8月13日の東雲水門…1

209001.jpg約3カ月、何やかやと悲しいくらい手塞がりで、実に、実に98日間も休航してしまいました。この間、一度だけ艇のメンテに訪れたくらいで、川面を目にすることもまれな日々が続いてしまい、水路分欠乏症で手がプルプルするほど(うそ)。

木っ端ブネにも寂しい思いをさせたと、暖機をしながら汚れを丁寧に拭ってやり、さて、久々の解纜。予報どおり雲が多いものの、ときどきのぞける青空に望みを託し、テンションも高くゴーアヘッド。

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最初の目的地は、お題のとおり東雲水門に定めていたのですが、まずはジャブというか小ネタをおひとつ。

28年9月10日、「業務船で始まる」で紹介したクレーン船ですが、あれから同じ場所にもやったまま、移動した様子がありません。前回も気になっていた点があったのと、この日は警戒船もおらず近寄れそうだったので、改めて撮っておこうと微速前進。

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甲板室の屋根に草が生えている‥‥。

仕事柄、土ぼこりをかぶりやすい台船やクレーン船だと、現役船でも、角っこの溜まった土に雑草が生えてしまっている例は時折見かけますが、これは見事というか何というか。屋根上だけ青々と茂っているのが妙で、凄く目線が吸い寄せられます。

209004.jpgさて、お題の東雲水門です。5月7日にセクターゲート径間が廃止・閉塞された様子を紹介しましたが、お手伝いの道々で落ち着いて眺められなかったので、改めてじっくり観察しようと思ったのです。

こうして距離を置いて見てみると、閉塞された部分のコンクリートが白く目立ち、今さらながら「ああ、もうセクターゲートは無くなったんだなあ‥‥」と感慨にふけることしきり。

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幸いにして、空が明るくなってきました。前にくらべて少なくはなったものの、まだ足場が組まれていて、工事は続いていることを示しています。

左手に見える小さな木、以前見事な咲きっぷりを見せてくれた桜(『東雲水門の桜』参照)にしては、えらく小さい気が‥‥。剪定されたにしては縮み過ぎですから、桜は取り去られて、新たに植えられたものでしょうか。
撮影地点のMapion地図

(29年8月13日撮影)

(『8月13日の東雲水門…2』につづく)

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「富山港・知られざる閘門」の図面が!

205036.jpg昨年2月、「富山港・知られざる閘門?!」で、富山港にも港内と神通川本流間の背割堤を貫く、閘門があったことを紹介しました。

竣工年も規模も、名前すらわからなかったこの「知られざる閘門」、最近になって、ついにその正体が詳らかになったのであります! まずはそのいきさつからお話しさせてください。
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タグ : 萩之浦閘門 中島閘門 富岩運河 富山港 閘門 松川 松川遊覧船

飛島木場の閘門…7

(『飛島木場の閘門…6』のつづき)

206170.jpg第2区閘門のときと同じく、前扉室ゲートは道路の向こう側にあり、交通量も多いので、このままヒョイヒョイと渡るわけにもいきません。

ただ幸いなことに、ここから少し東側に横断歩道があり、かなり遠回りにはなりますが、向こうの歩道へ渡ることができました。このあたりは釣りスポットでもあるようで、脇道に止めたクルマから釣り人さんが竿を持って、思い思いに散ってゆく姿も見られました。


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人道橋の上、いい塩梅のポジションからご対面。しかし、巻上機室側面に掲げた信号、橋も迫っているので、さすがに見づらそうですねえ‥‥。

この点では第2区閘門のように、低い位置に掲げた方が正解だったと思います。閘門が竣工した当時は、道路計画はなかったのでしょうか。

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扉体周りをのぞき込んで。扉体の構造も同じようでいて、軽目穴の形など、細か点で違いがありますね。

あれ、バイパスゲートの開度計の裏、「4」の数字がずいぶんくっきりと、整った書体で書いてあるなあ。第2区閘門にもあったけれど、かすれていて、しかも頼りなく感じるような書体でした。

206173.jpg第2区閘門の前扉室と同じ場所、堰柱側面の階段下を目で探してみたものの、ゲート本体の銘板は掲げられていませんでした。残念。

仕方がないので、後扉室同様の目立つ場所にある、バイパスゲートの銘板を撮っておくとにしました。これで「第3区閘門」であることが確定。昭和50年と、竣功が第2区閘門の7年後ですから、細部が異なるのもある意味当然ではありますね。

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ゲート越しに南側を望んで。これにて名古屋近郊の水門・閘門めぐりを終えることにしました。慌ただしかったけれど、本当に訪ねてよかった。

特に貯木場の2閘門は、ウェブ上にも情報が少なかっただけに、実見できたときの嬉しさはひとしおでありました。地先らしい、人影もまばらなこの地で、今なお現役にある貯木場の閘門! 関東では見られなくなったその姿を、長く留めてほしいものです。
撮影地点のMapion地図

(29年5月3日撮影)

(『ガーデン埠頭にて』につづく)

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タグ : 西部第3区閘門 閘門 弥富埠頭貯木場

飛島木場の閘門…6

(『飛島木場の閘門…5』のつづき)

206165.jpg西部第2区閘門を離れ約1㎞西へ移動、第5・第6貯木場の玄関口である、いま一つの閘門にやってきました。橋の名前はひのき橋ならぬ「第三しいのき橋」。

ここに来るまで渡ってきた木曽川の支流、その名も筏川(しっくりくる名前ですねえ!)に市町村境があり、海部郡飛島村から弥富市に移動したのですが、貯木場としては一連のものなので、タイトルは引き続き「飛島木場の閘門」で通させていただきます。
撮影地点のMapion地図

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さて橋の上から閘室を望むと、陽が射してきたせいか、さっきよりだいぶ明るい雰囲気。昔の街灯そのままの、夜間設備が目を引きますね。周囲に木が少なく、開けた感じがするのもあるでしょう。

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やはりゲートを正面から狙ってみたいものと、少し東へ移動して一枚。こうして高い視点から眺めた方が、特徴ある閘室の形がよくわかります。

しかし、改めてよく考えられた形だなあと、感心することしきり。特に長くつながれた筏を、折りたたむようにして閘室に詰め込んだ後、出閘時に引き出す際は、閘室の「迎え角」が非常に役立ったことでしょう。

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すでに6月20日からのタイトルでご覧に入れていますが、少しアップで改めて。

西部第2区閘門では、連続窓だった巻上機室の窓が、こちらでは3分割でぐっと面積を減じ、また堰柱基部壁面に取り付けられていた信号が、こちらではオーソドックスな巻上機室中央付近になっているのが、一見した外観上の違い。利根川下流部の閘門たちみたいに、略同の外観にそろえた「量産型」の手法を取らず、個性があるのが面白いですね。

206169.jpg堰柱基部の銘板を、思い切りズームを効かせて一枚。いや、こういった用が絶えずあるので、写真に歪みが出ようが、スマホよりかさばろうが、コンデジは手放せないのであります、はい。

かろうじて判読できる程度に撮れて一安心。名称は「西部第3区閘門」、メーカーは第2区閘門同様、石川島であることが確認できました。

本来地名などから採った固有名詞をつけてしかるべきモノを、番号を割り振って済ませているのって、どこか惹かれるものがあるんですよ。入江川第二派川とか、第十六号海防艦とか。

(29年5月3日撮影)

(『飛島木場の閘門…7』につづく)

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タグ : 西部第3区閘門 閘門 弥富埠頭貯木場

飛島木場の閘門…5

(『飛島木場の閘門…4』のつづき)

206160.jpgバイパスゲートの地上部分、ゲートの巻上機であるスピンドルのさやと、開度計を眺めていたら‥‥。ん? さやの根元に伸びる2本の配管、妙に肉厚で頑丈そうだし、1本は天端に、もう1本は根元に直結しているみたい。よく見ると、空圧(油圧かな?)っぽい配管に思えますよね。

ということは、これはスピンドルのさやなどでなく、筒はシリンダーで、中を圧でピストンが上下しているタイプの駆動装置なのでしょうか。そういえば、開度計に至るホースもそれらしいし‥‥イヤ、お見それしました。バイパスゲートはスライドゲートが多く、スライドゲートはスピンドル駆動が多い、という先入観にとらわれていたようです。外見だけで判断してはいけませんね。


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堤防越しに南方を眺めたところ。柵列の並ぶ水路を隔てた向こうは、王子埠頭・コンテナ埠頭を擁する西浜・東浜の埋立地。柵列には船がもやい、ローボートで釣りに漕ぎ出す人も見られました。ここもかつては、原木で埋まっていたに違いありません。

206162.jpg前扉室ゲートのすぐ横を通る人道橋、目の前に銘板と塗装記録票が見えて、オッと思ったので一枚。

名前は「第三ひのき橋」なのですね! 先ほど後扉室を撮った橋が第二でしたから、北から順に番号を振ったというわけでしょう。竣功は平成10年、メーカーは鉄道車輌の製造で知られる、日本車輌というのがちょっと意外な感じがしました。


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うしろめたさもあって、ものすごい勢いで撮り終え、そそくさと退散。のんびりしているように見えますが、この間たった5分。本当に申しわけありませんでした。どうかお目こぼしくださいますよう。

去り際、それでも後ろ髪引かれる想いで、後扉室と草生した閘室のフラットをもう一度。そうそう、ゲートの軸線がはすになった、胃袋のような、平行四辺形をした変わった閘室について。手持ちの古書の中に、これについて触れていた記事があったのを覚えていたのです。以下に紹介しましょう。

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手元に「運河・閘門」(福田秀夫・幕田貞夫共著、理工圖書株式會社、昭和19年7月発行)という本がありまして。いうまでもなく、そのものズバリのお題に惹かれて飛びついたものです。

発行時期が時期だけに、紙質、印刷とも粗悪で、経年も手伝いページを開くだけで、ポロポロと崩壊してしまうのは致し方のないところ。詳しい内容はまた改めて紹介するとして、著者のお二方とも、江戸川水門監守所にお勤めなのが、特に惹かれたところではありました。江戸川水閘門の竣工が昭和18年ですから、当時最新の閘門を運用する立場におられたということになります。

話を戻して、本文中「第4章 閘門」の「[Ⅱ]種類」で、さまざまなタイプの閘門を挿図も併せ紹介する中、載っていたのが上の図です。まさに今回見た閘室、ほぼそのままの型式が描かれていて、アッと思ったものでした。

本文の解説では「二重閘門 Doppelschleuse」と題し、「(前略)一度に小さい船を多く通閘せしめる時等に使用せられる。(中略)この型を採用する時には、最初に入閘した船から順次出閘せしめらるゝために、(中略)閘門内で混亂を生ずるやうな不便を伴はない。」とありました。

なるほど、入閘した船から順次右奥に寄せてやれば、出閘時も非常に能率がよく、閘室の幅をむやみに四角く広げるより、よほど合理的ではありますね。

一番上の図のように、バージを曳いた曳船でも、曳索を長く取って並列させれば、大型のバージも入閘でき、出るときも自然とゲートへ導かれるという寸法で、実によく考えられています。今回のような、筏を長々と曳いて出入りする必要がある閘門には、まさにうってつけのタイプといえるでしょう。

気になったのは、「二重閘門」という名称が、閘室の形をまったく思い起こさせず、奇妙に感じられた点でしょうか。各タイプの見出しにはすべてドイツ語が併記されており、引き合いに出される例もドイツのものが多いので、ドイツ語文献から直訳されたものと思われますが、これが特定の一閘門を指すのか、本型式全体を総称する名前なのかはわかりません。

(29年5月3日撮影)

(『飛島木場の閘門…6』につづく)

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タグ : 西部第2区閘門 閘門 木場金岡埠頭貯木場