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「お供え状態」に怖気をふるった思い出


この写真、昨年の10月18日…拙著が店頭に並んだ3日後に、三省堂の本店で撮らせていただいたものなんですが、まあ、1年あまりの時間を経ればこそ、割と冷静に眺めていられるものの、これを実見した瞬間は、嬉しさと同時に、本当にどうしようかと挙動不審になったものです、はい。

いやもう、単独で美しく平台陳列してくださった書店さんには、感謝していることはもちろんなのですけれど、異様の感に打たれたことも否めないのです。大変失礼ながら、目にして最初の感想は「仏壇のお供えみたい」でした。
寄る辺のない通路の真ん中で、正札もなくポツリと置かれたさまは、テーブルの形も手伝って、高坏に盛った供物を連想させたのです。

平積みされた新刊書にはつきものの、POPがないことも「お供え状態」に拍車をかけていると気づいたのは、しばらくたってから。売り場で目にするPOPは、書店員さんや版元制作のほか、著者自身によるものも少なくないことは気づいていました。

いやでも目立たざるを得ない(笑)陳列をしてくださった、三省堂本店さんの心意気に報いるためにも、ご挨拶がてら、POPを自作して持ち込むべきだったのですが、何かマッチポンプのようで気恥しさが先だって、ついに「お供え状態」のまま、平積みの期限を迎えることとなってしまいました。まあ、とんだ小心ぶりであります。

あるいは、この悪目立ちな(失礼)「お供え状態」が、自分の本にはどこかしっくりくる感じもして、楽しんでいる一面もあったのかもしれません。いや、「かもしれません」じゃないな。後半慣れてきた後は、もう確実にウケていました。

ともあれ早いもので、あれから1年と2カ月がたちました。本を書かせていただいたことで、いち出不精には身に余る貴重な経験をさせていただき、慌ただしくも楽しい14ヶ月でした。

これも出版に尽力くださった皆様、またさまざまな件でお声をおかけくださった皆様、ご声援くださった皆様のお陰と、感謝の気持ちで一杯です。改めて、御礼申し上げます。ありがとうございました。

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タグ : 東京水路をゆく東洋経済新報社

冬の水路まつり

ヤマ〇キ春のパンまつりみたいで恐縮ですが、賑やかになってきて楽しそうなので、勝手ながらここでまとめさせていただきます。

先日も紹介したイカロスMOOK「水路をゆく」ですが、明日の発売日を前にして、すでに昨日より一部の書店では早売りが始まっています。

たまたま売り場ご担当氏が昔お世話になった方で、「東京水路をゆく」、イカロスMOOK「水路をゆく」、下に掲げた「ワンダーJAPAN」17号の3冊を、平台に並べて「プチ水路コーナー」を作ってくださるという嬉しいお取りはからい。ありがとうございます!

昨日、夕方まで待てば見本が届くことがわかっていながら、昼休みにわざわざ買いに行ってしまうこらえ性のなさ。しかも、その姿をえぬえぬ氏に目撃され、その上大野氏に暴露されるはめに。
…あの~、細かいことですが、買ったのは2冊でなく1冊です。

少しさかのぼって、先週、ワンダーJAPAN編集部のツイッターを拝見していたら、週刊大衆12月20日号に「東京水路はしけ船紀行」という記事が掲載されているとのこと。

そのタイトルから「曳船に曳かれた艀に、同乗取材したルポ記事に違いない!」と思い込み、恥ずかしいのをガマンして(笑)買ってみたら、4色の見開き2ページにまとめられた、都内の水路風景紹介記事。あ、あれ?「はしけ」がどこにも出ていない…。

ええ…まあ、勝手に思い込んだのはこちらの方なので、もちろん苦情は言いますまいが、正直申し上げて、かなり脱力させられました。恥ずかしいのをガマンして買ったのにい(泣)。

それはさておき、記事本文の冒頭が、拙著のカバー袖紹介文の3行目にそっくりなのは、偶然の一致でしょうか。もし参考にしていただけたのなら、記事の卦下はしらにでも、その旨小さく書いていただけると嬉しかったのですが。

「週刊大衆」の記事は、イカロスMOOK「水路をゆく」と同日発売の「ワンダーJAPAN」17号に掲載される、水路記事の予告編的なもの。こちらも期待していたら、本日書店に並んだので早速購入。巻末近く13ページを割いての、「東京静脈漂流」と題した特別企画。

コースは、神田川から高浜西運河に至る、隅田川西岸の水路群を丹念に巡ったもので、対応する写真のノンブルが振られたコースマップも親切で楽しいもの。気になるパーツにぐっと迫った写真が多いのも面白く、見慣れた水路の新しい一面に触れられた思いがしたものです。

なお、こちらでは拙著を参考資料として挙げてくださっていました。ありがとうございました。

もちろん見どころは水路だけでなく、佐藤淳一氏・萩原雅紀氏による東西の巨大水門ほか、おなじみの廃墟・巨大建造物の記事も盛りだくさん。個人的には、補陀洛山寺の補陀洛渡海船に、すごく惹かれるものがありました。
また、ブックレビュー欄で拙著をご紹介いただいています。こちらも御礼申し上げます。

最後になりましたがもう一つ。この「冬の水路まつり」ぶりに触発されてか、バドン氏が川つながりのTシャツ(【川T/リバティ】図案投票受付開始)を企画されています。皆さんはどれがお好みでしょうか。


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タグ : イカロスMOOK水路をゆくイカロス出版ワンダーJAPAN

イカロスMOOK「水路をゆく」が完成間近

廃道、酷道、首都高といった題材で、ユニークかつ濃厚なムックを頻発しているイカロス出版から、ついに東京の水路を主題としたムックが刊行されます。

その名はなんと、
 「水路をゆく」! 

江東、多摩川、芝浦など、各エリア別に見どころをカラー写真で紹介するルートガイドから、大田道灌以来の水路の歴史、都内で遊覧を楽しめる各団体・船社の案内、ゴミ運搬船や清掃船、鋼材運搬船のルポ、さらに水門・橋など土木構造物の紹介はもちろん、暗渠や川跡めぐりもありと、もう盛りだくさんかつ興奮させる内容です。

特筆したいのは、イカロスMOOKのシリーズでは珍しく、付録として神田川・日本橋川・亀島川を通しで撮影したDVDがついていること。

鉄道車輌の運転台から、撮影したビデオというのはよくありますが、艇から見た水路風景の動画が商品化されるのはまだ少ないこともあり、水路の本の付録としては、これ以上のものはないといってよいでしょう。


本文「東京水路ルートガイド」のひと見開きをお目にかけます(許諾済)。なお、画像は校正紙を縮小加工したものなので、発売される誌面とは一部異なる場合があります。
バックの美しい地図にご注目ください、「江東ドボクマッピング」でも地図を担当された、杉浦貴美子氏によるものです。

ええ…お察しのこととは思いますが、ありがたいことに、今回もお声掛けいただいて、記事を書かせていただきました。

タイトルがタイトルだけに、誤解を招きそうなのでお断りしておきますが、今回は数人の執筆者がおられ、私が担当させていただいたのは、「東京水路ルートガイド」「水路の基礎知識」ほか、一部のページに過ぎません。
それだけに、各人各様の水路に対する「面白がり方」が現われて、誌面を多彩なものにしていると思います。

上の写真は、付録DVDの撮影風景。わが木っ端ブネにお座敷がかかり、演出家・野田真外氏(ブログ『都市河川学会』)をお迎えし、フロントに野田氏ご持参のカメラを固定しての撮影行です。
カメラが回っている最中はもちろん私語厳禁の沈黙航行、途中、神田川で曳船とバージに追いついてしまった時は、ドキドキしました。幸い曳船が…イヤ、あとは見てのお楽しみということで。

編集ご担当は、すでに当ブログではおなじみの水路愛好家、大野達也氏。写真はDVD撮影の帰りの神田川、バウでカメラを構えてゴキゲン(?)のところをスナップ。

実はこのムックのお話、今年の1月からいただいていたものの、本格的に始動したのが、夏も終わりになってから。その間に「東京水路をゆく」の方が先に進んでしまい、結果的に似たようなタイトルの本が、前後して出る形になってしまいました。

つまり、二冊の水路本の企画は並行して進んでいたわけです。この点、大野氏の名誉のためにも、特に強調しておきたいと思います。

ともあれ、4年にわたって掲げてきた、今や懐かしくもある旧ブログのタイトルと、奇しくもズバリ同題の誌面に書かせていただけるというのは嬉しいことで、大野氏の思い入れたっぷりな仕事ぶりに背中を押され、楽しく作業させていただきました。ありがとうございました。

発売日は12月17日(金)だそうです。ぜひ書店でお手にとってご覧ください。


(22年11月3日撮影)

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タグ : イカロスMOOK水路をゆくイカロス出版砂町運河神田川

「東京水路をゆく」ご紹介御礼と正誤表

「東京水路をゆく」を上梓させていただき、約1か月が経ちましたが、その間多くの方にブログ上などで拙著のご紹介、またご批評を賜り、船頭儀、感謝に堪えません。

ここで、拙著を採り上げていただいた記事をまとめてご紹介し、皆さんへの御礼に代えさせていただきたいと思います。ありがとうございました。今後も発見次第、随時追加させていただきます。

また併せて、誤記、校正漏れなどの正誤表も後半に掲げさせていただきます。こちらも掲載したもののほかに、お気づきの点がありましたら、お手数ですがメールにてお知らせいただければ幸いです。

「続きを読む」をクリックしてご覧ください

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タグ : 東京水路をゆく東洋経済新報社神田川

船頭の本が書店に並びます



ええ…今年5月以来、久しぶりに五周年バナー(こういうのをバナーっていうのかしら?)を持ちだしてみましたが、お題の件はたまたま五周年の年に時期が重なっただけで、仕込んでこうなったわけではありません。しかし嬉しいタイミングとなりました。

すでに一部では告知が出ているので、ご存じの方もおられると思いますが、本を書かせていただきました。書名は「東京水路をゆく」(発行:東洋経済新報社)です。

今年の春に、ご縁があって編集の方より声をかけていただき、たくさんの方々のご協力のもと、上梓にこぎつけることができました。まずは本書の製作にお力添えいただいた皆さんに、御礼申し上げたいと思います。ありがとうございました。

また、旧ブログ時代よりお世話になった皆さんにも、改めて御礼申し上げたいと思います。
やはりこの5年間、ブログ上でのタレ流し…いや、蓄積してきたことが基礎になって、この本が形になったことを思うと、皆さんのご声援、ご教示によるところ大なるものがあります。ありがとうございました。

いろいろとお話ししたいことはあるのですが、まずは取り急ぎ、お知らせと御礼までということで、詳しい内容については、書店で手にとってご覧いただければ幸いです。

…とは言ったものの、こらえ性のない悲しさ、ひとつだけですが、嬉しくてご紹介せずにおれないのが下のイラスト。ご存じ最低橋、茂森橋を描いたものです。

このイラスト、A.P.について説明したページの一部なのですが、指定の下絵を描く際、ほんのシャレのつもりで、茂森橋を短くモディファイした絵を描いておき、写真を添えて出しておいたのです。

雑な下絵にもかかわらず、デザイナーさんはよくこちらの意図を汲んでくださったようで、ご覧のとおり適度に簡略しながらよく特徴をとらえ、誰が見ても茂森橋とわかる、小粒ながら素晴らしいイラストに仕上げてくださいました。

いや、この可愛らしさには本当にハートをわしづかまれ、踊り出したいほど嬉しくなりました。ページの上では、とても小さい絵柄になってしまうので、せめてここだけでも大きめの画像で紹介し、茂森橋をお好きな向きに楽しんでいただけたらと思います。

ともあれ、今週末には書店に並ぶと思われますので、写真のような縞々模様の本を見かけられたら、どうぞよろしくお願いいたします。
また、本書をお読みになってお気づきの点がありましたら、ご遠慮なく右下欄のメールフォームより私宛お寄せください。

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タグ : 東京水路をゆく東洋経済新報社茂森橋最低橋