釜口水門を訪ねて…6

(『釜口水門を訪ねて…5』のつづき)

コンデジ突然のご臨終に気持ちが萎えかけましたが、古い予備機を持ってきていたのが幸いし、気を取り直してうろつき続行。腕がよくないのに加え、画質もだいぶ落ちますが、ご容赦ください(あんまり変わらないかも)。

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舟通し、扉体を細めに開けて注排水する方式でなく、別途バイパス管と注排水ゲートを備えた、本格的なものです。写真は扉体上から見た、注水ゲートの駆動部分。

円錐台形のケーシングに「マエサワ」のメーカー名が浮き彫りにされ、銘板には「前澤工業株式會社」「西部電機工業株式会社」の名前が。製品名は「バルブコントロール」、型式名は「LTDK-1」だそうです。

162072.jpgさて、ここで先ほど触れた、「水の資料室・釜口水門展示室」を拝見してみることにしました。管理棟南側の階段を上り、正面玄関右手、写真の扉が資料室。

当日は日曜で、管理棟はひっそりしていましたが、資料室は自由に見学できます。ちなみに開館時間は、8時30分から17時15分まで。




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規模はささやかなものながら、パネル展示のほかに模型もいくつかあり、なかなか見ごたえがあります。諏訪湖や天竜川の地勢、治水史から説き起こし、旧釜口水門の登場、現水門の建設経過も詳しく説明され、その筋の方ならずとも楽しめるでしょう。

数冊ながら関連図書の閲覧もでき、また現水門を解説した無料配布の刷りものや、記念スタンプまであります。ちなみに本項を書くに当たり、配布物の「釜口水門」(PDF・長野県諏訪建設事務所)の記事を参考にさせていただきました。

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いくつかある模型の中で、やはり目を引かれてしまうのはこれ、釜口水門の100分の1模型。

適度に簡略化さているので、ディテールが整理されて構造がわかりやすいのが良いですね。

162075.jpgそうそう、前庭には右写真の、プリムス製ディーゼル機関車も展示されていました。ずいぶん頑丈そうな上屋に守られて、大事に保存されているようです。

解説では大正13年製、旧水門の建設工事で使用とありましたが、キャブは戦後製らしいものだったので、工事終了後も長きに渡り、他所で使われていたものを「里帰り」させたのでしょう。

(26年11月30日撮影)

(『釜口水門を訪ねて…7』につづく)

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釜口水門を訪ねて…5

(『釜口水門を訪ねて…4』のつづき)

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水面に近いテラスに下りて、前扉室を眺めて。背割堤は短く、右側の扉体が越流していたら吸い込まれそうで、ちょっと怖い感じがします。しかし、この狭い閘室にもぐり込んで、艇とともに3.5m下がるなんて、思うだに楽しそうで、ゾクゾクしますね!

写真には写っていませんが、山々に囲まれているせいか、テラスの柵はクモの巣がからみ、肘をつくにも気をつけなければならないほどでした。

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舟通しの巻上機室は、水門のそれと異なりほぼ倍の幅が取ってあり、どういうわけか窓枠や側壁はちょっと痛み気味。

堰柱はご覧のとおりアーチ状にくり抜いてありますが、ムクではなく、前面の壁一枚のみの、多分に意匠的なものです。

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さて、この舟通し、セルフ操作方式です。壁に赤青二色のパトランプを載せた箱があり、その下には鎖で下げた3本の操作用把手が見られますね。

利根川流域のそれなら、各所に説明板を掲げ、くどいくらいに操作手順と危険防止を訴えているのがつねですが、こちらはしごくあっさりと、把手に札が下がっているのみです。

162069.jpg舟通しの左側、軒を接するように建っている3階建ては、釜口水門管理棟。

この中には、「水の資料室・釜口水門展示室」が設けられており、観覧は無料とのこと。後でお邪魔してみましょう。




162070.jpgさて、もう少し舟通しのディテールを楽しんで、その後下流側からも撮ってみよう‥‥などと思っていたら、コンデジが突然のブラックアウト。シャッターは下りるのですが、どういじってもモニターが真っ黒なのは回復しません。

購入からまだ1年少し、取り扱いに落ち度があったのか‥‥。カメラを何代か乗り換えてきましたが、この手の故障は初めてです。ちなみに、この真っ黒画像はファイルに入っていたもので、やらせではありませぬ。

(26年11月30日撮影)

(『釜口水門を訪ねて…6』につづく)

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釜口水門を訪ねて…4

(『釜口水門を訪ねて…3』のつづき)

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‥‥閘門です!
いや、正式には「舟通し」を名乗っているのですが、この存在から天竜川最上流部が、正真正銘の可航河川であることが実感でき、遠路訪ねてきた感慨もひとしお。

例え途中にいくつものダムがあって、中下流部とは連続しておらず、またごく一部の区間に過ぎないとしても、わざわざ閘門をあつらえてまで守られてきた、舟航環境があるというこの嬉しさ! 閘程(水位差)が3.5mあるというのもワクワクしますね!

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少し目線を上げて、後扉室の堰柱を眺めて。左側に見えるシャフト、やはり律儀に丸窓が開けてあるのが面白いですね。

しかし、径間が狭い! 大した高さのない堰柱でも、スリットのように感じられる狭さ、閘室の幅は5mほどでしょうか。明らかに、昨日見た泥舟(『諏訪湖の船溜と泥舟』参照)など、地場の細長い舟のみを通すのに、特化した設計とみてよさそうです。

162063.jpg管理橋上の諏訪湖側から、少し離れて前扉室の堰柱を。高欄とくらべても、狭さが実感できますね。右側、ちゃんと「舟通し水門」の解説板が掲げられているあたり、公園地に挟まれた水門の面目躍如といったところ。

ちなみに、諏訪湖の湖面標高は759m、天竜川の流路延長は213km。本州が一番太くなる場所の、ほぼ真ん中あたりにあることを思うと、国内で最も内陸にあり、かつ最も標高の高い場所にある閘門、といえるかもしれませんね! 
他にもっと高く、もっと内陸にある閘門があったら、ぜひ教えていただきたいものです。

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ここでも銘板を探してみると、調節水門と同じく、見づらい場所に掲げてありました。

純径間4.0m! 極小閘門(『極小閘門づくし』参照)といって差し支えないこの狭さ。訪ねた甲斐があったというものです。閘室長が書いてありませんでしたが、私が気付かなかっただけで、他にも銘板があったのかしら。

162065.jpg舟通しの周りをうろつき始めてから、臭いが気になってはいました。何というか、掃除の行き届いていないお手洗いに近い臭い‥‥。

はて、と思っていたら、閘室内の水面をよく見ると、結構な量の小魚の死骸が、後扉室近くに浮いているのに気づかされました。臭いのもとはこれだったのか‥‥。もっとも大半は生きていて、酸欠にパクパクしながらも泳いでいましたが、しかしすごい量ですね。釣り人さんが多いのも、うなずけます。

考えてみると、これだけの魚が入っているということは、少ないとはいえ通航があるということに他なりません。釜口水門舟通しは、現役の生きた閘門なのです!

(26年11月30日撮影)

(『釜口水門を訪ねて…5』につづく)

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