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新井郷川水門の周辺…1

(『新井郷川閘門…5』のつづき)

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70257.jpg新井郷川の旧河口も見てみたくなり、新井郷川閘門のある丁字流より600mほど西へ移動、阿賀野川畔の新井郷川水門を訪ねてみました。

外観は、阿賀野川西岸で見た通船川水門によく似て…というより、瓜二つですね。利根川下流の水門・閘門群のように、同じ図面から起こしたとしか思えない「量産型」水門のようです。銘板によると、昭和41年3月竣工とのこと、通船川のそれより、ちょうど1年後輩ということになります。

70258.jpg高水敷に立って、はるか対岸を眺めると、通船川水門が見えました。その向こうに津島屋閘門もほんのちょっと、頭をのぞかせていますね。

通船川と新井郷川、大河を挟んで向き合う閘門つきの舟航路というと、どこか小名木川と新川を思い出させるものがあります。かつての「葛塚蒸気」と行徳航路が、今でいう近郊の衛星都市を結んだ、重要な河川航路であったことも、よく似ています。

70259.jpg増水からまだ間もないとあって、高水敷は乾いた泥で覆われており、流木やひっくり返ったボートなど、爪痕も生々しい状態。

水門の近くでは、写真のように重機とトラックが盛んに働いており、漂着した流木を片付けていました。



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管理橋の上から見た河口付近が、またいい雰囲気! 旧河道の名残か、水面が写真左側(北側)へふくらんだ形になっており、地元漁船の船溜として利用されていました。岸に下りての眺めも、さらにいい感じなんですよ。次回ご覧に入れましょう。
撮影地点のMapion地図

(23年8月10日撮影)

(『新井郷川水門の周辺…2』につづく)

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タグ : 新井郷川水門通船川水門派川新井郷川分水路阿賀野川

通船川水門…2

(『通船川水門…1』のつづき)

70205.jpg水門北側から、高水敷に伸びる河道を眺めて。すぐ下には排水機場の樋門があり、向こうにはびっしりと漁船がもやっています。

水辺まで灌木が迫る緑濃い水路に、舷を接して憩うフネブネ…。実に感じのよい船溜で、しばらく立ちつくし、ほれぼれと眺めてしまいました。


70207.jpg扉体の裏側には、これまた厳めしい銘板が。「新潟市 遠藤鋼機株式会社 製造」地元のメーカーでしたか、書体がリベット組み扉体の雰囲気によくマッチしています。

しかし、せっかく立派な銘板を掲げているのですから、扉体と同色で塗りつぶすのはかわいそうですね。磨き出しとはいわないまでも、凹部を黒く塗るだけでずいぶん引き締まると思うのですが。

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ふたたび堤防を降りて、閘門の前から管理橋の下をのぞき込んで。

閘門を楽しんで、橋と水門をくぐると船溜の舟列に迎えられ、そして雄大な阿賀野川の川面が広がる…。可航水路としては、最高レベルのシーナリィに恵まれた区間じゃないですか! ここを艇で走れる人は、幸せ者です。

70209.jpg堤防を降りた南岸にあった、カマボコ屋根のブロック小屋は「通船川水門発電機室」。停電時に備えての自家発設備ですね。

公道のかたわらに、柵にも囲われず一棟だけぽつりと建っているさまが、何だかわびしくて惹かれるものがありました。



70210.jpg水位低下化河川に閘門、水門と、水路の面白さが凝縮された津島屋を辞して、堤防道を南下します。

初めて見る阿賀野川の雄大な流れに目を奪われながら、汗だくの身体に鞭打って、次のお楽しみスポットへ!



(23年8月10日撮影)

(『新井郷川排水機場の「船通し」…1』につづく)

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タグ : 通船川水門樋門通船川阿賀野川

通船川水門…1

(『津島屋閘門の周辺…2』のつづき)

70201.jpg阿賀野川の堤外地にあって、通船川の東端を守るのがこれ、通船川水門。

ダンプがひっきりなしに通る堤防道・県道17号線を横切って、正面の表情を拝んでみようと法面を降りてみました。



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南側から見上げて。コルゲート鉄板製の巻上機室は、後ろに控える津島屋閘門とよく似ています。規模にくらべて、不釣り合いなほど階段が大きいですね。遠隔操作ではなく、巻上機室に人が上がって、機側操作する必要があるためでしょうか。
撮影地点のMapion地図

70203.jpg閘門に負けず立派な銘板。「昭和四十年三月竣功」とありました。新潟地震(昭和39年6月16日)の翌年に完成したのですね。

いわば、水位低下化以前の通船川を知っている水門、ということになります。


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ぐっと近寄ってもう一枚。やはり水門は、見上げる角度から眺めると迫力が違います。東京では、夜間設備に監視カメラ、スピーカーと、お祭りみたいに装備をぶら下げた水門を多く見てきたので、ずいぶんあっさりした印象でした。

70204.jpg近くに寄ってみると、扉体がリベット組みなのに気づかされました。ちょっと古めかしく見えますよね。

ひとつ気になったのが、この堰柱内側に取り付けられた金具。足場の内側にそれぞれ2段、ローラーのようなものが見えます。う~ん、何だろう? 足場の近くにあるということは、人が上がって何かをするものだということはわかるのですが、皆目見当がつきません。扉体の整備に関係するものでしょうか。


(23年8月10日撮影)

(『通船川水門…2』につづく)

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タグ : 通船川水門通船川阿賀野川

津島屋閘門の周辺…2

(『津島屋閘門の周辺…1』のつづき)

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拡幅工事の西端部から、さらに西側を見たところ。鋼矢板むき出しの狭水路、まさに「阿賀野川 通船川水門と津島屋閘門」で拝見した通船川そのものの光景です。工事に取りかかる以前は、北岸の際まで家屋が密集していたのでしょう。

ここも仮設橋の下に低い梁があり、リンボーダンス状態になっていますね。矢板のコンクリート製天端が2段になっているのは、地盤沈下にともなって護岸をかさ上げした跡でしょうか。

70197.jpg北岸の排水機場に隣接したスペースは、河畔のテラスとして整備されていました。小さいながら日除けやベンチ、お手洗いまで備えた立派なもので、テラスというより小公園の趣きです。

写真奥にゲートが見えるように、閘門を眺めるにも具合のよい場所であり、南岸にくらべて小高い位置にあることもあって、眺望もよく居心地は悪くありません。
撮影地点のMapion地図

70198.jpgテラスからはスロープが伸び、前回紹介した、船着場様の拡幅部に降りられるようになっていました。

このテラスが一通りの設備をそろえているのは、船着場の待合スペース的な機能を考えてのことかもしれませんね。静かな家並の中にある、閘門の見える船着場とテラス、素敵じゃないですか。


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失礼ながら、笑ってしまったのがこの看板。法面や護岸の構造が、柵の根入まで図面のように詳しく描いてある…。テラスの利用者に向けての注意としては、ずいぶん濃厚な情報量です(笑)。

70200.jpg変わり型閘門・津島屋閘門のディテールだけでなく、変貌しつある通船川の様子も観察することができて、満足満足。

おっと、堤防の向こうには、まだ通船川水門が控えています、こちらも楽しんでいくとしましょう。




(23年8月10日撮影)

(『通船川水門…1』につづく)

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タグ : 通船川水位低下化河川通船川水門