中川樋門づくし

●中川の樋門たちの面白さは、その多くが川面からも向こうの家並が望めるような、東京付近の川としては低い堤防に設けられているため、街の風景と一体化したような、独特の雰囲気をまとっていることでしょうか。
水門風景というと、周囲は一面緑の堤防か、人影まれな河川敷といったパターンが多く、それはそれで惹かれる眺めではあるのですが、小さな体で低い堤防から頭を高々と突き出し、街場や街道筋の喧騒を背負ってたたずむ樋門たちの姿は、他ではあまり見られない魅力があるように思えたものです。
●例によってヨタ写真ではありますが、中川筋に群生する樋門(一部樋門でないものも含まれてはいますが)の中から、18枚を選んで眺めては、悦に入ろうという魂胆、まずはお目汚しまで。
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最強可航河川・中川散歩…12
(『最強可航河川・中川散歩…11』のつづき)
●吉川市役所前を過ぎて少し遡上すると、前方に三弦トラスの青い水管橋が見えてきました。新方川の合流点です!
両岸の緑はますます濃く、ますます、内陸深く遡上してきたという雰囲気あふれる眺めになってきました。
●右手の岸から、真っ白な鷺が何羽か、さっと飛び立って左手に去ってゆきました。
そういえばさっきから、鷺の姿をぽつぽつと見かけるようになったなあ。餌が豊富なのかしらと、特に気にも止めませんでしたが、この鷺には、後で驚かされることになりました。
●左に新方川を望んで。いや~、こんな内陸で、二度も続けて素敵な合流点の川景色を味わえるとは、ここまで遡ってきた甲斐があったというもの。頭上に、二つの川をひとまたぎする三弦橋があるのも、よいアクセントになっており、元荒川とはまた違った面白さのある風景です。
おや、写真右手、合流部突端の「鼻」の先に、数人の人影が。釣りかと思ったら、三脚を立てて、大きな望遠レンズ付きのカメラを構えているようです。カメラの狙っている先をふと見ると…。
●左手、合流部の下流側に、密度の高い大きな藪が。あっ、藪の中に点々と鷺の姿が見えます! 中にはグレーの羽をした、可愛らしい雛の姿もいくつか。この藪はどうやら、鷺の群生地で、カメラの人たちはバードウォッチングをしていたようです。
鷺の故郷だったとは、中川奥地、あなどれません。すっかり観察のお邪魔をしてしまいました、ここは早々に退散しましょう。
さすがに水深が気になるので、前進する前にボートフックを差して測深すると、果たして半分も差し込まないうちに、サクリ、という感触が返ってきました。水深1m足らず、底質は砂のようです!

●「関東舟運構想」の要、「川藤運河」の予定されていた入口は、この少し先。構想が実現していれば、この三弦橋が、運河入口が間近であることを示す、格好の「目印の橋」となり、遡ってくるフネブネは、スピードを緩めて運河に入る準備を始めたに違いありません。
もう少し行けそうな気もしたのですが、そんな想像をしつつ、利根運河がほぼ真東の地点まですんなり来れたという事実だけで、どこかすっかり満足してしまいました。「最強可航河川」の面白さを、自分なりに堪能できたということなのでしょう。
たくさんの鷺たちの視線を感じつつここで回頭、緑濃い新方川合流部を後に、帰途につくことにしました。
【撮影地点のMapion地図】
(22年5月4日撮影)
(この項おわり)

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両岸の緑はますます濃く、ますます、内陸深く遡上してきたという雰囲気あふれる眺めになってきました。

そういえばさっきから、鷺の姿をぽつぽつと見かけるようになったなあ。餌が豊富なのかしらと、特に気にも止めませんでしたが、この鷺には、後で驚かされることになりました。

おや、写真右手、合流部突端の「鼻」の先に、数人の人影が。釣りかと思ったら、三脚を立てて、大きな望遠レンズ付きのカメラを構えているようです。カメラの狙っている先をふと見ると…。

鷺の故郷だったとは、中川奥地、あなどれません。すっかり観察のお邪魔をしてしまいました、ここは早々に退散しましょう。
さすがに水深が気になるので、前進する前にボートフックを差して測深すると、果たして半分も差し込まないうちに、サクリ、という感触が返ってきました。水深1m足らず、底質は砂のようです!

●「関東舟運構想」の要、「川藤運河」の予定されていた入口は、この少し先。構想が実現していれば、この三弦橋が、運河入口が間近であることを示す、格好の「目印の橋」となり、遡ってくるフネブネは、スピードを緩めて運河に入る準備を始めたに違いありません。
もう少し行けそうな気もしたのですが、そんな想像をしつつ、利根運河がほぼ真東の地点まですんなり来れたという事実だけで、どこかすっかり満足してしまいました。「最強可航河川」の面白さを、自分なりに堪能できたということなのでしょう。
たくさんの鷺たちの視線を感じつつここで回頭、緑濃い新方川合流部を後に、帰途につくことにしました。
【撮影地点のMapion地図】
(22年5月4日撮影)
(この項おわり)

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タグ : 中川
最強可航河川・中川散歩…11
(『最強可航河川・中川散歩…10』のつづき)
●だいぶ間が空いてしまいましたが、再開します。あともう少しですので…。
元荒川の合流点から、上流側を見たところ。相変わらず魚探は効かず、ちょっと不安ではあるのですが、川藤に少しでも近づきたい気持ちから、戻したスロットルを倒し、そろそろと微速前進。
右手前方、こんもりとした里山のような木立が見えてきました。

●高い建物が少なくなり、両岸の風景が開けてきただけに、この小さな森のこんもり加減はいかにも目立ちますね。航行上の良い目標にもなります。
こういった森は、神社かお寺の境内と相場が決まっているのですが、帰宅後に地図で確かめたら、意外や園芸センターの敷地でした。
●木立を透かしてちらりと見えた、これは石造りの…煙突でしょうか。
酒造会社か何かがあるのかと思わせる造りでしたが、帰宅後検索してもそれらしいものはヒットせず、位置的に見て、吉川市役所庁舎の敷地内のようでした。
●もっとも、吉川市役所付近に到達したことは、信号に掲げられた「吉川市役所前」の看板を見て、初めて実感できたわけで…。
何度も同じようなことを言って恐縮ですが、思えば遠くに来たもんだ、としみじみ。だって、江戸川で言えば、利根運河も間近に望めようというくらいの遡上距離なんですよ?
【撮影地点のMapion地図】
●ここで左側、越谷市の岸に沈船を発見。27ftはあろうかという、フライブリッジ付きの立派な艇…ご愁傷様です。
まあ、このくらいのインアウトドライブ艇(よく確かめませんでしたが、多分そう)でも、遡上してこられる水深はあるのであろうと、びくつく自分を納得させつつ、さらに前進。
(22年5月4日撮影)
(『最強可航河川・中川散歩…12』につづく)

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元荒川の合流点から、上流側を見たところ。相変わらず魚探は効かず、ちょっと不安ではあるのですが、川藤に少しでも近づきたい気持ちから、戻したスロットルを倒し、そろそろと微速前進。
右手前方、こんもりとした里山のような木立が見えてきました。

●高い建物が少なくなり、両岸の風景が開けてきただけに、この小さな森のこんもり加減はいかにも目立ちますね。航行上の良い目標にもなります。
こういった森は、神社かお寺の境内と相場が決まっているのですが、帰宅後に地図で確かめたら、意外や園芸センターの敷地でした。

酒造会社か何かがあるのかと思わせる造りでしたが、帰宅後検索してもそれらしいものはヒットせず、位置的に見て、吉川市役所庁舎の敷地内のようでした。

何度も同じようなことを言って恐縮ですが、思えば遠くに来たもんだ、としみじみ。だって、江戸川で言えば、利根運河も間近に望めようというくらいの遡上距離なんですよ?
【撮影地点のMapion地図】

まあ、このくらいのインアウトドライブ艇(よく確かめませんでしたが、多分そう)でも、遡上してこられる水深はあるのであろうと、びくつく自分を納得させつつ、さらに前進。
(22年5月4日撮影)
(『最強可航河川・中川散歩…12』につづく)

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タグ : 中川
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