初めての初日の出…6
(『初めての初日の出…5』のつづき)

●初日の出の帰路に目にした、印象的な湾奥風景をいくつか。
ゲートブリッジの向こうに望むビル群の中に、陽の昇りつつあるほんの短い間だけ、陽光を反射してキラキラ輝いていたものが2、3見られ、水面に光の筋を描くさまがきれいでした。

●中防越しに眺めた、この冬初の富士山。雪をまとった白い山体が、ほんのりと茜色に薄化粧をした、冬の早朝ならではの表情。陽光が力を得てゆくにつれ、山腹のディテールが刻々と鮮明さを増してゆく様子も荘厳さを感じさせ、よいものでした。

●帰途に就くシンフォニー姉妹や、碇泊する本船の船橋も陽を受けて輝いています。明るくなってから改めて、水平線近くは結構雲が多いことがわかりました。雲が広がらなくて何よりでしたね。
●山も建物も船も、そして引き波も、すべてを美しく暖色系に染め上げてゆく初日の出の素晴らしさ! 陽を浴びるものすべてを浄化してゆくような感じがする‥‥といったら大げさでしょうか。
‥‥ええ、ここで残念なことが一つ。行逢艇の引き波を受ける角度に気を配らなかった私が悪いのですが、右下の写真を撮った直後、引き波の予想以上に激しい動揺で、メーターパネル前に置いた愛用のコンデジが落下し、壊れてしまったのでした。
●実は、12月28日に出た際、あんば様(阿波大杉神社)のお札を外して、持ち帰っていたのですね。年末の時点では、初日の出を見に出かけられるとは思っていなかったので、新しいお札をいただく2日の初詣まで、外して差し支えなかろうと。
まあ、これもお札を持参し忘れた自分の責任とは申せ、思わぬところであんば様の霊験(?)を実感したような気になったという、お粗末でありました。
(令和5年1月1日撮影)
(この項おわり)

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●初日の出の帰路に目にした、印象的な湾奥風景をいくつか。
ゲートブリッジの向こうに望むビル群の中に、陽の昇りつつあるほんの短い間だけ、陽光を反射してキラキラ輝いていたものが2、3見られ、水面に光の筋を描くさまがきれいでした。

●中防越しに眺めた、この冬初の富士山。雪をまとった白い山体が、ほんのりと茜色に薄化粧をした、冬の早朝ならではの表情。陽光が力を得てゆくにつれ、山腹のディテールが刻々と鮮明さを増してゆく様子も荘厳さを感じさせ、よいものでした。

●帰途に就くシンフォニー姉妹や、碇泊する本船の船橋も陽を受けて輝いています。明るくなってから改めて、水平線近くは結構雲が多いことがわかりました。雲が広がらなくて何よりでしたね。

‥‥ええ、ここで残念なことが一つ。行逢艇の引き波を受ける角度に気を配らなかった私が悪いのですが、右下の写真を撮った直後、引き波の予想以上に激しい動揺で、メーターパネル前に置いた愛用のコンデジが落下し、壊れてしまったのでした。

まあ、これもお札を持参し忘れた自分の責任とは申せ、思わぬところであんば様の霊験(?)を実感したような気になったという、お粗末でありました。
(令和5年1月1日撮影)
(この項おわり)

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初めての初日の出…5
(『初めての初日の出…4』のつづき)

●6:56‥‥出た!
火炎と化した雲の稜線から、ついに初日の出が!
海浜や岬などに集まってご来光を拝んでいるなら、ここで「おおー」と周りから歎声が漏れるところですが、湾奥海上とて、聞こえるのは自艇のアイドリング音のみ、静謐そのものであります。

●6:57。陽が顔を出すと同時に、水面にさあぁーっ、といった感じで茜色の光が線を描いて、こちらに伸びてきました。
この瞬間は本当に神々しく思え、感動したものでした。陽の光がもたらす温もりとか、あらゆる恵みがこちらに押し寄せてきたような、そんな感じを抱いたものです。

●太陽が高度を増してくると同時に、市原の工業地帯に林立する煙突群が吐き出す煙にも光が行き渡って、無表情だった水平線上にほどよいディテールを浮かび上がらせました。
ん? 右から本船がだんだん進んできているような‥‥いや、右舷のアンカーが降りているから、こちらが流されていてそう見えるだけかな?

●6:59、太陽はほぼ雲の稜線を離れて、水面を走る光芒はますます太く鮮やかに。美しい、実に美しい。令和5年の日本の夜明けであります。
むう、本船がかぶさってしまいましたが、これはこれでドラマチックな感じがしてよい絵かも、と思うことに。先ほどまでのボケボケ、ザラザラな仕上がりの写真を思えば、工場の煙から本船のディテールまでブレずにしっかり写り、きれいなものです。
●すっかり明るくなった海上を見渡し、その爽快な眺めをしばし味わってから、改めて姿勢を正し、お日様に向かって二拝二拍手一礼。皆様のご多幸と家内安全、今年の船路が事故なく楽しめるようにとお祈りしました。
周りに点々と漂泊していた艇たちも、完璧に近い初日の出に満足したのか、船首を転じて帰路に就く姿が目立ってきました。魔法瓶の温かいコーヒーを一口すすって、さて、こちらも腰を上げるとしましょうか。
(令和5年1月1日撮影)
(『初めての初日の出…6』につづく)

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●6:56‥‥出た!
火炎と化した雲の稜線から、ついに初日の出が!
海浜や岬などに集まってご来光を拝んでいるなら、ここで「おおー」と周りから歎声が漏れるところですが、湾奥海上とて、聞こえるのは自艇のアイドリング音のみ、静謐そのものであります。

●6:57。陽が顔を出すと同時に、水面にさあぁーっ、といった感じで茜色の光が線を描いて、こちらに伸びてきました。
この瞬間は本当に神々しく思え、感動したものでした。陽の光がもたらす温もりとか、あらゆる恵みがこちらに押し寄せてきたような、そんな感じを抱いたものです。

●太陽が高度を増してくると同時に、市原の工業地帯に林立する煙突群が吐き出す煙にも光が行き渡って、無表情だった水平線上にほどよいディテールを浮かび上がらせました。
ん? 右から本船がだんだん進んできているような‥‥いや、右舷のアンカーが降りているから、こちらが流されていてそう見えるだけかな?

●6:59、太陽はほぼ雲の稜線を離れて、水面を走る光芒はますます太く鮮やかに。美しい、実に美しい。令和5年の日本の夜明けであります。
むう、本船がかぶさってしまいましたが、これはこれでドラマチックな感じがしてよい絵かも、と思うことに。先ほどまでのボケボケ、ザラザラな仕上がりの写真を思えば、工場の煙から本船のディテールまでブレずにしっかり写り、きれいなものです。

周りに点々と漂泊していた艇たちも、完璧に近い初日の出に満足したのか、船首を転じて帰路に就く姿が目立ってきました。魔法瓶の温かいコーヒーを一口すすって、さて、こちらも腰を上げるとしましょうか。
(令和5年1月1日撮影)
(『初めての初日の出…6』につづく)

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タグ : 東京港
初めての初日の出…4
(『初めての初日の出…3』のつづき)
●明るくなってきたところで、私同様に初日の出を拝みに繰り出したとおぼしき、フネブネの姿をいくつか。見たかぎり、おおむね東から南東方向に十数隻はいたでしょうか。
荒川河口を出たころから、沖へ向かう数隻のプレジャーに追い越されましたが、6:30を過ぎたこのころになっても、高速で沖へ向かい、思い思いの位置に陣取るプレジャーの姿が見られました。

●私の艇のすぐ近く、8時の方向に漂泊していた艇と、二隻の間をプレーニングで駆け抜けてゆくフィッシングボート。
目にしたかぎりでは、どれもフライブリッジやハードトップを備えた、自艇より大型のものがほとんどでした。まあ、寒い時期の明け方に出るのですから、暖房の効く船室があった方がよいのはいうまでもなく。完全オープン艇で出たのはもしかしたら、私だけかもしれませんな‥‥。
●こちらはプレジャーでなく本船ですが、微速で流しながら沖合に留まっていたので、初日の出を見に来たに違いないと独り決め。
暗いうちから、そのシルエットを見て「シンフォニーモデルナ」「シンフォニークラシカ」のレストラン船姉妹だと推測していましたが、どうやら間違いなかったようです。お客さんたちもトップのデッキに出て、初日の出を待ち構えている風情ですね。

●さて、湾奥水域に散らばるフネブネに同志的親愛を勝手に感じているうち、刻々と明度を増してゆく東の空のグラデーションに、変化がありました。
明らかに今までとは異なった光の線が、つーっ、といった風に左右に広がり始めたのです! 時に、6:50。始まりました!

●6:54‥‥燃え上がる、と表現するしかないような、雲の稜線が色味の温度をぐんぐん増してゆくこの瞬間。房総半島の向こうのみ、雲が出ていた恩恵ともいうべきでしょうか。燎原の火のように急速に燃え広がってゆく、禍々しく激しくも美しい、日の出直前の光の競演を、高まる鼓動とともに堪能できたのですから。
(令和5年1月1日撮影)
(『初めての初日の出…5』につづく)

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荒川河口を出たころから、沖へ向かう数隻のプレジャーに追い越されましたが、6:30を過ぎたこのころになっても、高速で沖へ向かい、思い思いの位置に陣取るプレジャーの姿が見られました。

●私の艇のすぐ近く、8時の方向に漂泊していた艇と、二隻の間をプレーニングで駆け抜けてゆくフィッシングボート。
目にしたかぎりでは、どれもフライブリッジやハードトップを備えた、自艇より大型のものがほとんどでした。まあ、寒い時期の明け方に出るのですから、暖房の効く船室があった方がよいのはいうまでもなく。完全オープン艇で出たのはもしかしたら、私だけかもしれませんな‥‥。

暗いうちから、そのシルエットを見て「シンフォニーモデルナ」「シンフォニークラシカ」のレストラン船姉妹だと推測していましたが、どうやら間違いなかったようです。お客さんたちもトップのデッキに出て、初日の出を待ち構えている風情ですね。

●さて、湾奥水域に散らばるフネブネに同志的親愛を勝手に感じているうち、刻々と明度を増してゆく東の空のグラデーションに、変化がありました。
明らかに今までとは異なった光の線が、つーっ、といった風に左右に広がり始めたのです! 時に、6:50。始まりました!

●6:54‥‥燃え上がる、と表現するしかないような、雲の稜線が色味の温度をぐんぐん増してゆくこの瞬間。房総半島の向こうのみ、雲が出ていた恩恵ともいうべきでしょうか。燎原の火のように急速に燃え広がってゆく、禍々しく激しくも美しい、日の出直前の光の競演を、高まる鼓動とともに堪能できたのですから。
(令和5年1月1日撮影)
(『初めての初日の出…5』につづく)

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タグ : 東京港
初めての初日の出…3
(『初めての初日の出…2』のつづき)
●6:20、さらに光が増して、自艇のサイドがだいぶクリアに見れるようになってきました。これでザラザラ写真ともおさらばかな? いや、もう少しご辛抱くださいね。
荒川から吐き出される流速のせいか、北の微風がほどよくカディを押してくれているのか、漂泊している艇は姿勢を崩すことなく、船首はほぼ南を向いたまま。不思議に思いながらも、嬉しくなったものでした。

●湾奥のこのあたりは本船の泊地ということもあって、黒々とした巨大なシルエットが多く浮かび、中には作業中なのか、煌々と照明をともしている船もあり、明けゆく空をバックにたたずむさま、幻想的な光景。
中には微速で移動している船もあるので、見とれながらも注意は怠りませんでしたが、幸いこちらに向かってくる船はありませんでした。

●6:23、ゲートブリッジを振り返ってみると‥‥おお、トラスが見えるようになってきましたね。その向こうに望むビル群も、点々と灯る赤い航空障害灯がよいアクセントになって、実にきれい。早くもか細い陽光を反射して、金色に輝いているビルがいくつか出てきたのも印象的でした。
ゲートブリッジの角度を先ほどとくらべてもわかりますが、夢中で東の空を眺めているうちに、だいぶ南へ流されたようです。

●何しろ、はるか南にあった第三航路の2番灯標が、こんな近くまで迫ってきていたのですから。ここを過ぎると航路に入ってしまうので、反転して北上した方がよさそうですね。
●GPSプロッタを確認してみると、1.2~2㎞/h、およそ1kt前後で南へ流されており、若洲の突端をかわしたあたりから、西寄りに吸い込まれるような格好になっていることがわかりました。
5:42からゆるい上り潮に向かっている時刻でしたが、荒川の流速はやはり大きく影響しているのでしょう。このあたりで長時間漂泊したことはもちろんなかったので、水の挙動を興味深く感じたことではありました。
(令和5年1月1日撮影)
(『初めての初日の出…4』につづく)

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荒川から吐き出される流速のせいか、北の微風がほどよくカディを押してくれているのか、漂泊している艇は姿勢を崩すことなく、船首はほぼ南を向いたまま。不思議に思いながらも、嬉しくなったものでした。

●湾奥のこのあたりは本船の泊地ということもあって、黒々とした巨大なシルエットが多く浮かび、中には作業中なのか、煌々と照明をともしている船もあり、明けゆく空をバックにたたずむさま、幻想的な光景。
中には微速で移動している船もあるので、見とれながらも注意は怠りませんでしたが、幸いこちらに向かってくる船はありませんでした。

●6:23、ゲートブリッジを振り返ってみると‥‥おお、トラスが見えるようになってきましたね。その向こうに望むビル群も、点々と灯る赤い航空障害灯がよいアクセントになって、実にきれい。早くもか細い陽光を反射して、金色に輝いているビルがいくつか出てきたのも印象的でした。
ゲートブリッジの角度を先ほどとくらべてもわかりますが、夢中で東の空を眺めているうちに、だいぶ南へ流されたようです。

●何しろ、はるか南にあった第三航路の2番灯標が、こんな近くまで迫ってきていたのですから。ここを過ぎると航路に入ってしまうので、反転して北上した方がよさそうですね。

5:42からゆるい上り潮に向かっている時刻でしたが、荒川の流速はやはり大きく影響しているのでしょう。このあたりで長時間漂泊したことはもちろんなかったので、水の挙動を興味深く感じたことではありました。
(令和5年1月1日撮影)
(『初めての初日の出…4』につづく)

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初めての初日の出…2
(『初めての初日の出…1』のつづき)
●しばらくガサガサの写真が続きますが、ご勘弁ください。進むごと、左舷にチラと目をやるごとに力を増してゆく感のある薄暮の光。まことにワクワクさせるひとときであります。
もっとも、カメラが勝手に補正しているので、実際はもっと暗いのです。振り返っても、自艇の航跡もまだよく判別できないほど。どのくらいかというと‥‥。

●6:07、上とほぼ同時刻にゲートブリッジを撮ったものですが、日が昇る反対側ということもあって、照明以外はほとんど判じ難い状態。桁に設けられた紅緑の標識灯で、かろうじて航路幅がわかる程度です。
ゲートブリッジを4時の方向に見たここで、行き足を落として漂泊することにしました。第三航路がおおむね南東に走っており、これ以上南下すると本船の出入りに差し支えるからです。

●6:13、水面のディテールが見てとれるほど白んできました。房総の山並を黒く浮かび上がらせるオレンジのグラデーション、その美しさは息を呑むばかりで、雲がなく、風も極めて穏やかな好天に心から感謝したくなったものでした。ズームでたぐったせいか、実際目で見た明るさに近い感じに撮れています。
前日、「日の出・日の入マップ」で1日の日の出の方角を検索してみたところ、およそ120°、若洲沖から見て三井化学市原のある方向。写真でいうと中央、もくもくと煙が上がっているその右手あたりかなと、艇の軸線を向けてコンパスで見当をつけました。

●6:17、東の空はますます白んで、空も青みがかってきました。カメラの補正がかかって明るさは強くなっていますが、下の写真のように手元周りがはっきりしてきて、床に置いた懐中電灯を消してよいレベルに。
●風は北から北北西、1mとの予報でしたが、実感としてはさらに穏やかで、2℃前後の気温の低さを感じさせず、むしろ予想より暖かだと思えたほど。
おかげで波もほとんどなく静穏そのもので、最高のご来光拝観環境(?)といって、いい過ぎでないように思えたものです。あとは東の空に、雲がかからないことを祈るくらいでしょう。
(令和5年1月1日撮影)
(『初めての初日の出…3』につづく)

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●6:07、上とほぼ同時刻にゲートブリッジを撮ったものですが、日が昇る反対側ということもあって、照明以外はほとんど判じ難い状態。桁に設けられた紅緑の標識灯で、かろうじて航路幅がわかる程度です。
ゲートブリッジを4時の方向に見たここで、行き足を落として漂泊することにしました。第三航路がおおむね南東に走っており、これ以上南下すると本船の出入りに差し支えるからです。

●6:13、水面のディテールが見てとれるほど白んできました。房総の山並を黒く浮かび上がらせるオレンジのグラデーション、その美しさは息を呑むばかりで、雲がなく、風も極めて穏やかな好天に心から感謝したくなったものでした。ズームでたぐったせいか、実際目で見た明るさに近い感じに撮れています。
前日、「日の出・日の入マップ」で1日の日の出の方角を検索してみたところ、およそ120°、若洲沖から見て三井化学市原のある方向。写真でいうと中央、もくもくと煙が上がっているその右手あたりかなと、艇の軸線を向けてコンパスで見当をつけました。

●6:17、東の空はますます白んで、空も青みがかってきました。カメラの補正がかかって明るさは強くなっていますが、下の写真のように手元周りがはっきりしてきて、床に置いた懐中電灯を消してよいレベルに。

おかげで波もほとんどなく静穏そのもので、最高のご来光拝観環境(?)といって、いい過ぎでないように思えたものです。あとは東の空に、雲がかからないことを祈るくらいでしょう。
(令和5年1月1日撮影)
(『初めての初日の出…3』につづく)

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