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日本橋川ちょい散歩…2

(『日本橋川ちょい散歩…1』のつづき)

271006.jpg気象庁横のテラスを西側から見て。幅がゆったり取られているのにくわえ、河道の屈曲に合わせたカーブがいい雰囲気。

フェンスの向こうは、解体中の建物が見えたりして少し落ち着きませんが、川面からも見える廃鉄塔が間近に眺められるので、その筋の方にも楽しめるところではあります。

271007.jpg少し進むと、繰り返されるアナウンスとともに、行き交う人々が柵の右手に見られるようになり、周りがざわついてきました。

掲げられている横断幕や看板を見ると、自衛隊の東京大規模接種センター‥‥いや、そうでした。大手町の合同庁舎で行われていると、何度も報道されていましたっけね。

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聖橋や錦橋と、同系列のデザインの震災復興橋が美しく外観を整備・復元される中、ひとり放置感濃厚でくぐるたびに同情をひかれてしまうRCアーチ、鎌倉橋(昭和4年竣工。外観は『9月9日の川景色…2』参照)。

優美なはずの曲線を描く袖高欄も、石張りの目地が浮いて表面も苔生し、本体に劣らぬ痛ましさですね‥‥。補修計画はないのでしょうか?

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デコボコに浮いた高欄を撫でながら歩道を進んでいると、ふと開口に目が行きました。横に渡された鉄棒、これは竣工当時からのものでしょうが、最近塗り替えたみたいに照りがありますよね。

なら、縦に2本つっかえた足場のパイプは何でしょう。遠目には、横棒が腐朽して落ちないようにしているのか、と思ったものの、よく見たら違う感じ。横棒を新たに付け替えたとかでしょうか。とすると、いよいよ補修が始まるのかな?

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小雨がときおりぱらつく中、竜閑さくら橋に到着。架橋中(『2月19日の日本橋川…2』参照)から観察していて、歩いて橋詰に出るのは初めてです。JR・新常盤橋の動輪エンブレムを間近に眺めたかったこともあり、せっかくだからと橋上へ上がってみることにしました。


(令和3年9月12日撮影)

(『日本橋川ちょい散歩…3』につづく)

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タグ : 日本橋川

日本橋川ちょい散歩…1

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9月5日の週は、体調を崩し一週間寝込んでおりました。週末になってようやく回復してきたものの、筋力の衰えが甚だしかったのは、加齢のためとはいえ驚かされるほど。12日日曜日は、リハビリを兼ねて河畔のお散歩をすることにしました。

日本橋川の屈曲部、雉子橋の下流あたりに出たとたん、高架下に轟轟と爆音を反射させ、PWCのフリートが遡上してきました。水面を引き波で白く染め、疾走してゆく姿はダイナミックで見ごたえがありますが、下航中に行逢したら翻弄されて大変だろうなあ‥‥。

271002.jpgこのあたりのコンクリート堤防は胸の高さくらいで、もたれながら川面を眺めるにはちょうどよいもの。ふと見ると、直径5㎝くらいでしょうか、鉄色の鋲がポコン、と丸い頭を出して打ち込まれていました。

表面には、天地逆さに「KBM.7」と刻印されています。施工時に、堤防の高さを揃えるためのものかしら? などと想像しながら反対、下流側をのぞき込んでみると‥‥。

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こちらは天地を正しい向きで「江東治水事務所」と刻印されていました。鉄の質感と、丸ゴシックぽい書体の刻印がしっくりきていて、置き物として欲しいくらい。測量を生業にしている友人によれば、仮ベンチマークといって、水準測量のための鋲なんだそうです。

271004.jpg一ツ橋を過ぎると、殺風景だった河畔がぐっと明るくなりました。歩道が拡幅されて路面にはタイルが張られ、水際にはきれいな柵が設けられて、準テラス化といっていいくらい。

ここ一ツ橋~錦橋間は、高架が河上から道路に大きく張り出し、路上に快適な日陰を提供しているので、歩行者にとってもありがたいことでしょう。特に夏の猛暑下は、川がもたらす涼風とともに、快い空間なのではないでしょうか。

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錦橋から先、続く気象庁の敷地も、河畔はテラスとして整備・開放され、ベンチも多くゆったりとしたスペースになっていました。施工されて時間は経っているのでしょうが、久しぶりに歩くと新鮮な発見の連続といったところ。

整備の結果生まれた、ちょっと面白い光景も。昔からあった首都高の橋脚が、新しい柵や植え込みで囲まれているのですが、補強にリベット組みの部分があることも手伝ってか、いにしえの何かを記念物化したように見えますね。


(令和3年9月12日撮影)

(『日本橋川ちょい散歩…2』につづく)

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タグ : 日本橋川

東京ミズマチをほんの少し

(『すみだリバーウォークを歩いて…5』のつづき)

268026.jpg高架下をくぐって、枕橋北詰に出ました。基部はビヤ樽を模したといわれる親柱、その上に伸びる橋灯も曲線美といってよい瀟洒な意匠で、側面・高欄周りの石張りを含めて、震災復興世代の雰囲気を堪能できるのは嬉しいものです。

橋灯や高欄の手すりなど、鉄製部分がこげ茶系の色に塗り換えられたのは、東京ミズマチの竣工に合わせてでしょうか。令和元年6月に訪れたときは、まだ緑系の塗色でした。


268027.jpg
河畔の雰囲気はいかがと、橋爪からテラスに降りて足を踏み出しました。全体的に落ち着いた色調で、ベンチや植栽のレイアウトもシンプルで清潔感がありますね。コロナ禍もあって人影はまばらですが、各店ともそこそこお客さんが入り、静かな盛り上がりといったところ。

何度も同じことをいって恐縮ですが、あの時が止まったような高架と河畔が、ここまで変わったことに目を見張る思い。かつての面影が失われてゆく寂しさもある反面、水路に気軽に親しむ機会が増えたことは喜ばしく、しみじみしながらのお散歩であります。

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さて、以前から気になっていた掘り込みタイプの乗降施設を、陸側から観察です。

見たかぎり、柵に注意事項や管理者などの表記はなく、扉も南京錠で施錠されているだけで、隅田川の簡易船着場のように、フリーで利用できるものではないことを確認しました。

268029.jpg右は東側からのぞき込んだところ。干満に対応した踊り場(?)を3段あつらえ、さらにそれぞれ水面に向かって降りる段を設けた構造、細やかではありますが、少々使い勝手はよくなさそうな。

各踊り場の境にある柱状のところに、握りを兼ねたポールを立てるなどしたら、より乗降時の安全が図れると思うのですが、どうでしょう。

これが竣工した状態なのかわかりませんが、フェンダーも未装着ですし、まだ手を入れる可能性はありそうですね。気軽に使える施設になるといいのですが。



268030.jpg
行程なかば、源森橋の橋詰まで来てふと対岸を見たら、基礎護岸上で亀さんが甲羅干しをしているのに気づきました。

よく見てみると、なぜか前足をしまって、後足だけだらりと出した形で反り返っています。それが妙に不精ったらしいしぐさに思えて、ほほえましいというか、可愛らしいというか。ズームでたぐって一枚スナップし、さて会合に向かおうと、楽しいお散歩を終えたのでした。
撮影地点のMapion地図

(令和3年6月18日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 北十間川源森川

すみだリバーウォークを歩いて…5

(『すみだリバーウォークを歩いて…4』のつづき)

268021.jpg源森川水門の裏が見える場所は、振り返って高架線を眺めるとこんな感じ。この区間の特徴である瀟洒なデザインのスケルトン架線柱が、いい角度で間近に見られるのでした。

水上からはさんざん目にしているにもかかわらず、やはり舵を取りながらの見物はどこか落ち着かないのでしょう。柵に背中をあずけてゆっくり見上げると、今さらながら新しい発見があったのです。

268022.jpg
架線柱の先端、板金細工みたいなつくりで、台形の先に輪が取り付けられていて、ちょっと可愛らしいような感じ。柱から梁に至る流れるような曲線、整然と並んだ継手のリベットとともに、改めてこの架線柱に込められた細やかな気遣いが見て取れ、大いに惹かれたことではありました。

268023.jpg

268024.jpg通路は下りながら高架下をくぐり、先ほど同様、上流側に出てから東側のエントランスに。こちらも隣接して清潔感のあるお手洗いが設けられており、実に行き届いたレイアウト。

右写真、出たところは墨堤沿いに伸びる都道461号線ですが、ここの眺めがなかなか。ずらりと並んだ片持ちの高架橋脚、萌える方も少なくないでしょう。

268025.jpg
横断歩道を渡れば、東京ミズマチの西端。北側、隅田公園に面したところも、ご覧のとおり美しく整備されて面目を一新、高架線も引き立つ感じがします。

東京ミズマチはすでにこの5月、河上から眺めましたが、陸路観察したいところもあるので、右に折れ河畔に出てお散歩を続行することにしました。
撮影地点のMapion地図

(令和3年6月18日撮影)

(『東京ミズマチをほんの少し』につづく)

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タグ : すみだリバーウォーク

すみだリバーウォークを歩いて…3

(『すみだリバーウォークを歩いて…2』のつづき)

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通路は90度方向を転じ、まさに「橋の中」を横断して下流側へ出るわけですが、梁をはさんで左側通行となっています。

もともと人道を通すような造りになっていないこととて、レイアウトには苦労したと思いますが、構造に触れ、愛でながら歩けるという意味ではこれ以上のものはない、と断言(してもしょうがないですが)できる区間になっていました!

268012.jpg横断する通路の真ん中あたりから、東側を見たところ。交錯する構造、その下に広がる水面、すき間から差し込む陽射しと、つねでは見られない非日常の光景にうっとり。

ここから船が通る瞬間を撮れたら、素敵だろうなあ‥‥と妄想しつつ、柵の上にカメラを差し出して撮りました。


268013.jpg
楽しいからといって、いつまで構造の中でじっとしているわけにもいかず、下流側に出ました。リバーウォークがリバーウォークたるゆえん、大川筋でも最も賑やかな、吾妻橋周辺の水面をほしいままにできる、まこと絶好のビュースポットでもあります。

今さらながら、通路はもっと狭いものを想像していたのですが、ご覧のとおり3人が並んでも余裕ですれ違えるほど、ゆったりとした印象。これなら自転車を押して歩いている人が通っても、決して邪魔な感じは受けないでしょう。

268014.jpg
‥‥と、ここで電車が通過。構造がわざわいして、ほとんど写っていないのが痛いですが。

いやもう、ビリビリビリ、ドシン、ドシンと鉄輪がレール面を噛み、継ぎ目を渡る衝撃がダイレクトに体を振動させ、まあ血が沸くのなんの!

列車の重量と力強さを、鋼橋を介して文字通り体感できる! この一事をもってしても、すみだリバーウォークを設けた意義は十二分にあったといって過言ではありますまいよ(真顔)!

268015.jpg電車が通過した後、上気した顔で改めて橋を眺め、部材の一つ一つまで間近に愛でられるありがたさを噛みしめる加齢者。

通路上で離れようがないため、上と似たようなカットで恐縮です。格好のよい架線柱を横目で見ながら、乙な気分でお散歩は続くのでありました。

(令和3年6月18日撮影)

(『すみだリバーウォークを歩いて…4』につづく)

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タグ : すみだリバーウォーク隅田川