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木曽川・飛騨川舟筏路めぐり…4

(『木曽川・飛騨川舟筏路めぐり…3』のつづき)

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管理橋からズームでクレーン周りをたぐってみました。I型鋼の2本のレールと、ライン大橋の高欄越しに見たゴンドラです。

ゴンドラに吊り下げられた枠は、井の字に組まれたシンプルなもので、とてもこの上に舟艇を載せるような構造には見えません。先ほど想像したとおり、やはり船台か何かを吊り下げるためのものなのでしょう。

224017.jpg銘板でもあればと堰柱の左右をウロウロしたものの、特に新味のある発見はなく、手すりに一本足で留まって、少し羽毛をゆるめ気味にしてくつろぐ、鷺さんの姿に惹かれたくらい。

左下、通路の床越しにピョコッ、と頭だけ見える鷺がいたのも笑いを誘いました。水の落し口で魚道も併設されているだけに、餌にはこと欠かないのでしょうね。

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ライン大橋から下流側の真下をのぞき込んでみたいのですが、すでに触れたとおり2車線ギリギリの幅しかなく、徒歩で近づくことはできません。苦肉の策として、後続車のいないときにクルマで橋へ進入、一時停止して、同乗者に撮ってもらうことに。

柵越しになりましたが、何とかディテールはわかりました。ゲートの下流側は嵩上げされており、舟艇が横付け待機できるよう、舟入様の細長い凹部が造られていました。左手に後付けされたと思しき階段も見えることから、船の吊り上げ移動は、下船してから行うようにしているのかもしれません。

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同じ位置から、目線を上げてもう一枚。左手、通路脇の堰柱フラット上には監視カメラらしきもの、右手のレール近くには、防護枠をつけた緑灯も見えます。平成18年の改修時に設備したということは、すでに12年経つわけですが、手入れはなされているようで、痛んだ箇所は見られません。結構な頻度で運転されているのでしょうか。

すでに紹介した「犬山頭首工の概要」の諸元表にある舟通しの記述は、「幅員:6.0メートル、長さ:20.0メートル、型式:クレーン式」と極めて簡単で、このタイプを選ぶに至った経緯や、メーカーなどには触れられていません。閘門から、あまり他に例の少ないこのタイプがなぜ選択されたのか、機会があったら知りたいものです。

224020.jpg木曽川を渡り、「ライン大橋北」交差点近くから望んだ舟通し。マリーナや漁港には上架設備として、この手のクレーンを備えたところは普通にありますが、堰の舟航施設でお目にかかれるとは!

何分まだ不勉強なので謎ばかりですが、閘門でもインクラインでもない、いわば「舟航施設第三のタイプ」の存在をを知ることができただけでも、大きな収穫だったと喜んだものでした。
撮影地点のMapion地図

(30年9月2日撮影)

(『木曽川・飛騨川舟筏路めぐり…5』につづく)

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タグ : 舟筏路 木曽川 犬山頭首工

木曽川・飛騨川舟筏路めぐり…3

(『木曽川・飛騨川舟筏路めぐり…2』のつづき)

224011.jpg信号を渡って、上流側にある人道橋から舟通しをのぞいてみましょう。幅員には余裕があって、自転車同士ですれ違っても問題なさそう。堰柱の並ぶ少し手前あたりが、中高に盛り上がっていますね。

橋詰の扉にあった注意書き(下写真)を読むと、この橋は犬山頭首工管理橋といって、あらら、自転車は下車通行、原付の通行は禁止と規制が厳しいようです。なるほど、堰の管理施設を便宜的に開放している建前、公道の橋のようにはいかないとうことでしょう。

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224013.jpg管理橋をずんずん小走りに歩いて、脇目も振らず舟通しを目指します。いや、脇目も振らずとはいいながら、その実犬山城や美しい川面をチラ見してはいたのですが、ゆっくり眺める時間はないのが残念なところ。

堰柱が立ち並ぶところまで来ると、今度は巻上機室の屋根に留まったハトさんに脇目。どこか獰猛(?)というかマッチョな雰囲気で、子供のころ秋葉原のやっちゃ場で見かけたハトを思い出しました。

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ちょっと白飛びしてしまいましたが、舟通しの径間、管理橋から下流側を見たところ。手前から両側に堰柱、ライン大橋、橋の桁手前まで伸びたクレーンのレール、舟通し下流側ゲートの2本の堰柱に渡された巻上機室と、位置関係がわかります。

下をのぞき込んでみると(下写真)‥‥下流側ゲートの手前、両岸にはフェンダーが並べられて、繋留のためのアイも一つづつ見られ、あそこに船台なりを沈めてから舟艇を進入させ、クレーンで吊り上げるのでしょう。パッと見閘室に似ていますね。

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ん? 閘室?‥‥そういえば、上流側の堰柱には戸溝があるのに、扉体は見られないなあ。下流側のゲート見える扉体は、増水時のみ開放する放水用だと思っていたけれど、これはもしかして、以前は前後一対のゲートがある、閘門型の舟通しだったのかしら? だとしたら、何でわざわざあまり例のない、クレーン式にしたんだろう? 観察できる視点は限られていたものの、こういったことは訪ねてみてこそわかるもので、興味がそそられますね。

帰宅後に改めて検索してみたら、「犬山頭首工写真集」(東海農政局)がヒット。おおおお、そのものズバリの写真があるじゃないですか! やはり、かつては閘門で、「河床低下のため水位が確保できず」、平成18年度竣工の改修時に、吊り込み式クレーンに改められたとあります。鵜飼舟らしい和船の通航時が、記録されていたのも嬉しかったです。
撮影地点のMapion地図

(30年9月2日撮影)

(『木曽川・飛騨川舟筏路めぐり…4』につづく)

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タグ : 舟筏路 木曽川 犬山頭首工

木曽川・飛騨川舟筏路めぐり…2

(『木曽川・飛騨川舟筏路めぐり…1』のつづき)

224006.jpg頭首工を一枚撮ってからふと川面に目を落とすと、素朴な造りの和船が3隻。ご当地名物の鵜飼舟ですね。

舟筏路‥‥舟通しが設けられているということは、この手の地場の船たちが、頭首工の下流へ下航する用が結構あるということなのでしょうか。もっともこのクラスなら、「長瀞渓流下りふたたび…5」で見たように、大型トラックで積んでいった方が早いような気もしますが‥‥。

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脱線しますが、出発前、朝の散歩時に撮った写真から。

船といえば頭首工の上流、犬山橋の下にはご覧のような屋形船が数隻もやわれ、舟遊びの盛んなことが見て取れたのですが、この大きさならトレーラーで陸送するより、自航して舟通しを利用した方が、効率的な気がしますね。‥‥とまあ、舟通しの存在意義をあれこれ妄想したものの、実物を目にしないことには何ともいえません。

224008.jpg話を戻して、ライン大橋南詰に来ました。下流側の橋詰スペースには、犬山頭首工の就航を記念した立派な石碑が。碑文は「蘇水濃尾潤」、時の首相・佐藤栄作の揮毫によるもの。

ライン大橋は車道のみの2車線ギリギリで、歩いて舟通しまで近づけそうもありません。やむを得ず、橋詰からズームでたぐって、構造を検分してみることに。

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愛しの舟通しとの初邂逅です。手前下に見える、コンクリートで床固した高水敷から狙えればベストだったのですが、もちろん施設内とて立入禁止なのでした。

ほぼ道路と同じ高さに架設された、2本のI型鋼レールが橋から下流側に向かって伸びており、その先端にはゴンドラ様のものがぶら下がっています。いわば天井クレーンのような構造物に見えました。

右側の側壁が高められていることから、あそこに入った舟艇をクレーンでいわば上架し、下流側へ移動した後、吊り下げて泛水させる仕組みのようです。ゴンドラをアップにして観察してみましょう。

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レール上、パーツの一部かと思っていたら、羽根を半開きにして日光浴していた鷺君だったのはご愛嬌(笑)。

ゴンドラの下には、4本のワイヤーで枠が吊り下げられているのが見えました。ここに舟艇を載せて搬送するには、いかにも華奢に過ぎる感じですし、枠の下四隅にスリングポイントらしいものが見られることから、これは単なるフレームだろうと想像。さらにこの下へ船台か、船底を回すレザーベルトを介して吊り下げるのでしょう。
撮影地点のMapion地図

(30年9月2日撮影)

(『木曽川・飛騨川舟筏路めぐり…3』につづく)

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タグ : 舟筏路 木曽川 犬山頭首工

木曽川・飛騨川舟筏路めぐり…1

224001.jpg9月1日土曜日は、名古屋は金山で業界の集まりがあり、同業者たちと出席することに。翌2日は体が空くので、かねてから気になっていた、木曽川・飛騨川にある舟筏路を見て回ることにしました。

当日はあいにくの雨模様。集まりは昼からなので、早めの新幹線で名古屋に着いたその足で、名古屋市博物館を見学。帝冠様式を現代風にしたような、なかなか格好のよい建物。特別展「海たび」を拝見と、まずは順調な出だしであります。

224002.jpg行事が終わって、金山駅から名鉄の快特で宿を取った犬山へ。気になるのはお天気で、翌2日も不安定との予報でした。もちろん来たからには、雨が降ろうが訪ねる覚悟ですが、強い降雨もあった1日の荒れ模様を見ると、正直不安になりました。

舟筏路については、『「舟筏路(しゅうばつろ)」! この甘美な響き』をお読みください。ダムや堰に設けられた舟航施設の一種で、言及した文献も見当たらず謎が多いことから、この目で見てやろうと思っていたのです。

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明けて2日‥‥宿から出て木曽川畔に立ってみると、
快 晴 で す !
まあ、小躍りするほど嬉しくなりました。草生す奇岩の向こうには、山並みを映す美しい川面が。限られた時間で例によって駆け足にはなりますが、大いに好奇心を満たすとしましょう。

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本日第一の目標は、すぐ下流に見える犬山頭首工。昭和37年竣工、濃尾平野の農地9353haを潤す取水堰です(『犬山頭首工の概要東海農政局)。

左手には有名な犬山城をいただく独立丘が迫る、風光明媚なところ。麓を河水が洗う丘があり、はるかには山並みを望めるという、可航河川としても魅力あふれる川景色ですね。

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犬山城のある丘の麓を過ぎて、上流側から頭首工を一枚。手前の分岐は、木津用水の取水口に至る導流堤です。上流側に渡された茶色い桁は人道橋で、車道橋である「ライン大橋」は、堰柱の下流側に設けられています。

一つお詫びが‥‥。上にリンクした東海農政局の公式サイトでは、舟筏路でなく「舟通し」と書かれており、いきなりブログとしてのタイトルが破綻してまいました(泣)。まあ、とにかく舟航施設なら何でも好きなおっさんの上滑りとして、ご勘弁くだされば幸いです。
撮影地点のMapion地図

(30年9月1日・2日撮影)

(『木曽川・飛騨川舟筏路めぐり…2』につづく)

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タグ : 舟筏路 木曽川 犬山頭首工

東京花火大祭の夜に…4

(『東京花火大祭の夜に…3』のつづき)

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およそ200枚ほど撮ったでしょうか、揺れる艇上からのこととて、そのほとんどはいわずもがなの結果で、何とか見られるレベルの写真は、ここに掲げた数枚くらいです。

3発同時に上がった花火が、さざ波立つ水面を鮮やかな山吹色に染め上げた瞬間。左手には、「ヴァンテアン」のシルエットが黒く浮かび上がっているのが見えます。

223017.jpgどうにも観賞に耐えそうな写真が少ないので、同じくブレブレですが、コンソールのスナップを。

魚探のモニターが光量過多で白くなったのはさておき、間接照明にほんのり照らされたメーターパネルを目にするのは、何年ぶりでしょうか。漆黒の水面をバックにすると、何か心細くなるような哀愁があって、しみじみとしてよいものですね。


223018.jpg先ほど触れたように、航路を挟んだ対岸近くは、フライブリッジ付きクルーザーや水上バスなど、どちらかというと大型の艇が多い印象でしたが、花火が上がりフネブネのシルエットが映し出されるたび、隻数の多さと、さまざまなスタイルの船がたむろするさまが改めて実感できて、何かジーンとくるものが。

この夜この場所に、東京中からこれだけの船が一堂に会している! それは確かに、感動に値することはありました。こんなにたくさんの、種々様々なフネブネがいちどきに集中する行事、ほかにありますかね?

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隅田川は両国の花火のように、事前に申し込んでフラッグを掲げた艇しか入れないような規制はなく、艇での観覧を自粛せよという建前があるとはいえ、望む者誰もが水上から愛でられる花火! そして水面が広大であるゆえ、東京中、いや近郊各県からをも、観覧船艇が結集できるその収容力(?)。

考えてみれば、これは凄いことではないでしょうか。本船・レストラン船からプレジャーまで、その道のプロや業者から素人まで、ありとあらゆる種類のフネブネとそれに乗る人々が、同じ水面で夏の風物詩をともに堪能できる! この自由闊達さ、大事故が起きるなどして失われないよう、切に願いたいものです。

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20:30の終了時間が間近に迫ったころ、一隻の本船がゆっくりと入港してきました。東海汽船の「橘丸」です。花火もいよいよフィナーレ、息をつかせぬ連続打ち上げのさなかに船が正面へ来るよう、まあドンピシャで合わせてきた船長の技量には舌を巻きました! お客さんもさぞ喜んだことでしょうね。

鮮明な「橘丸」のシルエットが花火のちょうど中央にとらえられ、今回写した中でもお気に入りの一枚となったので、9月10日からのタイトルに掲げさせていただきました。

自艇での花火初体験、思った以上に収穫があって、充実したひとときでした。さて、花火が終わった瞬間から、無慮大数のフネブネがいっぺんに散りつつ高速移動を始め、引き波が増幅しまさに荒天レベル。

話には聞いていたので覚悟はしていましたが、闇の水上を行き交う大型艇の進路をにらんでかわし、引き波ををしのぎつつ港内を横切り運河に入るまでの数分間、まことにスリリングなものがあって、こちらもよい経験になったのでした‥‥。

(30年8月11日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 東京港