令和4年度川走り納め・晴海ターミナル
(『令和4年度川走り納め・晴海橋梁』のつづき)
●そのまま春海運河を下って、豊洲・晴海両埠頭間の水面へ。いや、もうとうの昔に埠頭と呼ぶのは適当でないほど、その機能は年々縮小されてはいますが。
ここなど、倉庫の建屋が残されてはいるものの、水際はすでに防潮堤が築かれてテラス化され、もはや昔日の面影をしのぶのみ‥‥自分もトシをとるわけだなあと遠い目に。

●さて、ここまで来れば、昨年2月に閉鎖、解体が進む晴海客船ターミナルの様子を見ておきたくなるもの。何分思い出が多い場所でもあるので、抵抗がないといえばうそになるのですが、最後の姿を少しでも見届けておきたい、という気持ちも手伝って接近。
ああ、足場がずいぶんと張り巡らされ、一部にはパネルでの養生も。重機の姿も見えますね。

●今回、いちばん心にズーンときたのはここ。本屋サイドを除いて、撤去されてしまったデッキの断面が目に入ったとき。
このデッキから眺めたさまざまな船‥‥軍艦、客船、帆船の雄姿や、埠頭だった地が再開発され、大型橋が架かりといった、変わりゆく港湾風景など諸々のシーンが思い出され、「ああ、もう無いんだなあ‥‥」と、胸の詰まる思いでした。

●足場は高々と側面を覆い、上層まで伸びてゆく勢い。パイプ材がキラキラと陽光を反射しつつ同じ紋様を繰り返すさま、どこか現実離れした光景をしばし仰ぎ、しみじみ。
理由あってのこととて仕方がないにせよ、まだこんなにキレイなのに、どうして? という気持ちは眺めるたびに湧き上がってきます。これから前を通るたび、少しづつ撤去されてゆく姿を目にしなければならないと思うと、つらいものがありますね。
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年12月28日撮影)
(『令和4年度川走り納め・運河地帯』につづく)

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ここなど、倉庫の建屋が残されてはいるものの、水際はすでに防潮堤が築かれてテラス化され、もはや昔日の面影をしのぶのみ‥‥自分もトシをとるわけだなあと遠い目に。

●さて、ここまで来れば、昨年2月に閉鎖、解体が進む晴海客船ターミナルの様子を見ておきたくなるもの。何分思い出が多い場所でもあるので、抵抗がないといえばうそになるのですが、最後の姿を少しでも見届けておきたい、という気持ちも手伝って接近。
ああ、足場がずいぶんと張り巡らされ、一部にはパネルでの養生も。重機の姿も見えますね。

●今回、いちばん心にズーンときたのはここ。本屋サイドを除いて、撤去されてしまったデッキの断面が目に入ったとき。
このデッキから眺めたさまざまな船‥‥軍艦、客船、帆船の雄姿や、埠頭だった地が再開発され、大型橋が架かりといった、変わりゆく港湾風景など諸々のシーンが思い出され、「ああ、もう無いんだなあ‥‥」と、胸の詰まる思いでした。


理由あってのこととて仕方がないにせよ、まだこんなにキレイなのに、どうして? という気持ちは眺めるたびに湧き上がってきます。これから前を通るたび、少しづつ撤去されてゆく姿を目にしなければならないと思うと、つらいものがありますね。
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年12月28日撮影)
(『令和4年度川走り納め・運河地帯』につづく)

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タグ : 春海運河
令和4年度川走り納め・晴海橋梁
(『令和4年度川走り納め・隅田川…5』のつづき)

●人道橋化工事が進む、晴海橋梁の不定期観察(前回、昨年7月はこちら)であります。
●西側の橋脚群の補強と、中央径間の落橋防止金物の取り付けが終了し、東側の橋脚群が鋼矢板で囲われたのが前回見た状態。
今回は‥‥橋脚の補強は完了したようで、工事のフネブネたちもおらず落ち着いた印象です。で、何で春海橋との間に入り込んだかというとですね‥‥。

●こういう看板がRC桁上に立てられていたからです。一瞬、水上に向けてのものと勘違いしたのですが、隣接する春海橋を渡る人々やクルマへ向けたと解釈した方が自然と気づき、ぬか喜びに終わりました。
目を引かれたのは「旧晴海鉄道」という表現。橋の部分だけなのに、と違和感があったのですが、考えたら遊歩道化されるのですから、前後の線路敷も含めて、という意味の事業名称なのかしら。耐震補強は今年4月で完工、次は上回りの工事が始まるのですね。変化が楽しみです。

●何分鋼橋部分が錆びていることだし、次期工事はサンドブラストをかけて、塗装に入るのでしょうか。何色になるのかなあ。
錆色のローゼとも、石川島に造船所があったころからの長い付き合いなので、大きな変化が訪れた昨今の姿を目にするたび、感慨深いものが。永くここに在って、かつての港湾の面影を留めてほしいものです。
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年12月28日撮影)
(『令和4年度川走り納め・晴海ターミナル』につづく)

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●人道橋化工事が進む、晴海橋梁の不定期観察(前回、昨年7月はこちら)であります。

今回は‥‥橋脚の補強は完了したようで、工事のフネブネたちもおらず落ち着いた印象です。で、何で春海橋との間に入り込んだかというとですね‥‥。

●こういう看板がRC桁上に立てられていたからです。一瞬、水上に向けてのものと勘違いしたのですが、隣接する春海橋を渡る人々やクルマへ向けたと解釈した方が自然と気づき、ぬか喜びに終わりました。
目を引かれたのは「旧晴海鉄道」という表現。橋の部分だけなのに、と違和感があったのですが、考えたら遊歩道化されるのですから、前後の線路敷も含めて、という意味の事業名称なのかしら。耐震補強は今年4月で完工、次は上回りの工事が始まるのですね。変化が楽しみです。


錆色のローゼとも、石川島に造船所があったころからの長い付き合いなので、大きな変化が訪れた昨今の姿を目にするたび、感慨深いものが。永くここに在って、かつての港湾の面影を留めてほしいものです。
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年12月28日撮影)
(『令和4年度川走り納め・晴海ターミナル』につづく)

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タグ : 春海運河
都市計画運河橋梁に触れる
(『11月13日の水路風景』のつづき)
●曙北運河を北上、左へ折れ汐見運河へ入ろうとしていたときのこと。越中島線の都市計画運河橋梁の、桁が目の高さくらいになっているのに気づき、ふと行き足を止めました。
この日は日中の潮位が高かったので、余裕で触れられるレベル。よし、ちょっと触っていこうと、妙な気を起こして舵を切ったのでした。

●桁下に頭を突っ込んだ状態でゴースターン、フロントグラスの線に合わせるようにして停止。風も流れも穏やかなので、ピタリと止まってくれました。
桁に触れると、手袋越しのざらりとした感触と、人差し指に陽光で温まったぬくもりが同時に伝わってきて、古豪鋼橋との文字通り「ふれあい」に、満足満足。

●せっかく鼻先で拝めるのだからと、これ以上ない間近からディテールを記録しておこうと考え、すぐ右手に見えたアングル材の継手を一枚。
塗膜が風化してはがれ、生じた錆が表面を流れて、褐色のまだら模様をつくっていくさまが、長い時間の経過を想わせ凄まじくもあり、また愛おしくもあり。

●桁裏をのぞくと、リベットの頭が弾けたような格好で、塗料が剥離しているのに目を奪われました。表面を流れた雨水がリベットの先に集まり、乾くのに時間がかかったせいでしょう。
腔腸動物の群落をのような桁裏の様子、こちらも過ごしてきた星霜が思われて、しみじみと見入ったものでした。
【撮影地点のMapion地図】
●おまけ。桟橋に着けて艇の清掃をしていたら、久しぶりのクラゲ君ご来訪。ミズクラゲですか、傘をしきりにひらひらさせて、なかなか活発で元気そう。
表層の流れが桟橋と並行していたので、可愛らしい姿をしばらく堪能することができました。過去にも何度か紹介していますが、クラゲが桟橋に来ると、妙に嬉しくなってしまう性癖の持ち主です‥‥。
(令和4年11月13日撮影)
(この項おわり)

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この日は日中の潮位が高かったので、余裕で触れられるレベル。よし、ちょっと触っていこうと、妙な気を起こして舵を切ったのでした。

●桁下に頭を突っ込んだ状態でゴースターン、フロントグラスの線に合わせるようにして停止。風も流れも穏やかなので、ピタリと止まってくれました。
桁に触れると、手袋越しのざらりとした感触と、人差し指に陽光で温まったぬくもりが同時に伝わってきて、古豪鋼橋との文字通り「ふれあい」に、満足満足。

●せっかく鼻先で拝めるのだからと、これ以上ない間近からディテールを記録しておこうと考え、すぐ右手に見えたアングル材の継手を一枚。
塗膜が風化してはがれ、生じた錆が表面を流れて、褐色のまだら模様をつくっていくさまが、長い時間の経過を想わせ凄まじくもあり、また愛おしくもあり。

●桁裏をのぞくと、リベットの頭が弾けたような格好で、塗料が剥離しているのに目を奪われました。表面を流れた雨水がリベットの先に集まり、乾くのに時間がかかったせいでしょう。
腔腸動物の群落をのような桁裏の様子、こちらも過ごしてきた星霜が思われて、しみじみと見入ったものでした。
【撮影地点のMapion地図】

表層の流れが桟橋と並行していたので、可愛らしい姿をしばらく堪能することができました。過去にも何度か紹介していますが、クラゲが桟橋に来ると、妙に嬉しくなってしまう性癖の持ち主です‥‥。
(令和4年11月13日撮影)
(この項おわり)

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「もがみ」型護衛艦来航…1

午後から天気が崩れるとの予報を受けて、早めに出航しようと7時前に解纜。朝日を浴びた廃煙突、背後にクレーンが‥‥いよいよ解体が始まるのかしら。

●まだ凪いでいる時間帯でしたが、昼ごろから南風の強風が入ることもあり、湿度はそこそこあって靄がかかっています。
道々、辰巳の高層マンション群をふと見ると、頂部から少し下あたり、たなびくように薄黒い雲がかかっているのに気づきました。陽が出て気温が上がり、加えて湿度も高かったせいなのでしょうか。気温の逆転層があのあたりにあって、靄が滞留したのでしょうね。

まだ太陽の高度も低いので、旧防波堤の森も水面も黒く沈んでいます。朝らしい水路風景と爽やかな空気、毎度のことながら、早起きはしてみるものじゃと一人うなずきつつ飛ばします。

●第一航路に出てみると、ご覧のとおり一面靄が立ち込め視程はよくありませんが、遠方の建造物が、朝日で赤味がかった白いヴェールに飲み込まれてゆくさま、幻想的でしばらく眺めていたくなる美しさ。
靄がかかっているくらいでしたから、風はほとんどないか微風といった程度でしたが、港口から低いうねりが絶えず入ってきており、水面が静穏というわけではありませんでした。すでに沖は、湾外からの南風による波が入ってきていたのでしょう。

●クルーズターミナル遠望、「もがみ」型護衛艦2隻がもやっているのが見えます。逆光と靄が独特のシルエットを強調し、かつてない形の新型艦であることが感じられて、気持ちも高ぶるものが。まだ8時前で、艦旗掲揚まで時間があります。じっくり拝見させていただくとしましょう。
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年11月13日撮影)
(『「もがみ」型護衛艦来航…2』につづく)

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9月25日のフネブネと水門
(『改架中の高速大師橋…2』のつづき)

●例によって最後は落穂ひろい的に、フネブネと水門をいくつか。
城南島の建材埠頭は、魅力的なフネブネがもやう好スポットですが、この日出会ったうちでは出色だったのがこの「第二十三源内丸」。
短躯にノッポの船橋がそびえるアンバランスな魅力、よく見かけるラティスの櫓タイプでなく、舷窓のついた閉囲型だけに強烈さも三割増しといったところ。残念ながら、検索しても船社のサイトはヒットしませんでした。

●両岸に錆色の鋼管矢板が打ち込まれ、従前より護岸工事が進んでいる北前堀。護岸が古くだいぶ傷んでいましたから、無理もありません。
ヌシたる北前堀水門は4月に見たとき同様、扉体を降ろしていました。巻上機室のないタイプなので、堰柱だけが突き立ち印象が変わりますね。向こうの船溜も護岸工事に入っているのか、それとも貴船、呑川水門同様、撤去されるのでしょうか。

●大師橋と高速大師橋がつくる三角水域の北岸にたたずむ、羽田第二水門。粉を吹きそうに色褪せた感じは変わりませんが、さんさんと降り注ぐ秋の陽を浴びて、気持ちよさそうです。
左手の護岸にやっつけられた落書き、風化してだいぶ薄まったな、と思ったら、右側の堰柱にまた色鮮やかなナニカが‥‥。どうもこのあたりには、懲りない芸術家がいるようです。
【撮影地点のMapion地図】

●京浜運河、湾岸署水上安全課の船溜にて。先日、9月11日に初見した可愛らしい警備艇「ひめゆり」、この日も同じ場所にもやっていましたが、露天部分にオーニングをかけられており、大切にされているさまがうかがえました。
このスタイルからして、港内より河川が似合いますよね! 大横川や北十間川など、流路が狭くて橋の桁下が低い川で出会ってみたくなります。
●すでに10~12月のご案内で掲げましたが、最近目にした中では特に気に入ったので、トリミングを変えて改めて。品川埠頭、泉汽船のRORO船、「神泉丸」のファンネルマークです。
ファンネルの上下にあしらわれた黒が、白地に浮かび上がる赤いマークを一段と引き立てていて、何とも小粋に感じられたものでした。
(令和4年9月25日撮影)
(この項おわり)

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●例によって最後は落穂ひろい的に、フネブネと水門をいくつか。
城南島の建材埠頭は、魅力的なフネブネがもやう好スポットですが、この日出会ったうちでは出色だったのがこの「第二十三源内丸」。
短躯にノッポの船橋がそびえるアンバランスな魅力、よく見かけるラティスの櫓タイプでなく、舷窓のついた閉囲型だけに強烈さも三割増しといったところ。残念ながら、検索しても船社のサイトはヒットしませんでした。

●両岸に錆色の鋼管矢板が打ち込まれ、従前より護岸工事が進んでいる北前堀。護岸が古くだいぶ傷んでいましたから、無理もありません。
ヌシたる北前堀水門は4月に見たとき同様、扉体を降ろしていました。巻上機室のないタイプなので、堰柱だけが突き立ち印象が変わりますね。向こうの船溜も護岸工事に入っているのか、それとも貴船、呑川水門同様、撤去されるのでしょうか。

●大師橋と高速大師橋がつくる三角水域の北岸にたたずむ、羽田第二水門。粉を吹きそうに色褪せた感じは変わりませんが、さんさんと降り注ぐ秋の陽を浴びて、気持ちよさそうです。
左手の護岸にやっつけられた落書き、風化してだいぶ薄まったな、と思ったら、右側の堰柱にまた色鮮やかなナニカが‥‥。どうもこのあたりには、懲りない芸術家がいるようです。
【撮影地点のMapion地図】

●京浜運河、湾岸署水上安全課の船溜にて。先日、9月11日に初見した可愛らしい警備艇「ひめゆり」、この日も同じ場所にもやっていましたが、露天部分にオーニングをかけられており、大切にされているさまがうかがえました。
このスタイルからして、港内より河川が似合いますよね! 大横川や北十間川など、流路が狭くて橋の桁下が低い川で出会ってみたくなります。

ファンネルの上下にあしらわれた黒が、白地に浮かび上がる赤いマークを一段と引き立てていて、何とも小粋に感じられたものでした。
(令和4年9月25日撮影)
(この項おわり)

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