「もがみ」型護衛艦来航…5
(『「もがみ」型護衛艦来航…4』のつづき)

●艦旗・国旗掲揚前ですから少し戻りますが、桟橋の東側からの少し引いた眺めを。光線、角度ともいい位置につくと、ちょうどボーディングブリッジにさえぎられてしまうのでした。まあ、それでも晴海埠頭では望むべくもなかった、桟橋側からの船影が拝めるのですから、これもまたよし。
こちら側から見ると、排水や保安上の理由からでしょう、桟橋には結構な片勾配がつけられているのがわかります。画面右手、桁側面には電路がびっしり這わされて、照明やボーディングブリッジへの給電を担っているのも観察でき、興味深いですね。

●ほぼ正横から「くまの」を眺めて。陽を受けた平滑な舷側に、照明塔やボーディングブリッジが影を落としています。後部、ヘリコプター甲板では隊員さんが整列しています。自衛艦旗が掲揚されたすぐ後なので、旗に向かって敬礼していたのでしょうか。
●こちらは国旗掲揚前の「もがみ」の艦首。隊員さんお二人が何かもさもさと動いていたのでよく見てみると、どうやら信号旗の束みたいですね。
ということは、これから満艦飾を行うに違いありません。他の護衛艦同様、マストに高々と張られたワイヤーにひるがえる満艦飾を想像していたので、帰路に目にしたとき、意表を突かれることになりました。

●帰り際に見た満艦飾の「もがみ」。統合マストのツノのてっぺんとはいわずとも、せめてあの台形の頭あたりに頂部が来るだろう、と思っていたら、ずいぶんと低い位置にワイヤーが渡されていて、正直びっくり。
特に、中央の部分は上部構造物すれすれで、失礼ですがいま一つ華やかさに欠けるように思えたものです。もちろん、厳しい任務に就く艦の本分ではありませんから、外野があれこれいうのもはばかられますが、この点でも従来の艦とは違った空気を感じたことも事実です。
●桟橋を離れながら、名残惜しく2隻を振り返って。先ほど出てきた監視取締艇、やはり護衛艦の警備だったようで、西側をゆっくりと遊弋していました。
ステルス性に軸足を置いた外観、掃海隊群に配備された初の護衛艦、22隻と海自始まって以来の量産が計画され‥‥と、初めてづくしの印象深いフネを拝見できた嬉しさ、歴史の一ページに立ち会えたような気がしたものでした。
(令和4年11月13日撮影)
(『11月13日の有明南運河』につづく)

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●艦旗・国旗掲揚前ですから少し戻りますが、桟橋の東側からの少し引いた眺めを。光線、角度ともいい位置につくと、ちょうどボーディングブリッジにさえぎられてしまうのでした。まあ、それでも晴海埠頭では望むべくもなかった、桟橋側からの船影が拝めるのですから、これもまたよし。
こちら側から見ると、排水や保安上の理由からでしょう、桟橋には結構な片勾配がつけられているのがわかります。画面右手、桁側面には電路がびっしり這わされて、照明やボーディングブリッジへの給電を担っているのも観察でき、興味深いですね。

●ほぼ正横から「くまの」を眺めて。陽を受けた平滑な舷側に、照明塔やボーディングブリッジが影を落としています。後部、ヘリコプター甲板では隊員さんが整列しています。自衛艦旗が掲揚されたすぐ後なので、旗に向かって敬礼していたのでしょうか。

ということは、これから満艦飾を行うに違いありません。他の護衛艦同様、マストに高々と張られたワイヤーにひるがえる満艦飾を想像していたので、帰路に目にしたとき、意表を突かれることになりました。

●帰り際に見た満艦飾の「もがみ」。統合マストのツノのてっぺんとはいわずとも、せめてあの台形の頭あたりに頂部が来るだろう、と思っていたら、ずいぶんと低い位置にワイヤーが渡されていて、正直びっくり。
特に、中央の部分は上部構造物すれすれで、失礼ですがいま一つ華やかさに欠けるように思えたものです。もちろん、厳しい任務に就く艦の本分ではありませんから、外野があれこれいうのもはばかられますが、この点でも従来の艦とは違った空気を感じたことも事実です。

ステルス性に軸足を置いた外観、掃海隊群に配備された初の護衛艦、22隻と海自始まって以来の量産が計画され‥‥と、初めてづくしの印象深いフネを拝見できた嬉しさ、歴史の一ページに立ち会えたような気がしたものでした。
(令和4年11月13日撮影)
(『11月13日の有明南運河』につづく)

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「もがみ」型護衛艦来航…4
(『「もがみ」型護衛艦来航…3』のつづき)

●防波堤の先端をかわし、海上保安部の船溜がある東側へ入りました。クルーズターミナルは桟橋構造で建物も大きくないため、着桟している船を反対側から眺められるのは、晴海と違っていいところではあります。

●「くまの」の5インチ砲を左舷側から。米海軍のMk.45・Mod 4という型式の自動砲で、海自では護衛艦「あたご」型から採用されており、すっかりおなじみになってきました。
砲盾の右舷側に何か花輪のようなものが掲げられ、砲口栓にも飾り付けがされていますね。後でご教示いただいたところでは、クリスマスの装飾ということでした。何とも気の早いことです。

●8時が近くなると、ジョンベラの隊員さんが歩いてきて、艦首旗竿で国旗掲揚の準備。同じころ艦尾でも自衛艦旗掲揚の準備を完了しており、この直後ラッパの演奏とともに、2つの旗が掲げられました。清々しい、凛としたひとときに立ち会えて、これまた嬉しいこと。
●旗が上がる直前、東京海上保安部の桟橋から、一隻の監視取締艇が出港してゆくのが目に入りました。おそらく「かぺら」と思いますが、逆光で艇名が読み取れませんでした。
微速のまま右へ折れたので、護衛艦の警備にでてきたのかしら。帰りに確かめてみましょう。
●ターミナルの建屋の下では、すでにたくさんの人たちが並んでいて、「最後尾」の看板を掲げ持つ係員さんの姿も。フリートウィークとて、艦内の一般公開が行われるのですね。いいなあ。
艦旗掲揚が始まると、皆さんいっせいにカメラやスマホを頭上に掲げて、熱気が伝わってくるよう。うんうん、みんなも嬉しいよね、ボクも嬉しいよ‥‥などと、一人水上でうなずく不審者がここに。
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年11月13日撮影)
(『「もがみ」型護衛艦来航…5』につづく)

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●防波堤の先端をかわし、海上保安部の船溜がある東側へ入りました。クルーズターミナルは桟橋構造で建物も大きくないため、着桟している船を反対側から眺められるのは、晴海と違っていいところではあります。

●「くまの」の5インチ砲を左舷側から。米海軍のMk.45・Mod 4という型式の自動砲で、海自では護衛艦「あたご」型から採用されており、すっかりおなじみになってきました。
砲盾の右舷側に何か花輪のようなものが掲げられ、砲口栓にも飾り付けがされていますね。後でご教示いただいたところでは、クリスマスの装飾ということでした。何とも気の早いことです。

●8時が近くなると、ジョンベラの隊員さんが歩いてきて、艦首旗竿で国旗掲揚の準備。同じころ艦尾でも自衛艦旗掲揚の準備を完了しており、この直後ラッパの演奏とともに、2つの旗が掲げられました。清々しい、凛としたひとときに立ち会えて、これまた嬉しいこと。

微速のまま右へ折れたので、護衛艦の警備にでてきたのかしら。帰りに確かめてみましょう。

艦旗掲揚が始まると、皆さんいっせいにカメラやスマホを頭上に掲げて、熱気が伝わってくるよう。うんうん、みんなも嬉しいよね、ボクも嬉しいよ‥‥などと、一人水上でうなずく不審者がここに。
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年11月13日撮影)
(『「もがみ」型護衛艦来航…5』につづく)

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「もがみ」型護衛艦来航…3
(『「もがみ」型護衛艦来航…2』のつづき)

●「もがみ」の統合マストをズームでたぐって。本級の一大特徴であるこれ、「複合空中線」とも、横文字の略称を想像上の一角獣になぞらえ「ユニコーン」とも呼ばれるそうですが、まさにツノといった感じで、いやでも目線が吸い寄せられますね。
友人の一人は「ほくろく様」(福禄寿のこと)のようだと評していました。連想されるものは人それぞれにせよ、従来の艦にはなかった異形は、想像力を刺激することは間違いないでしょう。
●航海艦橋の窓も、天地を抑えた横長のスリット状になり、どこか装甲車輌を思わせる雰囲気。窓枠の数が少なくなった分、水平方向の視界はよさそうですね。
天蓋には各種の空中線が備えられた中、球状の監視カメラが見えるあたり、緊張海域での哨戒には映像記録が欠かせないことがうかがえ、ここにも従来艦とは異なった任務がかいま見えたものでした。
●ゆるゆると歩かせて、もう一隻の「くまの」の正横近くにきました。目を引かれたのは、舷門のハッチが開放されていたことです。
プラグドア、というのでしょうか、電車やバスでも見られる閉鎖時ツライチになる扉ですが、海自艦艇でもこれから珍しくなくなるのでしょう。艦首側のみ水平方向に開くあたり、風波を防ぐことを考えたのでしょうか、興味深いものがあります。

●よいポジションに来たので、「くまの」「もがみ」のツーショットを一枚。薄曇りのかぼそい朝の光線ながら、シャープな艦容が静かに浮かぶ姿を楽しめて、まことに眼福であります。
低視認塗装で施された一桁のハルナンバーにも、新時代のフネらしい雰囲気が感じられて、さまざまな想いが去来ししみじみしたものでした。

●桟橋の内側水面に入ろうと取舵を切り、「くまの」の艦首を横切りながらカメラを向け、パシャパシャと。どうやら正面ドンピシャのが一枚得られ、ニンマリです。いや、正面から拝見するとこれまた異形が際立って、改めて刮目する思いですね。
艦首のアンカーレセスにもハッチがついていて、普通なら必ず見えるはずのアンカーがなく、つるりとまとまっているのも珍しくて‥‥、もうどの角度から眺めても新しさがある艦形。見に来てよかった‥‥。
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年11月13日撮影)
(『「もがみ」型護衛艦来航…4』につづく)

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●「もがみ」の統合マストをズームでたぐって。本級の一大特徴であるこれ、「複合空中線」とも、横文字の略称を想像上の一角獣になぞらえ「ユニコーン」とも呼ばれるそうですが、まさにツノといった感じで、いやでも目線が吸い寄せられますね。
友人の一人は「ほくろく様」(福禄寿のこと)のようだと評していました。連想されるものは人それぞれにせよ、従来の艦にはなかった異形は、想像力を刺激することは間違いないでしょう。

天蓋には各種の空中線が備えられた中、球状の監視カメラが見えるあたり、緊張海域での哨戒には映像記録が欠かせないことがうかがえ、ここにも従来艦とは異なった任務がかいま見えたものでした。

プラグドア、というのでしょうか、電車やバスでも見られる閉鎖時ツライチになる扉ですが、海自艦艇でもこれから珍しくなくなるのでしょう。艦首側のみ水平方向に開くあたり、風波を防ぐことを考えたのでしょうか、興味深いものがあります。

●よいポジションに来たので、「くまの」「もがみ」のツーショットを一枚。薄曇りのかぼそい朝の光線ながら、シャープな艦容が静かに浮かぶ姿を楽しめて、まことに眼福であります。
低視認塗装で施された一桁のハルナンバーにも、新時代のフネらしい雰囲気が感じられて、さまざまな想いが去来ししみじみしたものでした。

●桟橋の内側水面に入ろうと取舵を切り、「くまの」の艦首を横切りながらカメラを向け、パシャパシャと。どうやら正面ドンピシャのが一枚得られ、ニンマリです。いや、正面から拝見するとこれまた異形が際立って、改めて刮目する思いですね。
艦首のアンカーレセスにもハッチがついていて、普通なら必ず見えるはずのアンカーがなく、つるりとまとまっているのも珍しくて‥‥、もうどの角度から眺めても新しさがある艦形。見に来てよかった‥‥。
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年11月13日撮影)
(『「もがみ」型護衛艦来航…4』につづく)

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「もがみ」型護衛艦来航…2
(『「もがみ」型護衛艦来航…1』のつづき)
●では、右舷後方からゆっくりと航過しつつ眺めてゆきましょう。ちなみに手前が「もがみ」、奥が「くまの」です。
艦尾から断面のシルエットを目にすると、おにぎりの上に楊枝が刺さっているというか、何かの記念碑か慰霊塔のようにも見えて、護衛艦離れした、としかいいようがありません。写真では何度も拝見していましたが、実物を目前にすると、その斬新さが改めて伝わってきます。

●雲に隠れていた太陽が顔を出しましたが、時間帯ゆえ当然ながら完全な逆光。それでも水面に反射した陽光で、細部が少し判別できるようになってきました。
艦旗掲揚時刻を控えて、しきりに号令の放送が聞こえ、甲板上には慌ただしく動く乗り組みさんの姿が見られて、自衛隊艦艇らしい引き締まった雰囲気。旭日に浮かび上がるフネ、絵になります。

●「もがみ」のヘリコプター甲板、格納庫の入口付近を眺めて。ステルス性に配慮し、従来は安全網だった甲板周囲の起倒式ハンドレールは、一枚板を連ねたタイプとなり、内舷の側壁はエッジの立った平滑な壁面となりました。
格納庫上の装備は、これが初見の「SeaRAM」近接防空ミサイル。従来はファランクス多銃身機銃が主流でしたから、外観とともにこれも新しく感じられたものです。
●中央部、マストと艦橋周り。船体のタイプは、甲板の重ね方から見て長船首楼というべきなのでしょうが、外舷から上部構造物まで連続した面になっているので、中央船楼型の印象が強いですね。
そして何より、舷側の開口部すべてに硬質のハッチが備えられ、きれいにツライチとなっているところがいいですよね。従前の艦だと、ステルス性を重視したとおぼしき艦形でも、この点は不徹底でしたから。

●いったんズームを戻して、「もがみ」の全景を一枚。すでに各所で語られていますが、艦首から始まる舷側上半のナックルラインが、日本刀のように見えることも手伝っているのでしょう、実に引き締まった、簡潔かつ清新なフォルムに思えたものでした。
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年11月13日撮影)
(『「もがみ」型護衛艦来航…3』につづく)

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艦尾から断面のシルエットを目にすると、おにぎりの上に楊枝が刺さっているというか、何かの記念碑か慰霊塔のようにも見えて、護衛艦離れした、としかいいようがありません。写真では何度も拝見していましたが、実物を目前にすると、その斬新さが改めて伝わってきます。

●雲に隠れていた太陽が顔を出しましたが、時間帯ゆえ当然ながら完全な逆光。それでも水面に反射した陽光で、細部が少し判別できるようになってきました。
艦旗掲揚時刻を控えて、しきりに号令の放送が聞こえ、甲板上には慌ただしく動く乗り組みさんの姿が見られて、自衛隊艦艇らしい引き締まった雰囲気。旭日に浮かび上がるフネ、絵になります。

●「もがみ」のヘリコプター甲板、格納庫の入口付近を眺めて。ステルス性に配慮し、従来は安全網だった甲板周囲の起倒式ハンドレールは、一枚板を連ねたタイプとなり、内舷の側壁はエッジの立った平滑な壁面となりました。
格納庫上の装備は、これが初見の「SeaRAM」近接防空ミサイル。従来はファランクス多銃身機銃が主流でしたから、外観とともにこれも新しく感じられたものです。

そして何より、舷側の開口部すべてに硬質のハッチが備えられ、きれいにツライチとなっているところがいいですよね。従前の艦だと、ステルス性を重視したとおぼしき艦形でも、この点は不徹底でしたから。

●いったんズームを戻して、「もがみ」の全景を一枚。すでに各所で語られていますが、艦首から始まる舷側上半のナックルラインが、日本刀のように見えることも手伝っているのでしょう、実に引き締まった、簡潔かつ清新なフォルムに思えたものでした。
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(令和4年11月13日撮影)
(『「もがみ」型護衛艦来航…3』につづく)

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「もがみ」型護衛艦来航…1

午後から天気が崩れるとの予報を受けて、早めに出航しようと7時前に解纜。朝日を浴びた廃煙突、背後にクレーンが‥‥いよいよ解体が始まるのかしら。

●まだ凪いでいる時間帯でしたが、昼ごろから南風の強風が入ることもあり、湿度はそこそこあって靄がかかっています。
道々、辰巳の高層マンション群をふと見ると、頂部から少し下あたり、たなびくように薄黒い雲がかかっているのに気づきました。陽が出て気温が上がり、加えて湿度も高かったせいなのでしょうか。気温の逆転層があのあたりにあって、靄が滞留したのでしょうね。

まだ太陽の高度も低いので、旧防波堤の森も水面も黒く沈んでいます。朝らしい水路風景と爽やかな空気、毎度のことながら、早起きはしてみるものじゃと一人うなずきつつ飛ばします。

●第一航路に出てみると、ご覧のとおり一面靄が立ち込め視程はよくありませんが、遠方の建造物が、朝日で赤味がかった白いヴェールに飲み込まれてゆくさま、幻想的でしばらく眺めていたくなる美しさ。
靄がかかっているくらいでしたから、風はほとんどないか微風といった程度でしたが、港口から低いうねりが絶えず入ってきており、水面が静穏というわけではありませんでした。すでに沖は、湾外からの南風による波が入ってきていたのでしょう。

●クルーズターミナル遠望、「もがみ」型護衛艦2隻がもやっているのが見えます。逆光と靄が独特のシルエットを強調し、かつてない形の新型艦であることが感じられて、気持ちも高ぶるものが。まだ8時前で、艦旗掲揚まで時間があります。じっくり拝見させていただくとしましょう。
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年11月13日撮影)
(『「もがみ」型護衛艦来航…2』につづく)

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