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5月3日の「隅田川橋梁」…3

(『5月3日の「隅田川橋梁」…2』のつづき)

151011.jpgスロットルを戻せば、川流れのつづきが始まって、バウがゆるゆるとまわされながら下流へ。流速を体感できるひとときでもあります。

すっかり下(しも)に回されたところで、おなじみの汽笛がボーッ、ボーッと。水辺ラインの水上バスが築地川水門に入るシーンを、前回とは反対に、外側から眺めることができました。


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151013.jpg下流側から見た架橋地点を眺めて、しみじみ。次にここを通るときには、中央径間が架かっているわけですから。勝鬨橋を遠望できるのも、これが最後です。

微速で舵を切って上流側へ向き直り、月島側のそれも、近くで眺めてみるとしましょう。おりしも都観光汽船の水上バス、「道灌」が通過中。乗客の皆さんも、間近で楽しんだに違いありません。


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逆光気味ですが、せっかくなのでより接近して仰いでみたい。取り付け道路は未完成なので、堤防の上あたり、向こうが透けて見えますね。これもまた、今しか見られない光景といっていいでしょう。

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えっ、もっとちこう寄れ? そんな声が聞こえた気が‥‥(などと意味不明な供述をしており)。

(26年5月3日撮影)

(『5月3日の「隅田川橋梁」…4』につづく)

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タグ : 隅田川橋梁隅田川水上バス

5月3日の「隅田川橋梁」…2

(『5月3日の「隅田川橋梁」…1』のつづき)

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というわけで恒例、つながったら壊すまで二度と見られない(当たり前だ)、橋の断面を真正面から堪能。

この数年、我が艇の狭い行動範囲内でも、橋の新設や撤去が続いたので、思えば結構な数の断面を目撃してきた気が‥‥。いずれ断面を撮った写真を整理して、一堂に会して悦に入ってみたいものです。

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豊洲大橋のときのような、「顔」があったわけでなく(過去ログ『春海運河スペクタクル…2』参照)、きわめてあっさりとした印象でしたが、隔壁の穴の一つ一つにも役割があることを思うと、やはり興味がそそられます。

151008.jpgさて、気になるもう一つは、「第一八幡丸」の接岸している短い桟橋。

赤い扉体の陸閘があることや、護岸の段差上に残された痕跡からもわかるように、もともと上流側からここまでつながっていた桟橋を、橋が架かる幅とその前後で撤去し、本船の分だけ残したというわけですね。



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いや、その短いことったら! 何やら、気動車1輌分の長さしかない、無人駅のホームを思わせます。橋も本当に近いので、接岸作業には気を遣うことでしょう。

しかし、これを見て人ごとながらホッとさせられました。橋が完成したら、本船がくぐれないため、当然廃止されるものとばかり思っていましたから。

151010.jpg流速に押しやられるまま、まさに川流れで下ったところを向き直り、せっかくなのでこちらも真正面から1枚。河口港として、小型の本船の泊地として、いにしえより賑わってきた「大川口」に出入りする、最後の一隻を目の前にしていると思うと、何やら物悲しささえ感じられたものです。

よい方に考えれば、本船を間近で見下ろせる、絶好の位置に橋が架けられる、という点でしょうか。完成したら、一度訪ねてみたくはありますね。
撮影地点のMapion地図


(26年5月3日撮影)

(『5月3日の「隅田川橋梁」…3』につづく)

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タグ : 隅田川橋梁隅田川

5月3日の「隅田川橋梁」…1

151001.jpg昨日5月3日は、エンジン整備の後、足慣らしを兼ねて短時間近場をひとっ走りしてきました。あまり遠出する時間はないので、架橋の始まった環状2号線・隅田川橋梁(仮称)を見にゆこうと、もやいを解いて運河へ。

豊洲運河を西航していると、おなじみエスエスNANO1が先行中。しばらく続航していたら、気づいたのか左に寄せてくれたので、ありがたく追い越させてもらうことに。ZEN船長と乗客の皆さんが、大きく手を振ってくれました。エスエスNANO1、この後右に舵を切って、汐浜運河へ入ってゆきました。いや、いいコースですねえ!

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151003.jpg勝鬨橋をくぐると、おお、両岸の径間が架かっています。「3月23日の水路風景…2」で触れたように、4月21日・23日に架けられたものですね。テラスや勝鬨橋の上から、クレーン船での架設風景を眺めた人も多かったことでしょう。

対して、築地市場の桟橋を見ると、どこか片付いてがらんとした、寂しい感じです。中央径間の架設は5月7日の予定ですが、長い歴史のある鮮魚運搬船の接岸は、すでに終焉を迎えたということでしょうか。

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さっそく、築地側の径間から堪能するとしましょう。下部工(でいいのかな?)の形から、豊洲大橋の架橋時を思い出させるものがありました(過去ログ『春海運河スペクタクル…2』参照)。

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ぐっと近寄って、やはり気になるのは、完成すれば見られなくなる、桁部分の断面です。

あっ、橋に隠れていて気づきませんでしたが、鮮魚運搬船「第一八幡丸」が、あんなところにもやっている! 橋が完成した後も、船での市場搬入は続けられるということでしょうか。
撮影地点のMapion地図

(26年5月3日撮影)

(『5月3日の「隅田川橋梁」…2』につづく)

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タグ : 隅田川橋梁豊洲運河隅田川

3月23日の水路風景…3

(『3月23日の水路風景…2』のつづき)

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149022.jpgくだんの工事現場の様子を見てゆこうと、勝鬨橋をくぐって河口部へ。中央径間の高欄にも、先ほどテラスにあったもものと同じ、通航止めの横断幕が。いよいよ勝鬨橋も、第一橋の座を譲る日が間近に迫ってきた‥‥見上げながら、そんな感を深くするシーンでした。

河口を望んでみると、長らく両岸近くにあった錆色の足場が取り去られて、少しさっぱりとした感じがします。完成した橋脚を眺めてみましょう。

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149024.jpg上が西側、右が東側の橋脚。表面には石張り風の装飾が施され、水切りの曲面には、何本かフェンダーも備えられていますね。天端には足場がかけられ、支承の工事に取り掛かっているようです。

環状2号線隅田川橋梁(仮称)整備事業」(東京都第五建設事務所)でもわかるように、中路式のアーチという構造上、橋脚の背は低く、大潮の満潮時にはほとんど水面下に隠れてしまいそうですね。

完成予想図を見たかぎり、築地市場に横付けする鮮魚運搬船は、とてもくぐることができないように思えます。5月の中央径間架設後は、いよいよお役御免となるのでしょうか?

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ごめんなさい、東側の橋脚に吸い寄せられ過ぎて、左側を走ってしまいました‥‥。反航船がいないのが、せめてもの幸い。

浜離宮前から、築地市場と勝鬨橋が一望できる、戦前以来の「大川口」の川景色。この風景も、もうすぐ過去のものとなるのですね。よ~く眺めておこう。


(26年3月23日撮影)

(『3月23日の水路風景…4』につづく)

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タグ : 隅田川橋梁隅田川

環状第2号線の橋脚工事…2

(『環状第2号線の橋脚工事…1』のつづき)

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110022.jpg目を左に転じれば、こちらは凸形の橋脚。中央部の道路は高架として勝どき地区をそのまま渡り、建設中の隅田川の新橋梁に直結、左右の道路はランプとして造られるのでしょうね。

天を突くタワーマンションをバックにした、白く輝く真新しい橋脚…。これが朝潮水門のかたわらとは、数年前ならとても信じられなかった風景です。こうして水上から眺めている限りでも、臨海部の変化のスピードには驚くばかりで、漫画に描かれた未来の世界に来たような気持ちに襲われます。

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朝潮水門を裏側から眺めて。右側、角落としの向こうに、補修中の扉体が顔をのぞかせていました。しかし、直前の朝潮小橋に続き、後ろにも橋が通ってしまうとなると、上空高無制限のスイングゲートを備えている意味が、ますます薄くなってしまうなあ…。

朝潮水門も、先ほど通った東雲水門のセクターゲートも同様、もともと水門の内水側に、本船やマスト高のある船が荷役をする設備があったため、わざわざ高さに制限のないゲートを採用した経緯があります。

その荷役設備も今はないとなれば、橋が架かるのも致し方ないことではありますが、せっかくのゲートが意味をなさなくなってゆくさまを見ていると、少々複雑な心境ではあります。

110024.jpgついでといっては何ですが、同じ環状第2号線となる、隅田川の新しい橋の建設の様子も一枚づつ。

こちらは築地市場側で、鋼材を組んだ巨大な足場が市場前から浜離宮の東端あたりまで広がり、台船を含むクレーンがいくつも首をもたげて、物々しい雰囲気。市場の岸壁を利用する鮮魚運搬船にとっては、気になる存在ではあるでしょうね。



110025.jpg対岸、勝どき側の足場。大好きだった「超弩級舟屋」、臨港消防署(過去ログ『河口点描』ほか参照)の庁舎があったここも、すっかり工事現場となってしまいました。完成予想図によれば、ここにはタイドアーチが架かるようですね。

隅田川の新たな第一橋、「東京の水路の門」とくれば、相応の威容が求められるでしょうから、どんな橋が架かるのか、完成が楽しみではあります。

あっ、そういえば、市場につける鮮魚運搬船、橋が架かったら入れなくなるのかも…。春海運河しかり、朝潮運河しかり、今まで臨海部と思っていた部分がどんどん内水化して、本船の船影が遠ざかってゆくのは、いずこも避けられないようであります。
撮影地点のMapion地図

(24年12月2日撮影)

(『12月2日のフネブネ』につづく)

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タグ : 朝潮水門朝潮運河隅田川隅田川橋梁