「源森川」に道草…4

(『「源森川」に道草…3』のつづき)

6108.jpg屋形船にもやっていた、FRP和船に目を引かれました。船宿のテンダーでしょうか。

コンソールを船尾ぎりぎりに持って来たせいか、軽快で速そうな感じ。船尾周りをブルワークで一段高く囲っているのも、船首の反り具合とバランスがよく、悪くないスタイルです。


6109.jpg繋留船の列はすぐに途切れ、可航幅がぐっと広くなりました。写真は西方を振り返ったところ。

高架線は徐々に水辺から距離を取り、岸との間にできた帯状の土地には、木が生い茂っています。この角度から見ると、ご覧のとおり高架線はすっかり木の陰に隠れ、まるで築堤のように見えます。

6110.jpg最奥部には、紺色の鋼桁橋、小梅橋(A.P.+4.5m)が架かり、その奥に見えるスライドゲート群・北十間川樋門で、旧源森川は終わっています。

樋門の向こうに続く北十間川は、ご存知のとおり水位低下化河川で、この時点では約2mの水位差があるはずです。ここに閘門を造ってもらえれば、いずれ完成する、東京スカイツリーを間近に眺めながらの水路行が楽しめるのですが…と、例によって妄想。

6111.jpg最奥部南側は、少し掘り広げられたような形になっていました。昔は船着場があったように思える造作です。

写真のすぐ右には、下水道局の業平橋ポンプ所がありますから、昔は汚泥や屎尿の積み出しを、船で行っていたのかもしれませんね。


6112.jpgさて、道草もここでおしまい、転回して戻るとしましょう。
写真左手、全面にツタがかぶさって、水面をまたいだような異様な建物は、業平橋ポンプ所の施設です。ここから見ると、視界の両側に緑が広がって、山間の水路か、廃墟の間に迷い込んだような錯覚を起こしそう…。

都大路・隅田川から一本入っただけの、言わば都心の水路にもかかわらず、そののんびりとした空気は独特のものがあります。立ち寄るたびに、戦前の墨東の残り香をかいだような、そんな気分にさせてくれる川です。
撮影地点のMapion地図

(21年5月3日撮影)

【5月3日の項の参考文献】
川の地図辞典(菅原健二 著)之潮
江東内部河川通航ガイド 東京都建設局河川部

(この項おわり)

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タグ : 源森川 北十間川 北十間川樋門 江東内部河川

どぶろぐ写経…


こちらに一本化するのか、他のブログサービスに移設するのか…と、Doblog時代の記事の移転先についてはずいぶん悩んだのですが…。

FC2の規約をよくよく読んでみると「登録時のメアドさえ違っていれば、複数ブログを立ち上げてもよい」とのことでした(違ったかな?)ので、同じ苦行(?)なら、やはり使い慣れた場所に越したことはないと、FC2にもう一本、新たに過去記事の収容先を立ち上げさせていただくことと相成りました。
FC2さん、お世話になります…。

タイトルは、まあそのまんまなのですが、「水路をゆく 過去ログ」としました。
何分、結構なカサを書き散らしてしまったので、まだ1年分ほどしか移設が済んでいないのですが、こちら同様、よしなにお願い申し上げます。

しかし、ある種自業自得とはいえ、一つづつ記事をいじりながらちまちま移設していくのは、気の遠くなる思いで、何か写経でもしているような気分になってきました。どぶろぐ写経とでも称すべきや。

全ての記事の移設が終わった瞬間、モニターの中にまばゆい光が見えて、悟りの境地に達することができそう…。
ある日突然、私がハジケだしたら、解脱したと思ってください(笑)。


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タグ : Doblog

「源森川」に道草…3

(『 「源森川」に道草…2』のつづき)

6103.jpgおっと、写真を一枚忘れていました。前回の最後の写真より、少し手前のシーン。

波板で被服?された壁の手前に、昔からのものらしい部分が、2径間だけ顔を出しているのが見えますね。アルミサッシに取り替えられていますが、ここも以前は、アーチ形の鉄窓枠だったのでしょう。左側の部分、ツタがからまって、原形の壁が露出した径間より、古色蒼然としているのが妙です。

6104.jpg第二橋は源森橋(A.P.+4.2m)。水門同様、水路名を冠したあたり由緒ありげですが、こちらは最近の鋼桁橋で、橋台地が大きく張り出しているのが特徴的です。

先ほどとは違い、左の高架線が道をまたぐ部分には、装飾らしいものは見られないようですね。


6105.jpg源森橋をくぐると、ふたたび船溜となります。

屋形船だけでなく、プレジャーボートも見え、両岸の緑もさらに濃く、静かで落ち着いた雰囲気…。
撮影地点のMapion地図



6106.jpg通過音に高架線を見上げると、赤いラインの急行電車が。線路は何分、岸にぴったり沿っているため、電車の姿はよく見えません。

電車は頻繁に通るのですが、周囲が開けているせいか、音はさほど耳につかず、騒々しい感じはしません。


6107.jpgしかし、高架線側のこの緑の濃さ…。南向きで水辺ということもあるのでしょうが、よほど草木にとってよい環境なのでしょうね。

特に葉の色も鮮やかなこの季節、水面に枝を広げる木々たちと、懐かしい感じのする高架下建築がよくマッチして、なかなか素敵な水路風景が味わえました。



(21年5月3日撮影)

(『「源森川」に道草…4』につづく)

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タグ : 源森川 北十間川 江東内部河川

「源森川」に道草…2

(『「源森川」に道草…1』のつづき)

6098.jpg枕橋の東側は…まあ、パターンではありますが、水管が併設されて、観賞には具合のよくない状態でした。

側面に支持架が打ち込まれているのは、少々痛々しい感じがしなくもありませんが、水管橋が隣接して橋のシルエットを隠すよりは、若干マシといったところでしょうか。


6099.jpg枕橋近くにもやう、屋形船群の様子。

古川のギッシリぶりよりは、だいぶ余裕があるものの、もちろん転回できるような広さはありませんから、船頭さんは出入りに気を遣われているのでしょう。



6100.jpg屋形船の途切れた先、水辺が植え込みとして整備されており、建物が密集している割には、緑が豊かです。

高架下からも、ところどころ木が水面に向けて枝を伸ばしていることも手伝い、下町の水辺としては珍しい、野趣あふれる雰囲気です。

6101.jpg東武の高架線が迫る、この水路の楽しみの一つは、やはり高架下建築でしょう。
写真のコレは…明らかに途中で切断され、トタン板の応急的な壁で塞いだまま、星霜を経たような感じですが…。窓枠の形からして、高架線の竣工と近い年代の建築のようですね。昔は、この窓が高架下に、ズラリと並んでいたのでしょうね。
アーチ形の窓枠を見て、戦前に建てられた、母校の窓を思い出しました。重たくて開けたてのしづらい、重ね塗りされたペンキがざらついていた鉄の窓枠、ひび割れた窓ガラスのパテ…。

6102.jpg奥に向かって続く高架下建築は、波板で覆われて増築されていますが、意外とこの内側には、昔の建物が残っているのかもしれません。

ところどころ錆色に染まった、石垣護岸もいい雰囲気です。護岸は写真右手、源森橋の橋台地に向かって、高度を上げているのがわかります。
撮影地点のMapion地図


(21年5月3日撮影)

(『「源森川」に道草…3』につづく)

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タグ : 源森川 北十間川 枕橋 江東内部河川

「源森川」に道草…1

(『分水路まつり覚え書き』のつづき)

6093.jpg「分水路まつり」をガマンしきれず先にやってしまったので、前後しますがご勘弁ください。

古川を出た後、思ったより早く柳橋(神田川河口)に着いてしまい、D君との約束の時間まで余裕があるのに気をよくし、さらに隅田川を遡上して、浅草は花川戸橋梁下流にある、北十間川西口まで来てしまいました。以前、一度紹介したことがある川ですが、奥の写真を撮り忘れていたので、改めて訪ねてみようと思ったのです。

もっとも、寄り道にしては調子に乗りすぎたようで、事実、約束の時間には少し遅れてしまいました。D君、ごめんなさい…。

6094.jpg源森川水門をくぐりながら、ふと上を見上げると、おや、信号の灯器がLEDになっていますね。道路の信号にも、まだ白熱球のものが少なくないというのに…いつ取り替えたのでしょうか。他の水門も、今度から確かめてみようっと。

ここ、現在は北十間川の一部になっているのですが、もとは源森川と呼ばれていました。水位低下化河川である、北十間川の東半部とは、北十間川樋門を隔てて完全に分断されているのですが…。管理上、仕方がないのでしょうか。

水門のみ「源森川」の名が残るのは、お花見の名所・大島川(現大横川)と似ていますね。ちなみに開鑿は寛文3年(西暦1663年)、源兵衛堀とも呼ばれたそうです。

6095.jpg隅田川東岸地域では、珍しいコンクリートアーチ、枕橋(A.P.+4.3m、昭和3年竣工)のしっとりとした姿。

親柱は、かつてこの地にビール工場があったことにちなんで、ビヤ樽を模したのでは…と言う説もありますが、そのくびれ方はおよそ、コーラのビンが似つかわしい雰囲気。右側、東武線陸橋の、石造りの橋台部や古風な架線柱とよく調和し、昭和初期の香りが楽しめる一画です。

6096.jpg枕橋のアーチの下にもやっていた船を見ていたら…うほほ、これはまたイイ感じに異形のフネが。

本来はもっと全長があったのを、再利用するためブツ切りにしたのか、それともむりやり継ぎ足して、干舷を高くしたのか…。いずれにせよ、不安定極まりないアンバランスさに惹かれました。


6097.jpg左手には、高架下建築を収めた東武線が寄り添い、岸は低めの石垣護岸。右側には屋形船の船溜…と、観光客で賑やかな浅草の間近とは思えない、明朗でのどかな水路風景です。

手の届きそうな位置に地面のある、この目線の高さも、水位の低い北十間川とはまったくおもむきの異なる部分で、やはりここは「源森川」と呼んであげたい気分になります。
撮影地点のMapion地図

(21年5月3日撮影)

(『「源森川」に道草…2』につづく)

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