船橋港の水門と水路めぐり…13

(『船橋港の水門と水路めぐり…12』のつづき)

200086.jpg
海老川水門(正式名は海老川第一水門)に近づきました。左右に長大なコンクリート堤防を従えたあたり、辰巳水門に近いレイアウトです。背景に高い建物がないせいか、こうして切り取るとぽつねんとして、どこか孤独な感じもしますね。

200087.jpg
堰柱と梁が、扉体の三方を覆う構造になっているあたり、背があまり高くないこともあいまって、重心の低い豆タンクのような、骨太でがっしりとした印象。

懐かしいゼブラ塗装の信号は、2つとも青を現示しています。3つある堰柱の水切りには、それぞれはしごが設けられていますが、揃って満潮線から下は錆び落ちてしまっているようです。

200088.jpg
お初とあれば、やはりくぐりざま仰いで迫りたいもの。経た星霜相応に風化したコンクリートの肌、巻上機室のガーダーと、裏側にも豊かな陽光が回って、暗い部分がないのが嬉しいところ。

1月6日からのタイトルにも写っていますが、船橋の水門としては珍しく掲げられていた銘板、惜しいことに「水」の字が剥落していました。

200089.jpgくぐった向こうにはご覧のような管理橋があり、このときは誰も通っていなかったものの、後でこの橋が地元の重要な交通路であることを知りました。

例によって「平成28年度 管内概要」(←27年度版はリンク切れになり、28年度版が新たにアップされました。)の20ページから寸法を抜き書きすると、鋼製2段式ローラーゲート、純径間8m、敷高A.P.-2m、昭和42年竣工。

200090.jpg逆光の中、上流側を眺めて。2段式ゲートなので、2枚の扉体はスキンプレート(平滑な面)で対面しているのでしょう、こちら側も構造が走るいかつい印象。

しかし、港内から水門をくぐると、何というか安堵感が半端ではありません。内水ズレ(?)しきったヘタレぶりもあるでしょうが、古びているとはいえ、堅牢そのものの水門と堤防の頼もしさを、目の当たりにしたのが大きいでしょう。
撮影地点のMapion地図

(28年12月31日撮影)

(『船橋港の水門と水路めぐり…14』につづく)

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : 船橋港 海老川第一水門 海老川

船橋港の水門と水路めぐり…8

(『船橋港の水門と水路めぐり…7』のつづき)

200061.jpg
海神水門の右手、東側にはご覧のような水面が広がり、船溜になっていました。北岸は石垣の法面で、漁舟が思い思いに杭を打ち、艫を並べて槍付けしており、南岸や奥は基礎護岸上に船台を設け、上架されている舟もあったりして、埋め立て前の漁村風景がそのまま封じ込められたような、別天地のおもむきでした。

奥の方には橋も見られたので、こちらも小河川か澪筋の名残かしら。奥まで探索してみたかったのですが、残念なことに写真右の上架艇から、左手にかけてロープが張られており、よそ者の進入を阻んでいました。

200062.jpg船橋の水路初訪の一つ目は、大満足の結果に終わり、勢いを得てお次の水門・水路へと向かうことに。栄水門を出て東航しましょう。

左手に伸びるコンクリート堤防、凹凸や目立った継ぎ目のない、胸のすくような一直線。向こうに高い建物が見えないのも手伝い、スクエアぶりが際立って見えます。



200063.jpg
これがお隣の水路の入口、日の出水門と日の出排水機場。例によって、水門の諸元を「管内概要」の一覧から引用すると、純径間12m、敷高A.P.-3m、昭和46年竣工とのこと。

向こうには大きな工場建屋や倉庫も見えて、沿岸の建物も楽しめそうですね。

200064.jpg
グリーンの扉体を仰ぎながら、進入とまいりましょう。すでに繋留するフネブネの姿が目に入り、「船いきれ」が感じられるのが嬉しくなります。

200065.jpgくぐった直後に振り返って。「きけん スピードおとせ!」の看板から、プレジャーの通航が多そうですね。

さてこの水路、暗渠さんぽさんの記事「ダイナミック・チバの暗渠と軍跡 船橋駅前編」によると、旧海岸線から上流部を山谷澪、下流部は本海川と呼ばれているそうです。「船橋市河川一覧表」では、本海川は362mとごく短く、ハテ? と思うところもなくはないのですが、海神川同様、間違いであれば訂正するとして、ここでは仮に本海川でタグをつけさせていただきましょう。
撮影地点のMapion地図

(28年12月31日撮影)

(『船橋港の水門と水路めぐり…9』につづく)

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : 船橋港 海神川 日の出水門 本海川

船橋港の水門と水路めぐり…7

(『船橋港の水門と水路めぐり…6』のつづき)

200056.jpg西岸に突如現れた謎の張り出しを、通り過ぎてから振り返って。草木がこんもり繁って、放置されて久しい風ですが、昔は揚搭設備でもあったのでしょうね。

国土変遷アーカイブ・地図・空中写真閲覧サービスで、昭和22年9月8日・米軍撮影の「USA-M449-204」を見てみると、陰になってわかりづらいものの、船が数隻接岸しているのが見えました。やはり!


200057.jpg最奥部はもうすぐというところで、水路の真ん中に漁船が錨泊していました。右はやや狭く、杭も出ているため、トリさんの航跡ヨーソロ、で左へ。

奥に小さな水門が見えてきましたね! あれが可航区間のどん詰まり、この水路に入った第二の目的地であります。



200058.jpg
石垣の法面護岸を従えた、くたびれ加減もほどよい小さな水門に、左手にぴたりと寄り添う、後付け感ありありの古びた排水機場、さらに左にはそれより竣功年次の新しそうな排水機場と、可航区間の終点としては、てんこ盛りなストラクチャー。ぽつり、ぽつりと生えている木も、のどかな雰囲気をかもし出してよいものです。

Googleの地図によれば、排水機場は古い方が海神排水機場、新しい方は海神第二排水機場とありました。さて、この流れでゆくと、水門も海神水門でよさげな雰囲気ですが、検索の仕方が悪いのか、裏付けとなる資料が引っ掛かってきません。

そこでGoogleストリートビューに望みを託し、開いてみると‥‥おお! かろうじて水門の東岸が写っており、堰柱に「船橋市 海神水門」の銘板が掲げられているのを確認! ありがたやありがたや。

200059.jpg
水門の手前には2個のブイが浮き、左から伸びる排水機場の吐口が、水面下にありそうなので離れたところから鑑賞。巻上機はラック、径間は4~5mといったところでしょうか。一見して、竣工時から船の通航を考えていなさそうに思えましたが、どうでしょうか。

堰柱の天端左右、まるで耳のように突き出ている持ち送りが、ちょっとしたチャームポイント(?)。肌の質感からして、竣工後、優に半世紀以上は経っていそうです。右側の堰柱、傾いているような‥‥カメラのズームが歪ませたのかな? しかし、左の排水機場、堰柱の幅半分も浸食して、後付けにしたって、どうにかならなかったかと思わせるものがありました。

200060.jpg
排水機場の古びた窓枠や、錆びた水管に惹かれたのはもちろんですが、目線が吸い寄せられるのはやはり、第二排水機場のぶっとい管が突っ込んでゆくさま。何かの拍子で艇が吹き寄せられて、ペラでも当てたらゴーン、とすごくいい音がしそう。

海神水門から上流が、いわばホンモノの海神川になるわけですが、水門が常時閉とくれば、のぞき込むこともできません。ともあれ、古びた水門や排水機場がおりなす、袋小路のひなびた雰囲気、よいものでした。
撮影地点のMapion地図

(28年12月31日撮影)

(『船橋港の水門と水路めぐり…8』につづく)

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : 船橋港 海神川 海神水門

船橋港の水門と水路めぐり…2

(『船橋港の水門と水路めぐり…1』のつづき)

200031.jpg
西浦水門の次は、そのすぐ東に位置する栄水門。こちらも右手に、同名の排水機場を併設しています。ぐっと奥まった、凹部といってもよい場所にあり、三方をコンクリート堤防で囲まれた直線的な風景の中を接近。

今度は奥に船溜があるので、何はばかることなく安心してくぐれるのが嬉しいところですね。

200032.jpg

200033.jpg簡素な印象は西浦水門と変わらないものの、右側堰柱に沿わせた電路や階段、巻上機室周囲の回廊とディテールが増え、緊張感は和らいだ感じです。夜間設備に一対のライト、さらに2灯式の信号も備えているのは、可航水路の水門ならでは。

右写真は通りざま、排水機場の建屋を見上げたところ。銘板や注意書きなど、文字のたぐいがきわめて少ないので、都内のこの手を見慣れた目には、どこか寂しげな雰囲気に映ってしまいます。

200034.jpgその数少ない注意書きが、堰柱の表裏に各一枚ありました。表のそれを撮りそこねてしまい、裏側のをかろうじて。信号やゲートのローラーなど、細部にも心奪われますなあ。

【注意】この水門は、津波注意報・津波警報・大津波注意報発令時に緊急閉鎖します。千葉県 葛南港湾事務所

都内の水門群同様、今次震災の津波襲来時には、その機能を十全に発揮したことでしょう。

200035.jpg
帰路、裏側をぐっと仰いだところも。管理橋や巻上機室のガーダー、扉体の構造とディテール豊かな光景が視界いっぱいに広がり、迫力ある表情です。前回同様「管内概要」から引用すると、純径間12m、敷高A.P.-2.3m、昭和46年竣工。

栄水門をくぐった後は、いよいよ水路探索のお楽しみです。「船橋市河川一覧表」によると、この水路は準用河川・海神川が、埋め立ての進展によって流路を伸ばしたもののようですが、埋立地の区間も河川扱いなのかしら? 

一覧表にある「流路延長」には、わずか440mとあるので、ちょっと怪しい気が‥‥。一応、タグを海神川でつけておきますが、間違いであったらご指摘ください。
撮影地点のMapion地図

(28年12月31日撮影)

(『船橋港の水門と水路めぐり…3』につづく)

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : 船橋港 栄水門 海神川

船橋港の水門と水路めぐり…1

(『謎の木造帆船!』のつづき)

200026.jpg
「スピリット・オブ・マジャパヒト」の興奮冷めやらぬまま、本来の目的であった水門と水路、そして船溜めぐりに戻る不審船。まず最初は西浦水門と、西浦排水機場のツーショットであります。

明かり取りの窓が並ぶ、質実剛健そのものの排水機場が、二径間の水門を脇に従えて、ぐっと堤防から張り出している印象。光線の塩梅もよろしく、いいお顔が眺められて、もうゴキゲンです。
撮影地点のMapion地図

200027.jpg
ほぼ正面から。扉体は塗り替えて間がないのかきれいですが、波板囲いの巻上機室は少々錆が見られ、微妙にくたびれた感じがします。コンクリートの構造部分も、そんなに痛みは見えないですね。要所は逐次改修されているのでしょう。

200028.jpg堰柱に銘板がないこともあり、一切の虚飾(?)を廃したといいましょうか、質素でどこか突き放したような外観に、都内の水門とはまた違った雰囲気を感じて、「隣の県に来たんだなあ」と、妙なところで感じ入る船頭。

前にも触れた「平成27年度 管内概要」21~22ページによると、西浦水門は純径間8m、敷高(ゲート戸当たりの深さ)A.P.-2.5m。西浦排水機場とともに昭和49年に竣工しました。


200029.jpg
というわけで、水深は充分あるはずだし、開放時の扉体下高さもA.P.+5mと、すり抜け上等の本艇としては余裕しゃくしゃく‥‥にもかかわらず、進入は断念しました。

ええ、例によって「こりゃ呼ばれていない」と、デンパを受信した(うそ)こともありますが、一応いいわけイヤ、理由が二つありました。Googleの航空写真を見てみると、船橋港の水路で唯一、繋留船が一隻もなく、何かわけありな感じがしたこと。また、上の写真のようにのぞいてみると、左側にデカイ砂洲が盛り上がっているのが目に入り、いかにも危なそうと思えたことです。

200030.jpg水路はおよそ1.5㎞と、結構な延長もあったので惹かれはしたのですが‥‥何分にも初訪問の客地、自分の感覚を信じ、ここは大事を取っておきましょう。何しろ、まだいくつも、見どころが控えているのですから。

西浦水門前から東へ戻る途中、堤防越しに望んだイイ感じのプラント群。地図で見ると、日本メサライト工業といって、コンクリートの骨材を製造している企業だそう。会社概要によると、千葉県の鋸南町に採石所があるんだ‥‥ガット船で運んでくるのかしら?

(28年12月31日撮影)

(『船橋港の水門と水路めぐり…2』につづく)

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : 船橋港 西浦水門