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鯔越水門…3

(『鯔越水門…2』のつづき)

239036.jpg扉体の構造側を管理橋からアップで。銘板にも載っていたとおり、扉体はステンレス製で生地のまま。年数相応にくすんで、遠目にはグレーに見えます。

100%海水域のこととて、ステンレスといえど閉鎖後の真水洗いは必須と思われますが、特に洗浄装置が設けられているようには見えなかったので、点検運転時のみ何らかの方法で真水を持ってきているのでしょうか。


239037.jpg話が脱線しました、爆音の正体はこちら。スマートな漁船タイプの艇が一隻、船首波を白く蹴立てた、プレーニング状態で水門へ向かってくるのが見えたのです。

おおお、これは通航シーンがものにできるぞ! と、急ぎ西岸の南側に走って、艇が出てくるのを待ち構えたのでした。


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若干行き足をゆるめただけで、結構な速度のままこちらへ出てきました。やはり可航水路の水門、通航艇があると、どこか水門も生き生きとして見えますよね。

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嬉しいじゃないですか、間なしにもう一隻向かってきたので、今度は北側から進入シーンを。

このあたりうまく撮れなかったのですが、水門で狭窄しているのも手伝っているのでしょう、水は相当な流速で南に下っていました。徐航すると姿勢を崩す恐れがあり、かえって危ないので、プレーニングしたままの通航は理にかなっているといえます。見通しがよく、行逢艇があっても視認しやすい場所だからこそ、というのもあるでしょうね。

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お別れの前に、南側で見つけた陸閘つきのスロープの上に出て、堤防の外から一枚。いや~、実見できて本当によかったですわ‥‥。欲をいえば、周りの山の上からも俯瞰で眺められたら、より地峡運河っぽさが味わえたかも、とも思ったのですが、時間も限られていたゆえ、間近で愛でるにとどまりました。

山懐に抱かれた、といってもいい過ぎでないような、四周を山に囲まれた内海に独り在って、大毛島の低地を護る小水門! 長年憧れてきた魅力的な水門風景を目の当たりにできて、楽しく過ごすことができました。
撮影地点のMapion地図

(元年9月14日撮影)

(『あいの水尾川水門…1』につづく)

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タグ : 鯔越水門 鳴門市

鯔越水門…2

(『鯔越水門…1』のつづき)

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東側から側面を見て。堰柱側面、階段の踊り場に取り付けられた昔風の街燈が、いかにも唐突な印象で目立ちますね。向こうの山肌はいったん刈り払われたようですが、今は草木に覆われて、土の色は見えません。

手前には操作室が建っていることもあり、周囲は植え込みなどもあってそれなりの体裁が整えられていたようですが、剪定もされておらず草が生い茂り、人の手が入っているにしても最低限のようでした。

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周りをうろつく前に、銘板を探し出して一枚。メーカーは日東河川工業、昭和61年竣工、7.5×4.7mのローラーゲート。御年33歳、少々くたびれた部分はあっても、まだまだ働き盛りといったところでしょうか。

239033.jpg操作室を正面から。壁にタイルはおろか塗装もなしと、水門同様の質実剛健ぶり。扉にガラスすら入っていないのは、暴風時にも耐えられるような堅牢さを目指したのでしょうか。

右手に少し写っていますが、説明板のたぐいを掲げていたような痕跡もありました。何分、近くに人家のない内海の最奥部、多少の行き届かなさは、致し方ないところではあります。

239034.jpg管理橋の上から、巻上機室を仰いで。南側も同じく、抜き文字の水門名が掲げられていました。

そうそう、「鯔越」の読みの件のつづき。迷惑を顧みず地元の方を捕まえてうかがったり、その方がご親切に漁協に電話して下さったり(ありがとうございました!)で、「 “ボラゴエ”でいんじゃないか?」というアイマイな結論に達していたのですが、まさお(@masaosaito)さんより「鯔越は『いなこし』でっす。」のご指摘が。

イナコシとのご指摘に、なるほど!と腑に落ちるものがありました。正直、ボラゴエだと音に濁りが多く、口当たりもいま一つですが、イナコシならしっくりきますね。だいたい、大好きな地名「船越」がフナコシなのですから、察しろよと自分を叱りたくなります。

ご指摘を受けて検索の文言を変えてみたら、自転車で鳴門周辺を巡った記録「20160307_徳島鳴門スカイラインCYC」ほか、読み方に言及したサイトがヒット。こちらもちゃんと「鯔越水門(いなこしすいもん)」と記されていますね。「鯔越 読み方」などでは引っかかりもしなかったので、助かりました。ご指摘ありがとうございました!

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管理橋を渡り、西側へ出てみました。陽射しを浴びてたたずむその姿、こうして切り取ると、とても内海の狭窄部にあるとは思えないこの規模と造作。支派川の河口あたりがよく似合いそうです。

東岸の道をたまにクルマが通るほか、あくまで静謐だった鯔越水門でしたが、時ならぬ爆音が遠くから聞こえてきました。これはもしかして‥‥?
撮影地点のMapion地図

(元年9月14日撮影)

(『鯔越水門…3』につづく)

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タグ : 鯔越水門 鳴門市

鯔越水門…1

(『岡崎渡船…4』のつづき)

239026.jpg大毛島に渡って東岸、県道11号線に出ました。右手はるかに鳴門海峡と淡路島、そして大鳴門橋を望みつつ北上します。

しばらく走ってから左折し、山道を越えて大毛島と島田島に囲まれた内海、ウチノ海の水際を巡る道へ。山裾がそのまま水面に落ちるような地形で、うねうねと狭い道をたどってゆくと、養殖筏が点在する美しい水面の向こうに、お目当ての水門が見えてきました。

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重畳とした緑の山並が、左右からすとんと落ち込んで谷間をつくったあたりに、小さな水門が見えるでしょうか。

山に囲まれた内海の小さな谷間に、ぽつりと在る一径間の水門‥‥。緑したたる、水あくまで澄んだ内海の奥部という、水門風景として見ても、群を抜いた美しさ! それもさることながら、堤防の切れ目でもなく、ましてや河口でもない、このタイプの水門を設ける地勢としては、かなり特異であることにまず惹かれました。

239028.jpg
同位置からズームでたぐって、少しアップ。飾り気のない簡素な外観の水門が、コンクリートの生地にうららかな陽を浴びて、うっそりとたたずんでいるさまが見てとれます。

10年ほど前でしたか、国内各地に今なお息づく地峡運河‥‥例えば船越運河‥‥に興味が湧きまして。Googleマップの衛星・航空写真で、地峡運河がありそうなくびれた地形の場所を、片っぱしから検分して回ったことがあったのですが、この水門の存在に気付いたのはその折でした。

その少し後になって、Googleストリートビューで見られるようになり、水門風景としての素晴らしさに驚かされ、撫養航路とともにぜひ訪ねてみたいと一人盛り上がって、今に至るというわけです。

239029.jpg
水門のかたわらまでたどり着きました。ほぼ同じアングルをストリートビューで見られるのですが、百聞は一見に如かず。潮の香りと草いきれがないまぜになった空気を吸いこんで、ようやくこの地に立った感動を噛みしめたものでした。

さて、地峡運河ファンとしては、ご当地が元からあった“海峡”なのか、それとも人の手で開鑿した水路なのか、現時点では確認できていないのですが、気になるところではあります。

国土変遷アーカイブの空中写真閲覧サービスで、「USA-M263-24」(昭和22年、米軍撮影)を見てみたかぎりでは、細長い水路がひょろりと伸びており、どうも人為説を採りたくなるような雰囲気ではあるのですが。かつては塩田の多い地域でしたから、海水をより多く導く必要があって濠を切ったとか、根拠のない妄想をしております。いずれ調べてみたいですね。

239030.jpgもう一つの謎が、巻上機室に抜き文字で掲げられた、水門の名前です。鯔越水門‥‥ううん、何て読むのが正しいんだろう?

検索でヒットしたのが、徳島県HPの「鯔越樋門」。こちらは樋門になっていますが、なぜだかはわかりません。さておき、オフィシャルサイトなのに、読みが載っていないのが何とも。「鯔」はボラかイナのどちらかでしょうから、ボラゴエかイナゴエなのかしら?

正解は帰宅後に判明したのですが、今考えてみると、直接管理部門に電話してうかがうべきでした。お恥ずかしい‥‥。
撮影地点のMapion地図

(元年9月14日撮影)

(『鯔越水門…2』につづく)

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タグ : 鯔越水門 鳴門市