利根川河口堰閘門を訪ねて…1

朝一番でお参りした境内は、掃き清められた参道にまだ茅の輪があって、清々しい雰囲気。この後昇殿参拝に申し込み、各地から訪れた崇敬者とともに、神前に額づいて御礼申し上げてきました。

常陸利根川と利根川の合流点近くにあり、背割堤上および、常陸川大橋~利根川大橋の道路も2車線かつかつで、しかも交通量も多いときては停めるところがなく、15年前(過去ログ『常陸川閘門…1』参照)は通過しながら写真を撮っただけで、長い間再訪する機会がなかったのでした。

●今回、Googleマップで停める場所を検討。背割堤上の下流側、管理道路が伸びていますが、十字路からすぐのところで閉鎖されているわけです。ここにチェーンが渡されていたとしても、クルマ2~3台分なら停められそうと踏み、入れなければスルーすればいいやと、北東側から進入。
結果は、釣り人さんのクルマが1台あったものの、余裕で停めることができ、胸をなでおろしました。風は強いですが幸い好天、閘門見物にうろついてみるとしましょう!

●高水敷に降りて、まずは側面から前後扉室の両ゲートを一枚。冬枯れのススキ原越しに15年ぶりの再会です。
右側、前扉室は下利根流域に点在する閘門・水門たちと共通の、直線的なあっさり目のデザイン。左の後扉室は、河口堰ゲートと揃えたとおぼしき、堰柱上に大きな巻上機室が載ったかたちで、ずいぶん印象が異なります。

●上流側、前扉室から攻めてみることに。利根川河口堰は、閘門を含めた堰柱すべてに番号が振られていて、前扉室手前の堰柱がそのアンカー、13番というわけ。
扉体の汚れや信号の灯器、スピーカーなどのディテールに、現役閘門の息吹を感じて吸い寄せられる思い。近づいて堪能とまいりましょう。
【撮影地点のMapion地図】
(令和5年2月12日撮影)
(『利根川河口堰閘門を訪ねて…2』につづく)

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前川二閘門の変化…1

いつもは朝一番で着くところ、寝坊して昼近くとなったこともあり、駐車場は徒歩10分の山の麓、本殿の前は長蛇の列。かえってお正月らしい賑わいが体感できて、よかったかもしれません。

●お札をいただいた後は、これも恒例の水郷ドライブへ。冬の陽射しを浴びながら、新利根川に沿って東へ進みます。雲一つない澄んだ青空、開けた水辺風景‥‥ああ、水郷って何度来てもいいものですねえ。
今回は、潮来の前川にある二つの小閘門を訪ねてみようと思いました。特に鰐川と接するところにある米島閘門は、過去ログ「米島閘門…1」以来の再訪で、15年ぶりです。

●米島閘門に到着。堤防上に上がれば、広大な鰐川を渡ってくる川風が身に沁みるところですが、好天で暖かな日和であったのは何よりでした。
華奢に感じる堰柱の上に、少々大ぶりとも思える箱型の巻上機室が載った、頭でっかちでユーモラスな感じのする、小さなセルフ操作閘門。こうして並列するゲートを眺めたかぎりでは、15年前とあまり変わりがないように見えました。

●久闊を叙しつつスキンシップをはかろうと、鰐川の高水敷へ。閘門ゲートの右に併設された樋門ゲート、その規模ゆえにやけに目立つ螺旋階段‥‥特異な構造を持つ極小閘門らしい表情、いいですねえ。こちらから見ても、巻上機室壁面の塗装が少しはげ、年齢並みにくたびれた以外は、さしてお変わりないような。
あれ? と気づかされたのは、眺めて一息ついてから。閘門ゲートが中途半端に開いているのと、信号が点灯していないこと。点検か何かで、運転を止めているのかな?

盤上の銘、劣化しはがれて読みにくくなっていましたが、「西田鉄工株式会社 熊本県宇土市松山町」でしょうか。
【撮影地点のMapion地図】
(令和5年1月2日撮影)
(『前川二閘門の変化…2』につづく)

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1月2日の水郷風景…1

●1月2日は例年どおり、あんば様‥‥阿波大杉神社へ初詣。極彩色の拝殿を仰いで参拝の後、昨年1年、艇を守っていただいたお札をお返しし、新しいお札をいただきました。
早く出て9時前には着いたのですが、すでに駐車場は一杯。霊験あらたかなのは我が艇でも証明済み(!)ですから、人気のほどもむべなるかな。今年も艇と乗員の安全、お世話になっている皆様のご多幸を、よろしくお願いいたします。

駐車場から横利根水門と閘門の間、船着場のある水面前へ出てみると、たくさんの鴨がゴマ粒をばらまいたように浮いていました。

●堤防で風が適度に防がれ、よほど居心地がよいのかまあえらい数ですが、まだ数十m離れているにもかかわらず、鴨さんたちは口々にグァッ、グァッと警戒音を発して、こちら側から遠ざかりつつあるのが何とも。

●驚かさないようにゆっくり水辺に降り、ズームでたぐって、対岸で丸くなっている鴨さんたちを愛でることに。
陽が当たっているとはいえ、地面まですっかり冷え切っては、ツブれることもかなわぬようです。それでも寒さは寒し、ふくらんで片足立ちし、首を突っ込んで暖を取るさま、可愛らしいものですね。

陽が高くなるにつれて、だんだん風が強くなってきました。冷たい川風になぶられながらも、広く抜けた空のもと、水の匂いに近しい水郷の冬枯れ風景、毎年のことながらやはりよいものです。
【撮影地点のMapion地図】
(30年1月2日撮影)
(『1月2日の水郷風景…2』につづく)

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大洲閘門ふたたび…1

参拝後はこれも例年通り、水郷散歩をすることに。しばらく訪ねていなかった、潮来は前川の水位低下化区間を守る、大洲閘門に向かうことにしました。

●曇り空の下、大洲閘門の北側に到着。道路は閘室上を渡っており、右手のゲートが前扉室(水位の高い方)で、潮来市街側。左手が水位低下側に接する後扉室で、北浦(鰐川)の方向です。
ここから見ると、極小閘門とはいえ、閘室の全長が結構あることがわかります。およそ20mくらいでしょうか。

●橋の上から後扉室を見下ろして。前回訪ねたのが20年の2月10日(過去ログ『大洲閘門…1』ほか)ですから、実に9年ぶり。前回からくたびれた雰囲気だったのが、さらに星霜を経て、もはや枯れた感じに。
閘門の向こうはよい釣果が上がるのか、数人の釣り人さんが棹を振るっています。堰柱の上には、数羽のハトが静かに鳴きながらくつろいでいますね。どうやら、巻上機室(単なるステンレス薄板のかぶせものですが)の中に巣を作っているようです。

扉体の上端には、ハトさんのフンが点々と(笑)。住み心地は良好のようであります。

●東側の河畔に降りて、屈曲の外側からズームでたぐってみました。少し晴れ間がのぞいてきて、明るくなった水面に二つのゲートが倒立像をつくる、静かな水門風景。
周りは冬枯れでもこんなに草が茂っており、道路側から眺めるのとまた違った、一種廃閘門のようにも見える角度。釣り人さんが去ってしまうと、時々走り抜けるクルマの音のほかはなく、枯れた川景色を前に、しばし静けさを楽しみました。
【撮影地点のMapion地図】
(29年1月2日撮影)
(『大洲閘門ふたたび…2』につづく)

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草林樋門を訪ねて…1

訪ねるたびに増えてゆく、豪奢な彫刻を施した門や神殿を眺めていたら、軒先に玉のようにふくらんだスズメさんを発見。色鮮やかなお飾りに囲まれているせいか、見た目以上に福々しく、トリ好きとしては新年早々、まさに眼福であります!


潮来で昼食をとった後は、寄り道をしつつ十六島をひたすら東へ。下の写真は、公官洲と大倉の間を東西に走るエンマの、この橋から西を見たところ。田んぼの中をまっすぐにのびる水路、はるか彼方に横たわる東関道の高架と、十六島らしい、胸のすくような風景が味わえました。


水郷、特に十六島に魅せられてからこの方、集落や閘門をともなった「出入口のエンマ」に惹かれてきました。加藤洲、仲江間しかり、近くは昨年訪ねた切合水門(『謎の切合水門…1』ほか参照)‥‥。極小閘門への興味から始まった訪ね歩きが、次第に周囲のエンマや集落を含めた、ワンセットに魅力を覚えるようになったのです。
この地に閘門がないことは、航空写真でわかっていましたが、十六島にある「出入口」で未探訪はここだけということも手伝い、やはりこの目で見てみたいと、こうして訪ねてきたのでした。
【撮影地点のMapion地図】
(26年1月2日撮影)
(『草林樋門を訪ねて…2』につづく)

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