江戸川閘門のディテール…4

(『江戸川閘門のディテール…3』のつづき)

180051.jpg逆光で写りがいま一つですが、前扉室ゲートのアップはあまり撮ったことがなかったので一枚。

この時点での光の加減か、日照時間によるのか、壁面の感じが後扉室のそれより歳相応に見える気が‥‥。しかし、小さい扉体は竣工時、もう一組の巻上機一式を備えていたのでしょうか。もし巻上機室の中に入れる機会があったら、確かめてみたいものです。

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日照時間といえば、これも触れておきたい物件。入口の壁面に一つづつ掲げられている、「徐航」の看板。「航」のアレンジされた書体が味わいがあって、よいものです。

上の写真は前扉室のものですが、これが後扉室になると‥‥。

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ご覧のとおりすっかり褪色して、そろそろ判読も難しくなりそうなくらいですね。「10月4日の新中川…1」で触れた今井水門の扉体同様、“日陰者”ほど命長らえる好例であります。

看板は天地計6か所でボルト留めされていますが、周りの壁面に着脱痕らしきものが見えるので、何度か交換されているのでしょう。最初から同様の書体だったのでしょうか。

180054.jpgというわけで、長い付き合いの閘門にもかかわらず、注意してみるとさまざまな発見があって、楽しめました。例によって行徳可動堰も眺めてゆこうと、分流点を右へ折れて本流を南東へ。

近づこうとすると、堰の右手水面に猛スピードで水煙を上げて走り回るナニカが見え、カン高い爆音も聞こえてきました。どうやら、ラジコンボートの競技会を催しているみたいですね。引き波でお邪魔をしてはいけないので、残念ですが堰見物はあきらめました。

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180度回頭、京葉道路・江戸川大橋を望んで。青空を映す川面はいかにも水量豊かで、爽やかなことこの上なし。

そういえば、江戸川本流もしばらく遡上していないなあ‥‥。優しく波打つ流路を眺めていたら、三郷中之島以北とはいわないまでも、金町浄水場の取水塔や、緑したたる国府台の風景を、久しぶりに訪ねてみたくなりました。
撮影地点のMapion地図

(27年10月4日撮影)

(『10月10日の江戸川閘門』につづく)

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タグ : 江戸川水閘門 閘門 行徳可動堰 江戸川 旧江戸川

改修成った行徳可動堰

(『8月20日の江戸川水閘門』のつづき)

157016.jpg昨年6月、「行徳可動堰の改修…1」、「行徳可動堰の改修…2」で触れたように、老朽化した堰柱の補強と、扉体周りの更新を進めていた行徳可動堰。約一年を経て訪ねてみたら、残る2つの堰柱および扉体も改修が終わっており、面目を一新していました。

原型を尊重したと思しき改修を施されたとあって、遠目に眺めた印象は以前と大きく変わらないのが嬉しく、ずらりと並んだその威容を楽しみながら、微速で接近。

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まずは前回、未改修だった右側の2基にぐっと近寄って。

下部を分厚くコンクリートで巻き立てられ、巻上機室も同様に大ぶりとなったのは、昨年見た左側の2基同様。扉体もシェル式ローラーゲートに更新され、竣工以来のローリングゲートは、これで姿を消したことになります。

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157019.jpg右側2基が少々光の塩梅が悪かったので、昨年改修済みの左側2基も一枚。ううん、この角度から見上げると本当に格好がよいのですが、直前に橋が架けられてしまったら、もう拝めなくなるなあ‥‥。

下写真、単体で真正面から眺めると、意外とほっそり見えて、また違った印象ですね。入り組んだ側面のディテールと、橋脚を兼ねた堰柱の長い全長が、もっと幅があるように錯覚させているのかもしれません。

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次に訪ねるときはもう、架橋工事が始まっているのでしょうか。せめてこの日このときの姿を、愛でておくこととしましょう。
撮影地点のMapion地図

(26年8月20日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 行徳可動堰 江戸川

行徳可動堰の改修…2

(『行徳可動堰の改修…1』のつづき)

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交換されたローラーゲートの径間を、正面から見て。新しい扉体は塗装もつややかで、遠くから眺めても、ひときわ輝いて見えます。

127017.jpgローリングゲートを上下させていたスリットが生かされて、斜めに上がるローラーゲートという、変わり種になりましたが、そのせいで一見したかぎりでは、旧扉体とほとんど見分けがつきません。旧来の特徴ある外観が保たれたという意味でも、よかったと思いました。

外壁を補強され、すっかり若返った堰柱を見ると、日本橋川の錦橋(『あの錦橋が光り輝いている件…2』参照)が思い出されました。どちらも、原形をできるだけ損なわずに、改修するやり方を採ったという意味では、よく似ています。

127018.jpg改修前・改修後の二つの堰柱を、見くらべてみましょう。巻上機室の幅・天地寸法は明らかに増しており、側面の窓はふさがれて、新たに設けられた開口部には扉様の蓋がされて、換気扇が併設されています。

チャームポイント(?)である、正面の窓はどうでしょうか。壁の面積が増した分、小さくなったように見えますが、眼の錯覚かな? ともあれ、原形のイメージは損なわれておらず、「川の巡洋艦戦隊」の威容は、今後も楽しめるといってよでしょう。本物の巡洋艦なら、近代化改装成った、といったところです。

127019.jpg

127020.jpg江戸川特定構造物改築事業(行徳可動堰改築)」は図版も豊富で記事も読みやすく、楽しく拝読したのですが、それにつけても残念だったのは、新しい行徳橋を堰の上流側に隣接して設ける、ということです。

堰の管理上、仕方のない部分もあるのでしょうが、オリジナルを損なわない改修をしたにもかかわらず、手前に橋をかけて隠してしまうのは、さすがにいかがなものかと、考え込んでしまいました。下流側に橋を増設する方法は、採れなかったのでしょうか…。

ともあれ、希少種であるローリングゲートはもとより、特徴ある堰柱の威容を存分に眺められるのも、残りわずかとなりました。橋が架かる前に、何回訪ねられるかわかりませんが、できる限り記録しておきたいものです。


(25年6月23日撮影)

(『6月23日のフネブネ』につづく)

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タグ : 江戸川 行徳可動堰

行徳可動堰の改修…1

(『6月23日の江戸川閘門…2』のつづき)

127011.jpg独特の風貌を持つ堰柱群と、回転しながら上下する円筒形の扉体・ローリングゲートという貴重な形式のゲートを備え、東京周辺の水門の中でも特異な存在である、行徳可動堰。

竣工から50年以上が経ち、閘門を備えた可動堰を上流側に新設、現可動堰は撤去という計画もあったようですが、さまざまな理由から、現在の設備を大改修して引く続き運用してゆくことになり、平成23年度から工事に着手したとのこと。

閘門設置の計画が取り止めになったのは、閘門バカとしては残念ではありましたが、巡洋艦の艦橋を思わせる堰柱に惹かれていることもあり、工事の進み具合は如何と、寄り道してみることに。

近づいてみると、上流側から見て左側2基の堰柱が白くなっており、周りに足場や台船などは見られず、思ったより片付いた印象。第一期工事が終了し、中休み中といったところでしょうか。

127012.jpg
さらに接近して、右2基の堰柱から検分。こちらは外観にほとんど変わりはないものの、正面下にスリットが設けられていました。

国交省・関東地方整備局の「江戸川特定構造物改築事業(行徳可動堰改築)」(PDF)によれば、工事は可動堰だけでなく、堰柱を橋脚としている現在の行徳橋を撤去し、上流側(!)に新しい行徳橋を架設するとのこと。スリットは、新設橋に関連するものでしょうか。

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そしてこちらが、コンクリートの肌も真新しい、改築された堰柱。

鉄筋を打ち込み補強したとのことで、旧来の艦橋ぽい印象は保たれていますが、外壁にコンクリートが盛られた分、巻上機室が頭でっかちになり、窓が相対的に狭く見えて、少々鈍重な感じを受けました。

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左から2番目の堰柱を見上げて。独特のスタイルが失われなかったのは喜ばしいものの、閘門併設が成らなかったのは、まことにもって残念無念であります。

初夢大妄想・ここに閘門が欲しい!」でも触れましたが、ここに閘門ができると、千葉方面への行動範囲が、飛躍的に広がるんですがねえ…。

127015.jpg左径間の扉体は、すでにシェル式ローラーゲートへ取り替えられていました。中央・右径間はまだ、旧来のローリングゲートのままです。

水門図鑑「鋼製ゲート百選」(技報堂出版)の行徳可動堰の項に、「この形式は長径間ゲートとして大正年間から設置されてきたものの、この行徳可動堰を最後に他の形式に変わってきた。その意味で、このゲートは貴重な水門遺産である。」とありました。

先のPDFの予定表によれば、中央・右径間(2号・3号ゲート)の工事は、25~26年度に行う予定とのこと。国内水門史上、希少なこのローリングゲートも、あとわずかで見られなくなるわけですね。
撮影地点のMapion地図

(25年6月23日撮影)

(『行徳可動堰の改修…2』につづく)

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タグ : 江戸川 行徳可動堰

初夢大妄想・ここに閘門が欲しい!

初夢をお題にするには、あまりにも遅すぎるのが痛いところなんですが、ギリギリ松の内ということで平にご容赦を。年に一度くらいは、自分の欲望に正直になろうと、日々めぐらしている妄想のうちの一つ、「ここに閘門があったら、すんごく楽しくなるんだがなあ」というあたりを、初夢をたてまえに垂れ流してみようと思います。

なお、以下はあくまで船頭個人の脳内にて、水運バカ的好都合が熟成した妄想であります、各方面の事情は一切考慮しておりませんので、この点あらかじめ、悪しからずご了承ください。

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タグ : 江戸川閘門 行徳可動堰 新川東水門 新川排水機場 秋ヶ瀬取水堰 閘門