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北上運河閘門めぐり…6

(『北上運河閘門めぐり…5』のつづき)

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リークが気になって、管理橋の上から南側扉体の真ん中をのぞき込んでみました。

戸当りには、水密を保つための、真鍮などの金物やゴムが張られているのをよく見かけますが、ここから見た限りでは、扉体同士がそのまま接しているように見えます。

19032.jpg南側ゲートを、閘室から見たところ。上にワイヤーを渡されたロッドが、扉体の中央に向かって伸びています。扉体の開閉、排水方式とも大曲閘門と同様です。

リークのせいか、閘室内の水にはかすかな流れがあるようで、水面に浮いた落ち葉が、扉体の前に集まっているのが見られますね。

19033.jpg南側から閘室を眺めて。側壁はご覧のとおり石積み護岸で、釜・大曲の2閘門と大きく異なる点は、閘室の幅がゲートとほぼ等しいくらいに狭められていること。やはり、閘室は狭い方が、いかにも閘門らしい感じがします。

閘室を渡るコンクリート桁橋は、北上運河石井閘門橋。平成12年3月竣工とありました。結構な交通量でしたので、閘門観賞の際にはクルマにご注意!

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北上運河石井閘門橋の上から、北側扉体を見てみました。向こうの水面は旧北上川です。
ううむ、向こう側が見えるほど、露骨にスキ間が開いている…。リークもさらに派手で、落差がある分、音を立てて水が流れ込んでいます。

私がこの閘門の写真を初めて見たのは、「鋼製ゲート百選」(過去ログ『川の本…1』参照)なのですが、掲載の写真にも、リークの様子が写っており、「こんな状態で大丈夫なのかなあ」と、素人なりに心配したものです。
今回、「水漏れ閘門」の実物を目の当たりにしての感想は、扉体の老朽化などで水密が落ちているのではなく、どうも、わざとそうしているのではないか…ということ。
つまり、可動状態が保たれているとはいえ、通航量も極端に少ないので、閘室内の水がほとんど入れ代わらず、腐敗してしまわないように、常に少しづつ水を流しているのでは…。と、想像したのですが、いかがでしょうか?

19035.jpg北側扉体の表側。南側とは開閉方式が異なり、軸に取り付けられたアームを、手前に見える樋に入ったワイヤーで引いて動かすようです。扉体の上に、ロッドを取り付けていたピンは残っているので、かつては南側と同じメカニズムだったのでしょうね。

可動状態に手入れされた、いわゆる「動態保存」とは言え、開閉や注排水はすべて手動、しかも釜閘門のように、常駐の管理者が敷地内にいる気配もなかったので、いつでも気軽に通航できる、というわけではなさそうです。


(21年12月3日撮影)

(『北上運河閘門めぐり…7』につづく)

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タグ : 北上運河石井閘門閘門