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水門先生と江東運河地帯…6

(『水門先生と江東運河地帯…5』のつづき)

というわけで、微 速 前 進、茂 森 橋 に 突 入。
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ほくそ笑んだのはいいものの、う~む、明らかに以前通った時より低い。つまり水位が高い。まあ、こんなギリギリ状態ですり抜けたことは、新記録には間違いありますまいが。
時刻は11時過ぎ、この時点での芝浦の推算潮位は、0.72m。A.P.+2.3mひく0.72mは、エ~ト…1.58mですか。内陸にいるタイムラグを考えると、それより水位はかなり高いはずで、もう本当にギリギリなのも、むべなるかな。

うわわ、右端にあるホーンのラッパが、桁下に出っ張っているリベットに当たりそう! 目測して3cmもない感じで、緊張が一気に急上昇。後席にいるF氏にお願いし、少し右へ体を乗り出してもらい、左右のトリムを調整してことなきを得たものの、肝を冷やしました。

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こちらはF氏撮影のすり抜け状況(写真をお送りいただき、ありがとうございました!)。二人ともシートから外れてしゃがみ込み、まさに佐藤氏書かれたところの「敵弾の中に突っ込むシーン」。プロの腕と機材の違いから、写真の鮮明度が、もう比較になりません(泣)。

小さな橋とはいえ、葛西橋通りを渡しているだけに幅があり、こうして見ると、弾雨ならぬリベットの洪水ですね。カメラを構える佐藤氏が、機関銃手か戦場記者のようでカッコイイ。
私は…しゃがむとコンソールの周りにごてごてと付けた追加装備で、視界がほぼゼロになってしまうため、ほとんど天井だけ見ているような、情けないありさまです。

12028.jpgすり抜け成功。イヤ~、低かった!
やっぱり、抜けた直後はつい、しげしげと眺め回してしまいますよね。「こんな激しく低いところを抜けたんだなあ」と、一同生還を喜びながら(うそ)、しばし放心。橋上を渡る自転車のおじさんが、驚いたようにこちらを見ています。

ホッとしてから気づかされたのですが、今回、無事すり抜けられたのは、4人乗りで喫水が深くなっていればこそ、もし私一人だったら、確実に、潮待ちを余儀なくされていたことでしょう。
つまり、4人の共同作業の賜物なわけで…と、結婚式の司会みたいなことを書いてみたくなりました。

12029.jpg以前も書きましたが、この茂森橋、「鋼桁橋のラーメン橋台橋」という、震災復興橋独特の型式なわけです。
両端に、写真のようなアーチのコンクリート橋台を設け、両岸に橋台地が確保できなくとも、すぐに建造にかかれる特徴があり、かつては都内に多くの同型橋がありました。

現在はここと、日本橋川の一ツ橋くらいになってしまいましたが、ある時代を象徴する、貴重な橋には変わりありませんから、この傷み具合は哀れですね。ぜひもうちょっとかわいがってあげて、末永く使っていただきたいものです。

12030.jpg茂森橋を抜けるとそこは、今までの狭くてイイ感じな雰囲気がウソのような、穏やかな水路風景。仙台堀川との丁字流、正面にはハンサムなトラス橋、大栄橋が鎮座する交差点です。

せっかくですから、仙台堀川を西進し、西側河川ワールドをたっぷり味わっていきましょう。


(21年8月9日撮影)

(『水門先生と江東運河地帯…7』につづく)

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タグ : 茂森橋最低橋大横川江東内部河川