霞ポート水門と管理橋…1
(『「保立食堂」で通運丸に出会う!』のつづき)
●土浦訪問のシメは、桜川河口にある霞ポート水門にしました。過去ログ「空から水路をゆく!…4」でも紹介しましたが、このあたりにいくつか見られる「水門付き船溜」に惹かれるものがあり、近くに来たら一度訪ねてみたいと思っていたのです。
堤防道をたどってゆくと、分厚い雲の間からところどころ陽が射し、どこか神秘的な雰囲気の空をバックに、たたずむ水門が見えてきました(タイトル参照)。「西浦右岸 48.5km」の里程標を見て、ああ、ここもお役所的には川の一部だったっけ、と再認識。

●水門の左右だけ高水敷があったので、足がかりのない法面をへっぴり腰で滑り下り、まずは水門の正面を堪能。
側面の面積にくらべて窓が小さいせいでしょうか、肉厚に見える巻上機室に、構造側を表に向けたブルーの扉体が目立ち、シンプルな中にいかつさが感じられます。

●水路の脇まで寄って見上げてみると、扉体の下に朱塗りの管理橋が顔をのぞかせていました。扉体は天地寸法の少なさから、二段式のようですね。全開時の桁下高を稼いで、高さのある船が出入できるようにするためでしょう。
ん? 管理橋があるのだから、高さは橋の桁下高に規制されるのか…。と思って管理橋に目をやると、妙な部分があることに気づかされました。
●橋台に凹みが造ってあって、何やらつっかい棒のようなものが見えたのです。橋を支えているようですが、それにしては華奢すぎるような。棒の上端、桁とのヒンジのあたりは、伸縮する造りになっているようですね。何かの緩衝装置かしら。
何やら配管やボックスも見えるし、興味を覚えたのですが、こちらの解明はさておいて、ひとまず水門のディテールへ目を向けることに。
●扉体はやはり、二段ローラーゲートでした。錆だれもなくよい状態だったものの、扉体下端のガーダーには、ごっそり土が乗っていました。閉じたときに堆積土を拾ったのでしょう、まるで園芸用の土のように黒く肥えており、雑草も生え放題ですね。
水郷の本を読んでいると、浅くなったエンマの底土をさらって田んぼに盛る話が出てきますが、この扉体に乗った土の肥え具合を見て、なるほどとうなずかされたものです。
【撮影地点のMapion地図】
(24年5月4日撮影)
(『霞ポート水門と管理橋…2』につづく)

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堤防道をたどってゆくと、分厚い雲の間からところどころ陽が射し、どこか神秘的な雰囲気の空をバックに、たたずむ水門が見えてきました(タイトル参照)。「西浦右岸 48.5km」の里程標を見て、ああ、ここもお役所的には川の一部だったっけ、と再認識。

●水門の左右だけ高水敷があったので、足がかりのない法面をへっぴり腰で滑り下り、まずは水門の正面を堪能。
側面の面積にくらべて窓が小さいせいでしょうか、肉厚に見える巻上機室に、構造側を表に向けたブルーの扉体が目立ち、シンプルな中にいかつさが感じられます。

●水路の脇まで寄って見上げてみると、扉体の下に朱塗りの管理橋が顔をのぞかせていました。扉体は天地寸法の少なさから、二段式のようですね。全開時の桁下高を稼いで、高さのある船が出入できるようにするためでしょう。
ん? 管理橋があるのだから、高さは橋の桁下高に規制されるのか…。と思って管理橋に目をやると、妙な部分があることに気づかされました。

何やら配管やボックスも見えるし、興味を覚えたのですが、こちらの解明はさておいて、ひとまず水門のディテールへ目を向けることに。

水郷の本を読んでいると、浅くなったエンマの底土をさらって田んぼに盛る話が出てきますが、この扉体に乗った土の肥え具合を見て、なるほどとうなずかされたものです。
【撮影地点のMapion地図】
(24年5月4日撮影)
(『霞ポート水門と管理橋…2』につづく)

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ホワイトアイリスに乗って…4
(『ホワイトアイリスに乗って…3』のつづき)
●右舷にオランダ風の風車が見えてきました。土浦市の公式サイトによると、霞ヶ浦総合公園なのだそう。(説明の放送は流れていたのですが、ろくに聞いていないあたり)
ツェッペリン飛行船を模したジャングルジムが楽しそうですね。風車は展望台を兼ねていて、周囲にさえぎるものもないようですから、眺望は素晴らしいでしょう。

●ここでふたたび、古びた浚渫船が。岸からはるか離れた湖水のど真ん中に、人影もなく寂しく碇泊しているあたり異様な感じがしますが、平均水深7mという霞ヶ浦の浅さを考えると、スパッド(杭)を打って停めておくのも難しくないのでしょう。
かつて、水質の汚濁が進んだ時代に、汚れた底土を一掃して水質を改善しようと、旧建設省による大規模な浚渫事業が進められたこともあったそうです。浚渫船が多いのは、そのころの名残なのでしょうか。

●上の写真は右舷側に見られた、土運船らしき艀。浚渫船とペアを組んでいるのかな?
艀の向こうや、右の写真にも見えるように、澪標か何かの仕掛けなのか、竿がたくさん立てられており、船はその間を縫うように進むこともしばしば。浚渫を頻繁に行わないと、澪筋の維持が難しいのかもしれませんね。
●しかし、本船の飛ばしぶりたるや、進行方向に顔を向けていると、風圧で髪型がオールバックになってしまうほど。我が木っ端ブネが、めったに出さない全速を出したときに近い感覚で、優に20ktは出ていたと思われます。
船頭的には、爆音と風切り音で血沸き肉踊り、なかなか面白かったものの、寒い時期にはちょっとツラそうではありますね。ともあれ、オープンデッキを持つそこそこの規模の観光船で、ここまで高速航行が堪能できるのはあまりないでしょう。
(24年5月4日撮影)
(『「保立食堂」で通運丸に出会う!』につづく)

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ツェッペリン飛行船を模したジャングルジムが楽しそうですね。風車は展望台を兼ねていて、周囲にさえぎるものもないようですから、眺望は素晴らしいでしょう。

●ここでふたたび、古びた浚渫船が。岸からはるか離れた湖水のど真ん中に、人影もなく寂しく碇泊しているあたり異様な感じがしますが、平均水深7mという霞ヶ浦の浅さを考えると、スパッド(杭)を打って停めておくのも難しくないのでしょう。
かつて、水質の汚濁が進んだ時代に、汚れた底土を一掃して水質を改善しようと、旧建設省による大規模な浚渫事業が進められたこともあったそうです。浚渫船が多いのは、そのころの名残なのでしょうか。


艀の向こうや、右の写真にも見えるように、澪標か何かの仕掛けなのか、竿がたくさん立てられており、船はその間を縫うように進むこともしばしば。浚渫を頻繁に行わないと、澪筋の維持が難しいのかもしれませんね。

船頭的には、爆音と風切り音で血沸き肉踊り、なかなか面白かったものの、寒い時期にはちょっとツラそうではありますね。ともあれ、オープンデッキを持つそこそこの規模の観光船で、ここまで高速航行が堪能できるのはあまりないでしょう。
(24年5月4日撮影)
(『「保立食堂」で通運丸に出会う!』につづく)

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ホワイトアイリスに乗って…3
(『ホワイトアイリスに乗って…2』のつづき)
●高まる爆音とともに行き足も次第について、同調するようにテンションも急上昇。水運史の舞台となった霞ヶ浦、その湖面に乗り出すのは初めてとくれば、やはりコーフンの度合いも違います。
ますます厚いゆく手の雲を吹き飛ばすかのような、パワフルかつ豪快な走りぶりが頼もしく、「さすがさつき丸の末裔!」と、勝手に妄想を広げて一人ごちる船頭。

●沖で固まって練習していた、ディンギーのフリートのすぐ近くを通過。このフリートは、我々より一足先に、マリーナのスロープから出港していったもの。大学のヨット部でしょうか。
全艇、マストのトップに黒球を掲げているのが目立ちます。通り過ぎざま、手前の艇のクルーが手を振ってくれました。
●ディンギー群と距離が開いたところで、ホワイトアイリスはがぜん、速度を上げ始めました。水面は平穏なので、ピッチングはほとんどないのですが、「滑るように」とはいかないのが面白いところでした。なんというか、とにかく馬力で押し分けているような、力技な感じがするのです。
カタマランですから当然、2機がけ2軸で、船尾に盛り上がる2本の噴流を見つめながら、グイグイと大きな手のひらで押されるような加速感を味わいました。
●群雲の下に広がる土浦市街と、その中心部を貫く桜川の河口を遠望して。その名のとおり、美しい桜並木を河畔に擁する川で、お花見の時期には桜祭りもあるとのこと。
ああそうだ、河口の近くには一つ、訪ねてみたい物件があったんだよなあ…。時間があったら、後で行ってみるとしましょう。

●昨日の豪雨もあって水は茶色く、流木など浮流物も少なくないものの、初めての霞ヶ浦とあって、ただひたすら広大な水面に感激つつ、周りを眺めていると…。左舷前方に、何か白くて四角いものが。帆曳船にはまだ早いし、帆としてはちょっと小さすぎる…う~ん、何だろう?
ズームでたぐりよせて撮り、画像を拡大してみると、水底から立ち上げた櫓に、箱のようなものが乗っているようですね。観測施設かな?
●帰宅してから検索してみると、いつも拝見している「霞ヶ浦写真館」の記事がヒット。ううむ、この記事はうかつにも未読でした! ちなみにこのブログ、今回お世話になったラクスマリーナの、専属カメラマンさんが発信しておられるブログなのです。
その記事、「何コレ?!」によると、この施設「掛馬沖観測所」といって、湖上に数か所ある同様の観測所とともに水質や水位ほかを計測し、常陸川水門を運転するデータにもなっているのだとか。水面にぽつんと屹立する姿が、今は亡き東京灯標を思わせますね。
(24年5月4日撮影)
(『ホワイトアイリスに乗って…4』につづく)

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ますます厚いゆく手の雲を吹き飛ばすかのような、パワフルかつ豪快な走りぶりが頼もしく、「さすがさつき丸の末裔!」と、勝手に妄想を広げて一人ごちる船頭。

●沖で固まって練習していた、ディンギーのフリートのすぐ近くを通過。このフリートは、我々より一足先に、マリーナのスロープから出港していったもの。大学のヨット部でしょうか。
全艇、マストのトップに黒球を掲げているのが目立ちます。通り過ぎざま、手前の艇のクルーが手を振ってくれました。

カタマランですから当然、2機がけ2軸で、船尾に盛り上がる2本の噴流を見つめながら、グイグイと大きな手のひらで押されるような加速感を味わいました。

ああそうだ、河口の近くには一つ、訪ねてみたい物件があったんだよなあ…。時間があったら、後で行ってみるとしましょう。

●昨日の豪雨もあって水は茶色く、流木など浮流物も少なくないものの、初めての霞ヶ浦とあって、ただひたすら広大な水面に感激つつ、周りを眺めていると…。左舷前方に、何か白くて四角いものが。帆曳船にはまだ早いし、帆としてはちょっと小さすぎる…う~ん、何だろう?
ズームでたぐりよせて撮り、画像を拡大してみると、水底から立ち上げた櫓に、箱のようなものが乗っているようですね。観測施設かな?
●帰宅してから検索してみると、いつも拝見している「霞ヶ浦写真館」の記事がヒット。ううむ、この記事はうかつにも未読でした! ちなみにこのブログ、今回お世話になったラクスマリーナの、専属カメラマンさんが発信しておられるブログなのです。
その記事、「何コレ?!」によると、この施設「掛馬沖観測所」といって、湖上に数か所ある同様の観測所とともに水質や水位ほかを計測し、常陸川水門を運転するデータにもなっているのだとか。水面にぽつんと屹立する姿が、今は亡き東京灯標を思わせますね。
(24年5月4日撮影)
(『ホワイトアイリスに乗って…4』につづく)

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