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7月23日の川景色…1

(『7月23日のフネブネ…3』のつづき)

69016.jpgちょっと戻って、新月島運河(新月島川)で見たものをいくつか。

ここでの楽しみの一つが、石垣護岸を存分に眺められること。一本北の月島運河(月島川)とくらべて、繋留船が少なくちょっと寂しい部分はありますが、その分護岸の鑑賞には具合がよく、古い埋め立て地であることが感じられ、いいものです。

写真のような、水辺に立てられた神社が艇から見られるのも好きなところ。ちなみに船乗りからも崇敬された、住吉さんだそうです。さすが。

69017.jpgまた、木々が水面に張り出しているところもいくつかあり、それが街路樹や桜並木でなく、私有地から生えているものがほとんどであるところも、興味深いものがあります。

ご多分にもれず、大区画の建物が多くなってきましたが、昔ながらの民家が、のびのびと葉を茂らせた大樹とともにたたずむ姿も見られ、石垣護岸によく似合う、しっとりとした水辺風景の魅力がありますね。

69018.jpgほぼ中央に架かる、清澄通り・新島橋をくぐったあたりから、浜前水門を望んで。

数年前とくらべても、だいぶ繋留船が減った気が…。今や、勝どきマリーナの桟橋周辺だけになってしまいました。




69019.jpg
浜前水門をくぐって。管理橋が薄べったいせいか、信号や電光掲示板は左右の堤防上に追いやられ、左右の堰柱にそれぞれ階段があることも手伝って、賑やかな感じがします。

ちなみに浜前水門、佃~勝どきの隅田川東岸では、唯一都港湾局の管理下にある水門で、他の佃水門、月島川水門は、都建設局・江東治水事務所管理の水門です。

69020.jpgやはり気になる旧臨港消防署の庁舎…跡。護岸ギリギリのこの角度から眺めると、陸側の建屋と上部構造が撤去された跡が生々しく、いかにも廃墟のおもむきです。

しかし、何でこんな中途半端に撤去したのでしょう? 再利用するあてがあるのか、それとも単に堤防の切り取り部分で、計画高水位以下になるところができるからか…。そういえば、ここに架橋計画があるとのことですが、着工はいつごろになるのでしょうね。
撮影地点のMapion地図

(23年7月23日撮影)

(『7月23日の川景色…2』につづく)

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タグ : 新月島運河浜前水門臨港消防署

4月2日の川景色…6

(『4月2日の川景色…5』のつづき)

55026.jpg東武線~桜橋の間の水面は、錨を下ろす屋形船と、岸に沿うようにして遊弋する水上バスで、結構な賑わい。

例年よりちょっと少なめかな、とも思えましたが、それでも解放されたトップデッキに上がって、まだ1分咲きの桜やスカイツリーにカメラを向けるお客さんの顔は、どれもニコニコと楽しそう。やはり川面は賑やかでないと、水ぬるむ季節の到来を迎えた気がしません。

55027.jpg我が艇も最微速まで船足を落とし、屋形船を縫うようにしてゆるゆると上り、桜橋をくぐってから西岸に川面を横断。

ふと見ると、ミズスマシのように機敏なセンターコンソーラが走ってきて、東岸近くに錨を下ろした「あみ達」さんの「ゴジラ」に、ピタリと横付け。他の屋形船にも、同様に近寄っては声をかけている模様。

ははあ、これは噂に聞く、佃煮屋さんの艇でしょうか。こっちにも来てくれないかしら、と期待したのですが、屋形船を回るのに忙しいようでした。

55028.jpg隅田公園周辺の賑わいに力を得て、もう一つの定番スポット・浜離宮前水面ものぞいてみたくなり、下って河口へ。あれ、勝鬨橋西詰上流の簡易船着場も、工事中のようですね。

台船に、テントの骨組みみたいなものが載せられていたので、いよいよ簡易船着場もリニューアルか? と期待しているのですが、本当のところはどうでしょう。

55029.jpg勝鬨橋をくぐり、月島側に目をやると…。
………何か視界に違和感が。

あっ!



55030.jpg
旧臨港消防署の庁舎が、上回りだけ撤去されている! 

しばらく見ないうちに、何やら無残な姿になり果てた「超弩級舟屋」を前に、言葉を失いました。この建物の最大の特徴だった、消防艇のねぐらであった艇庫だけ残されるとは…。後回しにされるほど頑丈だったのか、それとも他に転用する計画でもあるのでしょうか。

いずれにせよ、豊洲大橋から続く道路と、ここから築地に渡る新しい橋の建設計画は、留まることなく進んでいるということですね。
撮影地点のMapion地図

(23年4月2日撮影)

(『4月2日の川景色…7』につづく)

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タグ : 隅田川台船臨港消防署水上バス

マニアパ的水路行…4

(『マニアパ的水路行…3』のつづき)

16016.jpg前回同様、明るい高架下水路を見ていただこうと、大横川の北端から竪川へ。ここもバドン氏的には見どころがありそうですね。

雨がしばらく降っていないせいか、水の透明度は高く、艇の周りをついついと泳ぎ去る魚たちはもとより、水底まではっきりと見ることができるほど。
「前は暑いときに日陰ということでありがたかったけれど、今日みたいに涼しい日に来ても、なかなか爽やかですね。」と佐藤氏。

16017.jpgしばらく進むと、バドン氏がレア物件を発見したようで、奥様と南岸を指差して興奮の面持ち。
「ほら、王子様だよ!」
        …おっ王子サマ?
さすがに言葉を失っていると、バドン氏が指差す先には、何て言うんでしょう、あの煙突の先でクルクル回る換気筒のアレが。
佐藤氏も「まだメッキも輝いていて、美しいですよね」「ここまでキレイなのはなかなか見られない」と、しきりにうなずいておられる…。う~ん、どうやらその筋では、クルクルを指す言葉として、常識的に用いられているようです。勉強不足でした。

16018.jpg「王子様」の衝撃で終わった西側河川の団地めぐり、まさに怒涛のような情報量で、衝撃の連続でありました…。衝撃冷めやらぬまま、竪川を出て隅田川を下り、東京港方面へ。

愛しの超弩級舟屋、臨港消防署の旧庁舎まで来ると、あらら、3つの艇庫にはロープが二重に張られ、「立入禁止」の看板が…。
ううう、私のせいでしょうか。ご迷惑をおかけして申しわけないです…。

16019.jpg
朝潮運河から春海運河に入り、晴海埠頭に接岸する大型客船、「ザ・ワールド」(43,524総t)を眺めながら小休止。
「こうして見ると、客船も団地みたいなものですよね」「団地もあれ(装載艇が、側面の凹部に収まっている)みたいに、クルマとかベランダに吊り上げておけるようにしたら」なんてご意見も。

出港時から、風がちょっと強かったので、最初は安全を考えて見合わせようと思ったのですが、風向もほぼ東に変わったようだし、東京港でこの波なら大丈夫だろうと伝えると、男性軍から歓声が上がりました(奥様、申しわけありませんでした)。
そう、オトコなら、アレを見なくちゃ収まらない…(ニヤリ)。
撮影地点のMapion地図

16020.jpg行きがけの駄賃に、解体中と報じられている、実物大ガンダムの状況も見ておきましょう。

おお、きれいに骨組みだけになっている…。あの白いパーツ、肩の関節でしょうか?



(21年9月20日撮影)

(『9月20日の臨海大橋』につづく)

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タグ : 竪川王子様臨港消防署春海運河東京港客船高架下水路江東内部河川

臨港消防署の仮設庁舎

(『ジェットフォイル入港!』のつづき)

12051.jpg朝潮・佃両水門を通って帰ろうと、朝潮運河に入ると、右手、清掃工場の煙突の真下に、消防艇たちがもやっているのを発見。

もちろんこの時点では、「臨港消防署の異変」に書いたようなことは、気づいていなかったのですが、どうやらここが、臨港消防署の移転先であろうことは、ピンと来ました。
撮影地点のMapion地図

12052.jpgう~ん、腕が悪いせいで、よく撮れていなくて申しわけない。手前側の桟橋をアップで。

以前、「春の嵐と消防艇…1」ほかで紹介しましたが、春海運河のドリルで、放水の妙技を披露してくれた「すみだ」の姿も見えますね。


12053.jpg水路幅が狭まるあたり、岸壁の奥、消防車が停まっているあたりに、2階建てのプレハブっぽい建物が。あれが臨港消防署の新庁舎でしょうか。

これを見た佐藤氏、「どうも、仮のものらしい感じですね」。…う~ん、確かに。恒久的な建物の雰囲気ではないですね。いずれ本式に建て直すのでしょうか。旧庁舎に劣らず、水面とのつながりを感じさせるものになるといいなあ…。

12054.jpg建物からもっとも近い桟橋には、2隻の小型艇、「はるみ」「しぶき」がもやっていました。残念ながら、フラッグッシップたる「みやこどり」は外出中のようです。

しかし…旧庁舎のあった隅田川より、ここ朝潮運河の方が、通航船は少ないため、引き波にあおられることはなさそう。しかも、広く使える分、桟橋への達着も楽でしょうから、乗り組みの方たちにとっては、かえって仕事がしやすいかも…などと、妄想をめぐらせてしまいました。

12055.jpg
「はるみ」にぐっと近寄って。
以前にも、似たようなことを書きましたが、消防艇って、真紅と純白のコントラストがきれいで、写真の下手な私でも、撮るのが楽しくなるフネでもあります。
今回も、曇り空にもかかわらず、鮮やかな“消防艇美”を見せてくれました。


(21年8月9日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 臨港消防署消防艇朝潮運河

臨港消防署の異変

(『水門先生と江東運河地帯…8』のつづき)

12041.jpg亀島川を出て、ふたたび隅田川を下り、臨港消防署の前まで来てみると…あれ? 何か様子がおかしい!

最初に気づいたのは、特徴ある艇庫に、一隻も消防艇がいないことでした。いや、それどころか、手前の水面にあった桟橋群が、全て外されて跡形もない…。よく見ると、庁舎の中も何かがらんとして、灯りがともっておらず、人気が感じられません。

以前、伊根の舟屋になぞらえて、「超弩級舟屋」などと書いたことがありましたが、川面に張り出して造られ、3連の艇庫を持つその独特な構造は、都内の水辺でも異彩を放っており、少なくとも私にとっては、この上なく魅力的な建物だったのです。

この様子だと、もはや取り壊しも間近と見なければなるまい…。いや、これは最初で最後のチャンスかも! 頭に血が上った私は、佐藤氏ら同乗者の同意も取り付けず、いきなり宣言「あそこに入ってみます!」。
(…ゴメンナサイ、ほんの1分ほどで出ましたので…。)

12042.jpg流速があることを考えて、少し上流側に上がってから、進入開始。
エンジンを絞ると、やはりスターンが振られ、達着はなかなか難しそう。う~ん、消防艇の乗り組みの方にとっては、決して使い勝手の良い艇庫とは言えなかったかも、と勝手に想像。

特に、庁舎の建造時より、消防艇も大型化していますから、いかな現代では珍しい、屋根つきの「船蔵」とはいえ、出入りには神経をすり減らしたことでしょう。まあ、何事も慣れてしまえば、意外と大丈夫だったのかしら…。

12043.jpg一番左の艇庫に、鼻先を突っ込みました。
柱の裏にある階段は、なぜか中央に向けて、V字を描いて降りている不思議な構造。かつては手前の頭上にも、板でも渡した通路があったのかしら?

柱の表面には、2本づつ赤錆びたレールが這わせてある…。昔は水門のような、扉か何かがついていたとも思わせるパーツでしたが、もちろん根拠はありません。

12044.jpg天井には、クレーンのたぐいが備えられているものと期待したのですが、ご覧の通りあっさり。

壁にも、表示類などは特に見られず、がらんとした印象でした。撤収した際に取り外したのでしょうか。




12045.jpg上流側の壁面。さすがに星霜を感じさせる風化の具合でしたが、ゴムフェンダーなども一切取り付けてなく、アイがぽつりぽつりと下がっているのみで、こちらもあっさりです。

あちこち見回していたら、うかつにも流速に回されて、右舷が壁に触れそうになり、F氏に壁を押してもらって、からくも脱出。興味深く拝見はしたものの、やはり艇のいない「超弩級舟屋」は、さびしい限りでした…。
撮影地点のMapion地図

帰宅後、検索してみると、もうすでに各所で話題になっている…。ううむ、勉強不足でした。

まず、臨港消防署のオフィシャルサイトをのぞくと、「臨港消防署庁舎移転のお知らせ」で、大きく告知されているのを発見。移転は8月3日からで、仮庁舎は朝潮運河とのこと。しかし、なぜ移転するのかについては、特に説明がありませんでした。

「庁舎の老朽化により」くらい、書いてあってもよさそうなのにな…と思っていたら、ブログ「勝どき倉庫(仮)」に、なるほどと思った記事がありました。
【新聞】臨港消防署移転改築基本設計を綜で開始」によると、春海運河に建設中の、豊洲大橋から延びる道路、環状2号線の計画域に、臨港署が重なるための移転なのだそう。ということは、何年も前から、すでに計画されていたことなのですね。

(21年8月9日撮影)

(『ジェットフォイル入港!』につづく)

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タグ : 臨港消防署消防艇隅田川