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満漢全席小名木川…10

(『満漢全席小名木川…9』のつづき)

37046.jpg橋の構造を透かしてのぞき見る、西へと去ってゆく「大艦隊」の姿を見送って。いや~、凄いモノを見せてもらった…。

ようやくのぼせあがった頭もクールダウンしたものの、一大スペクタクルに全てを吸い取られたようで、どこか茫然自失と言っていい状態です。



37047.jpg少し涼んで頭を冷やそうと、操作室内に再びお邪魔すると、先ほどは目に入っていなかったコレに気付きました。
建設局謹製の、立体地形図! 江東デルタのすり鉢地形も、堤防の高さも一目瞭然ですね。もう欲しくてたまらない! 壁にかけて毎日眺めて、撫でさすっていたい!

向こうの壁にも一枚、同じものがかけてあるのを見ると、ある程度の数量産されたのでしょう。治水思想普及のため、有償で配布してくれませんかねえ。
ん? この地形図が載っている台、何だか妙な形だな、と思って引いて見ると…。

37049.jpg
これはもしかして、扇橋閘門の模型!?

日当たりのよい操作室に置かれたためか、だいぶ色褪せて、ところどころそっくり返ってはいますが、間違いない、閘門の模型だ!

37048.jpg
横から見ると、おお、閘室には独航艀らしき、船の姿も! しかもよく観察すると、バイパス管もきちんと造られ、巻上機室や堰柱は分解できるようになっており、内部の構造が勉強できる造りになっているのです。もちろん扉体も可動式なのでしょう。

色褪せてはいるものの、ホコリをかぶっているわけではなかったので、おそらく今でも構造の説明に使われている「現役」なのだと思われます。

37050.jpgしかしいいなあ、何ていうんでしょう、この手すさび感というか。プロの仕事の匂いはしないものの、摸造紙を貼って丁寧に造られたこの模型に、閘門に対する深い愛情が感じられました。

きっと、職員の方が仕事の合間に、見学の子供たちのことを考えながら工作したに違いない…そう思わせる佳さがあったのです。

(22年9月4日撮影)

(『満漢全席小名木川…11』につづく)

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タグ : 小名木川江東内部河川扇橋閘門閘門

満漢全席小名木川…9

(『満漢全席小名木川…8』のつづき)

37041.jpg閘室から一歩下がって眺めた後扉は、陽射しで焼けたコンクリートの向こうに黙って立ちつくしており、本当に先ほどまでの賑わいがウソのよう。

その静けさもつかの間、また爆音が近付いてきて、アナウンスがかかりました。えっ、また通航があるの?


37042.jpg
何と、先ほど閘室を出たばかりの「大艦隊」が、Uターンして戻ってきたのです!

「イヤイヤ、ここまで来たんだから、ちゃんと小名木川を堪能して荒川に抜けなさいよ!」と、個人的にはしごくもったいない感じがしたのですが、喫水の関係か時間の都合か、コースの設定がUターンになっているのでしょう。まあ、また大通航シーンが拝めるのですから、ありがたいことには違いありません。

37043.jpg今度は、ZENさん操縦の新しいカタマランも入ってきて、しかも先頭につきました。船名は「エスエスNANO 1」、東京湾クルージングの所属船だそう。

先ほどから「氷」の幟がひらめいているのが気になっており、何かのシャレかと思ったのですが、よく見るとちゃんと氷掻き機があるのですね。水路を眺めながらのかき氷、この暑さも手伝って、さぞ美味しいことでしょう。

37044.jpg
前回を上回る総勢8隻の「大艦隊」!
興奮しすぎて熱射病で倒れそうだ。


ちなみに閘室横テラスで見ているのががーちゃんご一家。頭に血が上り、お客様完全放置で走り回る悪逆非道船頭(本当に申しわけありませんでした)。
職員の方に、「一回の通航で、最大何隻ぐらい通したことがありますか?」とうかがったら、「プレジャーボートで10杯くらいかな」とのことでした。う~ん、一緒に通ってみたかった!
しかし、「じゅっぱい」という響きがプロらしくて最高です。何度も口に出して味わいたくなる…じゅっぱい。じゅっぱい。

37045.jpg扉体からの雫をついて、閘室を出てゆくZENさん艇。氷掻き機はもちろん傘でしっかりガード。

いやもう、再びの素晴らしい通航シーン! 今後数年は訪れないんじゃないかと思われる、ダマになって転がり込んできたこの幸運、筆舌に尽くしがたい嬉しさでした!
ハッ、これはきっと、がー大明神の霊験によるものでは…先日いただいた御神体を神棚に上げて、よ~く拝んでおこう!

(22年9月4日撮影)

(『満漢全席小名木川…10』につづく)

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