1月2日の水郷風景…1

●1月2日は例年どおり、あんば様‥‥阿波大杉神社へ初詣。極彩色の拝殿を仰いで参拝の後、昨年1年、艇を守っていただいたお札をお返しし、新しいお札をいただきました。
早く出て9時前には着いたのですが、すでに駐車場は一杯。霊験あらたかなのは我が艇でも証明済み(!)ですから、人気のほどもむべなるかな。今年も艇と乗員の安全、お世話になっている皆様のご多幸を、よろしくお願いいたします。

駐車場から横利根水門と閘門の間、船着場のある水面前へ出てみると、たくさんの鴨がゴマ粒をばらまいたように浮いていました。

●堤防で風が適度に防がれ、よほど居心地がよいのかまあえらい数ですが、まだ数十m離れているにもかかわらず、鴨さんたちは口々にグァッ、グァッと警戒音を発して、こちら側から遠ざかりつつあるのが何とも。

●驚かさないようにゆっくり水辺に降り、ズームでたぐって、対岸で丸くなっている鴨さんたちを愛でることに。
陽が当たっているとはいえ、地面まですっかり冷え切っては、ツブれることもかなわぬようです。それでも寒さは寒し、ふくらんで片足立ちし、首を突っ込んで暖を取るさま、可愛らしいものですね。

陽が高くなるにつれて、だんだん風が強くなってきました。冷たい川風になぶられながらも、広く抜けた空のもと、水の匂いに近しい水郷の冬枯れ風景、毎年のことながらやはりよいものです。
【撮影地点のMapion地図】
(30年1月2日撮影)
(『1月2日の水郷風景…2』につづく)

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大洲閘門ふたたび…1

参拝後はこれも例年通り、水郷散歩をすることに。しばらく訪ねていなかった、潮来は前川の水位低下化区間を守る、大洲閘門に向かうことにしました。

●曇り空の下、大洲閘門の北側に到着。道路は閘室上を渡っており、右手のゲートが前扉室(水位の高い方)で、潮来市街側。左手が水位低下側に接する後扉室で、北浦(鰐川)の方向です。
ここから見ると、極小閘門とはいえ、閘室の全長が結構あることがわかります。およそ20mくらいでしょうか。

●橋の上から後扉室を見下ろして。前回訪ねたのが20年の2月10日(過去ログ『大洲閘門…1』ほか)ですから、実に9年ぶり。前回からくたびれた雰囲気だったのが、さらに星霜を経て、もはや枯れた感じに。
閘門の向こうはよい釣果が上がるのか、数人の釣り人さんが棹を振るっています。堰柱の上には、数羽のハトが静かに鳴きながらくつろいでいますね。どうやら、巻上機室(単なるステンレス薄板のかぶせものですが)の中に巣を作っているようです。

扉体の上端には、ハトさんのフンが点々と(笑)。住み心地は良好のようであります。

●東側の河畔に降りて、屈曲の外側からズームでたぐってみました。少し晴れ間がのぞいてきて、明るくなった水面に二つのゲートが倒立像をつくる、静かな水門風景。
周りは冬枯れでもこんなに草が茂っており、道路側から眺めるのとまた違った、一種廃閘門のようにも見える角度。釣り人さんが去ってしまうと、時々走り抜けるクルマの音のほかはなく、枯れた川景色を前に、しばし静けさを楽しみました。
【撮影地点のMapion地図】
(29年1月2日撮影)
(『大洲閘門ふたたび…2』につづく)

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草林樋門を訪ねて…1

訪ねるたびに増えてゆく、豪奢な彫刻を施した門や神殿を眺めていたら、軒先に玉のようにふくらんだスズメさんを発見。色鮮やかなお飾りに囲まれているせいか、見た目以上に福々しく、トリ好きとしては新年早々、まさに眼福であります!


潮来で昼食をとった後は、寄り道をしつつ十六島をひたすら東へ。下の写真は、公官洲と大倉の間を東西に走るエンマの、この橋から西を見たところ。田んぼの中をまっすぐにのびる水路、はるか彼方に横たわる東関道の高架と、十六島らしい、胸のすくような風景が味わえました。


水郷、特に十六島に魅せられてからこの方、集落や閘門をともなった「出入口のエンマ」に惹かれてきました。加藤洲、仲江間しかり、近くは昨年訪ねた切合水門(『謎の切合水門…1』ほか参照)‥‥。極小閘門への興味から始まった訪ね歩きが、次第に周囲のエンマや集落を含めた、ワンセットに魅力を覚えるようになったのです。
この地に閘門がないことは、航空写真でわかっていましたが、十六島にある「出入口」で未探訪はここだけということも手伝い、やはりこの目で見てみたいと、こうして訪ねてきたのでした。
【撮影地点のMapion地図】
(26年1月2日撮影)
(『草林樋門を訪ねて…2』につづく)

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謎の切合水門…1

お参りの後は潮来で昼食を済ませ、常陸利根川を渡って十六島入り。以前から気になっていた、ある水門をつぶさに検分してみたくなり、好機到来とばかりに潮来大橋を渡ってから右折、十六島の北岸をひたすら東へ。

少し東に行きすぎたところから、堤防を登って水門に近づいてみると、堤防上は何か改良工事の最中なのか、重機のキャタピラ痕や、ご覧のような鉄板が敷いてある部分もありました。
【撮影地点のMapion地図】


一見して、螺旋階段の存在や、電線が来ていないことからも、扉体の巻上装置は手動操作であることがわかりました。正面…もとい、裏面から見てみると、扉体を吊っていたのはラックでなくスピンドル。仕組みから考えても、運転の頻度はそう多くなさそうですね。

●左側の堰柱にあった銘板。名前は「切合水門」、昭和58年3月の竣工。幅2.6m、高さ3.2m、長さ15.8mは、堤防内を貫く樋管の寸法でしょうか。
このあたり、地図上では香取市磯山なのですが、十六島は土地改良時に由来するのか、同じ地名が飛び地のように散らばっている例が多く、この場所を指す地名としては、いまひとつ信用が置けないような気がします。水門名となった切合が、本来の地名なのかもしれません。
(25年1月2日撮影)
(『謎の切合水門…2』につづく)

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萬右衛門川の面影…1

とはいってもあまり余裕がなく、ほんのかじった程度にとどまりましたが、かつての運河の面影を味わうことができ、短時間ながら充実したお散歩となりました。
まずはあんば様に昨年のお札をお返しし、今年一年の航行の安全と皆様のご多幸を祈願した後、新しいお札をいただいて境内を少し散策。

拝殿裏にある神木・三郎杉の周りにも、いくつかパーツ(笑)が追加されていたのはよいものの、鳥居には柵がされて、囲いの中に入れなくなっていたのは残念でした。三郎杉を見上げつつ、樹皮に手を触れるのを楽しみにしていたのですが。

●那珂湊まで一気に走り、さて、萬右衛門川です。
最初に目指したのは、前回訪ねたときに見た、あの古そうなRC橋。あそこなら那珂川も近く、合流点(あるいは分流点かもしれませんが)に水門でもあれば、あわせて観察できそうだったからです。
改めて眺めてみると、全長7~8mの可愛らしささえ感じられる小橋です。一見したところ、竣工後6~70年経っていそうな雰囲気ながら、表面が妙にきれいなのが気になりました。近年に補修工事があったのでしょうか。
【撮影地点のMapion地図】

現状の表面は、やはり近年の補修によるもののようで、他の親柱は表面が剥離して、隠されていた銘板の本来の天地が露出していました。上塗りしたのですね。

この手の、戦後間もない時期に架けられたRC桁橋って、何か惹かれるものがあります。以前、南房総の山中や海岸線沿いをクルマで走った折、谷筋や小河川にこの橋とよく似た造作の小橋が次々と現れて、ハンドルがおろそかになる思いでした。黒々と変色し、苔むしたコンクリート橋って、いかにも星霜を経た風で、しかも鋼橋とはまた違ったひなびた雰囲気があって、いいものですね。
(24年1月2日撮影)
(『萬右衛門川の面影…2』につづく)

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