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7月16日の川景色…5

(『7月16日の川景色…4』のつづき)

303021.jpg日本橋川を下ってくれば、ほぼルーチン(でも何でもありませんが)となった、首都高高架の撤去工事の観察であります。

一石橋から、撤去中の呉服橋出入口を眺めて。足場で覆われ、両岸も建て込んでいるせいで、昼なお暗い高架下には台船も作業拠点として常駐。少し進んで、西河岸橋の手前から見上げてみると‥‥。


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今回、絵的に惹かれたのはここです。すでに撤去され寸断された桁の上に、何のためでしょう、一つづつ鉄骨組みの低い櫓状の構造がぽつりぽつりと載っていて、独特の香気を発散していました。

303023.jpg高架の撤去はほぼ終わり、視界が開けたもののいまだに違和感がぬぐい去れない(笑)、江戸橋出入口跡を上流側から。7月9日の視点と、反対から見ていることになります。

"定点観測"してみたかったのは、この先右手にある切断された橋脚の一本。前回とは潮位が異なりますから、見せる表情もまた違うことでしょう。


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う~ん‥‥前回の天端が水面ギリギリより、インパクトには欠けてしまいますが、これが都心の河川にある珍物味は捨てがたいところ。近いうちにこれも取り去られる、今しか見られない光景であれば、なおさら。

手すりにみたいに鉄棒とロープで囲いがしてあるのも手伝って、あそこに立ってみたい誘惑にかられるものが‥‥。

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最後は河口近く、湊橋のアーチの下から。ちょうど"松本型"水上バス「ホタルナ」が遡上してきたので、豊海橋とのツーショットをとスナップ。震災復興世代の古豪橋と、レトロフューチャー風味のする現代河川航路の顔役、いい一瞬に居合わせたものと嬉しくなりました。
撮影地点のMapion地図

(令和5年7月16日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 日本橋川高架下水路水上バス

7月16日の川景色…4

(『7月16日の川景色…3』のつづき)

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三崎町中継所にもやう、顔なじみの曳船「第30中島丸」にご挨拶。もはや不燃ゴミ輸送の唯一の航路となって、何とも寂しいかぎりですが、いつもながらキレイに整備されていますね。

船首下、水草が流速で溜まりつつあるのがわかるでしょう。遡上すればするほど増えてきて、ペラにからませたらと気を遣いました。

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日本橋川に入りました。千代田区役所近く、宝田橋上流にて。あれ? 水面の中央に車線みたいなラインが‥‥。

まあ、頭上の高架にあるすき間から陽が差していたのですが、ちゃんと途切れて、しかも河道に合わせカーブしているあたり、まさに上下線を分かつ車線のよう。タイミングが良くなければ見られない現象でしたから、ラッキーでした。

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303019.jpg4月1日に触れた、神田橋~鎌倉橋間の架橋工事の進捗を拝見。両岸とも堤防を掘り込み鋼矢板で囲んで、橋台の工事が盛んにおこなわれていますね。

『(仮称)内神田一丁目計画』始動」(三菱地所・PDF)に、人道橋の完成イメージが出ていますので、ご参考まで。見たところ、中高に大きく反った、軽快な感じの橋になるようです。


303020.jpg下流側には、基礎護岸に接して橋脚を立ち上げ、長大なスロープで川面へ下ってゆく桟道が。船着場ができるのでしょうか。

三菱地所のPDFを読むと「当敷地の南側(日本橋川)には防災船着場を整備し、平時には建物内の観光案内所と連携し舟運サービスの展開を予定しております」と。おお、定期航路ができたら面白そうですねえ。どこの船社が就航するのか、楽しみではあります。
撮影地点のMapion地図

(令和5年7月16日撮影)

(『7月16日の川景色…5』につづく)

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タグ : 神田川日本橋川高架下水路曳船

7月9日の水路風景…6

(『7月9日の水路風景…5』のつづき)

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301052.jpg最後に、高架撤去の様子をちょっと見ておきたくなり、日本橋の近くを徘徊。左手、野村ビルの解体がほぼ片付いてクレーンの姿もなくなったことも手伝い、まあ視界が広いこと。

首都高江戸橋ランプは桁のみならず、橋脚の撤去に移ってきました。右の写真は北岸、江戸橋出口の桁を支えていた橋脚です。


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今回注目したのは、ランプの末端である橋台(?)部分。首都高の出入口は、橋詰広場のすべてか、一部のスペースを転用した例がいくつか見られますが、ここ江戸橋もそうでした。

こうして桁が外されてみると、こんなに狭かったのかと改めて驚かされますが、限られた場所を巧みに活かし、現役時は2車線の料金所ゲートまで設けられていたのですから、時代を感じさせるものがありますよね。

301054.jpg上の写真が南岸の入口、右写真は北岸の出口があった跡。護岸の石張り風装飾から、橋と連続した構造物であったことがわかります。

震災復興橋梁に併設された橋詰のスペースは、首都高ランプに限らず、小児童公園などに転用された例が見られましたが、ここ江戸橋はランプ撤去後、どうなるのでしょう。昭和初期の竣工時そのままに、橋詰広場が復元されたら面白いと思うのですが、いかがでしょう?

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今回の真打(?)はこれ。「4月1日のお花見…5」の一枚目に写っていた江戸橋入口の橋脚、水面近くで切断され、丸い舞台状の基礎を残して撤去されていたのです。

ブイと4本柱で囲われ、水面上にようやく顔を出しているその姿、哀れな中にもどこかユーモラスで、まじまじと眺めてしまったのでした。

(令和5年7月9日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 日本橋川高架下水路

4月1日のお花見…5

(『4月1日のお花見…4』のつづき)

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お花見の道々に拾った川景色のまとめです。

日本橋付近で目を引くものといえば、首都高地下化事業の一環で工事が進む、江戸橋ランプの高架。すでに桁は撤去され、橋脚が寂しく孤立していました。

日本橋野村ビルも撤去されて、開けた風景にクレーンが林立するさまを背景にした橋脚‥‥寂寥感とともに、変わりゆく日本橋界隈を象徴しているようでした。

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下流側から日本橋を望んだところ。ランプの高架がなくなり、河畔の建物も撤去されたのでずいぶんと明るくなりましたが、トンネル新設を伴う"世紀の大工事"だけに、向こう十数年ですか、長きに渡ってわさわさと落ち着かない雰囲気が続きますね。

297023.jpg鎌倉橋~神田橋間の南岸、台船や曳船がもやって、護岸上は何やら工事をしているようです。正横にきたとき見てみると、、おや、護岸を切断し凹形に掘り込んで、鋼矢板が打ち込まれていますね。

船着場でも作るのかな、と思ったら、人道橋の工事だったことが判明。「大手町川端緑道の閉鎖範囲を変更します」(マイ広報紙)に、「人道橋等整備工事を行っています」とありました。新しい橋が架かるとは! どんな橋になるのか、楽しみです。

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塗り替え工事中の後楽橋は、ご覧のとおりすっぽりと養生されて、しばし鋼アーチの構造美はお預けの状態に。足場で天地の寸法が増すと、径間の短さが強調され、ここが狭窄部であり、分水路が必要なことを改めて実感。

検索すると、昨年8月に触れた後楽橋補修補強工事概要」に加えて、「お茶の水橋及び後楽橋の補修補強工事に係る変更について」(いずれもPDF)がヒット。「橋の床版構造が竣工図と異なっていたこと」という下りが気になります。

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水道橋を間近に控えたあたりで、水面に大理石模様を描いた花筏が!

直線に近い河道とはいえ、河水は単純に流れ下っているのでなく、岸沿いの反流や河底の形からくる淀みがあり、表情があることを感じさせる一幕。花筏は美しいだけでなく、普段は目にできない水の挙動を見せてくれる、貴重な立役者なのでした。
撮影地点のMapion地図

(令和5年4月1日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 日本橋川神田川高架下水路

令和4年度川走り納め・石神井川…3

(『令和4年度川走り納め・石神井川…2』のつづき)

291046.jpg前回来たときにはなかった、王子南入口。いや、高架だけでなく、河道自体も大きく改修されていたんですよね。

過去ログ「石神井川初探訪…4」の写真とくらべていただければわかりますが、流路内に立っていた橋脚も、今は護岸の外に。Googleで上空からの写真を見ると、溝田橋前後で特に、河道の屈曲を滑らかに改修した痕跡がうかがえて、興味深いものがあります。

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首都高の完成とともに河道改修も成り、護岸もほとんどが化粧板張りに整備されて、実にスッキリとした表情に。平成19年に訪れた際の「鉄の水路」感は失せましたが、降り注ぐ冬の陽射しに護岸も高架も輝いて、明るくうららかな川面をゆくのはやはり、嬉しいものです。

291048.jpg王子南入口から伸びる高架が張り出した下、護岸に水位尺が設けられており、勾配が変わって垂直になるあたりに「避難判断水位」の印が。

短い道のりの中でさまざまな細流を集め、台地を流れ下ってくるかつての洪水常習河川、沖積地の区間は特に被害に遭いやすかったでしょう。整備成った今、安心感はぐっと増しているものと思われます。


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そして石神井川可航区間のハイライト、首都高がカーブを描きながら流路をまたぎつつ、高架から一気に地下へなだれこむという、実にダイナミックな眺め。護岸をかすめ降下してゆくきわに、人道橋の堀船橋が窮屈そうに詰め込まれているのも目を引きますよね。

頭上低くうねり、川面を完全に覆うこの見事さ、短いながら高架下水路に認定(偉そうに)させていただいております、ハイ。

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堀船橋付近から振り返って。いや~、すき間から差し込む陽光も塩梅がよろしく、圧倒的ながら明朗な、曲線美を堪能できる角度。特記しておきたいのは、橋脚が流路内から完全に排除されていること。

もちろん河水の流下を優先してこそと思いますが、水面を移動する者の目線からしても、走りやすくまた、河道の屈曲と高架の面白さを堪能できる点、実に好ましく感じたことではありました。
撮影地点のMapion地図

(令和4年12月28日撮影)

(『令和4年度川走り納め・石神井川…4』につづく)

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タグ : 石神井川高架下水路