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江戸川散歩…3

(『江戸川散歩…2』のつづき)

7049.jpg江戸川から真間川が分流する地点には、対照的な二つの樋門があります。

右の2径間のものが、ラックを頭上に突き出した、質実剛健な雰囲気なのにくらべ、左のものは控えめながら装飾(?)が施され、顔のようでちょっとユーモラス。左は、根本排水機場の樋門のようですね。
撮影地点のMapion地図

7050.jpg国府台の先端を眺めて。巨大な下総台地の、半島のように張り出した部分で、麓に沿って家屋が点在し、まるで箱庭のような風景です。

写真集「利根川高瀬舟」(旧大利根博物館刊)には、大正時代の国府台から俯瞰撮影した、たくさんの高瀬舟が、いっせいに白帆を上げて遡上してゆく写真が掲載されています。
まさに圧倒的と言ってよい、素晴らしい舟運シーンが後世に残ったのも、関東の大河に面した水辺としては珍しい、この丘陵のあったお陰で、水運趣味的に見ても、印象深い地形であるわけです。

7051.jpg上るにつれて、国府台の麓は水辺に迫り、ついには堤防を飲み込んで、江戸川の水と接するまでになります。

このあたり、江戸時代に、神田山(本郷台)に接して設けられた、神田川の柳原土手に近いものを感じます。もちろん、神田川が本郷台を掘り割って作られた、人工の川という違いはありますが。

7052.jpg国府台下で唯一、法面が川に向かって開かれている場所。この真上はちょうど、国府台城跡がありますから、昔の河岸の跡でもあるのでしょうか。

ミニボートやPWCの上下架スポットとして、なかなか良さそう。クルマが多く停まっているところを見ると、釣りの穴場でもあるのでしょうね。

7053.jpg上流側からの遠望。江戸川は、下総・大宮の両台地に挟まれた、巨大な「谷」を流れていると言えますが、この角度から見ると、まさに沖積低地果つるところ、といった感を強くします。

高い建物のなかった昔、この緑濃い国府台を目にした下り舟の水夫たちは、東京まであと一息、と、舟を操る手に力をこめたに違いありません。

(21年6月7日撮影)

(『柳原水門の表情』につづく)

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タグ : 江戸川国府台真間川