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観音崎散歩…7

(『観音崎散歩…6』のつづき)

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トンネルのすぐ横には、ゆるい下り坂に沿って並んだ砲台群がありました。先の第一砲台より草木の浸食がひどく、今にも埋もれてしまいそうに見えます。

説明版によれば、ここは北門第二砲台と呼ばれ、第一と同じく明治17年竣工、元は24センチ加農砲6門を備えていたとのこと。うち現存しているのは3砲座で、「日本の要塞」の記事には、大正14年に付属施設をのぞき、除籍廃止されたとありました。

167032.jpg砲台の一つに上ってみました。積もった落ち葉を踏みながら分け入ると、真ん中やや壁寄りに、右写真のようなコンクリートの台座らしきものが。

風化が進んで、骨材がすっかり洗い出されたようになり、崩壊寸前といった感じですが、天端が平滑に加工されていることから、照準装置が何かの基部のように思えました。まあ、砲のあるべき真ん中に、台があるのも少し変ではあるので、砲台廃止後に造られたのかもしれません。

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砲台群を右手に見て坂を下ると、東京湾海上交通センターの敷地内に。海上や水辺からのおなじみの姿は、塔屋の上半分なので、本体(?)はこんなカタチだったのかと妙に感動。

特に塔の基部が格好いいですね。ちなみにこの敷地も、かつては砲台の一部だったそうです。

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海上交通センターの横から、つづら折れの散策道を足取り軽く下ると、最初に見た浜辺のあたりに出ました。探検気分を満喫した後は、やはり水道をゆくフネブネ鑑賞。

ちょうど、黒い船体の巨船が南下してきたので一枚。船名は「GASLOG SHANGHAI」。航路脇に点々と散らばる漁船が、まるで豆粒のように見えるくらい、乾舷の高い大きな船でした。

167035.jpg沖ゆくフネブネを愛でながらのんびり歩いていたら、バーベキューのおこぼれをねだりにきたのか、近寄っても逃げないスズメ君がいたので、一枚パチリ。

緑濃い山肌が磯に迫っているせいか、野鳥の姿も多く見られ、トリ好きとしても楽しいところ。浜はバーベキュー場として開放されているので、鳥たちにとっても格好の餌場になっているのでしょうね。

(27年1月18日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 観音崎観音崎砲台東京湾海上交通センター

観音崎散歩…6

(『観音崎散歩…5』のつづき)

灯台敷地内の屋外展示品や、資料展示室を拝見してから、別ルートでお散歩しつつ山を降りようと外へ。しばし水辺とはお別れです。

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167027.jpg門を出て左手を見ると、うおっ、ものすごく狭い切り通しだ! 幅は1.5mくらいでしょうか、人のすれ違いも難しそうで、しかも道はカーブした急な下りときた! いきなり探検気分を盛り上げてくれますね。

地層のしましま模様と、岩肌のざらついた感触を楽しみながら通ると、切り通し区間はすぐ終わり、灯台の裏手へ出ました。稜線を切り通しで越えたわけですね。この後、道は等高線に沿ったような、山肌をうねる散策路となります。


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うっそうとした山中を、案内板を頼りにたどっていくと、小さな盆地のような広場に出ました。ぐるりの高いところは生い茂る木々で囲まれて、小さな別天地のおもむき。緑の中に、石材やレンガで組まれた構造物が‥‥砲台跡だ!

説明板によると、北門第一砲台跡、明治17年竣工とありました。二つの砲台の平場を、写真中央に見えるレンガのトンネルで連結した構造です。

167029.jpg砲台の一つに上がって、レンガのトンネルをアップで。石材やレンガが多用され、コンクリートの使用が控えめになっているあたり、明治の構造物の雰囲気充分で、よいものです。

「歴史群像シリーズ・日本の要塞」(学習研究社)によると、ここは「観音崎第一砲台」とされ、23口径24センチ加農砲2門が備えられており、大正2年に除籍廃止されたとのこと。盆のように掘り下げた地形から、榴弾砲でもあったのかしらと思っていたら、かつては上写真の向こう側が海に向かって開いており、加農砲の射界が確保されていたのでした。

167030.jpg第一砲台との出会いに勢いを得て、さらに山道をずんずん進んだところ、どこで間違えたのか、反対側のふもとに出てしまったりして、ふたたび汗だくの疲労困憊。

休憩しながらさらに登ると、ふと右写真のトンネルの横に出ました。地山の岩で強度があるのか、ポータルのアーチが一部欠けているのも珍しく、加えてこの、吸い込まれそうな急勾配! 

かつてはここを、砲身や砲架のような重量物が、コロと神楽算で引き上げられたのかなあ‥‥と、妄想させるに十分なこの造り。ぜひ通ってみたいと足を踏み出しかけたら、左手、トンネル内は落盤の危険が云々、の注意書きが目に入りました。残念!

(27年1月18日撮影)

(『観音崎散歩…7』につづく)

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タグ : 観音崎観音崎砲台