8月13日の川景色…2

(『8月13日の川景色…1』のつづき)

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道々の落ち穂拾い、つづき。おなじみ羽田可動橋の北側桁を一枚。色褪せた側面が、雲の多い空に埋もれがちでいま一つでしたが、長らく使われていない割には、表面に錆が流れているとか、塗装が剥離しているなどの痛々しさがあまりなく、不思議なところではあります。

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連結面(?)のアップ。見たところ、枠の上にある3つの装置から、油圧で棒が突き出してロックする機構のようですね。下に点検用らしいマンホールや、ランボードも見えます。

フェンスや防音壁など相応に古びてはいるものの、海に近く、潮風にさらされるご当地だけに、あまり傷みが見られないのはなぜでしょう。定期的に最低限の手入れはされているのでしょうか。

209088.jpg平和島運河に入り、呑川水門の見えるあたりまで来ると‥‥。あらら、しばらく訪ねなかったら、えらい変わりようですね。

左右に鋼矢板で防波堤(?)を作った中に、繋留杭が打たれて桟橋も備えられ、暫定繋留施設のようなものができていました。



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繋留施設は水門の正面を塞ぐように設けられ、出入りができないとはいわないまでも、近づきがたい印象に。

水門の右側、「防潮堤工事中につき‥‥」なる横断幕が掲げられ、水門の中もなるほど工事中の雰囲気。鋼矢板の防波堤が、いかにもとってつけたような、仮設らしい感じだったことから、工事中のみ中にいた繋留艇を外に出した、というように見受けましたが、どうなんでしょう。それともいよいよ、水路が埋め立てられて、水門も廃止されるのかしら?

209090.jpgお隣の貴船水門前にも、同様の繋留施設が設けられていました。ただ、水門内の工事は終わっているようで、白い肌のコンクリート堤防と、繋留艇の姿も見えましたから、埋め立てるというわけではなさそう‥‥。

先ほど訪ねた南前堀と同じ伝で、水門内の防潮堤を増高・強化し、万が一水門が閉鎖できないときも、内水の堤防が高潮を食い止めるようにする、というパターンのようですね。
撮影地点のMapion地図

‥‥と一人合点して、すっかり安心していたら、帰宅後に冷や水を浴びせかけるようなPDFを発見してしまいました!
東京港の津波・高潮対策について 質疑」(鈴木晶雅前都議会議員HPより)

いわゆる『港南4水門』は、背後の水域が行き止まりで、開閉操作を伴う水門を存続させる必要性が薄れており、新たな整備計画では、4水門を廃止し防潮堤を整備していくこととしている。

詳しくはリンク先をお読みいただきたいのですが、ええと、水門だけ廃止して、内水の防潮堤を高める‥‥という意味でいいんですよね? 水路を埋め立てて、完全消滅させるということではないですよね? 

いや、残念なことには変わりないですが、ヒヤリとしたいうか、ちょっと安心したというか。というわけで、羽田周辺で独特の魅力を醸し出していた、港湾局管轄下の小水門群、お別れのときが近づいてきたようです。

(29年8月13日撮影)

(『8月13日の川景色…3』につづく)

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タグ : 海老取運河 平和島運河 羽田可動橋 呑川水門 貴船水門

羽田周辺の船溜めぐり…5

(『羽田周辺の船溜めぐり…4』のつづき)

20066.jpg船溜の例に漏れず、各船のオーナーが、思い思いに桟橋をあつらえてもやっているのですが、ほとんどは価格・耐久性の点からでしょうか、工事の足場に使われるような鉄パイプ組みのもの。

この桟橋、主構造(?)は鉄パイプながら、手すりや歩み板は木製で、なかなかの雰囲気。一見、やっつけたような造作に見えますが、個人で桟橋を組み上げるのは、結構大変なのでしょうね。
私が桟橋を持てる身分になったら…。木製の簡易トラス構造に、チェーンブロックで上下するドルフィンが釣ってあるとか、マニアな桟橋にしてみたい…、などと、妄想してしまいました。

20067.jpg
縦列繋船のお陰か、はたまた貴船堀に歓迎されているのか、すんなりと奥まで来ることができました。堀の周りは、意外に人通りが多く、また北側には木立があって、悪くない雰囲気です。

もやうフネブネは、漁船とプレジャー型が、半々くらいでしょうか。

20068.jpg旧呑川船溜では、最奥部の写真がブレブレでお見せできなかったので、ここでようやくご覧に入れられます。砂地のままのスロープに、インクライン式船台の線路が一組設けてあるのは、北前堀、旧呑川と同様です。

手前の水面にフェンスが張られているのは、ゴミの漂着を防止するためでしょうか。船台の背後も金網で囲まれて、陸上からも、自由に出入りできる感じではなさそうですね。

20069.jpg貴船堀を出て、みたび平和島運河に戻り、最後の目的地へ。フェンスと澪標に囲まれた、「ふるさとの浜辺公園」の水面に沿って進みます。

前回触れた国土変遷アーカイブの航空写真、「USA-M376-44」を見ると、写真右に見えるコンクリート堤は、防波堤として造られたものだったことがわかります。現在の大森グラウンドに、かつて東京ガスの工場があった際、この防波堤の内側を、横付けする船舶の船溜としていたのですね。今は堤内側に砂洲ができて、トリさんの社交場になっているようです。

そうそう、京浜運河と、この平和島運河をつなぐ水路、「ガスミオ運河」なる変わった名前がついていますが、これも東京ガスの工場に出入りする船のために、浅瀬を浚渫して造った澪筋(ガス澪)が、その由来のようですね。
これも先の航空写真で、澪筋を確認することができます。いや~、昔の写真を見ていると、埋め立ての歴史が髣髴されて、興味が尽きないなあ…。

20070.jpg昭和島西岸では、クレーン船が出て、護岸工事中のようです。水辺を見ると、真新しい石積みの法面護岸を構築中。

浜辺公園の対岸と言うこともあり、公園からの視界に入るここを、体裁よく修景するための工事なのでしょう。風波から守られた広い水面であることも手伝って、プレジャーボートの皆さんにも、眺めのよい泊地として、いずれ人気が出るかもしれません。


(21年12月13日撮影)

(『羽田周辺の船溜めぐり…6』につづく)

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タグ : 貴船堀 平和島運河 貴船水門

羽田周辺の船溜めぐり…4

(『羽田周辺の船溜めぐり…3』のつづき)

20061.jpgふたたび平和島運河に出て、どんより曇った空の下を北上。前方には、「大森ふるさとの浜辺公園」の砂浜が、白く見えてきました。

次に目指す船溜は、あの砂浜の南端近くにあります。



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貴船水門前に到着。…同じような水門ばかり見せられて、そろそろウンザリしてきたころかもしれませんが、アンテナのあるなしとか、階段のつけどころとか、細かい部分の違いを、よろしくお楽しみいただきたく…。

ここ貴船堀も、大部分が埋め立てられたという点では、他の船溜と変わりありませんが、かつての形はなかなか個性的でした。
国土変遷アーカイブの航空写真に、かつての堀の形が写っています。昭和22年撮影の「USA-M376-44」(200dpiでご覧ください)の写真左上、弓なりに反った防波堤の右端近くが、貴船堀の入口です。
かぎの手に、東京ガスの敷地を囲むようにして奥に伸び、さらに丁字流で2本の支堀を分かつ、まるで迷路のような水路形…。ミニ水郷と言ってもよい情景が、展開されていたに違いありません。

もし、今も残っていたとしたら、支堀の奥まで走ってみたくなるような、魅力的な水路になっていたことでしょう。イヤ、ビッシリともやわれた海苔舟に恐れをなして、入口付近で逃げ出す公算が高いかな?

20063.jpgお邪魔してみると、こちらは縦列繋船ですか、これなら奥までいけるかな…。

ちなみに、この右(北西方)には、幕末に徳川家の大筒丁打場(大砲の試射場)が設けられ、岸に沿って南東方向を射界としていたとのこと。今でも遺跡は残っているのでしょうか。もしかしたら、昔、運河の底を浚渫したとき、当時の円弾(丸い大砲のタマ)が掘り出された、なんてこともあったかもしれませんね。
撮影地点のMapion地図

20064.jpg水門を入ってすぐのところにもやっていた、この漁船にハートわしづかまれた! 傾斜前面2枚窓の、やたらとスリムなキャブが格好良すぎます。アンカーも古風なストックアンカーと、ダンフォースにしないあたり、硬派の雰囲気濃厚。

惜しむらくは、だいぶくたびれているところですが、船体は健全のようですから、ガンネルを張り替えて、化粧直しをすれば見違えるでしょう。

20065.jpg護岸は、旧呑川のそれより、さらに星霜を経た風に見える、石組みの法面。

埋立が進む戦後しばらくまで、風向きによっては、直接外海の波が堀を洗うこともあったでしょうから、早い時期に堅固な護岸が組まれたと見てよいでしょう。



(21年12月13日撮影)

(『羽田周辺の船溜めぐり…5』につづく)

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タグ : 貴船堀 平和島運河 貴船水門

平和島運河


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平和島運河
所在地:東京都大田区大森東2~大田区大森南5
延長:1.8km
最小水深:A.P.-1.0m
最小桁下高:A.P.+4.5m
メモガスミオ運河青印)を入口とし、昭和島の西、大森との間を隔てる水路と、京浜南運河赤印)と干潟を二分し、京浜運河海老取運河緑印)を結ぶ南方水面に分けられる。運河の名称となった、平和島西側を通る水路は、昭和56年に埋め立てられ、後に平和の森公園が整備された。
大森側に内川水門(青鋲印)、貴船水門(赤鋲印)、呑川水門(緑鋲印)(いずれも一径間)がある。北端には業務船の船溜が、また各水門の奥も船溜になっており、地元の船の出入りがある。
南方水面は、多摩川を経て神奈川方面に抜ける、内水ルートの一部であり、各河川に船溜が多い水域であることもあって、業務船・プレジャーボートを問わず、通航が頻繁である。
航空写真でもわかるように、水面中央に干潟があるため、澪筋は昭和島と大森に沿って、迂回するような形で通っているが、これを知らずに直行しようとして、干潟に乗り上げる事故が絶えない。干潟の北西角には、オレンジ色のブイ(空色印)も設置されているので、特に満潮時はよく確認してから通航したい。
また、昭和島の西から南方水面に出る部分、モノレール高架の直下あたりは非常に浅く、干潮時の航行が困難な場合がある。
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