福岡の水上バス…7

(『福岡の水上バス…6』のつづき)

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出てきた船は、福岡市営渡船の「きんいん2」、海の中道にある西戸崎と大岳を経由して、志賀島に至る航路に就航しています。近郊の生活路線といったところでしょうか。

流れるような甲板のライン、背の低い船橋を後ろに持ってきたスタイルは、なかなかスマートに映りますね。船首から水面に伸びる突起の先にあるのは、確か、動揺軽減のためのスタビライザーだったかな?

出港待ちで退屈させまいとしたのか、ガイドさんの話も熱をおび「我々市民の血税で造られておりますので、冷暖房・テレビ・お手洗い完備! 私の船とは大違いの豪華船です!」と自虐的ギャグを披露。お客さんたちも大笑いで出船を見送ります。

109032.jpgラッキーなことに、間をおかず続けて出港船が登場。すでにタイトルにも掲げましたが、九州郵船が擁する壱岐・対馬航路のジェットフォイル、ヴィーナス2です。ガスタービンのキーンという音を響かせて、次第に船首波を盛り上げてゆく姿、いいですねえ。

壱岐経由で、対馬までおよそ2時間半という韋駄天ぶりと聞けば、次回はぜひ対馬を訪ねてみたくなります。対馬には、国内有数規模のショートカット運河である万関水道、同じく江戸時代に造られた大船越瀬戸よかとこBY・写真満載九州観光より)と、水路バカ垂涎の熱いスポットが二つもあるのですから! 

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2隻の船が去ったところで、対岸に保安庁の桟橋があることに気づかされました。もやっているのは、福岡海上保安部所属のひめぎく型巡視艇、手前から「ふよう」「とびうめ」。

小さな船橋の長さほぼ一杯に、大きな電光掲示板を備えているのが、いかにも国境の海を控えた実戦的装備といった感じです。

109034.jpg川景色とフネブネを楽しんで約30分、初めての福岡水上バスの旅も、終わりが近づいてきました。出船がひと段落すると、ベイサイド・サファイア号は面舵を取りつつ微速前進、桟橋への達着コースへ。

暑からず寒からず、風もなく水面も静穏と、お天気のおかげもあってごきげんな船旅でした。お客さんたちも、水辺風景とガイドさんの名調子に大満足の体で、口々にお礼をいって船を下りていました。


109035.jpg桟橋にもやっている渡船群が気になり、出口へ向かいながらパシャパシャとやったうちの一枚。ベイサイド・サファイア号のすぐ前に繋がれていた玄海島航路の渡船、「ニューげんかい」です。近くの島に渡ってみるのも、楽しそうだなあ…。

いや、のんびりしている場合ではなかった! 何分欲張って予定を組んだので、お次に控える大物スポット(?)を堪能するには、移動に一刻の猶予もなし。全速前進、目指すは天神だ!
撮影地点のMapion地図


(24年11月3日撮影)

(『柳川堀割めぐり…0』につづく)

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福岡の水上バス…6

(『福岡の水上バス…5』のつづき)

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博多港のシンボル的存在といえば、ベイサイドプレイスにそびえるこの、博多ポートタワー。鉄塔としては100mと低めで、高さの割に大きな展望室が目立ち、頭でっかちでどこかユーモラスです。

Wikipedia「博多ポートタワー」を拝読すると、設計者は東京タワーや現通天閣と同じ「塔博士」内藤多仲氏で、竣工は意外と古く、昭和39年とのこと。展望室の上階には、船舶向けのVHF海岸局もあるそうで、港湾施設としての役割も果たしているのですね。

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ここで、沖合いから長い航跡を引いて、白い船体の船が高速で近づいてきました。いま一隻の水上バス、能古マリーン観光の運航する、花天神号です。

奇抜なデザインの甲板室が目を引きますが、船体は既製のFRP艇ぽい感じがします。天神中央公園乗り場と能古島を結ぶとあって、河川と離島航路の雰囲気が同時に楽しめそうですね。…しかし、見たかぎりでは、甲板室の高さが結構ありそう。あの低い橋たちをくぐれるのかしらと、ちょっと心配になりました。

109028.jpg穏やかな空の下に広がる、初めての博多湾! 沖にけぶる靄の向こうに、島々の影がうっすらと望める、清々しい風景です。

ええと、右が「海の中道」でつながっている陸繋島・志賀島、左手にこんもり見えるのが、玄海島でしょうか?




109029.jpgベイサイドプレイスのある埠頭の周りをぐるりと迂回し、東側に出ました。左手、博多国際ターミナルの埠頭に横付けしているのは、釜山通いの客船、カメリアラインのニューかめりあ。排水量20000t近くともなれば、結構な迫力です。

間もなく到着するベイサイドプレイスは、壱岐や対馬に向かう航路もある、玄界灘~対馬海峡の一大ターミナル。出港シーンに出会えるかな?

109030.jpg期待にたがわず、一隻の船が後進で、右手からゆるゆると登場。前進をかけると、くるりとこちらに向き直りました。カタマランですね。

我が船はあちらの出港を邪魔しないように、埠頭側に寄せてニュートラルにし、しばし漂泊です。増速しつつ向かってくる出船をばっちり撮れそうで、嬉しくなりました。
撮影地点のMapion地図


(24年11月3日撮影)

(『福岡の水上バス…7』につづく)

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福岡の水上バス…5

(『福岡の水上バス…4』のつづき)

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しかし、近づけば近づくほど、ほめてやりたくなるくらいの見事な塞ぎっぷりですね。最初は、視点のせいで長く見えるだけで、せいぜい川幅の半分くらいだろうとたかをくくっていたら、とんでもない。優に4分の3くらいはあるように感じられました。

水路上に長々と連なってゆく手を塞ぐものというと、貯木場跡のコンクリート柵が思い出されますが、それと違って、すき間がなく向こうが見えない「壁」は、何か通せんぼをされたような閉塞感があります。

109022.jpg船が青い「壁」を避け、右へ舵を切ったところで、ガイドさんから種明かしがありました。ここは福岡ボートレース場で、「壁」はコースを囲むいわばフェンスなのだそう。レース中の引き波と、それに爆音も抑え込む役割をしているのでしょうね。

ガラス張りの観覧席では、スポーツ新聞でも読んでいるのでしょうか、お客さんの姿もちらほら。「勝った人は手を振ってくれるんですけど、レースがこれからですから予想に集中しているんでしょう、今日は手を振ってくれないですね」とガイドさん。

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船はフェンスの間近をかすめるように通ったので、ディテールが観察できました。遠目にはスダレのように見えた壁の部分は、下見板状のいわばヨロイ戸になっているのですね。

下も水が通りやすい造りになってはいるのでしょうが、河川の本流をいきなり塞ぐ鋼製の構造物は、どこか理屈に合わない感じがして、かえって印象深いものがありました。

鋼管とヨロイ戸が組み合わさった青い長城! ルックス的には、貯木場跡の柵列に勝るとも劣らないものがあるので、むしろその筋の方向けの観光スポットとして、お勧めできるかもしれません。

109024.jpg青いフェンスをかわすと、那珂川の第一橋、みなと大橋が雄大な姿を現わしました。向こうを重なって渡るのは、福岡都市高速環状線です。

ここをくぐれば、いよいよ博多港内ですね。海を前に河口波も感じられず、水面はきわめて穏やかなので、しぶきを浴びる心配はなさそうです。



109025.jpg橋をくぐって、那珂川と別れたところで視界がぐっと開け、左手にはサイロや揚搭設備が立ち並ぶ、港湾風景が広がっていました。

こちらには残念ながら船影はなかったものの、終点のベイサイドプレイスでは、玄界灘に浮かぶ島々を結ぶフネブネが見られるはず。出港シーンが期待できそうで、楽しみですね。
撮影地点のMapion地図


(24年11月3日撮影)

(『福岡の水上バス…6』につづく)

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福岡の水上バス…4

(『福岡の水上バス…3』のつづき)

109016.jpg中洲の最下流側と天神4丁目を結ぶ橋、弁天橋をくぐって。すり抜けは楽しいものの、フラットな上路式の桁橋が多く、下路式の鋼橋やコンクリートアーチに惹かれる者としては、ちょっとさびしい気もします。

ここをくぐれば、右手に博多川との合流点が見えてくるはず。カメラを高く差し上げて待ち構えていると…。



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うおお、ライジングセクターゲート?

三日月形断面の扉体が、端面の円板に付いてぐるりと回る形式の水門です。まさか、こんな珍しいタイプの水門に出会えるとは思っていませんでした。立ち上がって駆け寄りたい気分になりましたが、他のお客さんに迷惑がかかります、グッとガマン。

名前やスペックが知りたくなり、帰宅してから勇んで検索してみたのですが、公開された資料がないのか、あるいは私のやり方が悪いのか、ほとんど引っかかりません。

わかったのは、地図上にあった「博多川井堰機械室」(Mapion地図より)なる表記だけ。「博多川井堰」が、水門の正式名称なのでしょうか。この日は時間がなく、下船後に立ち寄ることもできなかったので、実にもどかしく思いました。ご存知の方、ご教示いただければ幸いです。

109018.jpg須崎橋に近づくと、建物の間隔が広がって視界が開け、港に近づいたことが感じられました。

川面から眺めた福岡の町並みは(ほんの短時間しか眺めていませんが)、ビルの高さが比較的揃っており、すっきりとした印象でした。ガイドさん曰く、福岡は空港が市街地の近くにある関係で、市内の建物は高さが制限されているのだそう。道理で、超高層ビルやタワーマンションが見られないわけですね。

109019.jpg那の津大橋と、その両側を渡る水管も、これまでの橋にましてご覧の低さ。立っていたら手で触れそうですね。

この時点の潮位が160㎝ほど、このあたりの高潮位である220㎝前後になったら、ハードトップを完全に縮めてもすり抜けはおぼつかないでしょう。潮位によっては欠航もあるという、先ほどのガイドさんの言葉が実感できました。

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那の津大橋をくぐっていると、前方に異様な青い構造物が! 

防潮堤か、貯木場の囲いか、河道を塞がんばかりに長々と横たわって、見るからに好奇心をそそりますね。一体何でしょう?
撮影地点のMapion地図

(24年11月3日撮影)

(『福岡の水上バス…5』につづく)

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福岡の水上バス…3

(『福岡の水上バス…2』のつづき)

109011.jpg出発時刻になりました。船長が舵につき、ガイドさんがもやいを解いてマイクを握ると、爆音が高まって船は岸を離れ、ぐるりと回頭して下流を目指します。

お客さんは総勢10名ほどだったでしょうか、両舷側に備えられたスピーカーから聞こえてくる、ガイドさんの解説に耳を傾けつつ、初めての那珂川へ。



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船着場を出て最初にくぐる橋は、明治通りを渡す西大橋。おお、一発目から結構なすり抜け感…。この下流側左手には、薬院新川の合流部があり、河口部には防潮水門もあったようなのですが、残念ながら見損ねてしまいました。

109013.jpg「左手…今、西鉄インの陰になっていますけど、もうちょっとすると見えてきますよ」と、ガイドさんの指す方向に目を向けていると、西中島橋西詰に、美しいレンガ館が姿を現しました。

これ、福岡市赤煉瓦文化館Architectural Mapより)といって、もと日本生命保険相互会社の福岡支店として明治42年に竣工、現在は市の施設になり、重要文化財にも指定されているのだそうです。

109014.jpgそうそう、西中島橋を前に、この船の機能の一端を見ることができました。ウィ~ンとモーター音がしたかと思うと、コンソールのハードトップが三方の側壁とともに下がり始め、座っている船長の頭ギリギリまでになったのです。

やはり伸縮式だったんだと、膝を叩きました。もちろん間髪入れずガイドさんの説明が入り、「これだけ低くなっても、潮によっては橋をくぐれず、欠航ということもあるんですよ」とのこと。河川航路には共通の悩みであります。

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うひょひょ、こちらもまた結構なお点前、イヤすり抜け感で…。トップを降ろしてもなお、きわきわなのがタマランです。
撮影地点のMapion地図

(24年11月3日撮影)

(『福岡の水上バス…4』につづく)

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