目標、武蔵!…2
(『目標、武蔵!…1』のつづき)
●風上に切り上がるようにして、じりじりと近づいてみました。横目でにらむエスコートの曳船は、特に動きなし。どやされるといけないので、慎重に…。
薄霞む水平線近くのフネブネは、泊地に憩う碇泊船たち。天を突く紅白のジブと秋の海、静かで、幻想的な風景です。

●フックのちょうど真下に、さらに沖合いに浮かぶ「第五十吉田号」が見えたので一枚。
もう間もなく、トラスの待つ富津へ向けて移動を始めるのでしょうね。
●バドン氏が「真横から見ると、ヘビがこうニョロニョロッとしているようにも見えますよね」と、新説を開陳。タラバガニといい、ヘビといい、重鎮お二人の豊潤な想像力には遠く及ばないと、頭をたれる船頭。
あれ? 「武蔵」が、後ろに向かって少しづつ移動しているような…。中央に小さく見える煙突からは、盛んに排気を吹き上げて、何か補機を運転している模様。自力での移動は、できないはずですが…。
●船尾をふと見ると、水面に向かって放水している…、ははあ、アンカーチェーンを引き絞って、後ずさっているのですね。放水は、アンカーチェーンについた泥を、洗い流すためのものでしょう。
わざわざ沖までやって来た甲斐あって、岸近くで作業に奮闘しているときとは、一味違った表情を見ることができ、大いに満足。
帰途は追い波となるので、だいぶ船足を落としたつもりでしたが、佐藤氏やバドン奥様にはしぶきがかかってしまい、ご迷惑をおかけしました(涙)。
●午後の柔らかい陽射しが影を作る、新砂水門に迎えられて、砂町運河に帰還。お疲れさまでした。
マニアパレルの創作活動に、少しでもお役に立てたのか…。若干の不安は残しつつも、団地という新しい水辺の楽しみと、最低橋から巨大クレーンまで、秋晴れの下お三方と存分に味わうことができ、楽しい船行きの一日でありました。
【撮影地点のMapion地図】
(21年9月20日撮影)
(この項おわり)
【追記】たった今発表された、バドン氏の新作。その名も「起重機船Tシャツ」!

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薄霞む水平線近くのフネブネは、泊地に憩う碇泊船たち。天を突く紅白のジブと秋の海、静かで、幻想的な風景です。

●フックのちょうど真下に、さらに沖合いに浮かぶ「第五十吉田号」が見えたので一枚。
もう間もなく、トラスの待つ富津へ向けて移動を始めるのでしょうね。

あれ? 「武蔵」が、後ろに向かって少しづつ移動しているような…。中央に小さく見える煙突からは、盛んに排気を吹き上げて、何か補機を運転している模様。自力での移動は、できないはずですが…。

わざわざ沖までやって来た甲斐あって、岸近くで作業に奮闘しているときとは、一味違った表情を見ることができ、大いに満足。
帰途は追い波となるので、だいぶ船足を落としたつもりでしたが、佐藤氏やバドン奥様にはしぶきがかかってしまい、ご迷惑をおかけしました(涙)。

マニアパレルの創作活動に、少しでもお役に立てたのか…。若干の不安は残しつつも、団地という新しい水辺の楽しみと、最低橋から巨大クレーンまで、秋晴れの下お三方と存分に味わうことができ、楽しい船行きの一日でありました。
【撮影地点のMapion地図】
(21年9月20日撮影)
(この項おわり)
【追記】たった今発表された、バドン氏の新作。その名も「起重機船Tシャツ」!

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超弩級! クレーンバージ船隊…4
(『超弩級! クレーンバージ船隊…3』のつづき)
●以下3枚、交錯するワイヤーとブーム、そしてトラスの競演に惹かれて、やたらとアップで撮ってみたものを…お目汚しまで。

●ひと束何本あるのかわかりませんが、空を舞うワイヤーが、まるでカスミ網か、手伸べ素麺のような質感に見える…。
本当は1本の直径が、少なくとも私の足くらいはあるのかな? ご存知の方、ご教示ください。

●今回、もっとも魅力的に思えた角度。
「武蔵」が角柱、「第五十吉田号」が円柱、「海翔」がトラスと、個性がはっきり見て取れるのが面白く、その他細かい部分でも構造に違いがあるのがわかり、各船の設計思想が感じられるようで、興味が尽きません。

●スケール感が狂わされっぱなしの中、トラス上の右端に、詰所らしい小屋がひとつ、ぽつんと乗っているのを発見。
詰所がモノサシとなって、寒気がするほど素敵な巨大っぷりを表現できたかしらと、一人で悦に入っている一枚。
●西側からクレーン群を眺めつつ漂泊していると、爽やかな好天に恵まれたせいか、プレジャーボートが頻繁に通過してゆきます。皆さんも私同様、巨船たちの威容を楽しまれたことでしょうね。
こちらは、風裏になっていることもあり波も静かで、光線も良く、アイドリングでゆっくり観賞するには、もってこいの環境でした。
●名残惜しいですが、そろそろおいとましましょう。
わが国の海洋土木界の雄が、三隻も集合するのは、もちろん滅多にないこと。イヤ、これを逃したら、まず一生お目にかかることは叶いますまい。
浜出しや架設は見られなくとも、三隻揃い踏みで、トラスに玉掛けしたスタンバイの雄姿を間近に拝見できたのは、やはり貴重な体験で、本当に来て良かったと思えたものです。
【撮影地点のMapion地図】
(21年9月6日撮影)
【21年9月12日追記】浜出しの様子は、がーちゃんさん(がーちゃんフォトアルバム Vol.2)が、「東京港臨海大橋のトラス」でレポートされています。ぜひご覧ください。
(この項おわり)

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●以下3枚、交錯するワイヤーとブーム、そしてトラスの競演に惹かれて、やたらとアップで撮ってみたものを…お目汚しまで。

●ひと束何本あるのかわかりませんが、空を舞うワイヤーが、まるでカスミ網か、手伸べ素麺のような質感に見える…。
本当は1本の直径が、少なくとも私の足くらいはあるのかな? ご存知の方、ご教示ください。

●今回、もっとも魅力的に思えた角度。
「武蔵」が角柱、「第五十吉田号」が円柱、「海翔」がトラスと、個性がはっきり見て取れるのが面白く、その他細かい部分でも構造に違いがあるのがわかり、各船の設計思想が感じられるようで、興味が尽きません。

●スケール感が狂わされっぱなしの中、トラス上の右端に、詰所らしい小屋がひとつ、ぽつんと乗っているのを発見。
詰所がモノサシとなって、寒気がするほど素敵な巨大っぷりを表現できたかしらと、一人で悦に入っている一枚。

こちらは、風裏になっていることもあり波も静かで、光線も良く、アイドリングでゆっくり観賞するには、もってこいの環境でした。

わが国の海洋土木界の雄が、三隻も集合するのは、もちろん滅多にないこと。イヤ、これを逃したら、まず一生お目にかかることは叶いますまい。
浜出しや架設は見られなくとも、三隻揃い踏みで、トラスに玉掛けしたスタンバイの雄姿を間近に拝見できたのは、やはり貴重な体験で、本当に来て良かったと思えたものです。
【撮影地点のMapion地図】
(21年9月6日撮影)
【21年9月12日追記】浜出しの様子は、がーちゃんさん(がーちゃんフォトアルバム Vol.2)が、「東京港臨海大橋のトラス」でレポートされています。ぜひご覧ください。
(この項おわり)

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超弩級! クレーンバージ船隊…3
(『超弩級! クレーンバージ船隊…2』のつづき)
●さっきから、全貌を目の当たりにしているはずなのに、艇の位置が西に動くにつれ、視界の情報量がうなぎのぼりに増えてゆく感じ…。
まあ、光線の塩梅がよくなったのですから、当たり前ではありますが、逆光の中で眺めるそれとは、段違いの迫力です。

●質量過剰。ただ、その一言。
もう、皆さんよくご存知でしょうが、各船名と能力を改めて書き留めておくと…。
手前から、寄神建設の「海翔」、4,100t吊。吉田組「第五十吉田号」、3,700t吊。そして深田サルベージ建設「武蔵」、3,700t吊。
三隻の最大荷重を合計すると、11,500t! 自衛隊のイージス護衛艦も、軽々と持ち上げてしまう力量があるわけだ…。さすが、日本起重機船界の三英傑(?)。
●船隊のほぼ真横に来たあたりで、岸壁の角近くにもやっていた自航式の小型クレーン船が動き出し、目の前を横切ってゆきました。
巨船を背景に見ているので、ついうっかり、「小型」などと書いてしまいましたが、木っ端ブネからすれば充分に大きいのは言うまでもなく、黄色く塗られたクレーンも、少なく見積もって100tくらいの力量はありそうです。
●船名は「おやしお」。これも、深田サルベージの持ち船ですね。塗色のせいか、ちょっと古典的なスタイルにも見え、好きなタイプです。
帰宅してから「おやしお」の要目を見てみると、正式には揚錨船…、つまりバージの錨を打ったり、回収したりする役目の船だそうです。クレーンの巻上荷重は80tと、想像したのと近い数字でした。

●ううう…いやもうタマランです!
しつこいですが、トラス君がもう、往時の輝きを失っている(笑)と言っても、言い過ぎではない小さな存在に見える角度。
もう少しガマンすれば、このデカイ人たちは帰るからね、それまでの辛抱だ…などと、慰めてあげたくなるような、そんな気持ちにさせられました。まあ、実際には台風の接近で、二度に渡って作業が延期されているので、トラス先生にとっては、針のむしろが当分続くのかもしれません…。
(この後のカットは、タイトルでご覧ください)
(21年9月6日撮影)
(『超弩級! クレーンバージ船隊…4』につづく)

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まあ、光線の塩梅がよくなったのですから、当たり前ではありますが、逆光の中で眺めるそれとは、段違いの迫力です。

●質量過剰。ただ、その一言。
もう、皆さんよくご存知でしょうが、各船名と能力を改めて書き留めておくと…。
手前から、寄神建設の「海翔」、4,100t吊。吉田組「第五十吉田号」、3,700t吊。そして深田サルベージ建設「武蔵」、3,700t吊。
三隻の最大荷重を合計すると、11,500t! 自衛隊のイージス護衛艦も、軽々と持ち上げてしまう力量があるわけだ…。さすが、日本起重機船界の三英傑(?)。

巨船を背景に見ているので、ついうっかり、「小型」などと書いてしまいましたが、木っ端ブネからすれば充分に大きいのは言うまでもなく、黄色く塗られたクレーンも、少なく見積もって100tくらいの力量はありそうです。

帰宅してから「おやしお」の要目を見てみると、正式には揚錨船…、つまりバージの錨を打ったり、回収したりする役目の船だそうです。クレーンの巻上荷重は80tと、想像したのと近い数字でした。

●ううう…いやもうタマランです!
しつこいですが、トラス君がもう、往時の輝きを失っている(笑)と言っても、言い過ぎではない小さな存在に見える角度。
もう少しガマンすれば、このデカイ人たちは帰るからね、それまでの辛抱だ…などと、慰めてあげたくなるような、そんな気持ちにさせられました。まあ、実際には台風の接近で、二度に渡って作業が延期されているので、トラス先生にとっては、針のむしろが当分続くのかもしれません…。
(この後のカットは、タイトルでご覧ください)
(21年9月6日撮影)
(『超弩級! クレーンバージ船隊…4』につづく)

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超弩級! クレーンバージ船隊…2
(『超弩級! クレーンバージ船隊…1』のつづき)
●ほぼ真後ろから見たところ。繰り返しになりますが、あの比類なき存在感を誇っていたトラス先生が、今や本当に小さく、まるで囚われの身のよう…。
この角度から眺めて気づかされたのは、三隻の間に、台船が二つかませてあること。これでお互いをガッチリ固定し、三隻が一体となって、橋脚のところまでトラスを運ぶ手筈なのでしょう。
●上の写真では、挟まれた台船がちょっとわかりにくいかと、アップで一枚。
船尾のフェアリーダーからは、手前の海中に向かって、何本もの錨綱が繰り出されているのも見えました。これだけの排水量と、風圧側面積を持つ巨船を、寸分の狂いなく固定するだけでも、大変な仕事でしょうね。
●西側には、いま一隻の警戒船が。通船タイプで、派手な吹流しを掲げており、背後のブームが赤白の対空警戒色(?)であることもあいまって、なかなかカラフル。
クレーンに横付けされている曳船たちも、単独で見れば結構な大型船なのでしょうが、なにしろ御大たちのデカさが半端ではないので、えらく小さい船に見え、スケール感が狂わされること、はなはだしいものがあります。

●美しい………。
西側に移動するにつれて、光線の具合がよくなり、ディテールやブーム側面のレタリングが、はっきりと見て取れるまでになりました。秋晴れの空をバックに眺める、ツートンカラーの美しさは、大げさですが息を呑むほど…。
これが昨今の煙突や一部の水門の如く、ひたすら目立たないよう、まるで迷彩(笑)のように空に溶け込む塗装がなされていたら、これほどクレーン船隊に惹かれはしなかったでしょう。
かような武骨筋のモノ(?)は、やはり毅然とあってほしい…、そういった思いを再認識させた一瞬でした。
●写真の、ずらり並んだブイの群れは、明らかにアンカー(錨)を打った位置に、目印として設けたものでしょう。
このブイ群を目安として、内側に入らないようにしながら拝見していたところ、警戒船からも特におとがめはなく、ゆっくり楽しむことができました。
(21年9月6日撮影)
(『超弩級! クレーンバージ船隊…3』につづく)

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この角度から眺めて気づかされたのは、三隻の間に、台船が二つかませてあること。これでお互いをガッチリ固定し、三隻が一体となって、橋脚のところまでトラスを運ぶ手筈なのでしょう。

船尾のフェアリーダーからは、手前の海中に向かって、何本もの錨綱が繰り出されているのも見えました。これだけの排水量と、風圧側面積を持つ巨船を、寸分の狂いなく固定するだけでも、大変な仕事でしょうね。

クレーンに横付けされている曳船たちも、単独で見れば結構な大型船なのでしょうが、なにしろ御大たちのデカさが半端ではないので、えらく小さい船に見え、スケール感が狂わされること、はなはだしいものがあります。

●美しい………。
西側に移動するにつれて、光線の具合がよくなり、ディテールやブーム側面のレタリングが、はっきりと見て取れるまでになりました。秋晴れの空をバックに眺める、ツートンカラーの美しさは、大げさですが息を呑むほど…。
これが昨今の煙突や一部の水門の如く、ひたすら目立たないよう、まるで迷彩(笑)のように空に溶け込む塗装がなされていたら、これほどクレーン船隊に惹かれはしなかったでしょう。
かような武骨筋のモノ(?)は、やはり毅然とあってほしい…、そういった思いを再認識させた一瞬でした。

このブイ群を目安として、内側に入らないようにしながら拝見していたところ、警戒船からも特におとがめはなく、ゆっくり楽しむことができました。
(21年9月6日撮影)
(『超弩級! クレーンバージ船隊…3』につづく)

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超弩級! クレーンバージ船隊…1

上げ潮で水面が渦を巻く、あけぼの水門をくぐって曙運河を南下、現場へ急ぎます。

この距離から、貯木場に林立するクレーン群のブームを透かして見ても、桁の違う大きさが実感できる、この質量過剰感!
風が少々ありますが、幸い風向は北東、これなら運河から港内に出ても、さほど波に悩まされずに済みそう。雲も少なくよく晴れ渡って、絶好の巨船観賞日和と言えそうです。

●東側から、トラスを前にしたクレーンバージ船隊に接近。逆光の中に、ブームを高々とかざした巨体が黒々と浮かび上がり、さざ波の乱反射がキラキラと目にまばゆい、印象的な初対面。
…しかし、あの圧倒的な存在感を誇っていたトラスが、こんなに小さく見えるときが来るなんて…。
国内最大級の実力を誇る巨人が、3人も居並んだこの迫力の前には、どんな巨大建造物も、こうべを垂れるしかありますまい。

●これだけの大事業、さぞかし警戒も厳重に違いない…。と思いつつ近づくと、キラキラ波の向こうに、やはり遊弋中の警戒船が。
もっと接近して眺めたい気持ちはあるのですが、迷惑にならないように、充分間合いを取りながら微速で移動。光線の向きが観察に具合が悪いので、周りを半周するような形で、ゆっくり流しながら西側に出るとしましょう。

光線だけでなく、風向きからも、落ち着いて観賞するには風裏に回った方が良さそうだな…。
少し増速して、船隊の西側へ。
【撮影地点のMapion地図】
(21年9月6日撮影)
(『超弩級! クレーンバージ船隊…2』につづく)

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