秋の水郷三昧…19

(『秋の水郷三昧…18』のつづき)

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198092.jpg横利根閘門を離れたその足で水郷大橋を渡り、佐原は小野川にやってきました。15時を過ぎ陽も傾いて、少し冷え込んできましたが、水郷三昧の最後を締めくくろうと、小野川の遊覧船にも乗ってみることに。

伊能忠敬生家前の乗り場に着くと、何やら人だかりが。見れば、カメラマンとアナウンサーとおぼしき女性が舟に乗っており、ロケが始まるようですね。小野川の魅力を大いに喧伝していただきたいものです。

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198094.jpgちょうど次の便が出るところだったので、急いで手続きを済ませ、飛び乗るようにして舟へ。桟橋を離れて間もなく、帰り舟が遡上してきました。好天もあってか、結構な人気のようで何よりであります。

川面まで降りると、さすがに冷気が身に沁みますが、しだれ柳の並木に、質感の良い擬木の柵を連ねた石垣の護岸、風格にあふれた家並みと、しっとりとした街場の川景色を眺めるのは楽しく、それだけで身体の温まるような気すらします。

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今回、改めて気づかされたことが一つ。写真の中橋をくぐる際、大谷石らしい橋台を眺めていたら‥‥おお、水面近く、方杖ラーメンか、アーチの支承らしい痕跡が! 「平野橋はアーチだった?」で見たものと、よく似ています。

何分川幅が限られているため、下部構造のある橋はただでさえ狭い可航幅を狭めるので、簡素な鋼桁橋ばかりになった現状は、致し方のないところではありますが、ここが方杖橋だったら、くぐるのもぐっと興味が増しただろうと思うと、惜しいところではあります。
撮影地点のMapion地図

(28年11月6日撮影)

(『秋の水郷三昧…20』につづく)

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タグ : 佐原 小野川 水郷

秋の水郷三昧…12

(『秋の水郷三昧…11』のつづき)

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テラスのある区間に入り、左右に目を向けると、ぽつり、ぽつりとある立木越しに広がる田圃。目の高さから地表が見渡せる、十六島の平らかさ、低さが堪能できるところでもあります。

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198058.jpgあっ、加藤洲揚排水機場、改修されたんだ。あの独特な書体(過去ログ『ふたたび水郷へ!…4』ほか参照)が見られなくなったのは残念でしたが、美田のかなめである施設が若返ったのは何より。今までは加藤「州」表記だったのが、今回の改修で公式名称たる、加藤「洲」に統一されたのですね。

このあたり、いい雰囲気の古びたRC橋がいくつかあるのですが、写真は中でも白眉(?)の、ムクの高欄に丸穴をあしらったお洒落さん。
撮影地点のMapion地図

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198060.jpg新左衛門川にお別れし、与田浦の水面に出たところで、一隻のサッパと反航。今に生きる水郷独特の伝統船型、いつまでも元気で活躍してほしいものです。

中洲の乗り場が視界に入ってきました。水生植物園がお休み中なので、クルマや人影も乏しく、遠目にも少々寂しげです。久方ぶりの十六島・潮来周遊、芯から堪能できました。また来るぞ!

(28年11月6日撮影)

(『秋の水郷三昧…13』につづく)

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タグ : 新左衛門川 与田浦 水郷

秋の水郷三昧…11

(『秋の水郷三昧…10』のつづき)

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198052.jpg護岸の高まりが狭水路感を増幅させ、覆いかぶさる藤棚や木橋が、水路のディテールをより濃密に彩ってゆくこの区間。いいなあ、いいなあ。

しかし、ふとあるお宅の石段に目を向けたところ、目地がずれて、すき間が開いたままのところが結構見られるのに気づかされました。震災の痛手は、すべて癒えたわけではないのです。


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十二橋を全身で満喫しながらも、先ほどから「名物・草餅を食べたくてたまらない病」を発症してしまったやつがれとしましては、間近に迫った河畔のお土産屋さん(『あやめ祭りの水郷風景…6』ほか参照)が意識の大半を占め始め、食い意地の水位も急上昇するばかり。ところが‥‥。

営業していない。
いや、もう凹んだの何の。ガランとした寂しい風景を前に、思わずがっくりと肩を落としてしまったほどです。自分の食い意地はさておいて、もしや廃業されてしまったのかと、心配にもなりました。

198054.jpg「ごめんねえ、最近は6月のあやめ祭りの時期にしか、やっていないんですよ」と船頭さん。廃業されたわけではないと知ってホッとしましたが、期間が限定されてしまったとは、やはり寂しいことには違いありません。

と、我が乗組みの帽子に、再びトンボさんがちょこんとご休憩。「がっかりするなよ!」と、元気づけられた気分になったものでした。

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紫陽花橋をくぐれば十二橋の区間は終わり、この先の、両岸にテラスをあつらえた開けた風景も好きなんですよね。船頭さんは棹を横たえてエンジン始動、新左衛門川を下って、与田浦への最終コースに入ったのでした。
撮影地点のMapion地図

(28年11月6日撮影)

(『秋の水郷三昧…12』につづく)

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タグ : 新左衛門川 水郷

秋の水郷三昧…10

(『秋の水郷三昧…9』のつづき)

198046.jpg前扉が閉まると、後扉手前両脇にあるバイパス装置のスピンドルが、ウィンウィンウィンと小気味よい音を立てて、スライドゲートを引き上げてゆくさまが間近に。

サイズが小さいだけに、閘門のメカニズムを手に取るような距離で、余すところなく実見できるのも加藤洲閘門の良いところ。小型閘門でも、扉体をチョイ上げて注排水するような略式でなく、バイパスゲートを4基も備えているんですぜ! 4基も!

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そして後扉が上がり、これもご無沙汰の新左衛門川へ前進微速。扉体から滴が垂れてくるので、ちょっと腰が引けてオーニングの下から。オープンボート原理主義者ではありますが、ローラーゲートの閘門とくれば、やはり屋根があるのはありがたいものです。

まるで閘門の管理橋のようなポジションにある、一本目のよしきり橋をくぐって。以前にくらべて、ずいぶん苔むして風格を帯びたようですね。

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エンジン停止、チルトアップで船頭さんの棹漕(?)に移行。鳥の声と水音のみの静けさ、抜けるような青空。陽に焼けてほどよく貫録のついた、白木の小橋たちのたやずまいもお変わりなく。ああ、やっぱり十二橋っていい!

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198050.jpg逆光の中、点在する家並みと水際に迫る生垣、河水を吸って湿り気を帯びた大谷石の護岸を堪能しながら、ゆるり、ゆるりと。ああ、本当に十二橋っていい。いいと思ったことは何度でも繰り返します、ええ。

船首に座って、うららかな陽射しを浴びていると、可愛らしい赤トンボ君が音もなく飛来して、目の前の小縁に羽を休めました。驚かさないよう、息を止めるようにして、いいお顔を1枚。可憐な珍客の訪問に思わずにっこり、これも好天のおかげでしょう。

(28年11月6日撮影)

(『秋の水郷三昧…11』につづく)

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タグ : 加藤洲閘門 閘門 新左衛門川 水郷

秋の水郷三昧…9

(『秋の水郷三昧…8』のつづき)

198041.jpg遊覧船乗り場の前に戻ってみると、先ほど出会ったお囃子舟が接岸して、嫁入り舟の後ろについていました。花嫁さんはまだサッパに乗っておらず、演奏もいったん休まれていたので、予想とは違いこれからアトラクションが始まるようです。

門の前を通り過ぎざまのぞいたら、しずしずと歩む花嫁さんの姿がちらりと見えました。もう少しタイミングが遅ければ、お嫁入りのシーンを目にすることができたのですが、惜しいことではありました。

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前川を離れ、潮来のホテル街を眺めながら常陸利根川を横断。一度、このどれかに泊まってみたいと思いながら、早や10年‥‥。おすすめの宿はどこでしょう、今度船頭さんに聞いてみよう。

198043.jpgお待ちかね、水郷の極小閘門筆頭格、加藤洲閘門を通って十二橋は新左衛門川へ。

あら、扉体に描いたせっかくのあやめが、水垢で隠れてしまっていますね。時間があったら、艇体掃除の柄付きスポンジをひっさげて、扉体磨きの勤労奉仕を志願したいところです。


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閘室の側壁のみならず、堰柱に至るまで緑のタイル風に造作され、操作用把手もケーシングされてと、小なりといえど十六島のみならず、水郷を代表する閘門だけに、細部まで気配りされていますよね。

‥‥毎回同じようなことを書いている気がするな。まあ、加藤洲閘門は小さくてカッコイイということです、ええ。

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今まであまり意識していなかったのですが、両側壁上に一つづつ設けられた照明も、曲線を取り入れたガス灯風(?)なのですね。タグ「加藤洲閘門」で過去の写真を確認してみると、以前からこのタイプであることがわかりました。

例によって船頭さんが把手を引くと、前扉が閉まり排水開始。ああ、草餅早く食べたいなあ。前川のお団子屋さんで食欲を刺激されて、今や「花より団子」ならぬ「水路より団子」の心持ちであります、はい。
撮影地点のMapion地図

(28年11月6日撮影)

(『秋の水郷三昧…10』につづく)

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タグ : 前川 常陸利根川 加藤洲閘門 閘門 水郷