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浪花濃厚水路…11

(『浪花濃厚水路…10』のつづき)

15211.jpg昭和橋のすり抜けを堪能し、土佐堀川に出た直後の眺め。正面、中之島に沿った岸は、業務船の船溜のようですね。右手に見えるビルは、船長さんによると大阪最初の「超高層ビル」、中之島センタービルなのだとか。

上空の雲はますます厚くなり、今にも大粒の雨が降ってきそうな、危うい空模様。大阪の川の神様、何とかあと少し、雨を降らせないでください…。

15212.jpg
船は丁字流を左折、端建蔵橋をくぐり、土佐堀川から一旦安治川へ出てUターン、堂島川に入るコースを取ります。写真は、赤い社章も誇らしげな、安治川南岸の住友倉庫。

隅田川では、もはや過去の風景となってしまった、倉庫の前に艀が接岸する川景色…。ご当地大阪では、今なお現役の水運風景として、見ることができるのですね。素晴らしい。

15213.jpgいよいよ「水の回廊」も最終コース、堂島川に入りました。

第一橋の船津橋は、いいこんころもちの低さ。堂島川は都心を控えるだけに、橋の本に載るような名橋がいくつかあるんですよね。楽しみです。


15214.jpg新なにわ筋を渡す、上船津橋の上には、阪神高速3号神戸線が覆いかぶさっており、二階建て構造になっているようです。

長さは短いですが、隅田川大橋を思わせる雰囲気。
おっ? その向こうの橋は…。


15215.jpg
あれ? さっきくぐったはずの昭和橋が…と、錯覚させるほど、構造のタイプもスレスレ具合も、そっくりな橋が出現。案内のリーフレットによると、堂島大橋だそうです。

近づくにつれて…、イヤ、似ているようでかなり違う! 「背中に悪寒が走る」などという表現では足りない、もっと、こう、何と言うか…
禍々しい雰囲気
(失礼)…を勝手に感じ取り、戦慄する船頭。後で知ることになるのですが、昭和橋はほんの前哨戦に過ぎず、堂島川こそが、低い橋の花道、ナニワの水路の真髄だったのです!
撮影地点のMapion地図

(21年9月12日撮影)

(『超弩級最低橋?』につづく)

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タグ : 土佐堀川安治川堂島川大阪水上バス

浪花濃厚水路…10

(『道頓堀川閘門…2』のつづき)

15206.jpg西岸には、土運船やクレーン船の船溜が。どの船も、青い船体に山吹色のキャブと、なかなか洒落た塗装で佳い感じ。澪標のマークが書かれているところを見ると、大阪市の持ち船なのですね。

この間、5本の橋があったのですが、最終橋(いや、最上流だから第一橋ですね)の印象が強烈過ぎて、意識がすべて吸い寄せられてしまった気が…。コイツ()が悪いんです!

15207.jpg
というわけで、木津川流頭部の橋、昭和橋を目前にしたときの印象を、一言で。
うわあ…。

永代橋をスケールダウンしたような、なかなか風格のあるタイドアーチで、普通なら「ああ、いい橋だなあ」で済んでしまうところですが、この桁下高の低さが、彼の立ち位置を微妙なモノにしている気が…。
言うまでもなく、最低橋バカとしては、大いに惹かれるものがあったわけであります!
いや~、さすが大阪! あなどれません!

15208.jpgうはは、このギリギリ加減、背中に悪寒が走る素晴らしさ! (大阪の方、申しわけありません、喜んでいるのです!)

高欄に掲げられた、看板に突っ込みたくなりました。前方の船とか、基礎護岸が出っ張っていて浅いとか、ほかのことを注意する前に、まず自分の桁下の低さを注意しろと。
嬉しくてコーフンしているので、もうわけのわからないことが脳内を駆け巡ります。船長さんに「頭を下げて」とか、言われたと思うのですが、それすら覚えていません…。

15209.jpgくぅ~(笑)
この低さ、タマランです…


皆さん仰向けになったり、体を傾けて難を避け、息詰まるすり抜けの一瞬。我々を含む最前列4人は、イスの前にしゃがみこんで、身を縮めていました。

15210.jpgイヤ、後席のお母さん、子供そっちのけで桁下をナデナデしたくなる気持ち、痛いほどわかりますよ…。

この昭和橋、先ほども引用させていただいた、「歩いて大阪八百八橋」によれば、全長82.8m、昭和7年竣工とのこと。戦前の名橋の一つと言ってよいのでしょうが、最低橋趣味(ハイ、今考えました)の観点から見ますると、上位10橋に間違いなくランクインするであろう、マニアックな橋ということになります。イヤ、ご愁傷さまでした(笑)。
撮影地点のMapion地図

(21年9月12日撮影)

(『浪花濃厚水路…11』につづく)

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タグ : 木津川独航艀大阪水上バス

道頓堀川閘門…2

(『道頓堀川閘門…1』のつづき)

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今回も水位差はほとんどなく、マイタゲートが閉じるとほぼ同時に、ラジアルゲートが下がり始めました。東横堀川閘門と違うのは、径間が小さいせいか、両岸からの警告放水がささやかで、チョロチョロといった程度だったこと。

それでも、アームがゆっくりスイングして、扉体を水没させてゆくさまを眺めるのは、やはり興奮のひととき! 向こうは木津川との十字流、正面に見えてきた白いタイドアーチは、岩松橋です。

15202.jpg扉体が下がりきると、計ったようなタイミングで、右手から清掃船が出現、タモ網でゴミ取り作業を始めました。

「水都大阪」と大書きした看板を掲げたこの艇、東京の同種の艇より小型で、コンソールも低めに造られています。やはり橋の桁下高を、考えてのことでしょう。

15203.jpg強烈閘門・道頓堀川閘門を出て、木津川へ。左手に二段式ローラーゲートの制水門が見えます。

ナニワの高架下水路・東横堀川と、水路の都大路・道頓堀川にお別れ。思った以上に見どころ満載で、濃厚かつ濃縮されたひとときでした。リバーウォークが完成したら、また来てみたいですねえ。

15204.jpg十字流を右へ、木津川を北上。両岸にはテラスが造られ、さっぱりと薄味の川景色。

あいかわらず雲は厚く、いつ降り出すかヒヤヒヤしながらの水路行ですが、今のところ何とか持ちこたえているのは、ありがたい限り。もう少しだけ、こらえてくだされ…。

15205.jpg
イチョウの葉をかたどった高欄が印象的な、千代崎橋。これも古そうな鋼桁橋ですね。だいぶ低いな、とほくそ笑んでいたら、すかさず船長さんより「低いですから気をつけて、頭を下げてください!」と声がかかり、乗客一同、思い思いにのけぞったり、イスから外れてしゃがみこんだり。

「アクアmini」にとっては、充分低いとはいえ、我が愛しの最低橋・茂森橋が見せる、息が詰まるような余裕のなさにくらべれば、足元にも及ぶまい…と、鼻息荒くタカをくくる船頭。
この後、その思い上がりは見事に打ち砕かれ、ナニワの水路文化の奥深さを、イヤと言うほど思い知らされることになるとは、誰が予想しえたでありましょうや! (こればっかり)
撮影地点のMapion地図

(21年9月12日撮影)

(『浪花濃厚水路…10』につづく)

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タグ : 道頓堀川閘門道頓堀川木津川閘門

道頓堀川閘門…1

(『浪花濃厚水路…9』のつづき)

15196.jpg
本日二度目のご馳走、道頓堀川閘門に近づいてみると…。
…何かスゴイものが上に乗っかっている…。

これは、右側にある制水門(通航は不可)が、二段式ローラーゲートのため、巻上機室を兼ねて造られた上屋ということがわかりましたが、それにしても、上屋の造形に力こぶを入れ過ぎのような気が(笑)。水門や閘門本体の存在が、霞んでしまいそうなきらきらしさ…。

15197.jpg派手な上屋に、すっかり目を奪われてしまいましたが、ご馳走はもちろん閘門のほう。内水側はマイタゲート、これから出る木津川側の扉体が、ラジアルゲートという組み合わせは、先ほどの東横堀川閘門と一緒です。

こちらのマイタゲートは、径間が8.6mと小さいため、可愛らしい感じがしますが、シェル構造のスマートな外観は、東横堀川のそれと同様です。

15198.jpg注意書きも東横堀川閘門と同じく、通航3日前までのFAX申請必須。申請の受付や管理は、東横堀川で一括して行っているようですね。

まあ、何か理由があってのこととは思いますが、プレジャーボートやカヤックなど、アマチュア艇にとって、少々利用しにくい環境のようです。
東京や利根川下流域の閘門群が、まったく自由に利用できるだけに、大阪の「事前申請必須」には、窮屈な感じが否めません。地元の艇長さんたちは、どう感じられているでしょうか。

15199.jpg我々の船がもやった側壁の手すりに、小さなポストが。「河川管理事務所 桟橋利用確認届け」とありました。

こちらは業務船向けのものでしょうか。途中の船着場を利用した船は、ここに届け出用紙を入れるのかしら?



15200.jpg小さい径間とはいえ、マイタゲートの運転される姿を眺めるのは、やはり面白いもの。

先ほど立ち寄った、湊町船着場でほとんどのお客さんが降りてしまったものの、船長さんの説明はますます熱を帯び、飽きさせることがありません。
撮影地点のMapion地図


(21年9月12日撮影)

(『道頓堀川閘門…2』につづく)

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タグ : 道頓堀川閘門道頓堀川閘門

浪花濃厚水路…9

(『浪花濃厚水路…8』のつづき)

15191.jpgオブジェのような吊り橋、浮庭橋の手前にある、湊町船着場に着岸。ここで大阪城港から一緒に乗った、ほとんどのお客さんが降りてしまいましたが、私は降りません。ええ。降りるもんですか!こんなに楽しいのに!

通常便はここが終点なのですが、我々の乗ったこの、12:05大阪城港発「水の回廊コース」は、まだまだたっぷり、大阪の濃厚な水路を楽しませてくれるのですよ、うひひ…。

15192.jpgミナミの賑やかなちまたを抜けて、周りはすっかり静かになったものの、趣味的にはむしろ、次第に濃度を増してくるヨカンが。

「橋が低いですからね、頭を低くしていてください」…そそるアナウンスありがとう、船長さん(涙)。その割には速度を緩めないのがまた、イイ感じですわ!
橋を撮ろうと思っていたら…。

15193.jpg南側に、こんなイイ感じの陸閘が出現、一気に意識を吸い寄せられました。

気が向いたら、一人でもガラガラと開けたてして遊べそうな(遊んだらいけないでしょうが、そこはそれ)、可愛らしさがたまらんです。


15194.jpg船溜もいくつかあり、東京のそれより一回りサイズの小さい、いかにも河川専用といった感じの、バージや曳船にも吸い寄せられ。

船尾の部分、押船がはまる凹みの構造が凄い。出艫がやたら張り出していて、まるで金魚のヒレのようですね。

15195.jpgあれこれ目移りしていたら、5本の橋をくぐるのもあっという間。道頓堀川の最終橋、日吉橋を前にしたあたりで、おおお、見えてきた!

いえ、右の京セラドームではありません。本日二つ目の閘門、道頓堀川閘門です!
撮影地点のMapion地図


(21年9月12日撮影)

(『道頓堀川閘門…1』につづく)

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タグ : 道頓堀川陸閘大阪水上バス