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関宿水閘門と横利根閘門の写真

91001.jpg水運に関連した古い絵葉書の写真は、当然ながら岸や船上など、低い視点から撮影されたものがほとんどを占めています。

なので、高所から俯瞰したものというだけでも動悸が高まるのですが、加えて被写体が大好物の閘門で、それも昭和初期の撮影、さらに組で航空写真付きとくれば、確実にオフィシャルなものですから、動悸どころかお熱も上がろうというもの。
他にもさまざまな意味で印象深い4枚でしたので、熱の上がるにまかせてあれこれと、暑苦しく…もとい、アツく語ってみたいと思います。お付き合いいただければ幸いです。

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タグ : 横利根閘門関宿水閘門閘門横利根川利根川江戸川利根川高瀬舟水郷絵葉書・古写真

「高瀬舟さかい丸」に乗って…4

(『「高瀬舟さかい丸」に乗って…3』のつづき)

60086.jpg流速も加わってか行き足が増し、関宿水閘門がぐんぐんと近づいてきます。右側の岸にさえぎられて、まだ閘門は見えません。

昭和初期、衰えたりとはいえ結構な通船量があったころ、境や栗橋通いのフネブネは、今私が見ている風景とそう違わない川景色を眺めながら、閘門を通って行き来していたことでしょう。かつてとほとんど変わらない水閘門の姿を眺められる幸せ! これで江戸川を通しで航行ができたら、楽しいだろうなあ…。

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60088.jpg近づくにつれて右側の視界も開け、閘門や浚渫船が姿を現しました。緑深い堤防に挟まれて、満々と水を湛える老水閘門。もっと近づいて眺めてみたい…。

ここで、重大な事実(でもなんでもない)が判明。浚渫船のキャブ正面に、何か文字が書いてある……ピンと来ました。「関宿再訪…8」で、船名がわからないなどと書きましたが、アレ、船名じゃないでしょうか? 
ズームをいっぱいにして撮り、後で拡大して確認すると、やはり。船名は「山王号」でした。

60089.jpgこの航路最大の見せ場だけに、もっと近づいてくれるのかしら、と期待したのですが、ここで残念ながら船は大きく転舵を始めてしまいました。思わず「あ~あ~」と手を伸ばしてしまうような、この微妙な距離感。

もっとも、浚渫船が常駐させられているだけあって、水門の近くは堆砂で浅くなっているのかもしれません。後ろ髪を引かれる思いで、水閘門と「山王号」にお別れし、早くも帰途へ。
撮影地点のMapion地図

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(23年5月4日撮影)

(『「高瀬舟さかい丸」に乗って…5』につづく)

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タグ : 江戸川関宿水閘門閘門浚渫船高瀬舟さかい丸

「高瀬舟さかい丸」に乗って…3

(『「高瀬舟さかい丸」に乗って…2』のつづき)

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60082.jpg進行方向右手、茨城県側に2径間の樋門があったのが、航程中の数少ない目立つ構造物で、ほとんどは右写真のような、ブロックがごろごろと見える草深い岸辺です。

とはいっても、澪筋をたどる興味深さから単調な感じはせず、前回ご覧にいれたような船首に立つ船頭さんの後ろ姿からも、ちょっとした緊張感が伝わってきます。右の写真でも、いかに岸に寄せて「歩かせ」ているかがわかりますね。

60083.jpg千葉県側から広がる砂洲を脱したところで、船は大きく左へ舵を切りました。いよいよ江戸川の分流点が近づいてきたのです。

左側を見ると、たくさんのテトラポッドを無造作に沈めた「鼻」の先端部が、思ったより間近に迫ってきました。初めて見る江戸川流頭部の川景色に、動悸が高まる思い。かつてはここを回って、利根川を下ることを夢見ていたもので、やはり感慨深いものがありました。
撮影地点のMapion地図

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江戸川に入った時点でもう1枚。右手遠くにぽつんと、関宿城博物館の櫓が顔を出しています。

分流点というと、甲府は笛吹川の「将棋頭」や、広島で見た「滋仙寺鼻」(『広島の水上バス…6』参照)のように、護岸でがっちり固められた先端を思い出しますが、こちらは増水時に水没する高水敷のためでしょう、あまり大掛かりな工事は施されていません。むしろ関宿城博物館のあるスーパー堤防が、本来の「鼻」といえるのでしょうね。

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江戸川に入って、千葉県側に寄せつつしばらく下ると、モコモコとした水際の繁みの間からヌッ、といった感じで、関宿水閘門の扉体が見えてきました。

このあたりは利根川と打って変わり、充分に水深があるのか、船頭さんもワッチをやめて、客席でしばし休憩。やはり水門で堰上げられた効果は、相当なものがあるようです。ともあれ、ほんのわずかな距離でも、下流部に慣れ親しんだ江戸川の、最上流部を船行きできる嬉しさ、顔がだらしなくゆるむのを抑えられませなんだ。


(23年5月4日撮影)

(『「高瀬舟さかい丸」に乗って…4』につづく)

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タグ : 高瀬舟さかい丸利根川江戸川関宿水閘門樋門

関宿再訪…8

(『関宿再訪…7』のつづき)

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せっかく水際まで下りてきたので、浚渫船のアップを。スローガンを掲げていろいろと主張してはくれるのですが、肝心の船名がどこに書いてあるのかはわかりませんでした。

キャブ横には建設会社の名前と、「01-407」なるナンバープレートが掲げられていたので、建機扱いなのかもしれませんね。

60067.jpgそして気になったのが、桟橋につないであった足舟です。17年6月に訪れたときは、木製のベカサッパっぽい、いかにもそそる端舟(右)がもやってあったのですが、今回見てみたら、FRP製(左)に替えられていました。

さすがに繋ぎっぱなしで、腐朽したのでしょうか。こちらも何だか舳先をタテイタ風にして、味のある形をしていますね。

60068.jpg帰ろうと土手の上に登ったら、上流から一隻のPWCが走って来ました。ターンしたと思う間もなく、後ろに乗っていた一人がボチャンと落水。

心配になって見守っていたら、落ちた人が泳ぎつつ「ここ、意外と流れが速いなあ」とのご意見が。艇長曰く「当たり前だろ、そこに水門があるんだから!」。落水した人、水門を振り返ってギョッとした顔で絶句、慌てて艇の上に這い上がっていました。イヤ、いわれるまで目の前の水門に気づかなかったのかと(笑)。
ともあれ、吸い込まれたりしなくて何よりでした。

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60070.jpgさて、ふたたび閘門と水門の上を渡り、博物館に戻るとしましょう。実は、この後もうひとつ、お楽しみが待っているのです。

右の写真はオマケ。関宿城博物館の瓦の上で、ふくふくと羽をゆるめてくつろぐスズメさん。ちょうど巣作りの時期に当たり、博物館の瓦のそこここから、忙しそうに出入りするスズメの姿が見られました。


(23年5月4日撮影)

(『「高瀬舟さかい丸」に乗って…1』につづく)

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タグ : 関宿水閘門浚渫船江戸川

関宿再訪…7

(『関宿再訪…6』のつづき)

60061.jpg閘室横を戻って、上流側から眺めてみることにしました。閘室近くの法面は、時々手入れをされているようですが、いったん水門のエリアから外れると、とたんに草深くなります。

下の写真は、背割堤の先端部。丸く成形された法面が、その形のとおりの波紋を上流に向かって広げているのが見えます。のどかな眺めですが、もし艇で近づいたら水流にスーッと吸い込まれると思うと、恐ろしい感じもしますね。

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60063.jpg前回訪問時同様、浚渫船のもやうあたりの法面に下りて、閘門正面から狙ってみることに。後ろに続くのは、浚渫船が水と一緒に吸い込んだ泥を送るパイプで、フロートで浮くように造られています。使用時は何組かを連結して用いるのでしょう。

船尾に二本あるスパッドを、おそらく下ろして河底に突き刺しているとはいえ、もやい1本ではどうも吸い込まれてしまいそうで、心もとない感じがしますね。増水時などは、どうしているのでしょうか?

60064.jpg水閘門の全体がなんとか、ギリギリ収まりました。やはり水面からの見上げる目線で眺めると、印象がだいぶ違ってきます。

ちなみにプレ水門図鑑「鋼製ゲート百選」(技報堂出版)によると、水門は8径間、寸法は径間8.54m・扉高4.7m、閘門は径間4.915m・扉高8.54mとのこと。竣工時の水門の扉体型式は、三栖閘門(『三栖閘門…1』ほか参照)と同じストーニーゲートでした。

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閘門をズームでぐっと寄せて一枚。落差に立つさざ波から閘室、ゲートの向こう側までが一望できます。背割堤の下流側には、だいぶ大きな木が生えて、航路の半分くらいを覆ってしまっていますね。
撮影地点のMapion地図

(23年5月4日撮影)

(『関宿再訪…8』につづく)

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タグ : 関宿水閘門閘門江戸川