2月6日の行徳可動堰…2
(『2月6日の行徳可動堰…1』のつづき)

●南側に気を取られていたら、たちまち吹き寄せられてバウが北を向いたままリーウェイ、あっという間もなく扉体ギリギリ、堰柱の一つが目前にそびえる位置に。
うおおっ、と一人で騒ぎながら左一杯でゴースターン。後退しながらカメラは構え続け、あてずっぽうにシャッターを切り続けます。

●旧海軍巡洋艦の艦橋を思わせる、堰柱と久々の邂逅、その迫力ある風貌が変わらず在ることを目の当たりにできたのは嬉しいものでしたが、直前に迫る橋や新設された管理用通路に阻まれて、せっかくの個性ある意匠がスポイルされてしまっているのは、やはり寂しいものが‥‥。
もっとも悪いことばかりではなく、橋の自転車道を兼ねた歩道は下流側で、堰柱の"顔"を間近に眺めるには、うってつけの造りであること。一度訪ねてみたいです。

●行徳可動堰を後にしながら、改めてがっつり(!)"目隠し"された様子を振り返って一枚。堅牢で幅員のある新しい行徳橋の竣工は、もちろん喜ばしいことですが‥‥。
個人的な趣味の目線で見ると、堰の改修時に挙がっていた閘門の新設計画が成らず、旧放水路との航路化が実現しなかったのが、今さらながら惜しまれます。
●この日は江戸川本流を遡上したりせず、行徳可動堰を訪ねた後は、すぐに再び閘門を通って下航しました。実は燃料がかつがつで、寄り道をする余裕がなかったのです。
逆光の中、扉体からしたたる雫がキラキラする後扉室を傘をさしてくぐり、帰路へ。ゲートの左手では、安全帽姿の職員さんが径間をのぞき込んで、点検の最中でした。お疲れさまです。
(令和4年2月6日撮影)
(『2月6日の水路風景…1』につづく)

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●南側に気を取られていたら、たちまち吹き寄せられてバウが北を向いたままリーウェイ、あっという間もなく扉体ギリギリ、堰柱の一つが目前にそびえる位置に。
うおおっ、と一人で騒ぎながら左一杯でゴースターン。後退しながらカメラは構え続け、あてずっぽうにシャッターを切り続けます。


もっとも悪いことばかりではなく、橋の自転車道を兼ねた歩道は下流側で、堰柱の"顔"を間近に眺めるには、うってつけの造りであること。一度訪ねてみたいです。

●行徳可動堰を後にしながら、改めてがっつり(!)"目隠し"された様子を振り返って一枚。堅牢で幅員のある新しい行徳橋の竣工は、もちろん喜ばしいことですが‥‥。
個人的な趣味の目線で見ると、堰の改修時に挙がっていた閘門の新設計画が成らず、旧放水路との航路化が実現しなかったのが、今さらながら惜しまれます。

逆光の中、扉体からしたたる雫がキラキラする後扉室を傘をさしてくぐり、帰路へ。ゲートの左手では、安全帽姿の職員さんが径間をのぞき込んで、点検の最中でした。お疲れさまです。
(令和4年2月6日撮影)
(『2月6日の水路風景…1』につづく)

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2月6日の行徳可動堰…1
(『2月6日の旧江戸川…5』のつづき)
●分流点から面舵一杯で江戸川本流に入り、行徳可動堰と正対しました。逆光の中に黒く沈む、新しい行徳橋と可動堰。
近寄ってつぶさに見るのは、堰の改修が成った平成26年8月以来、実に8年ぶりですから、そりゃ橋の一つも竣工しようというもの。背中に強い風を受けて、押されるように接近です。

●‥‥まあ、手前に新橋ができる計画はずいぶん前に知っていたので、こうなることは予想していましたが、天地のある桁なのも手伝い、特徴ある堰柱はマスクをされた格好で、完全な目隠し状態。
堰柱を共用していた、旧行徳橋はどうしたろう‥‥右手、南側を見たら、高欄や路面ごと2径間だけ残されて、前後は撤去されている桁が見えました。撤去工事が進んでいるようですね。

●追い風が強いので、流されて扉体にぶつからないよう注意しなければなりませんが、これは橋の向こうまで進まないと、堰柱を拝むことは叶いません。
エンジンをニュートラルにして、風のみで流されながら進入。ぶつかりそうになったら、ゴースターン一杯で飛びすさればよしと腹を決め、8年ぶりの堰柱とご対面。以前見た計画図どおり、橋から堰柱側面へ管理用通路が渡されています。
改修時、堰柱下部前端に設けられたスリット、橋脚が接続されるとか、新橋に関係あるものと思っていたら、違ったようですね。

●ギラギラと目を射る冬の低い陽光で、雪目になりそうなのをこらえながら正面に目をやると‥‥。水位差が少なく意外と近い下流側水面の広がりとともに、高欄や路面を撤去され、桁のみになった旧行徳橋の姿が。
美しい冬の贅、抜けるような空と澄んだ水面をバックに眺める、寂寥感あふれる廃橋風景。遅ればせながら、お疲れさまでしたといってあげたいです。
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年2月6日撮影)
(『2月6日の行徳可動堰…2』につづく)

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近寄ってつぶさに見るのは、堰の改修が成った平成26年8月以来、実に8年ぶりですから、そりゃ橋の一つも竣工しようというもの。背中に強い風を受けて、押されるように接近です。


堰柱を共用していた、旧行徳橋はどうしたろう‥‥右手、南側を見たら、高欄や路面ごと2径間だけ残されて、前後は撤去されている桁が見えました。撤去工事が進んでいるようですね。

●追い風が強いので、流されて扉体にぶつからないよう注意しなければなりませんが、これは橋の向こうまで進まないと、堰柱を拝むことは叶いません。
エンジンをニュートラルにして、風のみで流されながら進入。ぶつかりそうになったら、ゴースターン一杯で飛びすさればよしと腹を決め、8年ぶりの堰柱とご対面。以前見た計画図どおり、橋から堰柱側面へ管理用通路が渡されています。
改修時、堰柱下部前端に設けられたスリット、橋脚が接続されるとか、新橋に関係あるものと思っていたら、違ったようですね。

●ギラギラと目を射る冬の低い陽光で、雪目になりそうなのをこらえながら正面に目をやると‥‥。水位差が少なく意外と近い下流側水面の広がりとともに、高欄や路面を撤去され、桁のみになった旧行徳橋の姿が。
美しい冬の贅、抜けるような空と澄んだ水面をバックに眺める、寂寥感あふれる廃橋風景。遅ればせながら、お疲れさまでしたといってあげたいです。
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年2月6日撮影)
(『2月6日の行徳可動堰…2』につづく)

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江戸川閘門のディテール…4
(『江戸川閘門のディテール…3』のつづき)
●逆光で写りがいま一つですが、前扉室ゲートのアップはあまり撮ったことがなかったので一枚。
この時点での光の加減か、日照時間によるのか、壁面の感じが後扉室のそれより歳相応に見える気が‥‥。しかし、小さい扉体は竣工時、もう一組の巻上機一式を備えていたのでしょうか。もし巻上機室の中に入れる機会があったら、確かめてみたいものです。

●日照時間といえば、これも触れておきたい物件。入口の壁面に一つづつ掲げられている、「徐航」の看板。「航」のアレンジされた書体が味わいがあって、よいものです。
上の写真は前扉室のものですが、これが後扉室になると‥‥。

●ご覧のとおりすっかり褪色して、そろそろ判読も難しくなりそうなくらいですね。「10月4日の新中川…1」で触れた今井水門の扉体同様、“日陰者”ほど命長らえる好例であります。
看板は天地計6か所でボルト留めされていますが、周りの壁面に着脱痕らしきものが見えるので、何度か交換されているのでしょう。最初から同様の書体だったのでしょうか。
●というわけで、長い付き合いの閘門にもかかわらず、注意してみるとさまざまな発見があって、楽しめました。例によって行徳可動堰も眺めてゆこうと、分流点を右へ折れて本流を南東へ。
近づこうとすると、堰の右手水面に猛スピードで水煙を上げて走り回るナニカが見え、カン高い爆音も聞こえてきました。どうやら、ラジコンボートの競技会を催しているみたいですね。引き波でお邪魔をしてはいけないので、残念ですが堰見物はあきらめました。

●180度回頭、京葉道路・江戸川大橋を望んで。青空を映す川面はいかにも水量豊かで、爽やかなことこの上なし。
そういえば、江戸川本流もしばらく遡上していないなあ‥‥。優しく波打つ流路を眺めていたら、三郷中之島以北とはいわないまでも、金町浄水場の取水塔や、緑したたる国府台の風景を、久しぶりに訪ねてみたくなりました。
【撮影地点のMapion地図】
(27年10月4日撮影)
(『10月10日の江戸川閘門』につづく)

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この時点での光の加減か、日照時間によるのか、壁面の感じが後扉室のそれより歳相応に見える気が‥‥。しかし、小さい扉体は竣工時、もう一組の巻上機一式を備えていたのでしょうか。もし巻上機室の中に入れる機会があったら、確かめてみたいものです。

●日照時間といえば、これも触れておきたい物件。入口の壁面に一つづつ掲げられている、「徐航」の看板。「航」のアレンジされた書体が味わいがあって、よいものです。
上の写真は前扉室のものですが、これが後扉室になると‥‥。

●ご覧のとおりすっかり褪色して、そろそろ判読も難しくなりそうなくらいですね。「10月4日の新中川…1」で触れた今井水門の扉体同様、“日陰者”ほど命長らえる好例であります。
看板は天地計6か所でボルト留めされていますが、周りの壁面に着脱痕らしきものが見えるので、何度か交換されているのでしょう。最初から同様の書体だったのでしょうか。

近づこうとすると、堰の右手水面に猛スピードで水煙を上げて走り回るナニカが見え、カン高い爆音も聞こえてきました。どうやら、ラジコンボートの競技会を催しているみたいですね。引き波でお邪魔をしてはいけないので、残念ですが堰見物はあきらめました。

●180度回頭、京葉道路・江戸川大橋を望んで。青空を映す川面はいかにも水量豊かで、爽やかなことこの上なし。
そういえば、江戸川本流もしばらく遡上していないなあ‥‥。優しく波打つ流路を眺めていたら、三郷中之島以北とはいわないまでも、金町浄水場の取水塔や、緑したたる国府台の風景を、久しぶりに訪ねてみたくなりました。
【撮影地点のMapion地図】
(27年10月4日撮影)
(『10月10日の江戸川閘門』につづく)

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改修成った行徳可動堰
(『8月20日の江戸川水閘門』のつづき)
●昨年6月、「行徳可動堰の改修…1」、「行徳可動堰の改修…2」で触れたように、老朽化した堰柱の補強と、扉体周りの更新を進めていた行徳可動堰。約一年を経て訪ねてみたら、残る2つの堰柱および扉体も改修が終わっており、面目を一新していました。
原型を尊重したと思しき改修を施されたとあって、遠目に眺めた印象は以前と大きく変わらないのが嬉しく、ずらりと並んだその威容を楽しみながら、微速で接近。

●まずは前回、未改修だった右側の2基にぐっと近寄って。
下部を分厚くコンクリートで巻き立てられ、巻上機室も同様に大ぶりとなったのは、昨年見た左側の2基同様。扉体もシェル式ローラーゲートに更新され、竣工以来のローリングゲートは、これで姿を消したことになります。

●右側2基が少々光の塩梅が悪かったので、昨年改修済みの左側2基も一枚。ううん、この角度から見上げると本当に格好がよいのですが、直前に橋が架けられてしまったら、もう拝めなくなるなあ‥‥。
下写真、単体で真正面から眺めると、意外とほっそり見えて、また違った印象ですね。入り組んだ側面のディテールと、橋脚を兼ねた堰柱の長い全長が、もっと幅があるように錯覚させているのかもしれません。

●次に訪ねるときはもう、架橋工事が始まっているのでしょうか。せめてこの日このときの姿を、愛でておくこととしましょう。
【撮影地点のMapion地図】
(26年8月20日撮影)
(この項おわり)

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原型を尊重したと思しき改修を施されたとあって、遠目に眺めた印象は以前と大きく変わらないのが嬉しく、ずらりと並んだその威容を楽しみながら、微速で接近。

●まずは前回、未改修だった右側の2基にぐっと近寄って。
下部を分厚くコンクリートで巻き立てられ、巻上機室も同様に大ぶりとなったのは、昨年見た左側の2基同様。扉体もシェル式ローラーゲートに更新され、竣工以来のローリングゲートは、これで姿を消したことになります。


下写真、単体で真正面から眺めると、意外とほっそり見えて、また違った印象ですね。入り組んだ側面のディテールと、橋脚を兼ねた堰柱の長い全長が、もっと幅があるように錯覚させているのかもしれません。

●次に訪ねるときはもう、架橋工事が始まっているのでしょうか。せめてこの日このときの姿を、愛でておくこととしましょう。
【撮影地点のMapion地図】
(26年8月20日撮影)
(この項おわり)

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行徳可動堰の改修…2
(『行徳可動堰の改修…1』のつづき)

●交換されたローラーゲートの径間を、正面から見て。新しい扉体は塗装もつややかで、遠くから眺めても、ひときわ輝いて見えます。
●ローリングゲートを上下させていたスリットが生かされて、斜めに上がるローラーゲートという、変わり種になりましたが、そのせいで一見したかぎりでは、旧扉体とほとんど見分けがつきません。旧来の特徴ある外観が保たれたという意味でも、よかったと思いました。
外壁を補強され、すっかり若返った堰柱を見ると、日本橋川の錦橋(『あの錦橋が光り輝いている件…2』参照)が思い出されました。どちらも、原形をできるだけ損なわずに、改修するやり方を採ったという意味では、よく似ています。
●改修前・改修後の二つの堰柱を、見くらべてみましょう。巻上機室の幅・天地寸法は明らかに増しており、側面の窓はふさがれて、新たに設けられた開口部には扉様の蓋がされて、換気扇が併設されています。
チャームポイント(?)である、正面の窓はどうでしょうか。壁の面積が増した分、小さくなったように見えますが、眼の錯覚かな? ともあれ、原形のイメージは損なわれておらず、「川の巡洋艦戦隊」の威容は、今後も楽しめるといってよでしょう。本物の巡洋艦なら、近代化改装成った、といったところです。

●「江戸川特定構造物改築事業(行徳可動堰改築)」は図版も豊富で記事も読みやすく、楽しく拝読したのですが、それにつけても残念だったのは、新しい行徳橋を堰の上流側に隣接して設ける、ということです。
堰の管理上、仕方のない部分もあるのでしょうが、オリジナルを損なわない改修をしたにもかかわらず、手前に橋をかけて隠してしまうのは、さすがにいかがなものかと、考え込んでしまいました。下流側に橋を増設する方法は、採れなかったのでしょうか…。
ともあれ、希少種であるローリングゲートはもとより、特徴ある堰柱の威容を存分に眺められるのも、残りわずかとなりました。橋が架かる前に、何回訪ねられるかわかりませんが、できる限り記録しておきたいものです。
(25年6月23日撮影)
(『6月23日のフネブネ』につづく)

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●交換されたローラーゲートの径間を、正面から見て。新しい扉体は塗装もつややかで、遠くから眺めても、ひときわ輝いて見えます。

外壁を補強され、すっかり若返った堰柱を見ると、日本橋川の錦橋(『あの錦橋が光り輝いている件…2』参照)が思い出されました。どちらも、原形をできるだけ損なわずに、改修するやり方を採ったという意味では、よく似ています。

チャームポイント(?)である、正面の窓はどうでしょうか。壁の面積が増した分、小さくなったように見えますが、眼の錯覚かな? ともあれ、原形のイメージは損なわれておらず、「川の巡洋艦戦隊」の威容は、今後も楽しめるといってよでしょう。本物の巡洋艦なら、近代化改装成った、といったところです。


堰の管理上、仕方のない部分もあるのでしょうが、オリジナルを損なわない改修をしたにもかかわらず、手前に橋をかけて隠してしまうのは、さすがにいかがなものかと、考え込んでしまいました。下流側に橋を増設する方法は、採れなかったのでしょうか…。
ともあれ、希少種であるローリングゲートはもとより、特徴ある堰柱の威容を存分に眺められるのも、残りわずかとなりました。橋が架かる前に、何回訪ねられるかわかりませんが、できる限り記録しておきたいものです。
(25年6月23日撮影)
(『6月23日のフネブネ』につづく)

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