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境川に向かう

なんとも気候が不安定で、荒れ模様の日が少なくない今年の夏ですが、去る8月16日は、最近では珍しい快晴の日曜日、さらに風も穏やかとの予報を受け、久しぶりに未踏破水路の探索を楽しんできました。

目指す水路は、千葉県浦安市の境川。近場にもかかわらず、これまでなかなか訪問できなかった川です。

13001.jpgご存知のように湾奥東側、千葉方面は西側と異なり、沿海運河がないので、海を進まざるを得ません。しかも、いったん南風が吹けば荒れ出し、ヘタレ小型艇にとってはツラくなる湾奥海域ですから、千葉県側に向かうのは、ついおっくうになってしまうのです。

しかしこの日の予報は、東風のち北東の風。これは好機とばかり、久しぶりに海へ。普段は川走りばかりで、不遇をかこっているコンパスも、海に出れば俄然存在感を増してきます。まずは三枚洲をかわすまで、針路180度で快走。

13002.jpg三枚洲の浅水域を左手に見て、東へ変針。快晴、しかも海は穏やかとあって、プレジャーなど出船の数も相当なものです。

ディスティニーシー…いや違った、ディズニーシー沖で、巨大な台船を一隻曳いた、曳船に出会いました。重い爆音を響かせ、折からの東風で、ディーゼルの油煙が進行方向になびいています。

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大河の河口が連なるこのあたりは、沖合まで水深5mほどの浅瀬が張り出す遠浅の海域。その南側は本船の泊地で、フネブネが錨を下ろして憩う姿が楽しめる場所でもあります。少し大回りして、泊地をかすめつつ進むことに。

写真は碇泊中のLPGタンカー、船名は「菱邦丸(りょうほうまる)」とありました。南極通いの砕氷艦もかくやと思わせる、鮮やかなオレンジ色です。消防艇といい、赤い水門といい、何だか暖色系の巨大なモノに惹かれる今日このごろ…イヤ、昔からそうでしたか。

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う~む。空を見上げると、うろこ雲が広がって、8月中旬とは思えない、もうすっかり秋の空ですね。

いえ、気温だけでいえば暑く、キチンと夏ではあるものの、北風が入っているせいかどこか爽やかで、べたついた感じがしないのです。まあ、絶好の渡海日和ではあります。

13005.jpg巨大マンション群が水辺に林立する、埋立地の果つるところ、境川の河口に到着。

境川は、ご存知のように江戸川(旧江戸川)の派川であり、私の大好きな、戦前の水運や水辺を活写した小説、山本周五郎の「青べか物語」の舞台にもなった川で、浦安の母なる川ともいえる存在です。

ただし、可航区間のほぼすべては、埋め立ての進展によって延長された水路で、旧来の境川は、前後を常時閉の水門―境川西水門と境川東水門―によって塞がれており、江戸川から入ることができないのです。

そんなわけで、今回は、下流側に位置する境川東水門(過去ログ『境川東水門』参照)が最終目的地。船溜として利用されている川なので、特に心配な部分はないのですが、さて、どんな川景色が待っているのでしょうか。
撮影地点のMapion地図

(21年8月16日撮影)

(『境川…1』につづく)

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タグ : 境川LPGタンカー曳船台船