川跡の首都高をゆく…3

(『川跡の首都高をゆく…2』のつづき)

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三吉橋来た! かぎの手に曲がった築地川と、連絡運河の丁字流に造られた、わが国初のY字型橋!

クルマから見上げられるのは、ほんの一部分ではありますが、桁側面に張り出す持ち送り、無数のリベットが美しい桁下、そして一大特徴である三角柱の橋脚と、ディテールが楽しめました。以前橋の上を歩いたことがあるのですが、改修の度合いが高く、古さはほとんど味わえなかったので、下から眺められたのは本当によかったと思います。
撮影地点のMapion地図

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三吉橋の、竣工間もないころの絵葉書をご覧に入れましょう。「東京大十六橋」というシリーズものの一枚で、刷り部数が多かったのか、今でもよくセットか、あるいはバラで古書店に出てきます。このシリーズの中でも、三吉橋が特に好きで、額縁に入れて机の前に飾ってあるほどです。

手元にある雑誌「土木建築 工事畫報」(土木学会図書館でも全巻を閲覧できます)昭和5年2月号に掲載されていた、「三吉橋工事成る 世界的の異形橋」と題する2ページの記事によると、近代橋では類を見ない、「世界第一のY字橋」と誇らしげで、コンクリートアーチにする計画もあったが、「水面の間隔が少くなり水運の不便を生じ」ることやコスト面から、プレートガーダーに決定したことなど、興味深い話が記されていました。小橋梁ながら、登場時は大いに注目されたのですね。

66013.jpgクルマの流れが次第に速くなってきました。そろそろ橋めぐりも難しくなってきましたが、あともう一つ、容姿・ロケーションともに撮ってみたい橋があるので、何とか渋滞が持ってほしい…。

写真は築地警察署近くの亀井橋。やはり北側に巨大なデッキがあるので、くぐりざまにカメラを向けるしかなく、もちろんうまく撮れませなんだ。

66014.jpg新橋演舞場がドンと正面に立ちはだかるあたり、お目当ての采女橋が近づいてきました。何とか持ったようです!

デッキでさえぎられることもなく、水を湛えていた当時に近い姿を楽しませてくれる、美しい2径間コンクリートアーチ。伊東孝氏の「東京の橋」によれば、全長42m、幅15m、昭和5年8月竣工。S字屈曲区間に架けられたため、橋全体がはすに造られているのも魅力的です。

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スクラッチタイルのように型押ししたコンクリート板を貼って、化粧された側面を間近に見上げ陶然。水面に映った姿はまさに眼鏡橋、さぞ風情のあったことでしょう。

クルマの流れはますます速く、あまり車間をあけていると、後ろのドライバーの目も気になります。渋滞に感謝することなど、そうそうないと思われますが、このときばかりは本当にありがたく感じたものです。ありがとう渋滞。
撮影地点のMapion地図

(23年6月6日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 築地川・楓川連絡運河 築地川 首都高中央環状線 絵葉書・古写真

川跡の首都高をゆく…2

(『川跡の首都高をゆく…1』のつづき)

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ここで、川跡区間独特の標識、「橋脚注意!」が登場。たまに通っても、横目で見ながら意識するだけだった、「もともと川ですから」と主張するが如きこの標識を、ゆっくり眺められるこの面白さ。

66007.jpg頭上を覆う東京高速線の橋脚の間から、松幡橋が見えてきました。側面に大きな看板が掲げられていて、橋のディテールはほとんど見えません。

看板に「カーブ注意」の表示が見られますね。楓川の区間は次の弾正橋でおしまい、京橋ジャンクションから新富町出口までの短い区間は、「築地川・楓川連絡運河」といって、震災復興事業の一環として新たに開鑿された部分で、このカーブは連絡運河の始まりを示しているのです。

66008.jpg弾正橋、今は八幡橋として江東区に保存されている、国産初の鉄橋が最初に架けられたところとしてよく知られています。個人的には、日本橋川の一ツ橋に劣らない、立派な「鋼桁橋のラーメン橋台橋」が今なお存在していることを、むしろ強調したいです。

もっとも、ご覧のとおり北側にデッキが造られて、こちらからではまったく観察しようがないのが残念ですが。

この橋の向こうは、左に桜川(八丁堀)、右に京橋川、そして先ほど触れた築地川・楓川連絡運河と、船影濃い水路が集中する都心の十字流でしたから、橋の意匠にも相応の意が用いられたに違いありません。

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さっきから妙に車間をあけていますが、お察しのとおり前を走るトラックさんが視界をさえぎるので、間合いを取っているのであります、はい。

まあ、いかに間合いを取っても、周りがこのありさまでは如何ともしがたい…。数少ない原形を残している橋、新富橋もご覧のとおり、京橋ランプの防音壁にさえぎられて、なんともギギギな状況。それでも橋脚や桁の側面をチラチラ盗み見ることができて、結構楽しめました。

66010.jpgあっ、中央区役所が見えてきた! 川跡区間に残された橋で、もっとも気になる橋が間近に迫ってきている!

しかし、新富橋同様、橋を見上げる余裕はほとんどなさそうな雰囲気…。ほんの一部でもディテールが拝めれば、よしとするしかなそうですね。
撮影地点のMapion地図


(23年6月6日撮影)

(『川跡の首都高をゆく…3』につづく)

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