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フジツボつけてデッドフル!

(『7月28日の水路風景…6』のつづき)

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お恥ずかしいお話ですが、興味深い部分もあったので覚え書きを兼ねて。7月26日の記事で、休航90日に及んだ結果、水線下がフジツボ密生の惨状を呈したことをお話ししましたが、そのつづきです。

28日朝、自分の桟橋に着いて、改めてフジツボ群を前にため息をついていたら、いいタイミングでH艇長登場。さっそくフジツボの話題を振ってみると、確かに今年は当たり年といっていいくらいフジツボが多く、一週間動かさなくてもポツポツと結構なつき具合とのこと。う~ん、やはり。まして90日余の放置となれば、フジさんたちに格好の社交場を提供したようなものです。

237032.jpgマリーナは河水が混じるため海水濃度はそう高くなく、三浦に艇を置いていたころにくらべ、貝類の付着ははるかに少ない印象でした。

もちろん、高頻度で出港していてもいずれ船底は付着物で汚れてくるもので、速度も落ち燃費も悪くなるため、おおむね年に一回は上架して、船底の清掃と再塗装をするのがつねだったのです。

237033.jpg半ば身から出た錆とはいえ、ここまでフジツボまみれになるのは初めての経験。ならいっそ、この状態で走ったらどういう動きをするのか興味を覚えて、これも勉強だともやいを解き出港。

東雲運河に入ってから、スロットルを一杯に倒してデッドフル、5000回転と少しまで回ったのを確認。速度が安定するまでしばし待ち、目線をGPSのモニター、速度表示に移してみたら‥‥。

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29.4km/h‥‥おおむね15.8kt!
普段なら、少なくとも22kt、およそ40km/hは出ているはずの回転数でしたが、いくら頑張ってもこれ以上の速度は出ませんでした。その差、約6kt超! いわばフジツボの“抵抗値”を、身を持って体験できたわけです。

ちなみにデッドフル下での艇の挙動は、いつもと違ったビリビリという不快な振動があり、滑走状態に移行するときの「抜けた」瞬間が訪れず、エンジンも高負荷時の唸りを放ったままでした。我が艇には悪かったけれど、悪条件下の航行ということで、実にいい経験になりましたし、なかなか興味深いトライアルだったと思います。

なお微速時の挙動ですが、ニュートラルにしたときの行き足の落ち方が少々早い程度で、あまり不安は感じませんでした。

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帰港後は当然のように、長い柄のついたスクレーパー(通称カッパギ)を使って、フジツボをこそげにこそげ倒す作業に没頭。もちろん船底は届かないので、舷側の水線付近のみに留まりましたが、それでもずいぶんさっぱりしました。何より見た目が悪くて、人目につくと恥ずかしいですからね。

この4日後、8月1日に出かけた際に掃除の効果は如何と、やはり東雲運河でデッドフル航行を試みたところ、17kt(約31.5km/h)前後まで速度が向上!

わずかではありましたが、水線付近だけの清掃でも、効果がはっきり数字となって現れたことが嬉しく、猛暑下汗だくになって作業したことが、報われた気持ちになったものでした。

(元年7月28日撮影)

(この項おわり)

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休航90日(涙)

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ええ‥‥お気づきとは思いますが。水路バカとしてまことに忸怩たることながら、行事、怠惰、長梅雨ほかもろもろの事情が十姉妹かゴンズイ玉のように詰まり、
4月28日以来出港できておりませなんだ(泣)。

で、台風接近との報に接し、荒天に備えて点検くらいせねばと、昨日26日夕方ようやく我が艇におもむきましたところ‥‥。

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水線下にフジツボがびっしり。
いやもう、天罰てきめんであります。滞在時間が限られていたので、フジツボをスクレーパーでかっぱいてやることはできませんでしたが、せめてもとホースで水をかけ、約3カ月分のホコリを落としてやりました。作業しながら我が艇に心から詫びたのは、いうまでもありません。

素人の頭だと、雨量が多い年は海水の濃度が薄まり、貝類や甲殻類の活動は低調になるように思われたものですが、事実は全く逆なのですね。長期間動かさなかったこともあるものの、ここまで貝が付着したのを見たのは初めてで、今年は当たり年なのかもしれません。

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台風が近づいていることもあり、明日の日曜日が雨にたたられる可能性は高く、そうであれば欠航日数はさらに上積みされることになり、致し方ないこととはいえ憂鬱になります。

写真は艇の点検を終えてから、ぶらぶらしながらのスナップで、新砂水門を遠望したところ。扉体や可動橋の赤が西日に輝いて、目に沁みるよう。久しぶりの晴天とあって、強烈な陽射しが快く、目に入るものすべてが鮮やかに見えます。

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帰り道には、ちょっと楽しいことがありました。築地大橋を初めて渡ったのです。

晴海から入って、朝潮運河や月島を渡る高架道路へ。透明の防音壁に三方を囲われた、高層ビルをかすめて伸びる道は、子供のころに絵本や雑誌の口絵で見た、近未来の都市を描いた風景のよう。大いに盛り上がりました。

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“ガラスのトンネル”が途切れたところで、ご本尊、築地大橋を渡橋。防音壁を抜けると同時に、夕日に輝く断雲をバックにして、おなじみのアーチ構造が左右にそそり立つという、ドラマチックな光景が広がりました。

頭上を渡る梁などの構造がない分、他の下路式橋とくらべて重厚さには欠けるものの、頭上の視界が開けていることが新鮮ですね。まだ一部車線のみの供用ということもあり、仮設のガードレールが目立ってはいましたが、楽しい初渡りとなりました。

(元年7月26日撮影)

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タグ : 新砂水門 砂町運河 隅田川

箱庭の川舟たち

(『隅田川畔のテラスにて…2』のつづき)

236031.jpgこのシリーズの冒頭で触れた、梅雨空の下ここ本所を訪ねた用足しのお話を最後に。

数年前だったと思いますが、このあたりをほてほてお散歩していたら、灯篭や四阿など、焼物の箱庭用品をガラスケースに並べているお店が目に留まりました。模型のような小さい細工物全般が好きなのと、伯父が趣味で箱庭をやっていたことを思い出したこともあり、ちょっと眺めてゆこうと軽い気持ちで近づいたところ、「コレハ!」とくぎ付けに。

そこには、素晴らしく雰囲気のよい和舟たちの雛型が並んでいたのです。それも川舟ばかりときていれば、この道のファンとしては、眺めるだけで済ませろという方が無理なご相談。興奮しつつ店内に飛び込んだのでした。

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特に目を引かれたのは和舟たちですが、艪舟、帆掛け舟とも苫がふかれ、人形の仕草も自然でしっくりきていて、真艫に風をはらむ帆の形もよろしく‥‥と、なかなか細密な仕上がりの逸品揃い。筏はちょっと小さすぎる気もしますが、棹さす川並さんのポーズも堂に入っています。細密でありながら、質感に適度な照りがあり、リアル過ぎないのもいいじゃないですか。もうすっかり気に入ってしまいました。

ストラクチャーも灯台、鳥居などがあったものの、やはり惹かれたのは、和舟に雰囲気の合った何種類かの橋。この日は懐が少々寂しかったこともあり、全種類揃えるわけにはいかず、上写真の品を求めるにとどまりましたが、小さな土橋一つでもストラクチャーの効果は満点で、舟や筏と一緒に小さなケースの中に並べ、飽かず眺めたものでした。

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さて数年経って、ふとあるとき「アレ、まだあるかなあ」と急に気になりだしたのであります。放置しておいていきなり欲しくなるとは、なんとも虫のよい話ではありましたが、思い立ったが吉日とお店に電話してみると「だいぶ少なくなったけれど、まだありますよ」とのこと! というわけで、横っ飛びに本所へ向かったのでありました。

今回連れ帰ったのは、前から欲しかった筋違いの板橋と大きい方の筏、お客を4人乗せた棹舟、釣り師2人乗りの艪舟と、そして河岸棒を突いてもやった空舟。この空舟の枯れた感じが一番気に入りました。

コーフンのあまり、お店の方とろくに会話もせず帰った前回と違い、今回は品物を梱包してもらいながら、お話をうかがう余裕がありました。ご主人によれば、まず主な材質はアンチモニーで、鋳型は石型だそう。一時期は他店に卸したこともあったほどだったが、作家さんはだいぶ前に亡くなられ、今は店頭の在庫のみとのことでした。

独特の照りと重みから、少なくとも帆や棹など、ディテール以外は精密な焼物だと思っていたのですが、これは私の勘違いでした。お恥ずかしい。石型のアンチって、明治~昭和戦前の小物玩具によく見られますよね。作家さんが亡くなられたとは残念です、この味わい深さというかセンスの良さは、模型製品でもまずお目にかかれない独特のもの。作風から見てもある時代の舟に、相応の思い入れがあった方とお見受けしました。

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入手したフネブネや橋を並べて、悦に入ってみました。昭和一桁くらいまでは見られたであろう、本流からちょっと入った街場の水路風景が思い起こされて、実に楽しいものです。

ここまで揃えば、舟や橋の居場所をあつらえる意味でも情景を作ってみたくなりますが、リアル志向の強い最近の素材やパーツだと、質感が違いすぎてアンバランスなものになってしまいそう。品物の作風が独特なだけに、かえって難しいかもしれませんね。

(元年6月30日撮影)

(この項おわり)

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ご連絡

7月20日9時36分に、「水雷艇の写真を眺めていたら…」についてご感想およびご質問をメールで頂戴した方、同日晩に返信しましたが、メールサーバーよりエラーが返され、受信されないようです。お手数ですがお調べいただけますでしょうか。
(7月21日記、24日追記・この記事は問題が解決次第削除します。)

川蒸気船の玩具

218021.jpg明治も二桁に入ると、各地の河川や湖沼で就航が相次いだ川蒸気のこと、その姿に親しみ、憧れた人々も少なからぬ数に上ったことでしょう。

となれば、絵や写真ばかりでなく、ミニチュアにあつらえて手元に留めておきたい、という欲求が必ず出てきたでしょうし、人気にあやかって商品化しようという動きもあったはずです。

もともと模型好きということも手伝ってそう確信し、川蒸気を題材にした玩具のたぐいを探していたところ、ありがたいことにご縁に恵まれて、この十年でほんのいくつかですが、手にして愛でることができるようになりました。
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タグ : 川蒸気船 淀川 立版古 小幡人形