羽田の水門と船溜…3

(『羽田の水門と船溜…2』のつづき)

56036.jpg初めて見る羽田水門の裏側。平滑なスキンプレートが美しいよそゆき顔ばかりでなく、構造の走るまさにウラの表情は、ディテールも豊かで味わいがありますね。やはり水門はくぐってこそ。

ここで船溜を出て、いま一つの羽田第二水門に向かいましょう。
ちなみに、便宜上こちらを「羽田第一船溜」、これから向かうものを「羽田第二船溜」と、水門名にちなんで勝手に名付けさせていただきました。正しい名称をご存じの方がおられたら、ぜひご教示ください。

56037.jpgこのあたりは桟橋も多いので、いったん多摩川の河道中央近くに出て遡上、沖から回り込むように羽田第二水門へ。あまり沖に出ると、浅くなっているので要注意です。

ここは斜張橋・大師橋と、首都高横浜羽田空港線橋梁がかたちづくる大三角形の中。羽田第二水門は、この三角形の短辺となる岸辺にあります。


56038.jpg槍づけする屋形船越しに望む、羽田第二水門。

過去ログ「多摩川点描」でも触れたように、羽田水門の方が竣工は新しいのですが、なぜかこちらが第二を名乗っており、また銘板はどちらも「羽田水門」と区別されていないなど、いろいろ不思議な点のある兄弟水門です。


56039.jpgご覧のとおり、堰柱を白い塗装でお化粧して、さらに巻上機室も茶色のコルゲート板できりりと引き締め、弟分よりだいぶおしゃれをしています。

左の護岸に見えるラクガキ、まだ消していないんだ…。イヤ、下らない話で恐縮ですが、羽田第二水門というと、一発で脳裏に浮かぶ絵があるんですよ。

さすがに今は塗りつぶされて消えていますが、以前、左の堰柱基部にやくざなアンパンマン(ゴメンナサイ)みたいな、剣呑なラクガキがデカデカと描かれて、不謹慎ながらその絵柄がツボにはまってしまい、まあ、笑いこけたのなんの。

さらにその後、読売新聞を見ていたら、佐藤淳一氏の「恋する水門」の書評(Das Otterhaus讀売新聞9月23日朝刊、書評に出てます』参照)を発見したまではよかったものの、掲載写真が奇しくも、これまたラクガキ健在時の羽田第二水門。もう完全に追い打ちをかけられ、より強く刷り込まれた形に。失礼ながらウケ狙いなのではと、下司な勘繰りをしてしまったほどでした(こちらもゴメンナサイ)。

56040.jpg
ヨタ話はさておき、ラクガキ水門…もとい、羽田第二水門も初くぐりです。扉体に描かれた真一文字は、増水した多摩川から船溜を守った証し。もう少し晴れていれば、陽を浴びて輝くいいお顔を撮ってあげられたのですが。
撮影地点のMapion地図

(23年4月10日撮影)

(『羽田の水門と船溜…4』につづく)

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タグ : 多摩川 羽田水門 羽田第二水門 羽田第一船溜 羽田第二船溜

羽田の水門と船溜…2

(『羽田の水門と船溜…1』のつづき)

56031.jpg水門の下からのぞくと、正面に家並が。おお、いい感じ…。水路にせよ、こうした船溜にせよ、水門に守られた水面って、内側に入った瞬間が一番面白いですね。

堤防が失せ、水面にほど近い本来の地表高が、艇の目線から実感できるからでしょう。この船溜のように、近くまで家並が迫っていると、なお興味が増すように思えます。


56032.jpgくぐったところで左手、西側に目をやると、漁船が2隻目刺しにもやっていました。船名のとおり、ここは大田漁協の管理下にある船溜です。

「大田区の船大工」(発行:大田区郷土博物館)に掲載されていた、昭和35年撮影の航空写真を見ると、このあたり、旧羽田道から南側にはいくつもの船溜が掘り込まれていました。袋小路的な堀割や、小さな船溜に弱い船頭としては、タマラン川岸風景が展開されていたに違いありません。

56033.jpg中央付近まで入ってから、東側を見たところ。3隻の艇がもやい、奥にはポンツン桟橋もありますが、ちょっと寂しい感じです。地図によると、写真奥にあるのは大田漁協の建物のようですが。

あっ、右手の堤防沿いに桜並木が!


56034.jpg
相変わらずうまく撮れていませんが、曇りのせいにしておきましょう。まさか船溜の中でお花見ができるとは思ってもいなかったので、嬉しくなりました。

水門と堤防に抱かれた小さな水面、というだけで別世界の感があるのに、小さいながら桜並木まであるとなると、何か実物大の箱庭のように思えて、楽しくなります。

56035.jpg西側には先ほどの2隻以外、もやう舟もなく、幅があるだけにガランとした印象。西端角には上下架用のスロープが備えられていますが、護岸に点々と取りつけられたフェンダーのほか、特に気になるディテールはありません。

ちなみにGoogleマップ上でこの船溜の大きさを測ったところ、東西の長さ95m、南北は最大で幅28mと出ました。

多摩川本流に面した桟橋は賑やかなのに、船溜をのぞくと、意外や閑散としているのが印象的でした。やはり気兼ねがなく、しかも出入りしやすい外の方を常用して、こちらは荒天・増水時のみの避難所、といった位置づけなのかもしれません。
撮影地点のMapion地図

(23年4月10日撮影)

(『羽田の水門と船溜…3』につづく)

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