第三芭蕉丸の船旅…4

(『第三芭蕉丸の船旅…3』のつづき)

19081.jpg航路は、馬放島の南東にある小さな岩礁、地蔵島を避けるため、水道の入口で少し南に折れ、「へ」の字を描いています。右側の代ヶ崎には、わずかな平地に肩寄せ合う集落が見え、瀬戸内の島を思わせる、多島海の情緒たっぷりの眺め。

水道の向こうから、さらに向かってくる船影が見えます。どんな船が来るのか、ワクワクするなあ…。

19082.jpg母港に帰る漁船でしょう、二隻がまるで船足を競い合うように、派手な引き波を立ててすれ違ってゆきました。

あれ、二隻の向こう、馬放島の木の上に見えるマスト、船のものではありませんね。信号所でしょうか? 先ほどから、ピカリ、ピカリと光が見えたので、灯台か何かかな、と気になってはいたのですが。

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やはり船舶信号所ですね。巡洋艦の艦橋のような建屋の上に、灯標や音響信号機らしきものを取り付けた、マストが立っています。信号所といえば、東京や横浜にあるような、電光で信号符字を現示するものしか目にしたことがなかったので、こんな古典的なスタイルのものは、珍しく思えたものです。

昔の港内信号所は、マストに旗旒信号を掲げて、泊地や岸壁の指示をしていたそうです。一見して、そこまで古いようには思えませんでしたが、その時代の残り香を、嗅いだような気持ちになる外観でした。
撮影地点のMapion地図

検索してみると、灯標類を製造している会社「ゼニライトブイ」の「平成20年4月 信号所の無人化、信号灯の老朽換装」に、信号所を無人化した際の記事が載っていました。
名称は塩釜信号所で、昭和38年から管制官が常駐し業務を行なっていたところ、同社の装置が平成20年4月に設置されたため、宮城海上保安部からの遠隔操作が可能になったとのことです。

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馬放島をかわしたあたりで、またも観光船と反航。松島ベイクルーズの「あおば」です。

227総t、定員400人を誇る大型船で、まるで走るガラスケースのよう、船内からの眺望は良さそうですね。第三芭蕉丸同様、最上甲板に一等船室をいただく豪華船ですが、私はシブい第三芭蕉丸のほうが好き(笑)。

19085.jpg見どころの多かった水道を抜けると、島々に茂る緑が目に沁みるようになりました。

駆け抜ける漁船を見送りながら、ふと我にかえると、さすがに寒さが身に沁みて、ツラくなってきました。そろそろ船室に入り、一休みするとしましょう。


(21年12月3日撮影)

(『第三芭蕉丸の船旅…5』につづく)

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タグ : 松島観光船 船舶信号所