1月21日の川景色…6

(『1月21日の川景色…5』のつづき)

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216062.jpg新小原橋と亀戸線の下に鼻先を突っ込んだあたりで、小原橋改架工事の足場が見えてきました。堤防を切り取って流路にかぶさるその姿、思ったよりずっと重厚な感じ。重機の荷重にも耐えられるつくりなのでしょう。

足場をくぐっているとき、橋脚に目をやると、透明度の高い河水を透かして、河底から鋼材が立ち上がっている様子が見えました。


216063.jpg意外だったのは、先々代・先代の橋脚ともに健在だったこと。とっくに撤去されたのかと思っていました。

足場の位置からして、架橋される場所は、2代の旧橋から受け継いだここになるのかな。いずれテラスが延伸されれば、この遺構たちも取り去られる運命でしょうから、訪ねておけてよかったです。


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扇橋閘門が工事中のため、帰りも当然閘門様のお世話に。そうそう、一つ紹介し忘れていた設備があったのだった。これ、下がっている把手をガコンと引くと、閘門が作動するアレですよね? 水郷など、下利根流域のセルフ操作閘門ではおなじみの設備です。

箱の表面には手前から「荒川行」「停止」「インターフォン」と3つの選択肢がありますが、下がっている把手は今のところ1本のみで、機能しているようには見えません。ずいぶん前からあるんですけれど、セルフ化の計画が当初からあって作ったはいいものの、竣工後何かの理由で沙汰やみになったのでしょうか。

まあ、水郷にあるような小さな閘門ならともかく、こんなに大きなものをセルフ化するなんて、万が一のことを考えるとぞっとしませんから、これでよかったのかもしれません。

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荒川に出ると、珍しいことに入閘待機艇が多数。漕艇クラブの皆さんでしょうか、ゆるく漕いで船位を保持しながら、こちらの出閘を待っていたのです。

陽はすでにだいぶ傾き、風も出てきてさざ波立った川面に、軽く緊張感を漂わせたゆたう艇たちの姿、なかなか風情があってよいものでした。
撮影地点のMapion地図

(30年1月21日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 北十間川 荒川 江東内部河川 水位低下化河川 荒川ロックゲート 閘門

1月21日の川景色…4

(『1月21日の川景色…3』のつづき)

216051.jpg閘門様の注水・開扉を待つ間、ふと目を向けておや、と思わせるものがありました。通るたびに目にしておなじみのはずの、小名木川排水機場排水門です。

巻上機室の上屋が、ステンレスかアルミの、生地のままの無塗装の電車に見えることに、今回初めて気づいたのでした。その長さといい、遠目にはコルゲートに見える横筋といい、子供のころ目にした、初期のステンレスカーを思わせたのです。

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ズームでたぐってみると、コルゲートに見えた筋は羽目板のようなパネル状の継ぎ目でしたが、車体(?)の幅にせよ、屋根の曲線にせよらしいですし、さらに妻板の扉の様子も貫通扉っぽく、イヤに鉄道車輌臭が!

ホンモノとここが違うと、細かいことをいい出せばきりがありませんが、見れば見るほどその、微妙に外した「らしさ」に惹かれるものが。11年前に綾瀬川で見た、凸電以来の面白さであります。

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窓もホラ、遠目には二段窓に見えますよね。実際はハメコロシらしいけれど、一つ一つがも少し寄っていて、位置が下だったらさらにらしいナ、などとうるさいことを(脳内で)つぶやく船頭。

アップで中央部のみ切り取ると、まるで高架上のホームに停まった電車のようにも思えるほど。電車に似た巻上機室、もしかしたら他にもあるかもしれない‥‥。これからは注意して眺めてみよう。

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上流側正横に見えるのは、塗装もほとんど剥落し、たび重なる増水で螺旋階段を歪ませた、廃量水塔。静穏な川面に姿を映したさま、まるでこの周りだけ時間の流れが止まっているようで、寂しさの中にも、独特の風情が感じられました。

216055.jpg新しい発見に上機嫌でいたら、間なしに扉体がしずくを滴らせて開き、電光掲示が変わって通航可を現示。閘門様の威容を仰ぎながら、通閘と相成りました。

この調子なら、内部河川に入ってもいろいろ発見がありそう。おつむを打つしずくに首をすくめながら、期待に胸をふくらませて進入したのでした。

(30年1月21日撮影)

(『1月21日の川景色…5』につづく)

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タグ : 荒川 小名木川排水機場排水門 荒川ロックゲート 閘門

1月21日の川景色…3

(『1月21日の川景色…2』のつづき)

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お昼の休憩をしていたら、給油でしょうか、業務船らしい船が入港してきました。‥‥しかし、何だろうこの船は? ゴムフェンダーとガードフレームをぐるりにめぐらした低舷側の船体、極端に船首寄りの角張った操舵室の後ろは、背の低い箱形の上部構造物にオーニングと手すりを備えてという、初めて見る形容しがたいスタイル。一発で目が釘付けです!

暴露甲板に備えたオーニングとベンチから、業務船転用の港内遊覧船かしらとも妄想したり。ちなみに船籍は千葉でした。ある方に見てもらったら「オイルフェンス展張船かも」とのことで、なるほど、船体後部にフェンスを巻取るリールを収納するタンクが必要だから、こういう船形もあり得るなあと、妙に納得したのですが‥‥。

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ほぼ正横をとらえた、次のカットをよく見直してみると、船尾、甲板室の後妻板に下を向いたパイプが2本突き出ています。う~ん、ということは、液体を入れるタンクなのかしら?

側面に一つだけある舷窓と、操舵室横の太い通風筒は、中の水位(?)をのぞくためと、液体を出し入れするときの空気抜き? 上端の前後に一つづつ、吊り上げるためらしいアイが設けられているのも気になります。船名もわからなかったので、いくら妄想しても詮無いことではありますが、まあ、まず一度見たら忘れられない、強烈な印象を残した船ではありました。

216048.jpg昼食後は、水位低下化河川に向かうことになり、荒川へ。工事が続く新砂水門の前後には、警戒船が常駐して交互通航の管制をしてくれているのですが、荒川に出たところで、警戒船に通船が接舷していました。

何か資材でも運んできたのか、それとも乗り組みさんの交代なのか‥‥。船ごと輪番するものだと思っていましたが、船はそのまま、人員のみ交代するのかもしれません。

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毎度おなじみ閘門様前に到着。管理事務所に電話して通船をお願いすると、閘室に注水するので待機してほしいとのこと。

エンジンをニュートラルにして回転数が落ちると、風が穏やかなこともあいまって、本当に静か。しかし‥‥。

216050.jpg艇は行き足が止まった姿勢のまま、ほぼ動かないのです。流速が速く、風も抜けやすい荒川下流では極めて珍しいこと!

流速と潮位が、または風と流速が均衡したのか? いつもは進入時のリーウェイ(横流れ)に気を遣うだけに、気味が悪くなるくらいの不動ぶりで、かえって感動すら覚えたものでした。
撮影地点のMapion地図

(30年1月21日撮影)

(『1月21日の川景色…4』につづく)

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タグ : 砂町運河 荒川 荒川ロックゲート 閘門

1月2日の水郷風景…5

(『1月2日の水郷風景…4』のつづき)

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注水用のバイパスがあったのなら、排水用のそれもあってしかるべき。見回して探すまでもなく、同じ岸の後扉室近くに、写真のようなゲート設備らしきものを発見。

こちらは埋め込み式でなく、曲がりなりにもコンクリートの堰柱を備えたもの。赤錆びたスピンドルが貫通していることから、ようやくゲート設備と見当がつくくらいで、風化し生垣に半分埋もれた姿は、単なる古びた柵のようであり、見逃してしまってもおかしくない雰囲気でした。

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215028.jpg初訪時も紹介しましたが、前扉室ゲートの堰柱に掲げられたメーカーズプレートを。改修時のもののみで、竣工時のそれは外されてしまったのか、見当たらないのが寂しいところです。「有効巾 2.744m」は、まさに極小閘門を実感させるグッとくる数字! いいものです。

右も以前紹介した操作盤、「操作禁止」の文字を連ねた黄色いテープがはがれかけて、供用を止められてかなりの時間が経過したことを示しています。初訪時とくらべたら、一度塗りなおされて、プレートも「ゲート操作盤」から「香北ゲート操作盤」に変わっていたのですね。



215029.jpg逆光でゴーストが出てしまいましたが、仲江間樋管の裏側も。橋が架けられたので、正面から狙えるようになりました。緑青色の銘板が渋くていいですねえ。

仮に樋管も含めて改修されるのなら、なおさらサッパで通っておいてよかったなあ、としみじみ。樋管を通ったとき、どこにいたのかハトがバサバサと飛び出てきて、驚かされたっけ‥‥。

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爽快な直線水路の終端、集落に挟まれこっそりひっそり在って、星霜を経た風格ある閘門の滋味を教えてくれた、仲江間閘門。もしこれでお別れだとしたら、心からお礼をいいたい気分です。

さて今後は、施設ぐるみ更新されて、加藤洲や大割同様セルフ操作閘門に生まれ変わるのか、それともゲート周りのみの更新に留まるのか‥‥。次の訪問でどんな変化を見せてくれるのでしょう、寂しくもあり、また楽しみでもあります。

(30年1月2日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 仲江間 仲江間閘門 閘門 水郷

1月2日の水郷風景…4

(『1月2日の水郷風景…3』のつづき)

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利根川の堤防沿い、前扉室の周りを見回してみたら‥‥ありました。管理橋の手すりに「通行止」が。手作り感あふれる後扉室のそれと違って、こちらは道路工事の看板をそのまま利用したもの。閘門も老齢ではありますし、通航頻度が低いとはいえ、電設もそろそろ更新の時期を迎えていることでしょう。何か工事があっても、おかしくはありません。

いや、それはそれとしてここ、前に訪ねたときは橋はかかっていませんでしたよね? さすがにクルマは通れないようですが、集落内の交通の便は、架橋でかなり改善されたのではないでしょうか。

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さて、せっかく久しぶりに訪ねたことだし、あれこれ眺めて堪能しようとうろつき開始です。まずは管理橋の上から閘室をのぞき込んで。閘室内にはシートをかぶったサッパがもやわれています。一見した様子から、結構な間放置されているような雰囲気ですね。

今まで取りこぼしていたディテールも、いい機会なので拾っておきましょう。左手前の閘室側壁上、柵の下端を凹ませて、コンクリートの出っ張りを逃げているような箇所がありますね。近づいてみると‥‥。

215023.jpgどこか豆腐のようなコンクリート塊、中央やや左にパイプが埋めこまれているのがわかります。これだけ見ると、道路標識でも立っていた跡みたいですよね。

側壁と一体で造りつけられていることから、閘門関連の何かだとは見当がつきそうですが、これでけでは説明が難しいので、対岸の同位置にあるものを示した方が、わかりやすいでしょう。下の写真です。

215024.jpgご覧のとおり錆色のハンドルがあり、穴の位置にはスピンドルが突き出しています。穴位置が閘室と反対側に少し片寄せてあったのは、このためだったとわかりますね。

閘室側壁に接して、スピンドルとくれば‥‥もうこれは小さなゲートの開閉設備、注水用バイパスだと思って間違いなさそうです。

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反対側からもう一枚。穴にはフランジが備えられて、ハンドルの荷重を支えるようになっています。

仲江間閘門を通る!…4」で、通航時に観察していてもわかったように、注排水は扉体を細目に開けることで行い、バイパスを操作している様子はありませんでした。まあ、全てスイッチ一つで動かせることを考えれば、わざわざ人力でハンドルをヨイショヨイショと回す気も失せますし、そもそも改修時にバイパスを閉鎖していた可能性もあります。
いずれにせよ、極小閘門でもちゃんとひととおりの設備をしてあったことがわかり、興味をそそられるものがありました。
撮影地点のMapion地図

(30年1月2日撮影)

(『1月2日の水郷風景…5』につづく)

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