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東雲北運河に拾う…3

(『東雲北運河に拾う…2』のつづき)

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京葉線の高架が見えてくると、東雲北運河の終点も間近。右手には墨田川造船の建屋群やクレーンが見えてきました。

今回も、巡視艇が見られるかしらと期待していたら、岸壁には台船が横付けし、クレーンで何かを陸揚げ中。残念。
撮影地点のMapion地図

37067.jpgなかなかスマートな墨田川造船の建屋。以前から気になっているのは、「人がすき 海がすき 船がすき」のキャッチフレーズ。

現在活躍中の観光汽船船隊のみならず、水辺ラインの船までも造った、水上バスの建造所としても知られているのですから、ぜひ「川がすき」も加えていただきたいと思っているのですが、語呂が悪くなってしまうかな。


37068.jpg東雲北運河から汐見運河に入り、左手に広がる旧越中島貨物駅を見ると、長物車ばかりの側線にぽつりと、一輌だけ茶色い無蓋車がたたずんでいました。

今や貨物列車といえば、ほとんどがコンテナ列車、たまにタンカー列車を目にするにせよ、同じ車輌の連なった列車ばかりになってしまいましたから、ただの無蓋車とはいえ、ものすごくトクをした気分になってしまいます。

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そしておなじみ、イグアナクレーンにご機嫌伺い。
だいぶくたびれてきたようですが、今でも使っているのかしら。動いているところ、見てみたいなあ。

37070.jpgおまけ。
前後しますが、例の、清洲橋の真ん中にスカイツリーが見えるポイントにしばし艇を留め、「ずいぶん大きくなりましたねえ」などと言いながら、ちょぶさんと水上撮影会。

桜探し散策で…5」のときの写真と、くらべてみてください。
撮影地点のMapion地図


(22年9月4日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 東雲北運河汐見運河隅田川イグアナクレーン東京スカイツリー墨田川造船

東雲北運河に拾う…2

(『東雲北運河に拾う…1』のつづき)

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以前からここにもやっている、サビサビ曳船。揚錨やケーブル敷設の作業にでも使われるのか、船首にプーリーを備え、まだかろうじて現役のようです。くたびれぶりを見るまでもなく、船型からするとかなりのご高齢のよう。

ファンネルに取り付けられた日立の旧マークを、ちょぶさんと二人で意識する船頭。久しくお目にかかっていなかったので、かえって新鮮でした。

37062.jpg(有)木村造船所の建屋。水面まで降ろすことのできる、下端がシートになったシャッターを備えているのが独特です。

Mapion地図では、「中島運輸㈱潮見造船所」とありました。オーナー会社が変わったようですね。



37063.jpg建屋に隣接して、露天の船台が二つ。

…しかし、レールが敷かれたインクライン式の船台って、どうしてこう魅力的なんでしょう。同じ上下架設備でも、昨近の単なるスロープに、タイヤで移動する自走式ホイストでは、スマートではあるものの、あまり面白味を感じることができません。

以前お世話になっていたマリーナが、インクライン式のリフトで、船台もちゃんとフランジのついた車輪で線路上を移動する形式であり、しかもボートヤードに分岐とダルマポイント(!)まであるという、濃厚な環境だったせいでしょうか。

37064.jpg舷側をざっくりと切り取り、フェンダーを並べて桟橋に転用されたバージ。少し昔の街灯みたいな、蛍光灯まで取り付けてあるのがイイ感じです。

こういう桟橋転用の船というと、やはり子安浜を思い出すものがありますね。(過去ログ『入江川水系を眺める…10』~『入江川水系を眺める…12』参照)

37065.jpgバージのすぐ左にある桟橋を挟んで、対照的な二隻のおケツ(笑)。

補機を取り付けた作業艇のトランサムスターンと、まろやかなカーブを描く曳船のクルーザースターン(だったと思う)、各艇各様の用途に見合ったキュートさ。
撮影地点のMapion地図


(22年9月4日撮影)

(『東雲北運河に拾う…3』につづく)

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タグ : 東雲北運河平久運河曳船

東雲北運河に拾う…1

(『満漢全席小名木川…11』のつづき)

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隅田川を駆け足で下り、臨海部の運河地帯まで戻ってきました。そのまま帰港するのももったいないので、東雲北運河に寄り道することに。ほんの10分ほどでしたが、宅地化著しいこの運河地帯で、複数の造船所が今なお稼働する「生きている運河」の姿を、久しぶりに味わってきました。

まずは入口、平久運河との角地に威容を誇る、クレーン付き鋼材倉庫。地図を見ると「㈱ヒロタキ」とあります。ずいぶん前から意識していた物件でしたが、社名は初めて知りました。

37057.jpg左手、平久運河をのぞくと、おや、在来護岸の前にテラスを造る工事が、だいぶ進捗してきたようですね。左手の倉庫、以前は水上の張り出しがあったのですが、この工事に伴ってか、取り除かれてしまったようです。(過去ログ『平久運河に拾う…1』参照)

こちらは揚搭設備や岸壁は、この数年でほぼ壊滅しましたから、そろそろとは思っていましたが…本当に最近の水辺は、訪ねるたびに景色ががらりと変わるので、油断できません。

37058.jpgヒロタキの倉庫に戻って、北東側から。水面上に大きく張り出したトラス、しかも手前一杯までクレーンガーダーが来ています。この対岸、潮見運動公園に面した岸には、警戒船がもやっていましたから、しばらく待っていたら、バージがやって来て荷役を始めたかもしれません。時間のないのが悔しい…。

倉庫の壁は、塗り替えて間がないのかきれいで、いかにも盛業中といった、手入れのよさを感じさせます。すぐとなりにはマンションが迫って来ていますが、がんばっていただきたいものです。

37059.jpg三ツ目通り、八枝橋をくぐり、護岸に業務船が点々ともやう、静かな水面を愉しみつつ奥へ。

都内最大の運河集中点、東雲運河六叉流からちょっと入っただけで、こののどかさ。新しいビルが増えたとはいえ、お仕事ブネがのびのびと憩う「生きている運河」の佳さは、失われていません。


37060.jpgヤンマーディーゼルの看板を掲げた、クレーン付き造修設備。ううん、ここも右隣に、建ったばかりのマンションが。「水門先生と江東運河地帯…2」のときは、まだ建っていなかったので、本当につい最近のようです。

ここも地図で初めて確認したら、「栗原内燃機」という社名とのこと。ヤンマーの看板を掲げているだけあって、クレーンの下にもやう作業艇も、ヤンマートップランFX24(だったかな?)。
撮影地点のMapion地図

(22年9月4日撮影)

(『東雲北運河に拾う…2』につづく)

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タグ : 東雲北運河平久運河ヒロタキ

満漢全席小名木川…11

(『満漢全席小名木川…10』のつづき)

37051.jpg名残惜しくも、おいとまする時間が来てしまいました。
操作室で皆さんにお礼を言って桟橋に向かうと、最初にもやいを取ってくださった職員の方が見送ってくださり、本当にありがたい限り。職員の方の好々爺然とした雰囲気(失礼)も手伝い、何だか、久しぶりに実家に帰って来たような感じに襲われてしまいました。

桟橋のすぐ横、水中から立ち上がっている、この野太いパイプは?

37052.jpgトラロープに説明板が下がっていました。東側河川に感潮域の水を送る、サイフォンなのですね。

閘室の注排水だけで、水位低下化河川の水をまかなっていると思ったのですが、こうして時々水を取り入れ、水質を保っているわけですか。



37053.jpgちなみに、艇を着けさせていただいた桟橋も、単なる閘門の交通用というわけではなく、防災船着場の扱いなのだそうです。

このときも、結構な人数の見学者が桟橋に出入りして、我が艇はまるで、桟橋の使用例を示す展示品の一部のよう。衆目環視の中乗り込むのは、ちょっと恥ずかしいな。


37054.jpg
さらばラバウル、いや扇橋閘門、また来るまでは! しばし別れの涙はにじみませんが、次にあの桟橋から上陸できる日は、まず当分来ないであろうことを思うと、やはり名残惜しいことには変わりありません。

さて、時間も迫っているので、急いで帰らなければ…。

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おまけ。素敵な閘室横のホイストと前扉のツーショット。

しかし、「大艦隊」の2度の通航に興奮して頭が沸騰したせいか、せっかくのこのチャンスに、肝心なことをまったく訊けなかった大間抜けぶり。
帰宅してから我に返り、頭を抱えましたが後の祭り。お客様を放置したばちがあたったのかもしれません。


(22年9月4日撮影)

(『東雲北運河に拾う…1』につづく)

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タグ : 小名木川江東内部河川扇橋閘門閘門

満漢全席小名木川…10

(『満漢全席小名木川…9』のつづき)

37046.jpg橋の構造を透かしてのぞき見る、西へと去ってゆく「大艦隊」の姿を見送って。いや~、凄いモノを見せてもらった…。

ようやくのぼせあがった頭もクールダウンしたものの、一大スペクタクルに全てを吸い取られたようで、どこか茫然自失と言っていい状態です。



37047.jpg少し涼んで頭を冷やそうと、操作室内に再びお邪魔すると、先ほどは目に入っていなかったコレに気付きました。
建設局謹製の、立体地形図! 江東デルタのすり鉢地形も、堤防の高さも一目瞭然ですね。もう欲しくてたまらない! 壁にかけて毎日眺めて、撫でさすっていたい!

向こうの壁にも一枚、同じものがかけてあるのを見ると、ある程度の数量産されたのでしょう。治水思想普及のため、有償で配布してくれませんかねえ。
ん? この地形図が載っている台、何だか妙な形だな、と思って引いて見ると…。

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これはもしかして、扇橋閘門の模型!?

日当たりのよい操作室に置かれたためか、だいぶ色褪せて、ところどころそっくり返ってはいますが、間違いない、閘門の模型だ!

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横から見ると、おお、閘室には独航艀らしき、船の姿も! しかもよく観察すると、バイパス管もきちんと造られ、巻上機室や堰柱は分解できるようになっており、内部の構造が勉強できる造りになっているのです。もちろん扉体も可動式なのでしょう。

色褪せてはいるものの、ホコリをかぶっているわけではなかったので、おそらく今でも構造の説明に使われている「現役」なのだと思われます。

37050.jpgしかしいいなあ、何ていうんでしょう、この手すさび感というか。プロの仕事の匂いはしないものの、摸造紙を貼って丁寧に造られたこの模型に、閘門に対する深い愛情が感じられました。

きっと、職員の方が仕事の合間に、見学の子供たちのことを考えながら工作したに違いない…そう思わせる佳さがあったのです。

(22年9月4日撮影)

(『満漢全席小名木川…11』につづく)

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