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新井郷川排水機場の「船通し」…1

(『通船川水門…2』のつづき)

70211.jpg阿賀野川を渡ってやって来たのは、農林水産省・北陸農政局の管轄下にある、新井郷川排水機場。標高が1m未満の土地が大半を占める、旧豊栄市地域の治水の要となっている排水機場です。

ここを訪ねたのは、もちろん閘門があるからですが、敷地の外から閘門を観察するのは、地図の上で見てもどうも難しそうです。ところが幸いなことに、地元の方のご紹介で見学の許可が下り、閘門を間近に見られることとなりました。お世話になった皆様、ありがとうございました。
撮影地点のMapion地図

70212.jpg排水機場の前庭には、記念物らしい塔状の建物(上写真)が。近づいてみると、旧排水機場の軸流ポンプが飾られていました。船舶の可変ピッチプロペラに似ていますね。

【新発田】くらしを守る新井郷川排水機場」(新潟県)に略歴や諸元が掲載されていますが、旧排水機場(新井郷川大排水機場)は昭和36年に、現排水機場は平成7年の竣工。「新潟県で2番目に大きな排水機場」という一言に、地域の期待の大きさが見て取れます。

70213.jpg
排水機場本体の見学は失礼して、巨大な除塵機群を間近に眺めながら閘門へ。ちょっと残念な気もしますが、時間が限られているので致し方ありません。

70214.jpg排水機場の建物が途切れたところに、まるで寄り添うようにして造られた閘門が出現。決して小さい閘門ではないのですが、隣接する建屋のカサが結構あるためか、「可愛らしい閘門だなあ」というのが第一印象でした。

しかし、今まで見た4つの閘門同様、閘室の護岸には、ビットやアイのたぐいがほとんど見えませんね。ここまでくると、新潟の閘門独特の特徴のように思えてしまいます。

70215.jpg
閘室の外側から。後で銘板を紹介しますが、この閘門「船通し」が正式名称です。この名前で呼ばれている閘門は、略式の構造である場合が多いのですが、よく見ると注排水ゲートを備えた本格閘門。写真でも閘室側壁の右手に、注水ゲート設備が出っ張っているのがわかりますね。

案内してくださった職員の方に、「いつも通っている江戸川閘門は、扉体を細目に開けて直接注排水している」と話したら、「それはちょっと、(通航船が)危険じゃないですか?」との反応がありました。


(23年8月10日撮影)

(『新井郷川排水機場の「船通し」…2』につづく)

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タグ : 新井郷川排水機場舟通し閘門新井郷川