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深谷水道を通って…2

(『深谷水道を通って…1』のつづき)

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312097.jpgスイングゲート右径間を通航中の2枚。「→出港」の文字、結構な厚みとボルト留めのディテールが見てとれますね。

そして扉体に大書きされた「通行止」表記! いうまでもなく閉鎖時の対策で、質感からシートを貼ったものと思われます。赤水門原理主義者としては、扉体を一面赤に塗った方が保安上いいのに‥‥と思ってしまいますが、塗装やメンテ時の手間とコストを考えると、難しいんでしょうなあ‥‥。

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通航後に振り返ってみると、外側には「→入港」の抜き文字が! ああ、かっこいい。当たり前といえばそうですが、意表を突かれました。ちゃんと右側通航を推奨しているのですね。

検索してヒットした、深谷漁港水門のことが載っている文書の一つ「入札公告(PDF)」の11ページ目に、「深谷漁港平面図(船越地区)」があるのを発見。寸法らしいものが赤字で記入されていたので、水門の寸法が少しでもわかるかしらと拡大してみたら‥‥。スイングゲート2径間合わせて、「17.24」(m)とだけ。むう。本水門の詳しいデータが載っているサイトや文献をご存じの方、ご教示下さい。
(スイングゲート径間を通ったときの動画はこちら

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マイタゲート径間も。何しろ陽が射さず暗くて、うまく撮れたのが本当に少ない‥‥。

扉体のスキンプレートに3本、ゴムフェンダーが備えられているのがスイングゲートと違いますね。こちらは径間ギリギリの船が通ることを想定しているのかしら。

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帰港時、漁港側から撮った分も掲げておきます。ああ、帰りはこちらを通ってもらえばよかったのに‥‥。寒さに耐えかねたのと、深谷水道通航後の興奮でて頭が回りませんでした。

操作室が漁港側の、一段低い場所に設けられているのが、スイングゲート径間との大きな違い。前回紹介したサイト、「深谷漁港水門」によると、有効幅10m、有効高6.3m、平成17年竣工とのこと。豊国工業さん、荒川ロックゲートも手掛けられておられるのですね。

(令和6年2月2日撮影)

(『深谷水道を通って…3』につづく)

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タグ : 英虞湾深谷漁港水門

神社港のマイタゲート…4

(『神社港のマイタゲート…3』のつづき)

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マイタゲートの斜接部上半をアップで。回転灯の取り付け座、扉体の閉鎖検知らしいスイッチに延びるコード、横梁の位置にある小さなストッパー金具、取っ手の二つついた、四周をボルト止めされたフタ様のもの‥‥。閘門や水門としてのマイタゲートでは、あまり見られなかったディテールではありました。

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左手の堰柱(?)に、銘板を発見! 雲で日がさえぎられたせいかピントが甘くなり、かつズームが効いたものは撮れておらず、唯一見られそうなものも残念な結果になりましたが、何とか判読できそう。いや~、来てよかった‥‥。

一番上に工事名として「昭和59年度港湾浸食第2号/宇治山田港海岸浸食対策/(護岸補強上部工)工事」とありました。えっ、神社港じゃなくて、沖にある宇治山田港の一部扱いなんだ。あと、明らかに高潮対策なのに、「浸食対策」とあるのが気になるところ。ともあれ、ゲート群は造船所自らの手によるものでなく、公共工事で設けられたものだったことが分かりました。

嬉しかったのは4項目。品名に「ステンレス製10.00m×4.87m両開式ゲート」、扉体重量は21.6t、製作年月は昭和60年5月とあり、ゲートの諸元も判明。動力やスライド扉体のことに触れた銘板もどこかにあるのでしょうが、何分私有地内、これだけでもありがたい限りで、わざわざ訪ねた甲斐があったものです。

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せっかくなので、引き上げられた船台も一枚。手前に物が置かれていてわかりづらいですが、2軸の台車が、2本の鉄棒で2台連結されたもの。台車の間隔や台数は上架する船の大きさによって、調整されるのでしょう。車輪は鉄道同様のフランジ付きのように見えました。

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312045.jpgマイタゲートをのぞいた場所の、道をはさんだ背後には、ご覧のような樋門があったのでこちらもスナップ。スライドゲート3径間と、右の箱状のものもゲートみたいですね。

銘板を探したら、堰柱側面にすぐ見つかりました。船倉樋門、土地柄を想わせるいい名前。スライドゲートのほか、フラップゲートも3基あると。堤防の外側に、逆流防止用として併設しているようでした。
撮影地点のMapion地図

(令和6年2月1日撮影)

(『伊勢神宮の印象』につづく)

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タグ : 勢田川神社港

神社港のマイタゲート…3

(『神社港のマイタゲート…2』のつづき)

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マイタゲート群以外にも、気になるゲートがいくつかあったのでご紹介。これは3つのうち中央のマイタゲートのすぐ左にあった、小さな縦長の防潮扉。ご覧のとおり曳船がもやっていて、扉の直下にはガンギ(水面に降りる階段)が見えますから、船に乗り降りする便をはかったものなのでしょう。

こんな頑丈な扉を通って出入りできるなんて、その筋の愛好家目線からすれば、すごく贅沢に思えるのではないでしょうか。

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まあ、振り返ってみると、私が堤防上から降りてきたところも、このような小なりといえど立派な陸閘があるのですが!

径間左手に、閉鎖時に乗り越える足場も備えられて、小さいながら本格的です。定期的に整備されているのか、錆も見られずきれいですね。断面に戸溝が見えることから、最初は単なる角落しのみで、鋼製の扉ほかは後年になってから追加設備されたように思えました。

312038.jpg近づくのもはばかられそうだったので、わかりにくい写真になってしまいましたが、マイタゲート群のすぐ南側には、大径間の陸閘も見られました。もう陸閘天国といっていいほど。

船台上に載せられた、箱状の何かの右手に見えるのがそれ。船台のスロープの上手、建屋の手前に堤防が配されたので、そこを塞ぐ陸閘が必要になったのですね。

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さて、マイタゲートを裏側から観察してみたくなったので、対岸、造船所の裏へ回ってみました。ここはGoogleストリートビューでも見ることができる視点で、もちろん私も公道上から失礼して撮っており、私有地内には入っていません。

おお、当たり前ながらストリートビュー同様、船台と扉体が見える‥‥。何度も目にしてきたシーンとはいえ、現地にこうして立つとやはり感動があります。

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背伸びして、さらにカメラを頭上高く差し上げ、何とか撮ったマイタゲートの裏側。ううん、排水されてスライド扉体が見えるかも‥‥と期待していたのですが、残念ながら水が張られていました。

とはいえ、せっかく訪れたチャンスを棒に振る法はなし、珍しい造船所のマイタゲート、ディテールを観察させていただきましょう。
撮影地点のMapion地図

(令和6年2月1日撮影)

(『神社港のマイタゲート…4』につづく)

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タグ : 勢田川神社港

神社港のマイタゲート…2

(『神社港のマイタゲート…1』のつづき)

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一番左のマイタゲート。3基の仕様は径間の大小以外、大きな違いはないようですが、やはり最も気になるのが、各2本あるリブ状の何か。

これが閘門のマイタゲートなら、閘室に注排水するための小扉(バイパスゲート)を上下させる、スピンドルなんかが備えてあるところですが、この樋をかぶせたようなゴツさ、ちょっと想像がつきません。高潮時にがっちり閉鎖できるような、扉の鎖錠装置かな?

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ここで目線を右へ移動し、スイングゲート群を見たところで、謎が解けました! 扉体の下端に、幅いっぱいの上下する扉が、別途設けられていたのです!

なるほど、扉体を閉鎖してから、さらにこのスライド扉体(私が勝手につけた仮称)を下げて閉め、しかる後船台に残った水を排水する、ということでしょう。逆に開放する際は、ゲート内外の水位を均衡させる必要がありますから、スライド扉体を細目に空けて、船台内に注水するに違いない‥‥と、大いにうなずいたものです。もちろん運用は私の妄想で、確たる証拠はありません。

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スライド扉体の右半分を、ズームでアップにし観察。こちらの場合は、スイングゲートのリブ状のものがレール(?)で、それにかぶさった部分がスライド扉体と一体になっていて、一緒に上下する構造のようですね。右端に見えるレールの天地寸法が、上下できる範囲そのものなのでしょう。

子細に眺めていて「ん?」と引っかかったところが一つ。スライド扉体のスキンプレート表面に、上端に丁番を備えたフタ状のものが並んでいますね。下と左右辺はボルトが打ってあるので、常時開閉できる個所ではなさそうですが‥‥何かの点検ブタかな?

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こちらのスイングゲートは水面上に全体が出ていて、スライド扉体の下端まで観察できました。こちらにも点検ブタ様のものが見えますね。

意外だったのは、スライド扉体の下端に、レールを避けた凹部がないこと。う~ん、スロープ面にある水密のための閾、どうなっているのかな? レールの部分以外は、ゴムとか水密材が敷いてあるのかしら。距離があるので、よく見えずわかりませんでした。

312035.jpgともあれ、スイングゲートのおかげで謎が解け、スライド扉体の役割が分かった(ような気になっただけ)のは収穫でした。

いやしかし、こちらスイングゲート群も改めて眺めてみると、凄い光景ですよ‥‥。水門に分類すべきか、陸閘なのか微妙な立ち位置(?)ではありますが、マイタゲートと並び本邦無双のゲート風景を前に、感無量でありました。

(令和6年2月1日撮影)

(『神社港のマイタゲート…3』につづく)

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タグ : 勢田川神社港

神社港のマイタゲート…1

(『勢田川防潮水門を訪ねて…5』のつづき)

312026.jpg水門前の河口一帯が、神社港(かみやしろこう)なる、ご当地ならではの名前がついているのは先に触れたとおり。港名にたがわず、水門・閘門好きのハートをわしづかみする素敵な物件がいま一つあったのですから、見ておかないのはウソというもの。

排水機場建屋の西側を北西方向に走る、細い道をガツガツと歩いて堤防上へ。もうここからでも、すでに一部見えていますが‥‥。

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マイタゲートが並んで3つも!
用途はさておき、隣接して3基ものマイタゲートが設けられた光景、もちろん目にするは初めてです。全国にもまれな奇観といっていい過ぎではないと思うのですが、水門ファンの皆様、いかがでしょう。
撮影地点のMapion地図

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3基のうちで最も径間が大きそうな、一番右のマイタゲート。右側扉体に見られる軸も太く、頼もしい感じがしますよね。

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中央のマイタゲート。斜接部近く天端には黄色い回転灯が備えられ、扉体中央には両側から電線の出た、配電箱らしきものが。扉体に各2本づつある、リブ状の構造物は何でしょうか。ディテールを観察しながら、通常の水門設備とは少し違った、興味をそそられるパーツがいくつかありますね。

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ホンモノのGoogleマップで神社港のマイタゲート群を別タブ表示

早々に明かしてしまうと、マイタゲート群のあるここは、造船所なのです。

掘り込み式の乾船渠でない、スロープ式船台の水没部分を排水し有効活用するため、防水扉を設ける例(『27年度川走り納め…4』ほか参照)はよくありますが、この造船所はそれに加え、コンクリートの防潮堤が水際に走っているため、船台のある開口部に一つ一つ、防潮扉を設けなければならなかったのでしょう。

防潮扉であれば、想定された高潮に耐えうるなりの堅牢さと、堤防高と等しい天地が求められますから、扉体の重厚さもむべなるかなといったところ。右手のスイングゲート群まで合わせると実に8基! これだけの数を揃える手間からすると、造船所の敷地ごと堤防で囲繞すれば‥‥と考えてしまいますが、作業場や機械設備が高潮被害に遭うことを思えば、このやり方がベターだったのかもしれません。

このマイタゲート群、例によって閘門探しのGoogleマップ上徘徊をしていて、勢田川防潮水門を見つけ吸い寄せられた際、同時に気づかされたもの。さすが神社港、お伊勢さまの霊験あらたか‥‥といっては大げさですが、閘門・水門ファンにとって嬉しい濃厚スポットを提供してくれたのでした!

(令和6年2月1日撮影)

(『神社港のマイタゲート…2』につづく)

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タグ : 勢田川神社港