超狭小閘門! 西天竜頭首工舟通し…2

(『超狭小閘門! 西天竜頭首工舟通し…1』のつづき)

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ここで、背割堤上の機器類を観察。下流側、写真左手から、ゲート開閉の動力装置と開度計、夜間設備のサーチライト、排水ゲートの開度計(たぶん)、同動力装置、操作盤ボックス、というレイアウト。排水ゲートは、背割堤に開けた排水口を、スライドゲートで開けたてする構造でしょう。

扉体の構造から選択肢は他にないとはいえ、動力化された注排水ゲートを備えた、本格構造の閘門であることに、嬉しさも増そうというものです。

162105.jpg気になったのは、これらの設備が今なお生きているのか、ということ。周りの様子から、見るからに数年のスパンで実用されていないであろうことは、容易に想像できたからです。

操作盤の窓をズームでたぐり寄せてみると‥‥。ゲート操作ボタンのランプは点灯し、ボルメーターの針が触れている! 作動するかどうかはともかく、電源は切られていないことがわかり、ホッとしました!


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管理橋の上流側に移動し、前扉室を眺めてみようと身を乗り出すと‥‥これまた衝撃!
階壁が露出している!

階壁とは、扉の水圧を受ける閾(しきい)を兼ねた凸部で、水位差が大きくないと設けられず、あってもまず水中に没しているものです。
それが、すっかりあらわになっている! 国内ではほとんど、見られない光景ではないでしょうか?

しかし、階壁の水平部には、扉体からのリーク(水漏れ)も程よいらしく、こんもりと草が茂って、長く通航がないことを物語っています。電設が生きていることで安心した気持ちが、少し凹んだ一瞬ではありました。

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舟通し見物の締めくくりとして、上流側から前扉室を眺めることに。具合よくほぼ正面をとらえられる位置に道があり、クルマを洗っていた地元の方にご挨拶して、柵越しに堪能。

しかし‥‥。左手には用水路の取水口に、魚道の落し口も隣接し、右手には越流する調節ゲート! 通航舟を守る浮きのフェンスも、待機場所となる背割堤すらありません。
ひとたび舵を誤れば吸い込まれるわけで、針の穴を通すような、巧みな操船を強いられることが明白。 動力のない艪櫂舟では、近づくことすらはばかられそう!
恐ろしい構造です。

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恐ろしい‥‥でも通ってみたい!

たぐいまれなる狭さ、高い閘程、スイングゲート、そして進入しづらそうな構造! どれを取っても珍しいものばかりで、閘門ファンとしては惹かれざるを得ません。
だいぶ痛んできているのが心配ではありますが、天竜川上流部が、今もって舟航河川である証しとして、長くこの地にあってほしいものです。
撮影地点のMapion地図

(26年11月30日撮影)

(『西天竜頭首工…1』につづく)

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超狭小閘門! 西天竜頭首工舟通し…1

(『旧釜口水門の絵葉書』のつづき)

今回はタメずに、いきなり本題に入りたいと思います! その他のディテールやここを訪ねたそもそもなど、諸々は後ほど。

極小閘門を好いてきたおっさんにとって、この物件があまりにも衝撃的、かつ狂おしいばかりの魅力にあふれているためです!

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やってきたのは西天竜頭首工。釜口から天竜川を下ること4.5㎞ほど、中央線川岸駅もほど近い場所にある、灌漑用取水堰ともいうべきものです。

ここにも釜口水門同様、閘門もとい、舟通しが併設されているのですが、さて、上の写真でどれが舟通しか、おわかりになるでしょうか?

162100.jpg一番右手に、堰柱を突き出しているローラーゲート‥‥違います(だからタメんなと)。私も以前、同じ間違いをしました。こちらは、右手に暗渠で別れてゆく、灌漑用水路取水口の余水吐けのようです。調節用の水門といったところでしょう(佐藤淳一師匠によると、『土砂吐きゲート』とのこと)。

しかし、手入れの行き届いた釜口水門とは打って変わり、アップで見るとコンクリート表面の白化やヒビが著しく、ちょっと痛ましい感じすらしますね。

‥‥で、ご本尊はどちらにおわすかというと、この2本左、階段式の魚道を挟んだ、そのまた隣の‥‥。

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▲ こ れ だ 。

径間はもとより、躯体をあわせても幅が超絶に狭すぎて、パッと見、背割堤の一部といっても違和感のないほど!
 
しかも、この扉体の細長さ! 一瞥しただけでも、他に類のない、ただならぬ香気を発散した雄物(?)であることがわかろうというものです。さらに堰柱がなく、扉体に継ぎ目もない(当たり前だ)ことから、扉体形式はスイングゲートであることは、ほぼ確実!!

超絶狭小スイングゲート閘門。

盆と正月と黄金週間が、束になってやってきたようなてんこ盛りぶりに、おっさん狂喜乱舞(脳内で)。

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辛抱たまらず、息せき切って舟通しに走り寄り、管理橋の上から閘室をのぞき込んで。まあ、息を呑んだ、などという生やさしい言葉ではおっつきません、そう、
戦慄しましたわ。

閘程3~4mほど、普通なら、何のことはない高さのはずが、奈落の底に吸い込まれそうなこのスリット感(意味不明)。おつむをヒートアップさせながらも、扉体右側天端に、軸と駆動装置らしきものを発見して、スイングゲートであることを確認。

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ほとんど怖いもの見たさで直下を見下ろし、戦慄のスロットルもフルアヘッド。いや、希少な魅力も過ぎると、恐怖に限りなく近づいてゆくものなのですね。もちろん通ってみたい。もうたまらなく通航してみたい。ええもう。

入閘中にもやいを取るアイも、ロープもないつるんとした壁面が、戦慄を加速しているようでもあります。ただ、これほど径間が狭いと、金具一つでも有効幅を縮め、さらに排水中に船をひっかけ、転覆でもしたらことですから、これで正しいのかもしれません。

しかし、径間からしても、この前日に見た泥舟(『諏訪湖の船溜と泥舟』参照)専用として設計された舟通しであることは、間違いありますまい。舟航施設が、きわめて地域性の高い物件であることを実感させて、泥舟に出会っておけてよかったと、この地を訪ねた喜びを噛みしめたものでした。
撮影地点のMapion地図

(26年11月30日撮影)

(『超狭小閘門! 西天竜頭首工舟通し…2』につづく)

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