2月9日の川景色…7
(『2月9日の川景色…6』のつづき)
●竪川の西口付近というと、結構浅いという印象が強かったので、魚探の感をチラチラ横目で見ながらの前進。
水門と護岸の工事が続き、クレーン台船はじめ業務船が常駐していた期間が長かったので、浚渫されたであろうという期待もありました。
さて、水門~一の橋間の感を追ってみると、おおむね1.9~2mといったところ。この日、2月9日の11::00時点での推算潮位がA.P.+0.88m、大潮の際いっぱいまで干けば、1.1m程度になりますが、まず木っ端ブネには問題のない水深といってよろしいでしょう。初訪時の記憶は定かではありませんが、以前にくらべて、底状も平坦になった気がします。

●一の橋をくぐり、ぐっと上空を仰いで、竪川独特の高架下空間を久々に堪能。今見上げている高架の下にもう一段、いわば二層式とする計画だったゆえの、この高さと橋脚形状が採られたと聞いていますが、下段が未成となったおかげで、この景観が保たれたわけです。

●角度的にレンズの歪みが出やすく、いま一つピシッと仕上がらないのが痛いところではありますが、冬の低い陽射しでも、ご覧のとおりさんさんと降り注ぐ光、高架下水路らしからぬこの明るさこそ、堅川の身上であります。
右手、暫定繋留施設でしょうか、きれいなポンツン桟橋が見えてきました。もやった一隻にはオーナーが在艇されていて、ラジオをかけつつ楽しげに作業中。生きた船影があると、川面の雰囲気も明るくなりますよね。

●そして塩原橋。こうした無骨そのものの鞍馬型の橋脚も、最近では少なくなりました。かつて貯木場を兼ねていた水路とて、この手の橋脚の方が勝手がよかったのかもしれないなあ‥‥などと妄想。
塩原橋をくぐると、今度は北岸に桟橋出現。センターコンソーラが陽射しに輝いて、建て込んだ街場とはいえ、実にのどかな川景色を演出していました。
【撮影地点のMapion地図】
(令和2年2月9日撮影)
(『2月9日の川景色…8』につづく)

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水門と護岸の工事が続き、クレーン台船はじめ業務船が常駐していた期間が長かったので、浚渫されたであろうという期待もありました。
さて、水門~一の橋間の感を追ってみると、おおむね1.9~2mといったところ。この日、2月9日の11::00時点での推算潮位がA.P.+0.88m、大潮の際いっぱいまで干けば、1.1m程度になりますが、まず木っ端ブネには問題のない水深といってよろしいでしょう。初訪時の記憶は定かではありませんが、以前にくらべて、底状も平坦になった気がします。

●一の橋をくぐり、ぐっと上空を仰いで、竪川独特の高架下空間を久々に堪能。今見上げている高架の下にもう一段、いわば二層式とする計画だったゆえの、この高さと橋脚形状が採られたと聞いていますが、下段が未成となったおかげで、この景観が保たれたわけです。

●角度的にレンズの歪みが出やすく、いま一つピシッと仕上がらないのが痛いところではありますが、冬の低い陽射しでも、ご覧のとおりさんさんと降り注ぐ光、高架下水路らしからぬこの明るさこそ、堅川の身上であります。
右手、暫定繋留施設でしょうか、きれいなポンツン桟橋が見えてきました。もやった一隻にはオーナーが在艇されていて、ラジオをかけつつ楽しげに作業中。生きた船影があると、川面の雰囲気も明るくなりますよね。


塩原橋をくぐると、今度は北岸に桟橋出現。センターコンソーラが陽射しに輝いて、建て込んだ街場とはいえ、実にのどかな川景色を演出していました。
【撮影地点のMapion地図】
(令和2年2月9日撮影)
(『2月9日の川景色…8』につづく)

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2月9日の川景色…6
(『2月9日の川景色…5』のつづき)

●吾妻橋、塗り替え後に構造を仰ぐのは、これが初めて。東側径間を微速で流しつつ、つやのあるペイントの肌を愛でて。
同系色とはいえ、以前のそれにくらべて少し暗い目の、エンジというか、あずき色に近い印象を受けました。以前の赤も雷門の丹塗りを連想させてよいものでしたが、今回の色も鋼橋らしい引き締まった感じで、品もあり悪くありません。

●そのままゆるゆると下航していて、何となく行き過ぎてしまったところで「そうだ!」と180度回頭して戻りました。ご無沙汰していた竪川に、ちょっと寄り道してゆこう!
流速に抗しながらの接近とて、角度がついてしまいうまく撮れませんでしたが、堅川水門と間近に相対するのも久しぶりな気が。

●くぐって裏側も一枚。何度か触れた、隅田川東岸の水門たちに見られる「統一デザイン」の範疇に入りますが、2灯式信号が巻上機室前の縦型、扉体前管理橋の横型と2種類あるのが、横型で揃えている他の水門と違っていますね。
巻上機室の回廊や管理橋の手すりを、上端1本のみ赤く塗っているのは、更新後の新小名木川水門でも見られましたが、洒落た感じがしてよいですね。もっともこれは安全上の配慮で、装飾の意味はないのかもしれません。
●水門をくぐった直後の光景を、久しぶりに訪れた記念にスナップ。高々と水面上にそそり立つ門型橋脚、そしてその高さゆえ、高架下水路としては明るく、一直線の線形も手伝って爽快感のある独特の景観。
長きに渡り、護岸改修や水門の更新工事が続いていて、大横川へ抜けられないこともあり何となく敬遠していて、すっかりご無沙汰してしまいました。だいぶ様子が変わったことと思います、一部区間のみの寄り道ながら、堪能してゆこうと微速前進。
【撮影地点のMapion地図】
(令和2年2月9日撮影)
(『2月9日の川景色…7』につづく)

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同系色とはいえ、以前のそれにくらべて少し暗い目の、エンジというか、あずき色に近い印象を受けました。以前の赤も雷門の丹塗りを連想させてよいものでしたが、今回の色も鋼橋らしい引き締まった感じで、品もあり悪くありません。

●そのままゆるゆると下航していて、何となく行き過ぎてしまったところで「そうだ!」と180度回頭して戻りました。ご無沙汰していた竪川に、ちょっと寄り道してゆこう!
流速に抗しながらの接近とて、角度がついてしまいうまく撮れませんでしたが、堅川水門と間近に相対するのも久しぶりな気が。

●くぐって裏側も一枚。何度か触れた、隅田川東岸の水門たちに見られる「統一デザイン」の範疇に入りますが、2灯式信号が巻上機室前の縦型、扉体前管理橋の横型と2種類あるのが、横型で揃えている他の水門と違っていますね。
巻上機室の回廊や管理橋の手すりを、上端1本のみ赤く塗っているのは、更新後の新小名木川水門でも見られましたが、洒落た感じがしてよいですね。もっともこれは安全上の配慮で、装飾の意味はないのかもしれません。

長きに渡り、護岸改修や水門の更新工事が続いていて、大横川へ抜けられないこともあり何となく敬遠していて、すっかりご無沙汰してしまいました。だいぶ様子が変わったことと思います、一部区間のみの寄り道ながら、堪能してゆこうと微速前進。
【撮影地点のMapion地図】
(令和2年2月9日撮影)
(『2月9日の川景色…7』につづく)

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水路の立役者たち、揃い踏み!
●この趣味、機付きの木っ端ブネと可航水路さえあれば、まず申し分なく成り立つ遊びですので、極端ないい方をすれば、水路上を走る高架も、クレーンも、橋さえもなくたって、一向に構わないわけです。
可航幅を狭める高架橋脚や、上空高を制限する橋桁がなくなるだけで、大型艇の遡上範囲は一気に広がりますし、水上からの見通しもよくなって、眺望とともに航行の安全にも寄与するでしょう。

●しかし、そんな水路に、果たして飽かず惹かれ続けたかしらと考えると、答えは否でしょう。例え開鑿に至る背景や、街の発展に役立った歴史を知っていたとしても、いうなればディテールに乏しい平板な水路風景には、これほどの魅力を感じなかったと思います。
高架や橋の多さは、街が盛んに息づいているあかしであり、それらを見上げ、堪能できる街中の水路歩きは、一部の大都会でしかできない貴重な体験なのだと思っています。彼らはいわば、水路をより魅力的にしている立役者なのです。

●まあ、立役者だとしゃちこばっても、そう思っているのは私含め一部の人だけでしょうから、今回、タモリ倶楽部で取り上げていただけると知ったときは、「テレビを見ている人に、面白がってもらえるのかしら?」という不安は少しあったものの、いつも世話になっている彼らに、何か恩返しをしたような気がして、やはり嬉しかったものです。
それも竪川の高架下水路、水上派出所、旧防波堤、晴海の廃線跡、そして古賀オール岸壁と、船頭的にはまさにオールスター夢の共演で、たたみかけて紹介してくださるというのですから、やりがいもあろうというもの。
もっとも、生来のアガリ症ばかりはどうしょうもなく、緊張のあまり注意散漫になって突っ込まれる(これを書いている時点で、どこまで放映されるかはわかりませんが)など、惨憺たる有様でお見苦しい限り。もう暗渠が…いや、穴があったら入りたい気分です。

●中でも特に嬉しかったのが、「運河の給油所」第一石油販売(上の写真)の方とお話ができたとき。
日曜祭日は休業の上、ディーゼル船専門とくればまずご縁はあるまいと思っていたので、ほんの短時間ながら幸せなひとときでした。こんな貴重な体験ができたのも、番組収録ならではと感謝しています。ありがとうございました。
【ご案内】
竪川ほかの高架下水路、イグアナクレーン、古賀オールについてはそれぞれタグからどうぞ。
竪川については、過去ログ「竪川…1」「竪川…2」「竪川…3」でも全区間を紹介しています。
ちなみに、イグアナクレーンの命名者は佐藤淳一氏です。あっ、もとは中黒つきだったんですね。しまった。
⇒「イグアナ・クレーン」(Das Otterhaus)
【追記】こちらのブログで、タモリ倶楽部を丹念に記録されています。⇒チミンモラスイ!
・[タ]最低橋リンボー・クルージング@大横川
・[タ]Tokyo運河Walker創刊!?

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可航幅を狭める高架橋脚や、上空高を制限する橋桁がなくなるだけで、大型艇の遡上範囲は一気に広がりますし、水上からの見通しもよくなって、眺望とともに航行の安全にも寄与するでしょう。

●しかし、そんな水路に、果たして飽かず惹かれ続けたかしらと考えると、答えは否でしょう。例え開鑿に至る背景や、街の発展に役立った歴史を知っていたとしても、いうなればディテールに乏しい平板な水路風景には、これほどの魅力を感じなかったと思います。
高架や橋の多さは、街が盛んに息づいているあかしであり、それらを見上げ、堪能できる街中の水路歩きは、一部の大都会でしかできない貴重な体験なのだと思っています。彼らはいわば、水路をより魅力的にしている立役者なのです。

●まあ、立役者だとしゃちこばっても、そう思っているのは私含め一部の人だけでしょうから、今回、タモリ倶楽部で取り上げていただけると知ったときは、「テレビを見ている人に、面白がってもらえるのかしら?」という不安は少しあったものの、いつも世話になっている彼らに、何か恩返しをしたような気がして、やはり嬉しかったものです。
それも竪川の高架下水路、水上派出所、旧防波堤、晴海の廃線跡、そして古賀オール岸壁と、船頭的にはまさにオールスター夢の共演で、たたみかけて紹介してくださるというのですから、やりがいもあろうというもの。
もっとも、生来のアガリ症ばかりはどうしょうもなく、緊張のあまり注意散漫になって突っ込まれる(これを書いている時点で、どこまで放映されるかはわかりませんが)など、惨憺たる有様でお見苦しい限り。もう暗渠が…いや、穴があったら入りたい気分です。

●中でも特に嬉しかったのが、「運河の給油所」第一石油販売(上の写真)の方とお話ができたとき。
日曜祭日は休業の上、ディーゼル船専門とくればまずご縁はあるまいと思っていたので、ほんの短時間ながら幸せなひとときでした。こんな貴重な体験ができたのも、番組収録ならではと感謝しています。ありがとうございました。
【ご案内】
竪川ほかの高架下水路、イグアナクレーン、古賀オールについてはそれぞれタグからどうぞ。
竪川については、過去ログ「竪川…1」「竪川…2」「竪川…3」でも全区間を紹介しています。
ちなみに、イグアナクレーンの命名者は佐藤淳一氏です。あっ、もとは中黒つきだったんですね。しまった。
⇒「イグアナ・クレーン」(Das Otterhaus)
【追記】こちらのブログで、タモリ倶楽部を丹念に記録されています。⇒チミンモラスイ!
・[タ]最低橋リンボー・クルージング@大横川
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11月3日のフネブネと川景色…4
(『11月3日のフネブネと川景色…3』のつづき)
●両国橋は工事中で、足場とネットですっぽり覆われていました。「十大橋」の中でも傷みが激しかったので、いよいよ大規模な補修が行われるのでしょう。
このネットがふるっていて、ゆるい曲線を描く桁下端に、赤いネットが帯状に沿わされているのです。遠目に見ると、赤いアーチリングの新しい橋が架かったよう。まあ、単なる警戒色なのでしょうが、見ようによってはなかなか小粋な装いでした。
●神田川に再び入り、下流部で写真を撮った後は、これといって用はなかったのですが、勢いでなんとなく竪川へ寄り道してみました。バウに大野氏を乗せたまま、輻輳する隅田川を横断。
竪川水門をくぐった直後、一の橋の北詰にあったポンツン小屋(過去ログ『竪川…3』参照)がなくなっていました。えーと、火事に逢って燃えてしまったんでしたっけ?(未確認です、違ったらごめんなさい)
●第二橋、塩原橋。橋の上から釣り糸を垂れる人もいますから、最微速で声をかけつつ通過。
雲ひとつない快晴とあって、「明るい高架下水路」竪川を堪能するには絶好のコンディション。水の透明度はいま一つですが、水面にも陽がよく差し、反射した陽光は高架の桁裏を照らして、構造を鈍く光らせます。
【撮影地点のMapion地図】
●橋脚も両端にあってよく陽が当たるせいか、どこか軽快な感じがします。西端部が浅く、低い橋があることもあって、近場の割には訪問頻度が低いのですが、やはり寄り道してみるものです、実に楽しい!
しかし、バウにバラスト要員(失礼)に乗ってもらうと、低速時の保針性が段違いなのを実感するなあ…。
今回はほぼ定員いっぱいの乗艇とあって、アップトリムになってしまい、神田川・日本橋川の動画撮影時には艇がどうしてもふらつき気味で、抑えるのに苦労させられたからです。
MOOK「水路をゆく」完成後に、DVDで神田川の区間を拝見したら、やはりフラフラしているのがわかり、頭を抱えました。後知恵ですが、カディに水を入れたポリタンクでも積んで、トリムを調整しておけばよかったですね。

●しつこいようですが、もう一枚。お天気のときに寄り道できてよかった!
(22年11月3日撮影)
(『11月3日のフネブネと川景色…5』につづく)

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このネットがふるっていて、ゆるい曲線を描く桁下端に、赤いネットが帯状に沿わされているのです。遠目に見ると、赤いアーチリングの新しい橋が架かったよう。まあ、単なる警戒色なのでしょうが、見ようによってはなかなか小粋な装いでした。

竪川水門をくぐった直後、一の橋の北詰にあったポンツン小屋(過去ログ『竪川…3』参照)がなくなっていました。えーと、火事に逢って燃えてしまったんでしたっけ?(未確認です、違ったらごめんなさい)

雲ひとつない快晴とあって、「明るい高架下水路」竪川を堪能するには絶好のコンディション。水の透明度はいま一つですが、水面にも陽がよく差し、反射した陽光は高架の桁裏を照らして、構造を鈍く光らせます。
【撮影地点のMapion地図】

しかし、バウにバラスト要員(失礼)に乗ってもらうと、低速時の保針性が段違いなのを実感するなあ…。
今回はほぼ定員いっぱいの乗艇とあって、アップトリムになってしまい、神田川・日本橋川の動画撮影時には艇がどうしてもふらつき気味で、抑えるのに苦労させられたからです。
MOOK「水路をゆく」完成後に、DVDで神田川の区間を拝見したら、やはりフラフラしているのがわかり、頭を抱えました。後知恵ですが、カディに水を入れたポリタンクでも積んで、トリムを調整しておけばよかったですね。

●しつこいようですが、もう一枚。お天気のときに寄り道できてよかった!
(22年11月3日撮影)
(『11月3日のフネブネと川景色…5』につづく)

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