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北上運河閘門めぐり…3

(『北上運河閘門めぐり…2』のつづき)

19016.jpg
次に訪ねたのは、定川を渡った南側、東松島市大曲の大曲閘門
県道247号線を南下し、少し右に入ったところ、運河沿いのサイクリングロードから北側をのぞくと、ありました。ここから見た限りでも、先ほどの釜閘門より径間はさらに小さいようで、管理橋も短く、可愛らしい感じすらします。

ぐるりを見渡しても、付近に民家は見られず、写真の対岸も道は舗装されておらず、荒涼とした雰囲気。ゲートに近づいてみると…。
撮影地点のMapion地図

19017.jpg足場に使う鉄パイプで柵がされており、「立入禁止」の貼り紙も。ううむ。しかし、ここまで来て、あっさりときびすを返すわけには参りますまい、失礼させていただきました。ごめんなさい。

写真ではそれほどでもないように見えますが、このときはすでに結構な雨脚で、足元も滑りやすく、柵の右手から中に入るのは、ちょっと勇気がいりました。

19018.jpg…まあ、各所で写真も公表されているので、皆さんご存知かとは思いますが、ご覧のとおり放置されて久しい、廃閘門と言ってよいものです。

扉体にツタがからまり、腐食が進んで崩壊しかけているのを目にすると、さすがに物悲しいものがありますが、こんな小規模のマイタゲートを見るのは初めてなので、小さな閘門に惹かれる船頭としては、やはり軽く興奮してしまいました。

19019.jpg反対側のこちらは、すでに崩壊が始まって、手すりの片割れは落ちてしまったようですね。

貞山運河事典の「大曲閘門」によれば、釜閘門同様、明治15年の竣工。「幅3.52m×高3.80m×2連」とあるのは、扉体幅3.52m×2のゲート2組ということでしょうか。


19020.jpg今回も、何か銘板はないかと探し回っていたら、扉体の手すりに、メーカーズプレート発見。よくぞ、よくぞ錆び落ちずに残っていてくれた!

枯れたツタをかき分けてのぞいてみると、「日本鋼管 昭和41年製造」とありました。このころは、まだ少なからぬ通船量があったのでしょうか…。


(21年12月3日撮影)

(『北上運河閘門めぐり…4』につづく)

【21年12月10日追記】4段目、径間寸法のくだりですが、見た目とは裏腹に釜閘門と同じようなので訂正。これからメジャーを持ち歩く必要がありそうです…。

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タグ : 北上運河大曲閘門閘門

北上運河閘門めぐり…2

(『北上運河閘門めぐり…1』のつづき)

19011.jpg同じく南側の扉体を、少し離れて見たところ。手前にある長い箱は、開閉機構のケーシングで、端面には管理符号らしい「石釜―閘1」というプレートがありました。

銘板のようなものくらい、あってもよさそうなものだと、方々探して回ったのですが、見落としたのか、あるいは本当についていなかったのか、これ以外のプレートを発見することはできませんでした。

19012.jpgゲートのさらに南側は、ご覧のとおり船溜となっています。

利根川流域や、東京付近の閘門だと、ゲートの前に通航方法を表示した看板や電光掲示板、監視カメラなどが設けられ賑やかなものですが、こちらには一切、そのたぐいのものが見られないのには驚きました。
通航する艇は、どのようにして閘門を運転してもらうのでしょうか。実際に通った方のお話をうかがいたいものです。

19013.jpg南側ゲートの管理橋上から、定川、さらにその向こうに続く北上運河を望んで。松の疎林が運河に沿って伸びる、臨海部らしい眺めです。

写真ではよくわからないかもしれませんが、画面中央奥に、これから向かう大曲閘門のゲートの石組みを、かすかに望むことができました。

19014.jpg前後しますが、橋の下から北側、運河の奥をのぞいてみたとろ。こちらにも何隻か、繋留船の姿が見えます。運河はまだ何とか、生きているようですね。

ここから旧北上川、石井閘門まで4.9kmの運河が、市街地を貫いて続いているわけだ…う~ん、これはそそられる! 一部でもいいから、ゼヒ走ってみたいです!

19015.jpg敷地内にあった管理棟。こちらも扉体同様、最近改築されたもののようで、まだ新しい感じがします。

管理棟の前にはクルマが一台停まっており、車庫の扉も開いていたので、管理者の方にお話をうかがえるかと期待したのですが、残念ながらお留守のようでした。



(21年12月3日撮影)

【21年12月10日追記】う~ん、書き忘れていた…。相互リンク先である「日本の川と災害」の「北北上運河 釜閘門」に、ボートで通航された際の写真が掲載されています。通航方法はどうするのでしょう。通航時に上陸して管理棟に声をかけるのか、それとも大阪の各閘門ように、事前にFAXなどして予約しておかないといけないのでしょうか。

(『北上運河閘門めぐり…3』につづく)

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タグ : 北上運河釜閘門閘門