柳原水門の表情
(『江戸川散歩…3』のつづき)
●国府台下を離れてしばらく進むと、右手に見えてくるのが、派川坂川を守る、柳原水門。
一昔前、三浦から遠路はるばる江戸川に艇を持ってきて、この水門に初めて出会ったときは、まるで一時期のお役所建築のような、水門らしからぬデザインに驚かされたものです。母港を都内に移して、荒川筋などのこの手の豪華水門(?)をいくつか目にしてからは、慣れたせいか、それほどでもなくなりましたが…。
今改めて眺めてみると、排水機場樋門が一歩出た形で左手に配され、水門自身も右手に大げさな階段のシャフトを持っているなど、非対称の配置の妙で、見る角度によって表情ががらりと変わり、なかなか面白いものだと思いました。

●真正面から眺めても、手前の樋門、水門自身ときて、左手に排水機場の建屋、さらに右手にはぽつりと、千葉県水道局・栗山浄水場の給水塔が古風な姿をのぞかせているなど、奥行きのある構図が楽しめます。
そうそう、15年前に訪れたとき、まったく同じ角度から撮った写真があるんだった…。以下にご覧に入れましょう。

●平成7年8月、おそらく2日の柳原水門。この日はほとんど無風で、陽射しも強く、とにかく暑さが堪えたことを思い出します。影の状態からして、撮影時刻は昼近くでしょうか。
水門と樋門の上屋は、名前が入っていないのっぺらぼう。背後の排水機場も建設中、周りの法面にもコンクリートが打たれておらず、草ぼうぼうのままなど、まだまだ工事半ばといった感じが伝わってきますね。
【撮影地点のMapion地図】
●現在の写真に戻って、上流側から。
樋門のゲートが水門をさえぎって、二つの位置関係がよくわかる角度。樋門の管理橋(?)が、虹のように湾曲しているのも変わっていますね。
水門周囲の法面は、昼寝をする人、談笑する人と結構な人出で、格好の憩いの場となっていることがうかがえます。手前の茂みは、釣り人さんの穴場のようですね。
●ほぼ真横から見ると、まるで親子連れといった雰囲気で、ちょっとユーモラス。水門と樋門の、会話が聞こえてくるようです。
背景に国府台の、分厚い布団のような緑が横たわって、白亜の水門たちをくっきりと浮かび上がらせているのも、なかなか佳し。
初見のときは、少々凝り過ぎではとも思えたデザインも、こうして眺めると、周囲との調和を考えて造られたように感じられ、ちょっと見直したものです。
(21年6月7日撮影)
(『江戸川散歩…4』につづく)

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一昔前、三浦から遠路はるばる江戸川に艇を持ってきて、この水門に初めて出会ったときは、まるで一時期のお役所建築のような、水門らしからぬデザインに驚かされたものです。母港を都内に移して、荒川筋などのこの手の豪華水門(?)をいくつか目にしてからは、慣れたせいか、それほどでもなくなりましたが…。
今改めて眺めてみると、排水機場樋門が一歩出た形で左手に配され、水門自身も右手に大げさな階段のシャフトを持っているなど、非対称の配置の妙で、見る角度によって表情ががらりと変わり、なかなか面白いものだと思いました。

●真正面から眺めても、手前の樋門、水門自身ときて、左手に排水機場の建屋、さらに右手にはぽつりと、千葉県水道局・栗山浄水場の給水塔が古風な姿をのぞかせているなど、奥行きのある構図が楽しめます。
そうそう、15年前に訪れたとき、まったく同じ角度から撮った写真があるんだった…。以下にご覧に入れましょう。

●平成7年8月、おそらく2日の柳原水門。この日はほとんど無風で、陽射しも強く、とにかく暑さが堪えたことを思い出します。影の状態からして、撮影時刻は昼近くでしょうか。
水門と樋門の上屋は、名前が入っていないのっぺらぼう。背後の排水機場も建設中、周りの法面にもコンクリートが打たれておらず、草ぼうぼうのままなど、まだまだ工事半ばといった感じが伝わってきますね。
【撮影地点のMapion地図】

樋門のゲートが水門をさえぎって、二つの位置関係がよくわかる角度。樋門の管理橋(?)が、虹のように湾曲しているのも変わっていますね。
水門周囲の法面は、昼寝をする人、談笑する人と結構な人出で、格好の憩いの場となっていることがうかがえます。手前の茂みは、釣り人さんの穴場のようですね。

背景に国府台の、分厚い布団のような緑が横たわって、白亜の水門たちをくっきりと浮かび上がらせているのも、なかなか佳し。
初見のときは、少々凝り過ぎではとも思えたデザインも、こうして眺めると、周囲との調和を考えて造られたように感じられ、ちょっと見直したものです。
(21年6月7日撮影)
(『江戸川散歩…4』につづく)

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