に、ぽつりと取り残されたコンクリート造りの煙突。

廃墟徒然草さんも注目されているように、都心近くの廃墟として知られてはいるようですが、他の施設が撤去されて更地になった今、なぜこれだけが壊されずに残っているのかは、わかりません。


46074.jpg富士見橋、架設が成ってだいぶたちますが、水面から眺めたかぎりでは、あまり進捗しているようには見えませんね。

春海運河の豊洲大橋が、さまざまな事情で工事が停滞していることから、こちらも何かあったのではと心配になります。
撮影地点のMapion地図

46075.jpg
おなじみ東雲水門の、あまりご覧に入れていない角度での一枚。第三径間だけ塗り替えられて、他は放置されているのはなぜだろう。

46076.jpg
曙運河の、京葉線の水上高架をくぐろうとしたら、ちょうど電車がやって来て、きれいに一編成を収めることができました。これにて22年度の川走り納めを終了。

寒さはもちろん堪えましたが、空あくまで青く水も澄み、爽快な気分のうちに結構な距離を走ることができて、楽しい数時間でした。
撮影地点のMapion地図

(22年12月29日撮影)

【12月29日の項の参考文献】
東京港ハンドブック (社)東京都港湾振興協会
東京水路MAP 荒川下流河川事務所

(この項おわり)

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タグ : 東京港東雲運河曙運河東雲水門富士見橋