最強可航河川・中川散歩…2
(『最強可航河川・中川散歩…1』のつづき)
●屈曲区間を抜けて、中流部に入り北上開始。写真は中川橋、低い土手と広い空を楽しみながらの遡上です。
気になったのは、どういうわけだか魚探がまったく効かず、測深ができないこと。細かい気泡が多く含まれているとか、水質の問題でしょうか。中上流部については、比較的水深が安定している中川ですから、そんなに不安はありませんでしたが、帰途は潮位が低い時間帯にあたるため、浅瀬の多い屈曲区間ではちょっと心配です。

●花畑運河の入口、六ツ木水門の前まで来ました。(過去ログ『花畑運河を走る…1』ほか参照)
電光掲示板の水位表示は、1.3m。余裕で橋をかわして通れる水位で、「おいで、おいで、楽しいよ!」と誘われているようにすら感じられたのですが、この日はなるべく上流まで行ってみたい気持ちがあったので、誘惑を振り切って通過しました。
●こちらもお久しぶりの新大場川水門。お変わりないようで何よりです。
大場川は浅瀬の多い場所で、特に右径間のあたりはほとんど砂洲のはずですが、扉体についた汚れだけ見ると、結構水深があるように見えますね。増水時に閉鎖した時の水位でしょうか?
●三愛石油・東京オイルターミナルの桟橋を眺めていると、下流から爆音を響かせて疾走して来たPWCの艇隊が、次々と追い越してゆきます。
このあたりは、トレーラー搬送のPWCに下架場所を提供してくれるマリーナも多いためでしょう、PWCのメッカと言ってもいいくらいの賑やかさ。中流部から上は完全に真水になるため、上架後のエンジンの水通しもしなくてよいのだとか。
●過去ログ「中川…5」で訪れたときは、まだ工事中で仮橋が架かっていたここも、ついに橋が完成したようですね。もっとも、クルマや人の通行が見られなかったので、まだ道路としては竣工していないのかもしれません。
検索してみると、埼玉県HP「道路施設担当について」にある、県道松戸草加線の仮称・新中川橋というのが、これみたいですね。橋長600m、有効幅員22mとありました。
【撮影地点のMapion地図】
(22年5月4日撮影)
(『最強可航河川・中川散歩…3』につづく)

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気になったのは、どういうわけだか魚探がまったく効かず、測深ができないこと。細かい気泡が多く含まれているとか、水質の問題でしょうか。中上流部については、比較的水深が安定している中川ですから、そんなに不安はありませんでしたが、帰途は潮位が低い時間帯にあたるため、浅瀬の多い屈曲区間ではちょっと心配です。

●花畑運河の入口、六ツ木水門の前まで来ました。(過去ログ『花畑運河を走る…1』ほか参照)
電光掲示板の水位表示は、1.3m。余裕で橋をかわして通れる水位で、「おいで、おいで、楽しいよ!」と誘われているようにすら感じられたのですが、この日はなるべく上流まで行ってみたい気持ちがあったので、誘惑を振り切って通過しました。

大場川は浅瀬の多い場所で、特に右径間のあたりはほとんど砂洲のはずですが、扉体についた汚れだけ見ると、結構水深があるように見えますね。増水時に閉鎖した時の水位でしょうか?

このあたりは、トレーラー搬送のPWCに下架場所を提供してくれるマリーナも多いためでしょう、PWCのメッカと言ってもいいくらいの賑やかさ。中流部から上は完全に真水になるため、上架後のエンジンの水通しもしなくてよいのだとか。

検索してみると、埼玉県HP「道路施設担当について」にある、県道松戸草加線の仮称・新中川橋というのが、これみたいですね。橋長600m、有効幅員22mとありました。
【撮影地点のMapion地図】
(22年5月4日撮影)
(『最強可航河川・中川散歩…3』につづく)

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またひとつ、震災復興橋が消えてゆく

●今月初めくらいだったと思うのですが、仕事で出た帰り、飯田橋~水道橋駅の間、神田川南岸の道をクルマで走っていたら、小石川橋(上写真・Mapion地図)の南詰に「小石川橋架け替えのため、何月何日より通行止め」云々、という看板が立っていました。
先週月曜に通ったら、すでに通行止めとなって工事が始まっており、もう渡ることはできなくなっていたのですが、これを見て思ったのは「ああ、また震災復興橋がひとつ、減ってゆくのだなあ…」ということでした。
●ご覧のとおり、地味な鋼鈑桁橋で、同じ神田川の橋とはいえ、後楽橋や浅草橋など上路式鋼アーチの優美さや、まして聖橋の壮麗な姿とはくらべるべくもないのですが、昭和2年竣工のこれも、間違いなく震災復興橋梁の仲間であり、貴重な土木遺産であることは間違いありません。
ご存じのように、ここは日本橋川と神田川の丁字流にあたり、またご覧のように西側には、水道橋2号分水路の吐口も見られ、さらに東側角には三崎町中継所があって、曳船がゴミ運搬のバージを入れ替える姿が眺められるなど、水運趣味スポットとしても濃厚な場所で、たまに歩いて橋を渡る際も、つい立ち止まって時間を過ごしてしまう、楽しいところでした。
●土木構造物として見ても、後年追加されたアルミ製の高欄が若干目障りなものの、橋としてはよく原形が保たれ、また南詰東側には、古風な石垣護岸で守られた植え込みが残されているのも、竣工時に造られた橋詰広場の名残りとして、貴重に思えたものです。
残念ながら、工事は橋だけでなく橋詰にも及び、この植え込みも取り壊され、繁っていた大きな木も抜かれて、様相を一変してしまいましたが…。
●震災復興橋は、周辺地域の用途に合わせてデザインが決定されていたそうで、商業・官庁街には、眺望を妨げず、デザイン的にも優れた上路式の鋼やコンクリートアーチ、ラーメン橋台橋が多く架けられ、工業地域には下路式トラスや、中・下路式の鋼鈑桁橋が多く架けられる傾向があったとのこと。
逆の見方をすれば、橋を見れば、そのあたりがどんな土地柄か、一目でわかる便利さもあったわけです。このことを知っていれば、時代が変わって周辺の土地利用が一変したとしても、「今はこうだけれど、昔は工業地帯だったんだなあ」とか、かつてに思いをはせることもできたわけですね。
●ちなみにこのあたり、三崎町周辺は、南側にかつて飯田町貨物駅があり、周辺も印刷・製本などの小工場が多くあった、まさに町工場地帯とも言うべき土地柄でした。今はご存じのように、貨物駅跡地は大規模な再開発があり、ホテルやオフィスビルが立ち並ぶようになり、町工場ももはや残り少なく、昔日の面影は薄れつつあります。
小石川橋は、そんな昔をしのぶことのできる、数少ないよすがとなりつつあったのですが…仕方のないこととはいえ、やはり、残念でなりません。
(21年10月18日撮影)

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最強可航河川・中川散歩…1
(『中川に向かう』のつづき)
●中川水門を振り返ると、先ほど道を譲った艇が、少し増速して突っ込んでゆくところでした。
以前も触れましたが、ここは潮時によっては結構な流速があるところなので、進入にはちょっとした覚悟(私だけ?)がいる水路でもあります。
●さて、今回中川を訪ねた理由は、『「関東舟運構想」で大妄想』を読み返していて、中盤ルートのメインラインとして選ばれた中川の、それも奥部を味わってみたい欲望が湧きあがってきたことと、構想の中で言及されている幻の運河、「川藤運河」の接続点付近まで、できれば行ってみたくなったこと、の二つ。
まあ、自分の書いた記事でムラムラ来るとは、我ながら世話がない話ではあります。
●このあたりを母港としている艇長さんたちはよくご存じのように、中川は東京湾に接続する大河川の中でも、有数の可航域を持つ川です。
河口から「川藤運河」の推定接続点である、吉川市の新方川合流部付近までをMapionの「キョリ測」で測ってみると、約32km。荒川の秋ヶ瀬橋までの可航域延長、34.5kmにくらべると、数字の上では、一見大したことがないように思われるかもしれません。
●しかし荒川は、秋ヶ瀬取水堰で水面が分断されており、それ以上の遡航ができないわけです。対して中川は、さらに上流まで可航域が伸びている上、いくつかある支派川にまで可航域が及んでいるあたり、艇で遡上する側から見ると、ぐっと魅力的です。
そして何より、放水路として徹底的な河道改修を施され、広い川幅を持つ荒川にくらべ、中川はまだ、平野を乱流していたころの面影を随所に残して(ほとんどが直線化されたとはいえ)おり、川幅も適度な狭さがあって、内陸深く分け入ってゆく充実感は、他の川の比でないことが挙げられるでしょう。
●その上、綾瀬川のように極端に低い橋が一つだけあり、上流の滞在時間が制限されるとか、江戸川のように洲が多く、澪筋の把握が難しいなどの憂いがないとくれば、これはもう、最強可航河川(!)と呼んでもいいのではないか、とさえ思えてくるのです。
長くなりましたが、その奥部まで繋留船の姿が途切れない中川には、「可航河川好き」としての血をたぎらせる魅力があるわけで、潮時はあまり良くないにもかかわらず、久しぶりにのんびりとした遡上を楽しんできました。
●中川・上平井の両水門をくぐり、2径間のトラス橋・上平井橋に近づくと、橋詰近くではクレーン船や台船がもやって、何やら工事中の模様。護岸工事かな?
台船たちのディテールもさることながら、意識を吸い寄せられたのは、手前に繋がれていた曳船の姿。あれはもしかして…。
【撮影地点のMapion地図】

●大好きな超小型曳船、「第十六富士」じゃないか! (過去ログ『3月23日の曳船たち』ほか参照)船底は塗り替えられていますが、この特徴あるスタイル、間違えようがありません。
元気でやっているようで何より。しかし、ガンネルがずいぶん傷んでいるなあ…。もやうときには、ちゃんとフェンダーを入れてほしいものですが、やはり仕事柄、荒っぽい使い方をされるのは、致し方のないところではあります。
●上平井橋を過ぎ、屈曲区間に入ると、以前はあった私設の桟橋や船溜がきれいに一掃され、護岸にはテラスが完成していました。なるほど、台船やクレーン船も、この工事をしていたのですね。
しかし、船溜のなくなった水面は、がらんとしてしまって、何だか寂しいものがあります。
●平和橋の近くでは、まだ盛んに工事をしており、ご覧のとおり浚渫船も動いていました。
そうそう、この区間は浅瀬が多いから、もうまんべんなく浚ってもらえるとありがたいんだよなあ…などと、ブツブツ言いながら通り過ぎたのですが、そんなうまい話はそうそうありますまい。おそらく、テラスの工事をしている一部の区間だけで終わるのでしょう。
(22年5月2日撮影)
(『最強可航河川・中川散歩…2』につづく)

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以前も触れましたが、ここは潮時によっては結構な流速があるところなので、進入にはちょっとした覚悟(私だけ?)がいる水路でもあります。
●さて、今回中川を訪ねた理由は、『「関東舟運構想」で大妄想』を読み返していて、中盤ルートのメインラインとして選ばれた中川の、それも奥部を味わってみたい欲望が湧きあがってきたことと、構想の中で言及されている幻の運河、「川藤運河」の接続点付近まで、できれば行ってみたくなったこと、の二つ。
まあ、自分の書いた記事でムラムラ来るとは、我ながら世話がない話ではあります。
●このあたりを母港としている艇長さんたちはよくご存じのように、中川は東京湾に接続する大河川の中でも、有数の可航域を持つ川です。
河口から「川藤運河」の推定接続点である、吉川市の新方川合流部付近までをMapionの「キョリ測」で測ってみると、約32km。荒川の秋ヶ瀬橋までの可航域延長、34.5kmにくらべると、数字の上では、一見大したことがないように思われるかもしれません。
●しかし荒川は、秋ヶ瀬取水堰で水面が分断されており、それ以上の遡航ができないわけです。対して中川は、さらに上流まで可航域が伸びている上、いくつかある支派川にまで可航域が及んでいるあたり、艇で遡上する側から見ると、ぐっと魅力的です。
そして何より、放水路として徹底的な河道改修を施され、広い川幅を持つ荒川にくらべ、中川はまだ、平野を乱流していたころの面影を随所に残して(ほとんどが直線化されたとはいえ)おり、川幅も適度な狭さがあって、内陸深く分け入ってゆく充実感は、他の川の比でないことが挙げられるでしょう。
●その上、綾瀬川のように極端に低い橋が一つだけあり、上流の滞在時間が制限されるとか、江戸川のように洲が多く、澪筋の把握が難しいなどの憂いがないとくれば、これはもう、最強可航河川(!)と呼んでもいいのではないか、とさえ思えてくるのです。
長くなりましたが、その奥部まで繋留船の姿が途切れない中川には、「可航河川好き」としての血をたぎらせる魅力があるわけで、潮時はあまり良くないにもかかわらず、久しぶりにのんびりとした遡上を楽しんできました。

台船たちのディテールもさることながら、意識を吸い寄せられたのは、手前に繋がれていた曳船の姿。あれはもしかして…。
【撮影地点のMapion地図】

●大好きな超小型曳船、「第十六富士」じゃないか! (過去ログ『3月23日の曳船たち』ほか参照)船底は塗り替えられていますが、この特徴あるスタイル、間違えようがありません。
元気でやっているようで何より。しかし、ガンネルがずいぶん傷んでいるなあ…。もやうときには、ちゃんとフェンダーを入れてほしいものですが、やはり仕事柄、荒っぽい使い方をされるのは、致し方のないところではあります。

しかし、船溜のなくなった水面は、がらんとしてしまって、何だか寂しいものがあります。

そうそう、この区間は浅瀬が多いから、もうまんべんなく浚ってもらえるとありがたいんだよなあ…などと、ブツブツ言いながら通り過ぎたのですが、そんなうまい話はそうそうありますまい。おそらく、テラスの工事をしている一部の区間だけで終わるのでしょう。
(22年5月2日撮影)
(『最強可航河川・中川散歩…2』につづく)

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中川に向かう

●「飛行船を追いかけて」でも触れたとおり、去る5月4日は、久々に内陸深く遡上を楽しんでみたくなったこともあり、中川に向かうことにしました。
「遡上欲」に駆られた理由は、また改めてお話しますが、まるで薄曇りのようにもやの濃い中を、新砂水門の扉体を眺めながら荒川に出ようとすると、まず一つ目の発見が。

写真中央の二羽のムクドリ君、「いや~、最近いいエサが少なくて…」とボヤキあっているように見えて、萌えさせるものが。フェンダーの穴からひょっこり顔を出しているムクドリもいて、トリ好きとしてはタマランものがあり、無駄に写真のサイズを大きくしてしまいました。

冗談はともかく、いかな平時に流す文言とはいえ、通航船にまったく関係のなさそうな標語を流すのは、いかがなものでしょうか。せめて、「救命胴衣を着用しよう」とか、「河上では右側通航、下航船優先」など、水上の安全に関する標語を流していただいた方が、良いような気がするのですが。

彼に出会ったということは、やはり今日は休日とはいえ、東京の水運は平日並みということ。もう一隻ぐらい出会えるかしら。

船名ははっきり見えませんでした(たぶん『東丹丸』)が、船種は油槽船ですね。和光市の油槽所に油を降ろした帰りでしょうか。喫水も浅く、足取り軽い帰り道といった感じです。
【撮影地点のMapion地図】
(22年5月4日撮影)
(『最強可航河川・中川散歩…1』につづく)

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過去ログ納経達成

●納経成った瞬間、何か体が浮いたような感じがしたとか、モニターの中からバックライトでないまばゆい光が射したとか、背中から手がたくさん生えている人の姿が画面に浮か(以下略)
とか、その手の期待した解脱症状はこれといってなく、じゃっかんつまらなくはあったのですが、ともあれ1年間背負っていた肩の荷が降ろせて、ホッとした気分になりました。
ご心配くださった皆様に、御礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。
●ええ…、ここへ来て、少し納経を急いだのはわけがありまして。
今月末から、だいぶ手ふさがりになりそうな雲行きになってまいりまして、おそらくこちらの更新頻度も、かなり落とさなければならなくなりそうだからです。
つい先日、5周年を祝っていただいたばかりで、大変恐縮なのですが(私も正直、すごいタイミングで驚いています)、うまくすれば秋ごろには、よいご報告ができるかもしれません。
それまで、しばしお暇をいただき、別方面に力を注ぎたいと思っております。

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タグ : Doblog