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9月20日のフネブネ…1

(『9月20日の墨田川造船…2』のつづき)

272011.jpg墨田川造船辰巳を見た後は、辰巳運河を通って内水に戻ったのですが、珍しく先行艇が一隻いて、航跡をたどってゆっくりと抜けることに。

好天を映して水も青く、光線も塩梅よろしく、辰巳水門もいいお顔。2隻で縦陣を組んで進む面白さとあいまって、秋晴れに恵まれた水路行は何を眺めても楽しいものです。


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同じく辰巳運河、水門をくぐってから行逢した豆曳船「第36東庄丸」。黒い船体、フロントグラスも甲板室もない背の低いシルエット、乗り組みさんの座る椅子も昔風の折り畳みパイプ椅子と、まあ好みど真ん中。

クジラの頭のような丸い船首が押し分ける豪快な船首波、排気を含んだ噴流が船尾に盛り上がるのも、パワフルな感じが伝わってきて実に佳し。すっかり上機嫌になりました。

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人気コミック「ワンピース」の100巻発売を記念した展示が、浜離宮の内水面に面した「WATERS takeshiba(ウォーターズ竹芝)」で公開されており、艇からも見られると聞いて、ファンとして見逃せまいと浜離宮へ。

展示については後ほど改めますが、近づいて写真を撮っていたら、水門の外からボー、ボーと長声が。これは水上バスの入港だと察して、ゴースターンで後ずさると、間なしに水辺ラインの「こすもす」がヌッ、という感じで汐留川水門をくぐって現れました。

水上バスにとっては径間だけでなく、天地もギリギリの水門をくぐって入港するシーンは、それだけで緊迫感あふれる、迫力のある一瞬です。 

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水門をくぐってすぐ、左手にある観光汽船の船溜をかわしつつ、90度の取舵を切って大きく船尾を振り、ウォーターズ竹芝船着場にピタリと達着! イヤ、お見事。

そうそう、この船着場について紹介するのをすっかり忘れていました。昨年夏に開設された、都内水路の定期航路では最も新しい船着場なんですよ。遅ればせながら、覚え書き的に以下メモ。

JR東日本ニュース(2020年6月10日)」によると、昨年6月19日に供用開始、一般社団法人竹芝エリアマネジメントが「WATERS takeshiba」の前面の汐留川の占用許可を受け、 JR 東日本が整備を行っているとのこと。水辺ライン、観光汽船とも寄港する船着場です。

ただし、従来からある築地川・浜離宮の船着場は、水辺ラインの寄港は無くなったとのこと。観光汽船は寄港便を継続するとのことですから、利用する際は注意が必要ですね。詳しくは浜離宮恩賜庭園の「『東京水辺ライン』船着場変更のお知らせ(2020年7月17日)」をご覧ください。

272015.jpg水上バスの話題といえばもう一つ、つい最近知ったのですが、観光汽船が苦境に陥っており、ついにクラウドファンディングを募り始めたそうで‥‥。

【存続危機】浅草発の水上バス事業の継続をご支援ください。 - クラウドファンディングCAMPFIRE
大川筋の華、一銭蒸気の時代から存続する唯一の船社ですから、水路者としてはぜひ、何らかの形で協力できればと思っております‥‥。


(令和3年9月20日撮影)

(『9月20日のフネブネ…2』につづく)

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タグ : 辰巳運河汐留川隅田川辰巳水門汐留川水門曳船水上バス浜離宮

7月12日の運河風景…3

(『ようやく会えた! 巡視船「みかづき」』のつづき)

253016.jpg行逢艇がいないのを確認してから、エンジンと艇体の健康維持のため、埠頭に沿ってデッドフルでしばらく飛ばしました。

GPSの速度表示を見ると、46.3km/h‥‥25kt。6月7日、このあたりで出した最高速度が25.6ktでしたから、少しづつですが、やはり船底の汚れや貝類の付着で、抵抗を増しているのがわかります。

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新末広橋が視界に入ったところでスロットルをしぼり、面舵を切って辰巳運河へ。

向こうを走り抜けるりんかい線の電車、湾岸道路、首都高湾岸線が接して水路上空を横切ってゆく湾岸ならではの風景、見慣れてはいても爽快な感じがして、よいものです。

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そして辰巳水門。扉体の取り換え工事はだいぶ前に終わり、水門自身はスッキリしたものの、右側はまだ結構な規模の護岸工事が続いていて、錆色の鋼管矢板が立ち並んでいます。

東雲、豊洲水門と並んで、巻上機室に高潮防御の標語を掲げる水門であるだけに、メンテナンスの予算も相応に割かれているのか、文字に褪色や汚れが見られないのはさすが。

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水門をくぐれば、林立する東雲のタワーマンションをバックに、主塔をそびえさせる人道橋、辰巳桜橋の艶姿。東岸にある地下鉄辰巳駅への通勤路とあって、朝は多くの人々で賑わうでしょう。

辰巳運河両岸、人口が多かったせいもあるのでしょう、早くからテラス化が進められ、現在は水際の石組み法面も整備されて、外観だけでなく引き波の消波効果も高い、舟航路としても理想的な環境が整いつつあります。

253020.jpg東雲運河に出て左折、独航艀がもやうおなじみ宇部さんの岸壁を一枚。

実は、この方向から見たクレーン(アンローダー)の妻板が、アスキーアート‥‥いわゆる顔文字に見えると一部で好評でして。そういわれればと、改めて撮りにおもむいたもの。ナルホド、「( ・ω・)/」に見えますね!
撮影地点のMapion地図

(令和2年7月12日撮影)

(『7月12日の運河風景…4』につづく)

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タグ : 辰巳運河東雲運河辰巳水門

12月31日の運河風景

(『船橋港の水門と水路めぐり…16』のつづき)

200146.jpgおっと、積み残しがあった‥‥。しつこいですが、抜けるような青空と、風穏やかな冬の天候は、舟行きにとって宝物といっても、いい過ぎではありません。文字どおり、目に入るものすべてが輝いて、どの水路を通っても、曇りの日の数倍(当社比!)は素晴らしく見えるのですから。

というわけで、船橋探索の帰り道に眺めた、大晦日のフネやら橋やら、もろもろをまとめてみました。

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タグ : 東京港東京ゲートブリッジ辰巳水門辰巳運河東雲北運河巡視艇浚渫船

10月16日の辰巳運河…2

(『10月16日の辰巳運河…1』のつづき)

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久しぶりに通るのだし、アップでもものしておこうと裏側を仰いで。興味のない方からすれば、水門のディテールはいずこも似たようなものとお思いでしょう。しかし船頭の目からすれば、辰巳水門のチャームポイント(!)がちゃんとあるのです。

堰柱天端に一本づつ、縦にボルト留めされた短い鉄骨がそれ。外観から、落橋防止装置と似た役割のパーツと推測されます。つまり、大地震が来たとき巻上機室のガーダーが、ずれて振り落されるのを防ぐためのものでしょう。近隣に散在する同規模の水門では見られないものだけに、興味をそそられるのです。

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196008.jpg角落しのはまった姿を記念に一枚。やはりこちらから見ると、光の加減もよろしくだいぶ明るい表情に撮れますね。出たらすぐ面舵を切らないといけないので、真正面から狙えないのが痛いところ。

くぐってすぐ左手、もう一隻のクレーン台船が。右手のハウスに「66号千羽丸 中川船舶」とありました。以前出会った「33号千羽丸」の兄弟ですね。


196009.jpg少し距離を置いてから、クレーン船と水門のツーショットを振り返って。

ご存じのとおり、水路幅がぐっと広がった位置に設けられた辰巳水門は、左右に長大なコンクリート堤防を従えた、独特の景観の中に鎮座しているのも特徴の一つ。また上下流とも橋が間近にあって、陸路鑑賞するにはもってこいの環境であるという意味でも、珍しいかもしれません。

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胃袋のような形をした水面を、右へ左へと切りクランク状に艇を歩かせて、高速湾岸線を中心とした橋梁過密地帯に突入。一番上流側、新辰巳橋のオレンジ色の桁が映えて、曇り空で沈みがちな水面に、彩りを添えてくれました。
撮影地点のMapion地図

(28年10月16日撮影)

(『10月16日の辰巳運河…3』につづく)

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タグ : 辰巳運河辰巳水門台船

10月16日の辰巳運河…1

196001.jpg入渠整備のため、例によって江戸川へ回航したのですが、その道々で拾った川景色をいくつか。午前中、晴れの予報を得て出てはみたものの、ご覧のとおり雲が多く、少々やる気を萎えさせてつつも運河へ。

工事中で交互通航の新砂水門、朝の輻輳する時間帯とあって、写真のように渋滞することも。新水門が竣功するまで、「水路の渋滞風景」がしばらく見られることでしょう。

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時間に余裕があったので、少しだけ遠回りしてみようと、しばらくご無沙汰していた辰巳運河を経由してみることにしました。

六叉流を左へ切ると広がるのは、こげ茶の塗装が薄手の桁をきりりと引き締めている辰巳橋と、右手に林立する天を衝くタワーマンション群が織りなす、エッジの立ったシャープな風景。

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水路幅が広がるあたり、右手に見えるのは都所有の桟橋、もやっている二隻は左から「ありあけⅡ」と「かもめ」。このすぐ右手には、都港湾局管理下の全水門を集中制御している、高潮対策センター都港湾局HPより)があるのだそう。

ん? 改めてよく読んでみると、最後に「※廃止予定の呑川地区4水門を除く」とありますね! 羽田周辺の船溜群を守る小さな水門たち、近い将来に撤去されてしまうのかしら‥‥。4水門と船溜については、「南前堀…1」以下のシリーズをご覧ください。

196004.jpg水門の予告信号と航路標識を備えた斜張橋、辰巳桜橋も曇り空に逆光とあっては、間近から見上げてもちょっとサエない表情。右手の東雲から対岸、有楽町線辰巳駅へのほぼ唯一の道とあって、結構な通行量です。

左に見える辰巳水門は、径間を一つ閉鎖し、手前にクレーン台船もいて工事中。標語が大書きされた巻上機室を見上げながら、スロットルをしぼって右径間へ。こちらからだと暗く沈みがちだけれど、くぐった向こうなら、少しは明るい表情が拝めるかしら。

196005.jpg

撮影地点のMapion地図

(28年10月16日撮影)

(『10月16日の辰巳運河…2』につづく)

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タグ : 砂町運河辰巳運河新砂水門辰巳水門